20 / 20
【番外編】★訓練学校でできた友人が可愛くてたまらない話 -4-
しおりを挟む
訓練学校を卒業し、晴れて竜騎士となった俺とフェリシアはその後も変わらず良好な友人関係を築けていた。そう、"全く""何も""変わらずに"だ。訓練学校での数年間、フェリシアによる無意識の誘惑の数々に耐え続けた俺の鋼の意志には賞賛を贈りたい。勿論俺とて健康な若年の男子だ。何度かぐらついた瞬間はあったが……。それでも踏み止まる事ができたのは、それだけフェリシアは自分にとって、一時の衝動なんかで関係の均衡を崩せる程軽い存在じゃなかったからだ。フェリシアの傍にいられるのであれば、それ以上の関係を望むことはない。そう思っていた。
ある夜フェリシアが宿舎を抜け出すのを目撃した。目撃した、というより予想通り現れた、と言う方が正しいか。その日アシュリーヌとマルクス殿下が密会することを聞いたフェリシアの様子を見た俺は、その夜散歩する振りをして張っていたところ案の定、と言った所だ。待ち伏せして後を付けるなど、我ながら来るとこまで来てしまっているとは思う。
けれどこれ以上フェリシアが不毛な片恋慕を続け、己の身を削る姿は見たくなかったのだ。これが本当にマルクス殿下達を盗み見る目的であれば、連れ戻すつもりだった。
連れ戻すつもりだったのだが……
「ひゃぁッ……マルクス様まってンンンぅっ」
「んっ……アシュリーヌ……かわいい……」
見事におっぱじまってしまった。
いやまあ確かに若い男女の夜の逢瀬となれば、やることは一つだろう。フェリシアが断固として帰ろうとしないから、ならば満足するまで俺も隣に居座ってやろうと意地になってしまったのだが。
いやこれはもう、ものすごく気まずい。
何が楽しくて好きな女が片恋慕する男と友人が睦み合う姿を、当の好きな女と盗み見しなければならないのか。俺達が隠れている生垣の向こうで情事を繰り広げている二人が、見知った顔であることも尚更だ。まともに彼らの様子なんて直視できたもんじゃない。
顔に灯る熱を振り払う様に視線を逸らすが、二人の嬌声や生々しい水音が嫌でも耳に入ってしまう。
この異様な状況下で、フェリシアは一体何を思うのだろうか。ここに残ると言った以上、引っ込みがつかなくなっているだけではないか。
そうであれば引き摺ってでもこんな場所からは撤退すべきだ。フェリシアにとっても俺にとっても、この状況は百害はあれど一利なんて無い。声をかけようと頭一つ分ほど下にあるフェリシアを見下ろした。
しかし予想に反して、フェリシアの視線は庭園の中央で快楽を貪り合う二人に釘付けで。頬は上気し、僅かに潤んだ様に見えるその瞳は落胆や哀傷の色は見て取れず、むしろ爛々と喜悦の炎を燃やしている様に見えた。
こいつ、もしかして興奮してんのか……?
自分の好きなやつと、自分の親友がやらしいことしているのを見て? ……どんな神経していやがるんだ。
その表情はこれまでに見た事がない、紛れもない"女"そのもので。呆気に取られる思考とは裏腹に、反射的に己の全身の血が沸き立つのを感じた。顔が熱い。心臓の音がうるさい。
「ね、ねえノアーー」
不意にこちらを振り返ったフェリシアだが、俺と視線がかち合うなり瞠目してすぐに口を閉ざした。続けようとしていた言葉は、驚きで喉の奥に飲み込まれてしまったようだ。
それもそうだろう。きっと俺もフェリシアと同じく、一度たりと気取らせたことの無い情欲に満ちた男の顔をしていただろうから。
「あんッ……ぁあっ、ぁああッ……」
アシュリーヌの甘い声が響く異様な空間の中、あからさまに熱を孕んだ視線でフェリシアを見据えると、びくりと僅かに肩が震えるのが見えた。
庭園から届く明かりだけでも分かる程度にはしっかりと朱に染まった頬も、迷い子のようにそわついた表情も、艶っぽく潤んだ瞳も、可愛くてしょうがない。
フェリシアが欲情しているのは、マルクス様に対してだ。そりゃ想い人があれだけ乱れている姿をみれば、こんなにも蕩けた可愛らしい顔にだってなるだろう。自分以外の人物がフェリシアをこんな表情にさせている事実に、酷く胸がざわついた。
「……お前も、あんなふうにされたかったりするのか」
「……へ?」
いや待て。俺は今から何を言おうとしている?
