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第1話 デアイ
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カラン、カラン
「おめでとうございます!こちら1等の、エンシェント・テイル・オンライン本体セットでございます。」
福引の1等当選を告げるおじさんの声が、ベルの音と共に商店街に響き渡る。
そして、見事1等に当選した幸運な男、藤堂真吾はこの状況に追いついて無かった。
(へぇ、1等当選かすげぇな。誰が当選したんだ?いや、福引やったの俺だから俺しかいないよな?えっ?じゃあ俺が1等当選したの?マジで!今までこういうのに1回も当選しなかったこの俺が!?うぉおおお、やったー!ついに来たよ!俺の時代来ちゃったよ!)
1等に自分が当選したというこの状況に追いつき理解した彼は、心の中でテンションがかなり上がっていた。
「あの?お客さん聞いてます?」
福引のおじさんの声を聞き、落ち着きを取り戻す。
「あっはい、大丈夫です。当選したのが嬉しくてテンションがハイになってただけです。」
「そっ、そうですか。まぁ、とりあえず改めておめでとうございます!」
「ありがとうございます。それで、当選した景品ってなんでしたっけ?ちょっとよく聞いてなかったもので。」
そう、彼は1等に当選したという事実に意識が持ってかれすぎて景品の方はよく聞いてなかったのである
「あぁ、景品はですねこちらのエンシェント・テイル・オンライン…通称ATOの本体セットですね。」
「ATO?」
「あれ?お客さんひょっとしてATOのこと知らないんですかい?」
「えぇ。それは見た感じゲームですかね?」
「おや、これは本当に知らないみたいですね。このATOってゲームはですね、8年前に発売されてから絶大な人気を誇り今なお人気のゲームなんですよ。CMとかも結構やってるんですけどね。」
「へぇ、そんなすごいゲームなんですね。でも、言われてみればたしか」
彼は、社会人になってからほとんど仕事にしか興味を持ってこなかったのでこういうゲームの知識に疎いのである。
「まぁ、やった事ないならこの機会に是非ともやってみてください。きっと、ハマりますよ。実はね私もこのゲームやっていてですね、かなりハマってるんですよ。」
「はい。帰ったら試しに1度やってみますよ。」
「学生時代は結構やってたけど最近じゃ全くやってなかったからちょっと楽しみだな。」
そうして、彼は景品を受け取り帰宅しようとするが、本体が思いのほかでかかったのでタクシーで帰ることにした。
家に着くと風呂に入りそれから夕食をとる。そして、夕食後に例のゲームをやってみることにした。
(さてと、とりあえずどうやればいいか分からないから説明書を読むか。)
まず、本体の説明書を読み接続の仕方や使用方法などを理解し、それからゲームの説明書を読みプレイ方法を見ようとしたがゲーム開始後にチュートリアルがあるらしく、そこでプレイ方法等を知ることができるため起動方法だけ見てとりあえずプレイしてみることにした。
ATOのカセットをセットし、ベッドで仰向けに寝転んで本体を起動する。
◆◇◆◇◆
『ようこそ、ATOの世界へ。まずは、アバターの作成をしてください。』
気がつくと目の前の壁1面だけが鏡の白い部屋にいて、無機質な声でアバターの作成をするように言われる。
「えっと、どうやって作成すればいいんだ?」
『鏡に触れることでアバターの作成ができます。』
その声を聞き彼は目の前の鏡に触れる。すると、様々な項目が出てくる。そして、その項目の1番下におまかせという項目があった。
「おまかせってのもあるのか。」
『おまかせはこちらでランダムでアバターの作成を行います。』
「なるほど。じゃあ別におまかせでもいいかな。」
そう思い、おまかせの項目をタッチする。そうすると、鏡に映る自分の姿が変化していく。そこに映っていたのは、髪色は赤、髪型と顔は普通の感じ、体格は現実の体よりひと回り大きくごつい感じのアバターであった。
『このアバターでよろしいですか?よろしければ鏡の右側にあるOKの項目を、もう1度作成し直したければ鏡の左側のNOの項目をタッチしてください。』
「まぁ、見た目なんてなんでもいいや。」
彼は、右側のOKの項目をタッチする。
『では次に、プレイヤーネームを決めてください。入力の際は鏡に表示されている画面をタッチすることで行えます。』
「プレイヤーネームか。じゃあ学生時代にゲームで使ってたトーシンにするか。」
トーシンは、自信の名字である藤堂の藤からトー、名前の真吾の真からシンをそれぞれとり組み合わせたものである。
鏡に表示されている画面をタッチし、プレイヤーネームを入力していく。
『では最後に最初の武器を選んでください。』
その声と共に鏡に様々な武器が表示される。
(えーと、武器の種類は。片手剣と盾、双剣、刀、短剣、大剣、両手斧、片手斧、大鎌、槍、メイス、弓、銃、スリングショット、木の枝、か。結構種類あるな。ってスリングショットと木の枝とかこれふざけてるだろ。まだ、スリングショットはいいけど木の枝とか絶対無理だろ。まぁいいや、とりあえず俺の選ぶ武器はこれだ。)
まだ、どんなゲームか分からないので1番バランスの良さそうな片手剣と盾を選択する。
『では以上でキャラメイクが終了しました。この後、チュートリアルが始まります。そのまま、お待ちください。』
こうして、キャラメイクが終了した。
「おめでとうございます!こちら1等の、エンシェント・テイル・オンライン本体セットでございます。」
福引の1等当選を告げるおじさんの声が、ベルの音と共に商店街に響き渡る。
そして、見事1等に当選した幸運な男、藤堂真吾はこの状況に追いついて無かった。
(へぇ、1等当選かすげぇな。誰が当選したんだ?いや、福引やったの俺だから俺しかいないよな?えっ?じゃあ俺が1等当選したの?マジで!今までこういうのに1回も当選しなかったこの俺が!?うぉおおお、やったー!ついに来たよ!俺の時代来ちゃったよ!)
