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没ネタ供養
○しないと出られない部屋(BLなのか?)
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※この物語に登場するキャラクターは18才以上です。
「実在するのか、セックスしないと出られない部屋……」
「は?」
「たぶんそうだぜ、これ」
「壁、壊せねぇの?」
「それ、脳筋キャラが解決策として思いつくやつ」
「脳筋じゃねぇわ」
手当たり次第に魔法をぶちまける。
びくともしない壁。
「お前もやれよ」
「こういうのは力技ではクリアできないって古事記にも書いてあるぜ」
「書いてねぇよ」
古事記に開かない扉の開け方(岩の動かし方)は書いてあるかもしれないが、セックスしないと出られない部屋からの脱出法は書いていない。
「本気出すか」
「服脱ぐの?」
「変身するたびに服がなくなるんだから、先に脱いでおいたほうがいいだろうが」
「一理ある」
「……ジロジロ見るなよ」
「普段がちびっ子だから、ほら、見慣れてなくて」
「ああ」
「意外と腹筋すごいんだなと思って」
「……」
「え、超かっこいいゴールドアイズホワイトドラゴンへの変身は?」
「……やめた」
「えー」
「他の方法を考えるから、オマエも考えろよな」
「まあ、うん、考えてはみるぜ。部屋の中にカギが隠れている可能性とか」
シャワー、トイレ、一枚のマットレス。
マットレスのそばの箱の中身は、
「うわあ」
「何?」
「タイガーはえっちなあいてむを発見した」
「コンドームとローション?」
「直接言うな! ボカせ!」
「は?」
「もー、ナイハルったらー」
「というか、オレたちでヤれってことか?」
「……(ふたりしかいないし)そうっぽいぜ?」
「やだよ!」
「ナイハルのことは好きだけど……」
「マジ?」
「好きだけど! 積極的にそういうことをしたいかっていうとそうじゃないぜ! 男同士だし!」
「オレだってやだよ」
「……嫌いではない?」
「?」
「嫌われてたらショック受けてそこのマットレスで寝込む」
「寝とけ寝とけ」
「はい……」
マットレスに横になるキー坊。
そのまま一日目終了。
「ほんとに寝るやつがあるか」
「体力全回復だぜ!」
「そのうざったい元気で壁を壊せねぇかな」
「無理だぜ!」
「あっそ」
「ナイハルどこで寝てたの?」
「座って壁に寄りかかった」
「腰痛くない? 大丈夫?」
「……だからって横には寝たくねぇし」
「これ、メシは用意されない?」
「マジ?」
「腹減ったぜ……先生にメシの出てくる魔法を教わっておけばよかった……」
「調理魔法はあるが、素材がないと使えねぇな」
「こんなことになるならポケットにビスケットを入れておけばよかったぜ」
「……ドラゴンの肉なら」
「そんなアンパンマンまがいのことしなくていいぜ?」
「腹減ってるんじゃねぇのか」
「だからって肉を削ってもらうのは人道に反する気がするぜ」
「ああ、そう」
「じいちゃん、助けに来てくれないかな」
「キサキを一人にしておきたくねぇなあ」
「心配?」
「アイツ、魔法使えねぇから」
「先生が見に来てくれてるんじゃない?」
「メーデイアがそばにいるほうが心配だけど?」
「そういうもん?」
「いつ裏切るかわかんねぇから」
「キサキちゃんに対してはないでしょ」
「……どうだろうな?」
「先生、おれには優しいし、悪い人には見えないぜ」
「今だけ騙されとけ」
「ナイハルのことは『可哀想な子』って言ってた」
「誰のせいだよ」
「可哀想って、おれにはよくわからないぜ。ナイハルはミカドと灯さんの子どもで、王太子? なんだから、いい暮らしをしてきたんじゃないの? あのテレスの城で暮らしてたんでしょ? 日本の首都だとありえないレベルの豪邸だぜ? それで、まあ、悪いことをして追放はされたけど、マジメに罪を償っているところだし、何より、可愛い嫁のキサキちゃんと仲良いじゃん」
「……オマエにはそう見えるか」
「たまにヘラって『しにたい』って言ってくるの、ちょっとわからない。イケメンだし、魔法使えるし、超かっこいいドラゴンだし」
「……」
「どうしてしにたいほどつらいの? おれにできることがあれば、教えてほしいぜ」
「なんでオマエに?」
「ナイハルのことが好きだから」