なんのためにこれまでの数年間、必死にフェリシアの良き友でいるために耐えてきたんだ。それを全て無に返す気か?
けれど、これでフェリシアに触れられるなら、それでも俺のことを嫌わないでいてくれるなら、これ以上の事はない。この際こいつの気持ちが俺へ向いていなかろうと、一時でも俺だけを感じて、俺だけを見てくれるとしたら。
アシュリーヌの痴態を再び見たからか、更に赤らんだフェリシアの頬に指を滑らせる。びくっと一瞬体を強張らせたものの、手を振り払われることはない。そのまま明らかに緊張した様子のフェリシアの頬を優しく撫でてやると、僅かに体の強張りが解れたのを感じた。
しかしフェリシアの柔肌を堪能する余裕など俺には到底無い。格好付けてはいるものの心臓はばっくばくの今にもはち切れそうな程だし、顔面なんてきっとフェリシア以上に茹で蛸状態だ。
「俺はマルクス様にはなれないけど……」
引き返すなら今しかない。
だが俺の長年募らせた情欲と、今の状況のフェリシアなら俺を拒む事は無いだろうという根拠の無い自信は、呆気なく理性様を最後の砦から突き落としやがった。
「お前が許してくれるのなら……俺を使ってくれて構わない」
* * *
我ながら、ずる賢さしか無い誘い文句だった。
フェリシアの恋心も素直さも、何もかもを利用して、自分が最も傷付くことのない最低の手段だ。
罪悪感が無いわけじゃない。行為を終えたその時、間違い無く俺はフェリシアと一線を超えてしまったことを酷く後悔すると思う。
けれどそれらを全て代償にしてもお釣りが来てしまう程に、今置かれている状況はまさに夢のようなものだった。
「のっのあ……! それ、変になるから、やめっ……ンンッッ、ひぁっん……」
フェリシアが俺の腕の中で、俺の一挙一動に健気に反応しながら、甘い声で鳴いている。
俺が、あのフェリシアにこんな可愛い声を上げさせているのだ。その現実を噛み締めては悦びで目眩がしそうになる。
色気やら性欲やらから無縁のように見えたフェリシアの嬌声の破壊力は凄まじいもので、一声聞くだけで俺の分身は律儀にその都度頭を擡げていた。それはもう発情期真っ盛りの10代かよっていう勢いで。
しかし耳に触れた時の反応が一際明るかったからわざと重点的に攻めていたが、ここまで弱かったのか……。
耳介に沿ってわざと焦ったく舐め上げ、時折り唾液を絡ませて音を立ててやると、フェリシアはびくびくと震えながらいやらしい声を漏らしてくれた。かわいい。
長年片恋慕し続けていたにも関わらず、まだ知らないこいつの一面があった。これはマルクス様も誰も知らない、俺だけが知っているフェリシアの弱点だ。
勝手な優越感と興奮に煽られた俺は、更にフェリシアの弱いところを舐めしゃぶった。もっともっと俺しか知らないフェリシアの顔が見たい。その一心でフェリシアのイイところを探り続けるが、正直頭の中はもう沸騰寸前で、興奮により全身の血管が爆ぜ切れるんじゃないかと言うほどだった。
「あっあっ、ひゃぁンッ! んっ……んんッ!」
そりゃもう好きで好きでしょうがない女が、目の前であられもない姿を晒してこんな風に喘いでいるのを目の当たりにして、どうにかならない男はいないだろう。今にもギリギリのところで踏みとどまっていた理性が決壊して、己の欲のままにフェリシアを犯してしまい兼ねない程だった。
「の、ノア……あのね、そろそろ、下、も、弄ってほしいな……なんて」
控えめだが確かにその形を主張する形の良い乳房を曝け出したまま、己の内腿を擦り合わせながら、頬を赤らめて上目遣いでこんな風に可愛らしくおねだりされて、襲い掛からなかった俺の鋼の理性を褒め称えてほしい。
いやこれはもう流石に、襲われてしまっても文句は言えないんじゃないかとも思ったが。
相手はあのフェリシアだ。あくまでマルクス様との情事を妄想して、自分が気持ちよくなることしか考えていないのだろう。俺がフェリシアを性的な目で見ている事だとか、俺にどうこうされるとか、そんなことは1mmも考えていないからこそ、こんなお願いができてしまうのだ。
胸の奥がチリついたものの、俺のどうしようもない息子は元気なままで。俺はただ言われるがままに、フェリシアの秘所へ胸を高鳴らせながら手を伸ばすことしか出来なかった。
