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第19話 キングコボルト
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キングコボルトは、盾持ちのプレイヤーのことを鬱陶しく思っていた。
自分は、両手斧のプレイヤーを狙っているにも関わらず、そのことごとくをこのプレイヤーが邪魔するのだ。しかも、毎回丁寧にその盾で防御する上に偶にではあるがダメージを受けるのだ。
かと言って、盾持ちを先に狙えば今度は両手斧の方から強烈な一撃を貰うことになる。
本当に鬱陶しい。ウザイ!ウザすぎる!そう言った思いがキングコボルトの思考を埋めつくしていく。
現在、キングコボルトのHPは削られ続けて、あと少しで半分になろうとしている。
◆◇◆◇◆
(あと少しでHPが半分になる。そろそろ、アイツの特殊行動が来る。)
ゼエルからの情報によると、キングコボルトはHPが半分以下になると特殊行動をとるというのだ。
「シズクさん!そろそろ、特殊行動が来ます!」
トーシンは、シズクに特殊行動のことは伝えていたが、一応念の為伝える。
「了解です!」
シズクからの返事がかえってくる。
トーシンはキングコボルトに一撃を加え、それによりHPが半分以下になった。
「鬱陶しいんだよこの盾野郎!」
キングコボルトが再び咆哮をあげる。そして、その咆哮に呼応するかのようにどこからかコボルトが5体程湧いてくる。
これが、ゼエルから聞いたキングコボルトの特殊行動である。
キングコボルトは、HPが半分以下になると咆哮をあげ、手下を5体呼ぶのである。
(なんかさっきの咆哮、俺に対する怒りが込められてた気がするけど気の所為だよな?それより、この湧いてきたコボルト名前が設定されてるのか。)
湧いてきたコボルト達のモンスター名を見ると、コボルトサーヴァントと表示されていた。
「お前達!あの鬱陶しい盾野郎を狙え!」
キングコボルトが、剣をトーシンの方に向けて吠える。
(えっ?もしかして今、俺を狙えって命令でもしたのか?)
トーシンの予想通り、サーヴァント達が一斉に向かってくる。
「トーシンさん!?大丈夫ですか!」
シズクから、心配の声が飛んでくる。
「大丈夫です!それより、すみませんがしばらくの間何とか耐えてください。」
(嘘だろ!まさか、全部俺の方に来るとは思わなかった。)
トーシンの予想では、自分とシズクに分散して来ると思っていた。だが、その予想とは違い、全部がトーシンの方に来てしまったのだ。
「ざまぁw」
キングコボルトが、驚いているトーシンの方をちらりと見て小さく吠える。
トーシンには、キングコボルトが何と言っているか分からない。だが、馬鹿にされたということは何となくわかった。
(あんの、クソコボルトがぁ!絶対に許さねぇ!)
トーシンは、そう心に強く思った。
「おい、サーヴァント共。死にたい奴からかかって来い!」
トーシンの言葉を理解したのかは分からないが、サーヴァントのうちの1体が飛び掛って来る。
横に避ければ躱せる。だが、トーシンには見えていた飛び掛って来たサーヴァントの両サイドから1体ずつのサーヴァントが遅れてこちらに向かってきているのを。
(避けたとこを狙う気か。それなら。)
トーシンは盾を構え、そのまま飛び掛って来たサーヴァントに突進する。
「ギャウッ!」
予想外の攻撃を受けたサーヴァントは後ろに飛ばされる。
突進した後、トーシンはそのまま追撃をしかけ、他の4匹が来る前に何とか仕留める。そして、残りのサーヴァント達の方を振り返る。
「まずは、1体。さぁ、次はどいつだ?」
サーヴァント達は後ろに1歩引く。トーシンのことを警戒しているのだ。
(おそらく単体の強さ的には、ダンジョン内にいたコボルトとそう対して変わらない。これなら、いける。)
そう考えトーシンは、サーヴァント達へ向かっていく。
サーヴァント達の連携攻撃に苦戦をしながらも何とか3体を倒した。そして、残る1体は余裕だった。というのも、サーヴァント達は連携がすごいだけで、単体の強さはダンジョン内のコボルトと対して変わらないのだ。
(よし、こっちは片付いた。あとは、あのクソコボルトだけだ。)
トーシンはキングコボルトの方に向かい、シズクと合流する。
「お待たせしました。」
「あっ、トーシンさん!あっちは片付いたんですね。」
「はい。少し時間がかかりすぎましたけどね。」
そう言ってトーシンは、キングコボルトの方を見る。
どうやら、シズクが1人の間も隙を見て攻撃をしていたようでキングコボルトのHPは残り3割強まで減っていた。
「なに!!」
キングコボルトは、トーシンを見て驚く。
「まさか、あいつら全員やられたのか!?」
「どうした?頼みのサーヴァント達がやられて驚いてんのか?」
「おのれぇ。」
キングコボルトは、恨めしそうにトーシンを睨む。
「お前には、馬鹿にされた借りがあるからな。それを返させて貰うぜ。」
「この盾野郎がぁ!」