「はあ……」
「好きだから、助けたいぜ」
「オマエには無理」
「そんなぁ!」
「あああああああああああああああああはらへ」
「うるせぇ」
「じいちゃん、ウーバーイーツして!」
「伝達魔法は?」
「ずっと送ってるぜ」
「魔法、遮断されてんのかな」
「じいちゃん……おれ……飢え死にするかも……」
「水はあるからな」
「シャワーの水」
「飲めなくはない」
「たえがたきをたえ、しのびがたきを」
「……おなかすいた……」
「口開くたびにそれかよ」
「ナイハルは減ってないの?」
「喋ると余計に減るから」
「そういうもん?」
「寝とけば?」
「そっか、寝て空腹を忘れるぜ!」
「あのさ」
「……んん?」
「オマエ、女と寝たことは?」
「ど直球でプライバシーの侵害だぜ!」
「ないか」
「そういうナイハルはどうなんですかぁー」
「聞かなくてもわかるだろ」
「そうでした」
「で、ないのか」
「だってぇ! モテないし! 告られないし!」
「興味はある、よな?」
「健全な男子なので、あります」
「オレ、考えたんだけど、このままだとマジでふたりとも飢え死にルートじゃねぇか」
「はい」
「腹を括るしかねぇよな」
「といいますと?」
「初めての相手がオレなのはイヤか?」
「あーーー、んーーーーー、えーーーー」
「どっちだよそれ」
「えっと、えっと」
「何?」
「おれがどっち? これからナイハルに襲われるの?」
「……はあ」
「えっ、何、大事なことじゃない? おれいま変なこと言いました?」
「服脱げ」
「まだ心の準備が」
「わかった、脱がせてやる」
「わあ……積極的……」
「勘違いするなよ。しないと出られないからだ」
「つんでれ……」
「茶化すな、首絞めてやろうか」
「すいませんやめてくださいしんでしまいます」
「……結構デカいじゃん」
「そうかな……」
「もう興奮してんの?」
「このドキドキは不安のほうではなくて?」
「オマエは仰向けに寝とけばいいよ。オレが勃たせて挿れて動けばいいんだろ……オレが……」
「入るの!?」
「オマエが寝てる間、何をしていたかわかるか?」
「寝てる間は知らないぜ、眠ってるから」
「ほんとそういうとこムカつくなァ!」
「や、やさしくして! やさしく!」
「オマエのセリフじゃねぇだろそれ!」
「実在するのか、セックスしないと出られない部屋……」
「は?」
「たぶんそうだぜ、これ」
「壁、壊せねぇの?」
「それ、脳筋キャラが解決策として思いつくやつ」
「脳筋じゃねぇわ」
手当たり次第に魔法をぶちまける。
びくともしない壁。
「お前もやれよ」
「こういうのは力技ではクリアできないって古事記にも書いてあるぜ」
「書いてねぇよ」
古事記に開かない扉の開け方(岩の動かし方)は書いてあるかもしれないが、セックスしないと出られない部屋からの脱出法は書いていない。
「本気出すか」
「服脱ぐの?」
「変身するたびに服がなくなるんだから、先に脱いでおいたほうがいいだろうが」
「一理ある」
「……ジロジロ見るなよ」
「普段がちびっ子だから、ほら、見慣れてなくて」
「ああ」
「意外と腹筋すごいんだなと思って」
「……」
「え、超かっこいいゴールドアイズホワイトドラゴンへの変身は?」
「……やめた」
「えー」
「他の方法を考えるから、オマエも考えろよな」
「まあ、うん、考えてはみるぜ。部屋の中にカギが隠れている可能性とか」
シャワー、トイレ、一枚のマットレス。
マットレスのそばの箱の中身は、
「うわあ」
「何?」
「タイガーはえっちなあいてむを発見した」
「コンドームとローション?」
「直接言うな! ボカせ!」
「は?」
「もー、ナイハルったらー」
「というか、オレたちでヤれってことか?」
「……(ふたりしかいないし)そうっぽいぜ?」
「やだよ!」
「ナイハルのことは好きだけど……」
「マジ?」
「好きだけど! 積極的にそういうことをしたいかっていうとそうじゃないぜ! 男同士だし!」
「オレだってやだよ」
「……嫌いではない?」
「?」
「嫌われてたらショック受けてそこのマットレスで寝込む」
「寝とけ寝とけ」
「はい……」
マットレスに横になるキー坊。
そのまま一日目終了。
「ほんとに寝るやつがあるか」
「体力全回復だぜ!」
「そのうざったい元気で壁を壊せねぇかな」
「無理だぜ!」
「あっそ」