「ひゃっ」
フェリシアの下着の中は既にぐしょ濡れで、俺の指はあっという間に滑りを帯びた分泌液に絡め取られた。
殆どはマルクス様達の様子を観察していたからかもしれないが、しっかりと濡れていたことにやはり胸は踊ってしまう。
そのまますっかり湿った茂みを掻き分けながら、割れ目へ指を滑らせる。びくびくと分かりやすく跳ねる体から察するに、きちんと感じてはいるのだろう。愛液を塗りつけるように指をスライドさせると、ぬちゅぬちゅといやらしい音が辺りに響き渡り、それがフェリシアから発せられているかと思うと興奮でどうにかなりそうだった。
「はッ……あっ、あっ、やぁあ……ンンッ……のあ、のあァ……」
気付けば背後からフェリシアを抱きすくめる様になっていたが、すっかり熱に浮かされていた俺は照れる間も無く、目の前の愛しい人の体を貪るのに夢中だった。
既に飲み込まれた俺の指をきつく締め付けながら、一生懸命に俺の名前を呼ぶフェリシアに腰の疼きが止まらない。最早荒ぶる息を隠そうともせずに、真っ赤に染まった耳殻を啜ってはすっかり勃ち上がった乳首を捏ね回し、愛液でぐしょぐしょになったフェリシアの中を擦り上げた。
フェリシアもきちんと感じてくれている様で、抱き締める俺の腕を快感から逃げる様に必死で掴んでいる様子が可愛くてたまらない。
「ひぁあんッ! ひゃ、ぁあん……はぁ、んんッ」
何度想像したか分からないフェリシアのナカは想像以上にとろとろに蕩けていて、俺の指を何度も締め付けては幾重にも重なったヒダが逃がすまいと擦り上げてきた。
この中に今にも暴発しそうな己の剛直をぶち込んだら、一体どれだけ気持ちが良いだろうか。
何度もそんな考えが過ったが、その度に普段のフェリシアの笑顔がちらつき、既の所で理性が引き戻されるのだった。
ここまでの行為に至る衝動はあれど、結局の所俺は、焦がれてやまない相手に嫌われる勇気も、気持ちを伝える度胸も無い臆病者なのだ。
結局その夜、フェリシアと一線を超えることなく一人宿舎に戻った俺は、先程の情事を思い返してはギンギンに昂った己自身を慰めるに留まったのであった。
ある夜フェリシアが宿舎を抜け出すのを目撃した。目撃した、というより予想通り現れた、と言う方が正しいか。その日アシュリーヌとマルクス殿下が密会することを聞いたフェリシアの様子を見た俺は、その夜散歩する振りをして張っていたところ案の定、と言った所だ。待ち伏せして後を付けるなど、我ながら来るとこまで来てしまっているとは思う。
けれどこれ以上フェリシアが不毛な片恋慕を続け、己の身を削る姿は見たくなかったのだ。これが本当にマルクス殿下達を盗み見る目的であれば、連れ戻すつもりだった。
連れ戻すつもりだったのだが……
「ひゃぁッ……マルクス様まってンンンぅっ」
「んっ……アシュリーヌ……かわいい……」
見事におっぱじまってしまった。
いやまあ確かに若い男女の夜の逢瀬となれば、やることは一つだろう。フェリシアが断固として帰ろうとしないから、ならば満足するまで俺も隣に居座ってやろうと意地になってしまったのだが。
いやこれはもう、ものすごく気まずい。
何が楽しくて好きな女が片恋慕する男と友人が睦み合う姿を、当の好きな女と盗み見しなければならないのか。俺達が隠れている生垣の向こうで情事を繰り広げている二人が、見知った顔であることも尚更だ。まともに彼らの様子なんて直視できたもんじゃない。
顔に灯る熱を振り払う様に視線を逸らすが、二人の嬌声や生々しい水音が嫌でも耳に入ってしまう。
この異様な状況下で、フェリシアは一体何を思うのだろうか。ここに残ると言った以上、引っ込みがつかなくなっているだけではないか。
そうであれば引き摺ってでもこんな場所からは撤退すべきだ。フェリシアにとっても俺にとっても、この状況は百害はあれど一利なんて無い。声をかけようと頭一つ分ほど下にあるフェリシアを見下ろした。
しかし予想に反して、フェリシアの視線は庭園の中央で快楽を貪り合う二人に釘付けで。頬は上気し、僅かに潤んだ様に見えるその瞳は落胆や哀傷の色は見て取れず、むしろ爛々と喜悦の炎を燃やしている様に見えた。
こいつ、もしかして興奮してんのか……?