キングコボルトは、トーシンに向けて剣を振り下ろす。
「無駄だ!」
トーシンは、キングコボルトの攻撃を盾で防ぎながら言う。
自分は、両手斧のプレイヤーを狙っているにも関わらず、そのことごとくをこのプレイヤーが邪魔するのだ。しかも、毎回丁寧にその盾で防御する上に偶にではあるがダメージを受けるのだ。
かと言って、盾持ちを先に狙えば今度は両手斧の方から強烈な一撃を貰うことになる。
本当に鬱陶しい。ウザイ!ウザすぎる!そう言った思いがキングコボルトの思考を埋めつくしていく。
現在、キングコボルトのHPは削られ続けて、あと少しで半分になろうとしている。
◆◇◆◇◆
(あと少しでHPが半分になる。そろそろ、アイツの特殊行動が来る。)
ゼエルからの情報によると、キングコボルトはHPが半分以下になると特殊行動をとるというのだ。
「シズクさん!そろそろ、特殊行動が来ます!」
トーシンは、シズクに特殊行動のことは伝えていたが、一応念の為伝える。
「了解です!」
シズクからの返事がかえってくる。
トーシンはキングコボルトに一撃を加え、それによりHPが半分以下になった。
「鬱陶しいんだよこの盾野郎!」
キングコボルトが再び咆哮をあげる。そして、その咆哮に呼応するかのようにどこからかコボルトが5体程湧いてくる。
これが、ゼエルから聞いたキングコボルトの特殊行動である。
キングコボルトは、HPが半分以下になると咆哮をあげ、手下を5体呼ぶのである。
(なんかさっきの咆哮、俺に対する怒りが込められてた気がするけど気の所為だよな?それより、この湧いてきたコボルト名前が設定されてるのか。)
湧いてきたコボルト達のモンスター名を見ると、コボルトサーヴァントと表示されていた。
「お前達!あの鬱陶しい盾野郎を狙え!」
キングコボルトが、剣をトーシンの方に向けて吠える。
(えっ?もしかして今、俺を狙えって命令でもしたのか?)
トーシンの予想通り、サーヴァント達が一斉に向かってくる。
「トーシンさん!?大丈夫ですか!」
シズクから、心配の声が飛んでくる。
「大丈夫です!それより、すみませんがしばらくの間何とか耐えてください。」
(嘘だろ!まさか、全部俺の方に来るとは思わなかった。)
トーシンの予想では、自分とシズクに分散して来ると思っていた。だが、その予想とは違い、全部がトーシンの方に来てしまったのだ。
「ざまぁw」
キングコボルトが、驚いているトーシンの方をちらりと見て小さく吠える。
トーシンには、キングコボルトが何と言っているか分からない。だが、馬鹿にされたということは何となくわかった。
(あんの、クソコボルトがぁ!絶対に許さねぇ!)
トーシンは、そう心に強く思った。
「おい、サーヴァント共。死にたい奴からかかって来い!」
トーシンの言葉を理解したのかは分からないが、サーヴァントのうちの1体が飛び掛って来る。
横に避ければ躱せる。だが、トーシンには見えていた飛び掛って来たサーヴァントの両サイドから1体ずつのサーヴァントが遅れてこちらに向かってきているのを。
(避けたとこを狙う気か。それなら。)
トーシンは盾を構え、そのまま飛び掛って来たサーヴァントに突進する。
「ギャウッ!」
予想外の攻撃を受けたサーヴァントは後ろに飛ばされる。
突進した後、トーシンはそのまま追撃をしかけ、他の4匹が来る前に何とか仕留める。そして、残りのサーヴァント達の方を振り返る。
「まずは、1体。さぁ、次はどいつだ?」
サーヴァント達は後ろに1歩引く。トーシンのことを警戒しているのだ。
(おそらく単体の強さ的には、ダンジョン内にいたコボルトとそう対して変わらない。これなら、いける。)
そう考えトーシンは、サーヴァント達へ向かっていく。
サーヴァント達の連携攻撃に苦戦をしながらも何とか3体を倒した。そして、残る1体は余裕だった。というのも、サーヴァント達は連携がすごいだけで、単体の強さはダンジョン内のコボルトと対して変わらないのだ。
(よし、こっちは片付いた。あとは、あのクソコボルトだけだ。)
トーシンはキングコボルトの方に向かい、シズクと合流する。
「お待たせしました。」
「あっ、トーシンさん!あっちは片付いたんですね。」
「はい。少し時間がかかりすぎましたけどね。」
そう言ってトーシンは、キングコボルトの方を見る。
どうやら、シズクが1人の間も隙を見て攻撃をしていたようでキングコボルトのHPは残り3割強まで減っていた。
「なに!!」
キングコボルトは、トーシンを見て驚く。
「まさか、あいつら全員やられたのか!?」
「どうした?頼みのサーヴァント達がやられて驚いてんのか?」
「おのれぇ。」
キングコボルトは、恨めしそうにトーシンを睨む。
「お前には、馬鹿にされた借りがあるからな。それを返させて貰うぜ。」
「この盾野郎がぁ!」
キングコボルトは、トーシンに向けて剣を振り下ろす。
「無駄だ!」
トーシンは、キングコボルトの攻撃を盾で防ぎながら言う。
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