エンシェント・テイル・オンライン

日白

文字の大きさ
上 下
3 / 46

第3話 チュートリアル②

しおりを挟む
(スキル[カウンターシールド]か、だいたい予想できるけどチュートリアル終わった後に確認してみるか。てか、このチュートリアル長すぎじゃね?)

そんなことを思っていると次の説明が始まる。

『では次にクエストの受け方を説明します。目の前に映し出される画面を見てください。』

目の前に画面が表示されるとそこには赤い旗の様なマークが映し出されていた。

『そのマークはクエストフラッグといい、NPCの頭上に表示されます。そのマークの表示されているNPCに話しかけることでクエストを受けることができます。また、マークの色によりクエストの種類が違います。赤色はメインクエスト、青色はサブクエスト、黄色はユニーククエストです。このチュートリアル終了後に最初の村、フェルリア村に転送されますのでそこで実際にクエストを受けてみてください。』

(このチュートリアル終了後っていつ終わるんだこのチュートリアル。)

『では次にシステムメニューについて教えます。今までと同じ様にシステムメニューオープンと念じてください。』

(やっぱまだ続くのね。まぁ、とりあえず。システムメニューオープン。)

そう念じるとシステムメニューが開かれる。そこには、設定、ヘルプ、ログアウトという順番で3つの項目が縦並びに表示されていた。

『では、それぞれの項目についての説明を開始します。まず設定は、プレイヤーネームの非表示や攻撃アシストシステムのOFF等の設定の変更が行えます。次にログアウトは、タッチすることでログアウトができます。注意点として、ログアウトは基本的にどこでもできますが安全エリアでログアウトすることを推奨します。なぜなら、モンスターの出現するエリアでログアウトするとログインした際にモンスターに囲まれていることがあるからです。』

(マジか、そんなこともあるんだな。ここまでしっかり聞いておいて良かったぜ。)

『最後に、ヘルプですがこれまでのチュートリアルの説明全部と、その他のお役立ち情報が記載されているので困った時はご利用ください。』

(は?いや、まぁヘルプだしチュートリアルの内容載っててもおかしくないか。)

『この度はスキップが出来るのに、最後までこの長いチュートリアルの説明を全部聞いてくださりありがとうございます。このチュートリアルを最後まで聞いてくださったのはあなたが初めてです。』

(は?これスキップできたの?聞いてないんだけど。)

最後に知らされた衝撃の事実だった。

『では、最後に…』

「ちょっと、待って!」

このままチュートリアルを締めようとしていた声を遮る様にトーシンが言う。

『はい、なんでしょう?』

「これ、スキップできたの?って、普通に会話できたの!?」

トーシンはさりげなく会話ができていた事に驚く。さっきの「ちょっと待って」は無駄とはわかっていても言わずにはいられなくつい口から出てしまっただけなのである。

『できますよ。なのであなたがキャラメイクの時に困っていたのでサポートをしたじゃないですか。』

そう言われ思い出されるのは、アバターの作成の仕方がわからなかった時に鏡に触れれば出来ると教えてくれた記憶だった。

「そういえば、確かに。」

だが、あの時はたまたまそういう説明が入っただけだと思っていたのだった。

『まぁ、スキップに関してはあえて表示しませんでしたが。』

「は?あえて表示しなかったってどういうこと?」

『いや、それに関しては申し訳ないと思ってるんですが、私もこのチュートリアルをみんなスキップしていくんで最後まで喋れなくて悲しかったんです。お詫びにいいことに教えてあげるんで許してください。』

「いや、いいからスキップさせてくれよ。」

いいことを教えてくれるとは言うが、そんなことよりも今は早くゲームを進めたくて仕方なかった。

『いやいや、聞かないと損しますよ!それでもいいんですか?』

「いいよ。だから早く。ほら、スキップ!」

トーシンがそういうと目の前に画面が表示される。

ーーーーーーーーーーーーーー
話を聞かずにスキップしますか?

<NOいいえ>
<YESきく>
ーーーーーーーーーーーーーー

トーシンは迷わずYESを押す。

(NOを最初に持ってきて反射的に押させるつもりだったみたいだがそんなのには引っかからねぇよ。)

『ありがとうございます!聞いてくれるんですね!』

「は?なんで?」

『だってほらよく見てくださいよさっきの画面。』

そう言い終わると再度さっきの画面が出てくる。

ーーーーーーーーーーーーーー
話を聞かずにスキップしますか?