自分の好きなやつと、自分の親友がやらしいことしているのを見て? ……どんな神経していやがるんだ。
その表情はこれまでに見た事がない、紛れもない"女"そのもので。呆気に取られる思考とは裏腹に、反射的に己の全身の血が沸き立つのを感じた。顔が熱い。心臓の音がうるさい。
「ね、ねえノアーー」
不意にこちらを振り返ったフェリシアだが、俺と視線がかち合うなり瞠目してすぐに口を閉ざした。続けようとしていた言葉は、驚きで喉の奥に飲み込まれてしまったようだ。
それもそうだろう。きっと俺もフェリシアと同じく、一度たりと気取らせたことの無い情欲に満ちた男の顔をしていただろうから。
「あんッ……ぁあっ、ぁああッ……」
アシュリーヌの甘い声が響く異様な空間の中、あからさまに熱を孕んだ視線でフェリシアを見据えると、びくりと僅かに肩が震えるのが見えた。
庭園から届く明かりだけでも分かる程度にはしっかりと朱に染まった頬も、迷い子のようにそわついた表情も、艶っぽく潤んだ瞳も、可愛くてしょうがない。
フェリシアが欲情しているのは、マルクス様に対してだ。そりゃ想い人があれだけ乱れている姿をみれば、こんなにも蕩けた可愛らしい顔にだってなるだろう。自分以外の人物がフェリシアをこんな表情にさせている事実に、酷く胸がざわついた。
「……お前も、あんなふうにされたかったりするのか」
「……へ?」
いや待て。俺は今から何を言おうとしている?
なんのためにこれまでの数年間、必死にフェリシアの良き友でいるために耐えてきたんだ。それを全て無に返す気か?
けれど、これでフェリシアに触れられるなら、それでも俺のことを嫌わないでいてくれるなら、これ以上の事はない。この際こいつの気持ちが俺へ向いていなかろうと、一時でも俺だけを感じて、俺だけを見てくれるとしたら。
アシュリーヌの痴態を再び見たからか、更に赤らんだフェリシアの頬に指を滑らせる。びくっと一瞬体を強張らせたものの、手を振り払われることはない。そのまま明らかに緊張した様子のフェリシアの頬を優しく撫でてやると、僅かに体の強張りが解れたのを感じた。
しかしフェリシアの柔肌を堪能する余裕など俺には到底無い。格好付けてはいるものの心臓はばっくばくの今にもはち切れそうな程だし、顔面なんてきっとフェリシア以上に茹で蛸状態だ。
「俺はマルクス様にはなれないけど……」
引き返すなら今しかない。
だが俺の長年募らせた情欲と、今の状況のフェリシアなら俺を拒む事は無いだろうという根拠の無い自信は、呆気なく理性様を最後の砦から突き落としやがった。
「お前が許してくれるのなら……俺を使ってくれて構わない」
* * *
我ながら、ずる賢さしか無い誘い文句だった。
フェリシアの恋心も素直さも、何もかもを利用して、自分が最も傷付くことのない最低の手段だ。
罪悪感が無いわけじゃない。行為を終えたその時、間違い無く俺はフェリシアと一線を超えてしまったことを酷く後悔すると思う。
けれどそれらを全て代償にしてもお釣りが来てしまう程に、今置かれている状況はまさに夢のようなものだった。
「のっのあ……! それ、変になるから、やめっ……ンンッッ、ひぁっん……」
フェリシアが俺の腕の中で、俺の一挙一動に健気に反応しながら、甘い声で鳴いている。
俺が、あのフェリシアにこんな可愛い声を上げさせているのだ。その現実を噛み締めては悦びで目眩がしそうになる。
色気やら性欲やらから無縁のように見えたフェリシアの嬌声の破壊力は凄まじいもので、一声聞くだけで俺の分身は律儀にその都度頭を擡げていた。それはもう発情期真っ盛りの10代かよっていう勢いで。
