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第16話 シズク
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トーシン達は、フェルリア村に戻っていた。
「じゃあ、俺はホームに戻るけど、トーシンはこれからレベル上げ?」
「あぁ、そのつもり。あっ!そうだ。シズクさんは、この後何か予定とかありますか?」
「えっ、いや、特に予定はないです。一応、クエストの報告をするくらいですね。」
「それなら、報告終わったら俺に付き合ってくれますか?」
「…。」
シズクから返事が返って来ない。
「あれ?シズクさん?」
「はひゃい!えっと…、付き合うと言いますと?」
「あぁ、俺とパーティを組んで欲しいんですよ。」
「ですよね、わかってましたよ。」
「?」
トーシンは、シズクの言葉に首をかしげる。
「いえ、こちらの話ですお気になさらず。それより、パーティの件ですが私で良ければぜひ。」
「そうですか!ありがとうございます。」
「良かったじゃねぇかトーシン、パーティメンバーが見つかって。」
「あぁ。」
その後、トーシンとシズクはそれぞれのクエストの報告を済ませたら、噴水前に集まる約束をする。そして、アントスは自身のホームへと戻って行った。
◆◇◆◇◆
シズクは、武具屋に向かいながら考えていた。
(あのトーシンってプレイヤー、藤堂君よね?だって、声とか藤堂君の声だし。)
ATOでは、基本的に声を変えることができない。そのため、声自体はリアルの声がそのまま適用されるのだ。
(それに、顔や体格は全然違うけど、私を助けてくれた時のあの後ろ姿は、間違いなく藤堂君のものだわ。)
実は、シズクは過去にゲーム内ではなく、リアルの方で1度だけ藤堂に助けられたことが有るのである。その時に見たトーシンの後ろ姿が、今回の後ろ姿と重なるのである。
(まぁ、彼はあの時助けたのが私ってのを知らないだろうけどね。でも、付き合ってって言われた時は、びっくりしちゃったわ。)
「おーい、姉ちゃんどうしたんだ?」
シズクが考え事をしながら歩いていたらいつの間にか、武具屋に着いていたようで武具屋の親父に声をかけられる。
「あっ!すみません。えーと、クエストの報告をしに来ました。」
「おー、ありがとよ姉ちゃん。助かるぜ。」
シズクの目の前にクエスト完了の画面が現れる。そして、経験値が入りレベルが上がる。
今回のレベルアップでシズクのレベルは7になった。
「あっ!そうそう、道具屋の奴が姉ちゃんを探してたから、時間がある時にでも顔を出してやってくれ。」
そう言い終わると同時に、新しいメインクエストを受けるかどうかの画面が出てきたのでYESを選択する。
「ありがとよ。道具屋の奴も喜ぶぜ。」
武具屋が言い終わると、シズクはその場を後にする。
(報告終わったことだし、トーシンさんと合流しに噴水前に向かわなきゃ。)
そう思いシズクは、噴水前に向かう。道中、道具屋の前を通りがかる。
(そういえば、ついでにクエスト進めながら来てもいいって言ってたわね。自分もそうするからって。)
そう実は、シズクは噴水前に集合する約束をした時に、別に急いでる訳じゃないからついでにクエストを進めながら来ていいと言われていたのである。
という訳で、シズクはクエストを進めるため道具屋に立ち寄ることにした。
「おや、探索者さんお待ちしておりました。早速で悪いのですが、アルカドラ大平原に生息する、ラメイ草という薬草を5本ほど取ってきて欲しいのですが頼めますか?」
「わかりました。」
「ありがとうございます。」
その後、シズクは採取の目薬を貰い、採取の仕方を教わる。
「それでは、お願いします。」
「はい、了解しました。」
シズクはそう言って道具屋を後にして、噴水前に再び向かう。
噴水前に着くと、ちょうどトーシンが村長と話を終えたところだった。
「トーシンさん。お待たせしました。」
「あ、シズクさん。大丈夫ですよちょうど俺もメインクエストを進めたところなので。」
「そうだったんですか。」
「えぇ、それよりシズクさんってメインクエストどこまで進んでますか?」
そうトーシンに聞かれたので、シズクは今自分が受けているメインクエストを話す。
「あー、ラメイ草採取ですか。じゃあ、先にそのクエストをやりましょう。俺も手伝いますので。」
「えっ、いいんですか?」
「はい、実は俺が今受けたクエストがラメイ草の次のクエストで、レベル上げにちょうどいいんですが、ちょっと遠いみたいですのでどうせならそちらのクエストを進めて一緒に受けた方がいいかなと思いまして。」
「じゃ、じゃあ、お願いします。」
シズクのその言葉にトーシンは、全然大丈夫ですよと答える。
「じゃあ、パーティ申請送るので承認してください。」
トーシンは、そう言って何か操作する素振りをする。
そして、シズクの目の前に次の画面が現れる。
ーーーーーーーーーーーーーー
トーシンからパーティ申請が届いています。承認しますか?