「ナイハルどこで寝てたの?」
「座って壁に寄りかかった」
「腰痛くない? 大丈夫?」
「……だからって横には寝たくねぇし」
「これ、メシは用意されない?」
「マジ?」
「腹減ったぜ……先生にメシの出てくる魔法を教わっておけばよかった……」
「調理魔法はあるが、素材がないと使えねぇな」
「こんなことになるならポケットにビスケットを入れておけばよかったぜ」
「……ドラゴンの肉なら」
「そんなアンパンマンまがいのことしなくていいぜ?」
「腹減ってるんじゃねぇのか」
「だからって肉を削ってもらうのは人道に反する気がするぜ」
「ああ、そう」
「じいちゃん、助けに来てくれないかな」
「キサキを一人にしておきたくねぇなあ」
「心配?」
「アイツ、魔法使えねぇから」
「先生が見に来てくれてるんじゃない?」
「メーデイアがそばにいるほうが心配だけど?」
「そういうもん?」
「いつ裏切るかわかんねぇから」
「キサキちゃんに対してはないでしょ」
「……どうだろうな?」
「先生、おれには優しいし、悪い人には見えないぜ」
「今だけ騙されとけ」
「ナイハルのことは『可哀想な子』って言ってた」
「誰のせいだよ」
「可哀想って、おれにはよくわからないぜ。ナイハルはミカドと灯さんの子どもで、王太子? なんだから、いい暮らしをしてきたんじゃないの? あのテレスの城で暮らしてたんでしょ? 日本の首都だとありえないレベルの豪邸だぜ? それで、まあ、悪いことをして追放はされたけど、マジメに罪を償っているところだし、何より、可愛い嫁のキサキちゃんと仲良いじゃん」
「……オマエにはそう見えるか」
「たまにヘラって『しにたい』って言ってくるの、ちょっとわからない。イケメンだし、魔法使えるし、超かっこいいドラゴンだし」
「……」
「どうしてしにたいほどつらいの? おれにできることがあれば、教えてほしいぜ」
「なんでオマエに?」
「ナイハルのことが好きだから」
「はあ……」
「好きだから、助けたいぜ」
「オマエには無理」
「そんなぁ!」
「あああああああああああああああああはらへ」
「うるせぇ」
「じいちゃん、ウーバーイーツして!」
「伝達魔法は?」
「ずっと送ってるぜ」
「魔法、遮断されてんのかな」
「じいちゃん……おれ……飢え死にするかも……」
「水はあるからな」
「シャワーの水」
「飲めなくはない」
「たえがたきをたえ、しのびがたきを」
「……おなかすいた……」
「口開くたびにそれかよ」
「ナイハルは減ってないの?」
「喋ると余計に減るから」
「そういうもん?」
「寝とけば?」
「そっか、寝て空腹を忘れるぜ!」
「あのさ」
「……んん?」
「オマエ、女と寝たことは?」
「ど直球でプライバシーの侵害だぜ!」
「ないか」
「そういうナイハルはどうなんですかぁー」
「聞かなくてもわかるだろ」
「そうでした」
「で、ないのか」
「だってぇ! モテないし! 告られないし!」
「興味はある、よな?」
「健全な男子なので、あります」
「オレ、考えたんだけど、このままだとマジでふたりとも飢え死にルートじゃねぇか」
「はい」
「腹を括るしかねぇよな」
「といいますと?」
「初めての相手がオレなのはイヤか?」
「あーーー、んーーーーー、えーーーー」
「どっちだよそれ」
「えっと、えっと」
「何?」
「おれがどっち? これからナイハルに襲われるの?」
「……はあ」
「えっ、何、大事なことじゃない? おれいま変なこと言いました?」
「服脱げ」
「まだ心の準備が」
「わかった、脱がせてやる」
「わあ……積極的……」
「勘違いするなよ。しないと出られないからだ」
「つんでれ……」
「茶化すな、首絞めてやろうか」
「すいませんやめてくださいしんでしまいます」
「……結構デカいじゃん」
「そうかな……」
「もう興奮してんの?」
「このドキドキは不安のほうではなくて?」
「オマエは仰向けに寝とけばいいよ。オレが勃たせて挿れて動けばいいんだろ……オレが……」
「入るの!?」
「オマエが寝てる間、何をしていたかわかるか?」
「寝てる間は知らないぜ、眠ってるから」
「ほんとそういうとこムカつくなァ!」
「や、やさしくして! やさしく!」
「オマエのセリフじゃねぇだろそれ!」
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