しかし耳に触れた時の反応が一際明るかったからわざと重点的に攻めていたが、ここまで弱かったのか……。
耳介に沿ってわざと焦ったく舐め上げ、時折り唾液を絡ませて音を立ててやると、フェリシアはびくびくと震えながらいやらしい声を漏らしてくれた。かわいい。
長年片恋慕し続けていたにも関わらず、まだ知らないこいつの一面があった。これはマルクス様も誰も知らない、俺だけが知っているフェリシアの弱点だ。
勝手な優越感と興奮に煽られた俺は、更にフェリシアの弱いところを舐めしゃぶった。もっともっと俺しか知らないフェリシアの顔が見たい。その一心でフェリシアのイイところを探り続けるが、正直頭の中はもう沸騰寸前で、興奮により全身の血管が爆ぜ切れるんじゃないかと言うほどだった。
「あっあっ、ひゃぁンッ! んっ……んんッ!」
そりゃもう好きで好きでしょうがない女が、目の前であられもない姿を晒してこんな風に喘いでいるのを目の当たりにして、どうにかならない男はいないだろう。今にもギリギリのところで踏みとどまっていた理性が決壊して、己の欲のままにフェリシアを犯してしまい兼ねない程だった。
「の、ノア……あのね、そろそろ、下、も、弄ってほしいな……なんて」
控えめだが確かにその形を主張する形の良い乳房を曝け出したまま、己の内腿を擦り合わせながら、頬を赤らめて上目遣いでこんな風に可愛らしくおねだりされて、襲い掛からなかった俺の鋼の理性を褒め称えてほしい。
いやこれはもう流石に、襲われてしまっても文句は言えないんじゃないかとも思ったが。
相手はあのフェリシアだ。あくまでマルクス様との情事を妄想して、自分が気持ちよくなることしか考えていないのだろう。俺がフェリシアを性的な目で見ている事だとか、俺にどうこうされるとか、そんなことは1mmも考えていないからこそ、こんなお願いができてしまうのだ。
胸の奥がチリついたものの、俺のどうしようもない息子は元気なままで。俺はただ言われるがままに、フェリシアの秘所へ胸を高鳴らせながら手を伸ばすことしか出来なかった。
「ひゃっ」
フェリシアの下着の中は既にぐしょ濡れで、俺の指はあっという間に滑りを帯びた分泌液に絡め取られた。
殆どはマルクス様達の様子を観察していたからかもしれないが、しっかりと濡れていたことにやはり胸は踊ってしまう。
そのまますっかり湿った茂みを掻き分けながら、割れ目へ指を滑らせる。びくびくと分かりやすく跳ねる体から察するに、きちんと感じてはいるのだろう。愛液を塗りつけるように指をスライドさせると、ぬちゅぬちゅといやらしい音が辺りに響き渡り、それがフェリシアから発せられているかと思うと興奮でどうにかなりそうだった。
「はッ……あっ、あっ、やぁあ……ンンッ……のあ、のあァ……」
気付けば背後からフェリシアを抱きすくめる様になっていたが、すっかり熱に浮かされていた俺は照れる間も無く、目の前の愛しい人の体を貪るのに夢中だった。
既に飲み込まれた俺の指をきつく締め付けながら、一生懸命に俺の名前を呼ぶフェリシアに腰の疼きが止まらない。最早荒ぶる息を隠そうともせずに、真っ赤に染まった耳殻を啜ってはすっかり勃ち上がった乳首を捏ね回し、愛液でぐしょぐしょになったフェリシアの中を擦り上げた。
フェリシアもきちんと感じてくれている様で、抱き締める俺の腕を快感から逃げる様に必死で掴んでいる様子が可愛くてたまらない。
「ひぁあんッ! ひゃ、ぁあん……はぁ、んんッ」
何度想像したか分からないフェリシアのナカは想像以上にとろとろに蕩けていて、俺の指を何度も締め付けては幾重にも重なったヒダが逃がすまいと擦り上げてきた。