YES NO
ーーーーーーーーーーーーーー
シズクは、YESを選択する。
こうしてシズクとトーシンは、ラメイ草の採取へと出発する。
「じゃあ、俺はホームに戻るけど、トーシンはこれからレベル上げ?」
「あぁ、そのつもり。あっ!そうだ。シズクさんは、この後何か予定とかありますか?」
「えっ、いや、特に予定はないです。一応、クエストの報告をするくらいですね。」
「それなら、報告終わったら俺に付き合ってくれますか?」
「…。」
シズクから返事が返って来ない。
「あれ?シズクさん?」
「はひゃい!えっと…、付き合うと言いますと?」
「あぁ、俺とパーティを組んで欲しいんですよ。」
「ですよね、わかってましたよ。」
「?」
トーシンは、シズクの言葉に首をかしげる。
「いえ、こちらの話ですお気になさらず。それより、パーティの件ですが私で良ければぜひ。」
「そうですか!ありがとうございます。」
「良かったじゃねぇかトーシン、パーティメンバーが見つかって。」
「あぁ。」
その後、トーシンとシズクはそれぞれのクエストの報告を済ませたら、噴水前に集まる約束をする。そして、アントスは自身のホームへと戻って行った。
◆◇◆◇◆
シズクは、武具屋に向かいながら考えていた。
(あのトーシンってプレイヤー、藤堂君よね?だって、声とか藤堂君の声だし。)
ATOでは、基本的に声を変えることができない。そのため、声自体はリアルの声がそのまま適用されるのだ。
(それに、顔や体格は全然違うけど、私を助けてくれた時のあの後ろ姿は、間違いなく藤堂君のものだわ。)
実は、シズクは過去にゲーム内ではなく、リアルの方で1度だけ藤堂に助けられたことが有るのである。その時に見たトーシンの後ろ姿が、今回の後ろ姿と重なるのである。
(まぁ、彼はあの時助けたのが私ってのを知らないだろうけどね。でも、付き合ってって言われた時は、びっくりしちゃったわ。)
「おーい、姉ちゃんどうしたんだ?」
シズクが考え事をしながら歩いていたらいつの間にか、武具屋に着いていたようで武具屋の親父に声をかけられる。
「あっ!すみません。えーと、クエストの報告をしに来ました。」
「おー、ありがとよ姉ちゃん。助かるぜ。」
シズクの目の前にクエスト完了の画面が現れる。そして、経験値が入りレベルが上がる。
今回のレベルアップでシズクのレベルは7になった。
「あっ!そうそう、道具屋の奴が姉ちゃんを探してたから、時間がある時にでも顔を出してやってくれ。」
そう言い終わると同時に、新しいメインクエストを受けるかどうかの画面が出てきたのでYESを選択する。
「ありがとよ。道具屋の奴も喜ぶぜ。」
武具屋が言い終わると、シズクはその場を後にする。
(報告終わったことだし、トーシンさんと合流しに噴水前に向かわなきゃ。)
そう思いシズクは、噴水前に向かう。道中、道具屋の前を通りがかる。
(そういえば、ついでにクエスト進めながら来てもいいって言ってたわね。自分もそうするからって。)
そう実は、シズクは噴水前に集合する約束をした時に、別に急いでる訳じゃないからついでにクエストを進めながら来ていいと言われていたのである。
という訳で、シズクはクエストを進めるため道具屋に立ち寄ることにした。
「おや、探索者さんお待ちしておりました。早速で悪いのですが、アルカドラ大平原に生息する、ラメイ草という薬草を5本ほど取ってきて欲しいのですが頼めますか?」
「わかりました。」
「ありがとうございます。」
その後、シズクは採取の目薬を貰い、採取の仕方を教わる。
「それでは、お願いします。」
「はい、了解しました。」
シズクはそう言って道具屋を後にして、噴水前に再び向かう。
噴水前に着くと、ちょうどトーシンが村長と話を終えたところだった。
「トーシンさん。お待たせしました。」
「あ、シズクさん。大丈夫ですよちょうど俺もメインクエストを進めたところなので。」
「そうだったんですか。」
「えぇ、それよりシズクさんってメインクエストどこまで進んでますか?」
そうトーシンに聞かれたので、シズクは今自分が受けているメインクエストを話す。
「あー、ラメイ草採取ですか。じゃあ、先にそのクエストをやりましょう。俺も手伝いますので。」
「えっ、いいんですか?」
「はい、実は俺が今受けたクエストがラメイ草の次のクエストで、レベル上げにちょうどいいんですが、ちょっと遠いみたいですのでどうせならそちらのクエストを進めて一緒に受けた方がいいかなと思いまして。」
「じゃ、じゃあ、お願いします。」
シズクのその言葉にトーシンは、全然大丈夫ですよと答える。
「じゃあ、パーティ申請送るので承認してください。」
トーシンは、そう言って何か操作する素振りをする。
そして、シズクの目の前に次の画面が現れる。
ーーーーーーーーーーーーーー
トーシンからパーティ申請が届いています。承認しますか?
YES NO
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シズクは、YESを選択する。
こうしてシズクとトーシンは、ラメイ草の採取へと出発する。
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