<NOいいえ>
<YESきく>
ーーーーーーーーーーーーーー

『ルビをよく見てくださいよ。きくってなってるでしょ?』

そう言われよく見てみると確かにルビはきくになっていた。

「うっ。くそっ!騙された!」

『てことで話させて貰いますね!』

「わかったよ、仕方ないから聞くよ。ただし、手短に話してくれよ。」

『大丈夫ですよ。すぐ終わるんで。私が言いたかったのは、ナイグレス・マウンテンの頂上まで何とか登って火口に飛び込んでくださいってことです。』

トーシンは確かにすぐ終わったなと思った。だが

「それ確実に俺のHP0になるよな?」

『それは、大丈夫です。実は、ナイグレス・マウンテンの火口は偽物なんですよ。なので、飛び込んでも大丈夫ですし。もちろん、落下ダメージも発生しない様になってるので。本当は、ある条件を満たさないとそもそも火口に飛び込むことすらできないんですけど今回は特別です!』

「わかった、わかった。行ってみるから早く俺を最初の村に転送してくれよ。」

『そんな急がなくてもいいじゃないですか。あっ、そうそうこのことは他のプレイヤーには内緒にすると約束してくれますか?』

「あぁ、約束する。だから早くしてくれ。」

『ありがとうございます。では今からあなたを最初の村に転送します。ATOの世界であなた達プレイヤーは探索者シーカーと呼ばれています。私からあなたに伝えることはこれで全部です。そして、これは私の願い。私はあなたが太古に失われた文明の謎を解き明かすことを願っています。それでは、行ってらっしゃいませ!』

そう言い終わるとトーシンの体が光に包まれていく。

そして、光が消えると周りの景色が変わっており、噴水の前にいた。

ここが最初の村、フェルリア村である。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる 

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ 25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。  目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。 ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。 しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。 ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。 そんな主人公のゆったり成長期!!

超一流ヴィランの俺様だが貴様らがどうしてもというならヒーローになってやらんこともない!

阿弥陀乃トンマージ
SF
 若くして広大な銀河にその名を轟かす、超一流のヴィランの青年、ジンライ。  漆黒のパワードスーツに身を包み、幾つもの堅固な宇宙要塞を陥落させ、数多の屈強な種族を倒してきた、そのヴィランに課せられた新たな任務の目的地は、太陽系第三番惑星、地球。  広い銀河においては単なる辺境の惑星に過ぎないと思われた星を訪れた時、青年の数奇な運命が動き出す……。  一癖も二癖もある、常識外れのニューヒーロー、ここに誕生!

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

絶世のディプロマット

一陣茜
SF
惑星連合平和維持局調停課に所属するスペース・ディプロマット(宇宙外交官)レイ・アウダークス。彼女の業務は、惑星同士の衝突を防ぐべく、双方の間に介入し、円満に和解させる。 レイの初仕事は、軍事アンドロイド産業の発展を望む惑星ストリゴイと、墓石が土地を圧迫し、財政難に陥っている惑星レムレスの星間戦争を未然に防ぐーーという任務。 レイは自身の護衛官に任じた凄腕の青年剣士、円城九太郎とともに惑星間の調停に赴く。 ※本作はフィクションであり、実際の人物、団体、事件、地名などとは一切関係ありません。

スキル間違いの『双剣士』~一族の恥だと追放されたが、追放先でスキルが覚醒。気が付いたら最強双剣士に~

きょろ
ファンタジー
この世界では5歳になる全ての者に『スキル』が与えられる――。 洗礼の儀によってスキル『片手剣』を手にしたグリム・レオハートは、王国で最も有名な名家の長男。 レオハート家は代々、女神様より剣の才能を与えられる事が多い剣聖一族であり、グリムの父は王国最強と謳われる程の剣聖であった。 しかし、そんなレオハート家の長男にも関わらずグリムは全く剣の才能が伸びなかった。 スキルを手にしてから早5年――。 「貴様は一族の恥だ。最早息子でも何でもない」 突如そう父に告げられたグリムは、家族からも王国からも追放され、人が寄り付かない辺境の森へと飛ばされてしまった。 森のモンスターに襲われ絶対絶命の危機に陥ったグリム。ふと辺りを見ると、そこには過去に辺境の森に飛ばされたであろう者達の骨が沢山散らばっていた。 それを見つけたグリムは全てを諦め、最後に潔く己の墓を建てたのだった。 「どうせならこの森で1番派手にしようか――」 そこから更に8年――。 18歳になったグリムは何故か辺境の森で最強の『双剣士』となっていた。 「やべ、また力込め過ぎた……。双剣じゃやっぱ強すぎるな。こりゃ1本は飾りで十分だ」 最強となったグリムの所へ、ある日1体の珍しいモンスターが現れた。 そして、このモンスターとの出会いがグレイの運命を大きく動かす事となる――。

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる

十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。

スキルが【アイテムボックス】だけってどうなのよ?

山ノ内虎之助
ファンタジー
高校生宮原幸也は転生者である。 2度目の人生を目立たぬよう生きてきた幸也だが、ある日クラスメイト15人と一緒に異世界に転移されてしまう。 異世界で与えられたスキルは【アイテムボックス】のみ。 唯一のスキルを創意工夫しながら異世界を生き抜いていく。

巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する

高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。 手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。

処理中です...