この中に今にも暴発しそうな己の剛直をぶち込んだら、一体どれだけ気持ちが良いだろうか。
何度もそんな考えが過ったが、その度に普段のフェリシアの笑顔がちらつき、既の所で理性が引き戻されるのだった。
ここまでの行為に至る衝動はあれど、結局の所俺は、焦がれてやまない相手に嫌われる勇気も、気持ちを伝える度胸も無い臆病者なのだ。
結局その夜、フェリシアと一線を超えることなく一人宿舎に戻った俺は、先程の情事を思い返してはギンギンに昂った己自身を慰めるに留まったのであった。
1
お気に入りに追加
16
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

軽い気持ちで超絶美少年(ヤンデレ)に告白したら
夕立悠理
恋愛
容姿平凡、頭脳平凡、なリノアにはひとつだけ、普通とちがうところがある。
それは極度の面食いということ。
そんなリノアは冷徹と名高い公爵子息(イケメン)に嫁ぐことに。
「初夜放置? ぜーんぜん、問題ないわ!
だって旦那さまってば顔がいいもの!!!」
朝食をたまに一緒にとるだけで、満足だ。寝室別でも、他の女の香水の香りがしてもぜーんぜん平気。……なーんて、思っていたら、旦那さまの様子がおかしい?
「他の誰でもない君が! 僕がいいっていったんだ。……そうでしょ?」
あれ、旦那さまってば、どうして手錠をお持ちなのでしょうか?
それをわたしにつける??
じょ、冗談ですよね──!?!?

義兄に甘えまくっていたらいつの間にか執着されまくっていた話
よしゆき
恋愛
乙女ゲームのヒロインに意地悪をする攻略対象者のユリウスの義妹、マリナに転生した。大好きな推しであるユリウスと自分が結ばれることはない。ならば義妹として目一杯甘えまくって楽しもうと考えたのだが、気づけばユリウスにめちゃくちゃ執着されていた話。
「義兄に嫌われようとした行動が裏目に出て逆に執着されることになった話」のifストーリーですが繋がりはなにもありません。

転生したら、6人の最強旦那様に溺愛されてます!?~6人の愛が重すぎて困ってます!~
月
恋愛
ある日、女子高生だった白川凛(しらかわりん)
は学校の帰り道、バイトに遅刻しそうになったのでスピードを上げすぎ、そのまま階段から落ちて死亡した。
しかし、目が覚めるとそこは異世界だった!?
(もしかして、私、転生してる!!?)
そして、なんと凛が転生した世界は女性が少なく、一妻多夫制だった!!!
そんな世界に転生した凛と、将来の旦那様は一体誰!?

お腹の子と一緒に逃げたところ、結局お腹の子の父親に捕まりました。
下菊みこと
恋愛
逃げたけど逃げ切れなかったお話。
またはチャラ男だと思ってたらヤンデレだったお話。
あるいは今度こそ幸せ家族になるお話。
ご都合主義の多分ハッピーエンド?
小説家になろう様でも投稿しています。

夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です

魚人族のバーに行ってワンナイトラブしたら番いにされて種付けされました
ノルジャン
恋愛
人族のスーシャは人魚のルシュールカを助けたことで仲良くなり、魚人の集うバーへ連れて行ってもらう。そこでルシュールカの幼馴染で鮫魚人のアグーラと出会い、一夜を共にすることになって…。ちょっとオラついたサメ魚人に激しく求められちゃうお話。ムーンライトノベルズにも投稿中。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる