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第31話 ムラニテ②
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「これはなんですか?」
トーシンは、カウンターテーブルに置かれた端末のようなものを見て、ルーメントにたずねる。
「これは転移装置ですよ。」
「転移装置…。」
(これってなかなかにすごいのでは?)
「えぇ。と言っても転移できる場所は、この村とこの村に転移する前にいた場所だけですがね。」
「てことは、例えばメルナからこの村に転移した場合、またメルナにこれで戻れるということですか?」
「その通りです。」
「今から、詳しい操作の説明をしたいのですがお時間大丈夫ですか?」
「大丈夫です。お願いします。」
そうして、トーシンはルーメントから転移装置の使い方を教わった。
「以上が転移装置の使い方ですね。なにか質問はありますか?」
「今は特にはないですね。」
「そうですか。もし後々分からないことが出たときの為に、このガイドブックを渡しておきますね。」
そう言ってルーメントは、トーシンにガイドブックを渡す。
「さて、これで村長からの頼まれ事は終わりですね。では続いて私から、こちらを贈らせていただきます。」
ルーメントは木箱をカウンターテーブルの上に置く。
「えっと、これは?」
「ふふっ。開けて見てください。」
そう言われ、トーシンは木箱を開ける。すると、中には黒色の鍵が入っていた。
「これはなんの鍵ですか?」
「それがですね、私にも分からないのですよ。その鍵は我が家に代々受け継がれて来た物で、父から渡された物なのですよ。」
「へぇ。でもなんでそんな鍵を僕に渡すのですか?」
「それは、父から、私の信頼できる探索者に会ったのならこの鍵をその人に渡せと言われてましたからね。」
その言葉を聞いてトーシンは少し嬉しくなった。
なぜなら、ルーメントがトーシンのことを信頼してくれたからだ。
誰かに信頼してもらえるというのは素直に嬉しいとトーシンはそう思ったのだ。
もしかしたら、これはただのゲーム上のシナリオに過ぎないのかもしれない、ただのNPCのセリフに過ぎないのかもしれない。それでも、トーシンには嬉しく感じられた。
それは、もしかしたらこのATOというゲームの世界のリアリティがすごいから、NPCの反応が人間に近いからそう感じられたのかもしれない。そうトーシンは考えるのだった。
「ありがとうございます。そこまで僕のことを信頼してくれて。」
「そんなお礼を言われる程のことではありませんよ。あなたが、信頼するに足る人物だったというだけです。それより、その鍵なのですが先程も申し上げたとおり、なんの鍵だかさっぱり分かりません。ですが、わざわざ探索者に渡すよう伝えられていたということは、探索者なら、あなたならその鍵がなんの鍵なのかという答えを見つけられるということでしょう。ですので、必ず答えを見つけ出してくださいね。」
「はい。必ず見つけ出します!」
トーシンは、ルーメントにそう答える。
「では、頑張ってくださいね。これは、少ないですが持って行ってください。」
そう言ってルーメントはカウンターにアイテムを2種類置く。片方は回復薬×10、もう片方は解毒薬×10だった。
「ありがとうございます。助かります。」
トーシンは2種類のアイテムを受け取る。
その後、少し話してからルーメントの店を後にし、ラリウスの武具屋へ向かい、メルナへ向かうことをラリウスに伝えに行く。
そこでも、いくつか雑談を交わしてラリウスの武具屋を後にし、トーシンはメルナへと向かう。
トーシンは、カウンターテーブルに置かれた端末のようなものを見て、ルーメントにたずねる。
「これは転移装置ですよ。」
「転移装置…。」
(これってなかなかにすごいのでは?)
「えぇ。と言っても転移できる場所は、この村とこの村に転移する前にいた場所だけですがね。」
「てことは、例えばメルナからこの村に転移した場合、またメルナにこれで戻れるということですか?」
「その通りです。」
「今から、詳しい操作の説明をしたいのですがお時間大丈夫ですか?」
「大丈夫です。お願いします。」
そうして、トーシンはルーメントから転移装置の使い方を教わった。
「以上が転移装置の使い方ですね。なにか質問はありますか?」
「今は特にはないですね。」
「そうですか。もし後々分からないことが出たときの為に、このガイドブックを渡しておきますね。」
そう言ってルーメントは、トーシンにガイドブックを渡す。
「さて、これで村長からの頼まれ事は終わりですね。では続いて私から、こちらを贈らせていただきます。」
ルーメントは木箱をカウンターテーブルの上に置く。
「えっと、これは?」
「ふふっ。開けて見てください。」
そう言われ、トーシンは木箱を開ける。すると、中には黒色の鍵が入っていた。
「これはなんの鍵ですか?」
「それがですね、私にも分からないのですよ。その鍵は我が家に代々受け継がれて来た物で、父から渡された物なのですよ。」
「へぇ。でもなんでそんな鍵を僕に渡すのですか?」
「それは、父から、私の信頼できる探索者に会ったのならこの鍵をその人に渡せと言われてましたからね。」
その言葉を聞いてトーシンは少し嬉しくなった。
なぜなら、ルーメントがトーシンのことを信頼してくれたからだ。
誰かに信頼してもらえるというのは素直に嬉しいとトーシンはそう思ったのだ。
もしかしたら、これはただのゲーム上のシナリオに過ぎないのかもしれない、ただのNPCのセリフに過ぎないのかもしれない。それでも、トーシンには嬉しく感じられた。
それは、もしかしたらこのATOというゲームの世界のリアリティがすごいから、NPCの反応が人間に近いからそう感じられたのかもしれない。そうトーシンは考えるのだった。
「ありがとうございます。そこまで僕のことを信頼してくれて。」
「そんなお礼を言われる程のことではありませんよ。あなたが、信頼するに足る人物だったというだけです。それより、その鍵なのですが先程も申し上げたとおり、なんの鍵だかさっぱり分かりません。ですが、わざわざ探索者に渡すよう伝えられていたということは、探索者なら、あなたならその鍵がなんの鍵なのかという答えを見つけられるということでしょう。ですので、必ず答えを見つけ出してくださいね。」
「はい。必ず見つけ出します!」
トーシンは、ルーメントにそう答える。
「では、頑張ってくださいね。これは、少ないですが持って行ってください。」
そう言ってルーメントはカウンターにアイテムを2種類置く。片方は回復薬×10、もう片方は解毒薬×10だった。
「ありがとうございます。助かります。」
トーシンは2種類のアイテムを受け取る。
その後、少し話してからルーメントの店を後にし、ラリウスの武具屋へ向かい、メルナへ向かうことをラリウスに伝えに行く。
そこでも、いくつか雑談を交わしてラリウスの武具屋を後にし、トーシンはメルナへと向かう。
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