1等に自分が当選したというこの状況に追いつき理解した彼は、心の中でテンションがかなり上がっていた。
「あの?お客さん聞いてます?」
福引のおじさんの声を聞き、落ち着きを取り戻す。
「あっはい、大丈夫です。当選したのが嬉しくてテンションがハイになってただけです。」
「そっ、そうですか。まぁ、とりあえず改めておめでとうございます!」
「ありがとうございます。それで、当選した景品ってなんでしたっけ?ちょっとよく聞いてなかったもので。」
そう、彼は1等に当選したという事実に意識が持ってかれすぎて景品の方はよく聞いてなかったのである
「あぁ、景品はですねこちらのエンシェント・テイル・オンライン…通称ATOの本体セットですね。」
「ATO?」
「あれ?お客さんひょっとしてATOのこと知らないんですかい?」
「えぇ。それは見た感じゲームですかね?」
「おや、これは本当に知らないみたいですね。このATOってゲームはですね、8年前に発売されてから絶大な人気を誇り今なお人気のゲームなんですよ。CMとかも結構やってるんですけどね。」
「へぇ、そんなすごいゲームなんですね。でも、言われてみればたしか」
彼は、社会人になってからほとんど仕事にしか興味を持ってこなかったのでこういうゲームの知識に疎いのである。
「まぁ、やった事ないならこの機会に是非ともやってみてください。きっと、ハマりますよ。実はね私もこのゲームやっていてですね、かなりハマってるんですよ。」
「はい。帰ったら試しに1度やってみますよ。」
「学生時代は結構やってたけど最近じゃ全くやってなかったからちょっと楽しみだな。」
そうして、彼は景品を受け取り帰宅しようとするが、本体が思いのほかでかかったのでタクシーで帰ることにした。
家に着くと風呂に入りそれから夕食をとる。そして、夕食後に例のゲームをやってみることにした。
(さてと、とりあえずどうやればいいか分からないから説明書を読むか。)
まず、本体の説明書を読み接続の仕方や使用方法などを理解し、それからゲームの説明書を読みプレイ方法を見ようとしたがゲーム開始後にチュートリアルがあるらしく、そこでプレイ方法等を知ることができるため起動方法だけ見てとりあえずプレイしてみることにした。
ATOのカセットをセットし、ベッドで仰向けに寝転んで本体を起動する。
◆◇◆◇◆
『ようこそ、ATOの世界へ。まずは、アバターの作成をしてください。』
気がつくと目の前の壁1面だけが鏡の白い部屋にいて、無機質な声でアバターの作成をするように言われる。
「えっと、どうやって作成すればいいんだ?」
『鏡に触れることでアバターの作成ができます。』
その声を聞き彼は目の前の鏡に触れる。すると、様々な項目が出てくる。そして、その項目の1番下におまかせという項目があった。
「おまかせってのもあるのか。」
『おまかせはこちらでランダムでアバターの作成を行います。』
「なるほど。じゃあ別におまかせでもいいかな。」
そう思い、おまかせの項目をタッチする。そうすると、鏡に映る自分の姿が変化していく。そこに映っていたのは、髪色は赤、髪型と顔は普通の感じ、体格は現実の体よりひと回り大きくごつい感じのアバターであった。
『このアバターでよろしいですか?よろしければ鏡の右側にあるOKの項目を、もう1度作成し直したければ鏡の左側のNOの項目をタッチしてください。』
「まぁ、見た目なんてなんでもいいや。」
彼は、右側のOKの項目をタッチする。
『では次に、プレイヤーネームを決めてください。入力の際は鏡に表示されている画面をタッチすることで行えます。』
「プレイヤーネームか。じゃあ学生時代にゲームで使ってたトーシンにするか。」
トーシンは、自信の名字である藤堂の藤からトー、名前の真吾の真からシンをそれぞれとり組み合わせたものである。
鏡に表示されている画面をタッチし、プレイヤーネームを入力していく。
『では最後に最初の武器を選んでください。』
その声と共に鏡に様々な武器が表示される。
(えーと、武器の種類は。片手剣と盾、双剣、刀、短剣、大剣、両手斧、片手斧、大鎌、槍、メイス、弓、銃、スリングショット、木の枝、か。結構種類あるな。ってスリングショットと木の枝とかこれふざけてるだろ。まだ、スリングショットはいいけど木の枝とか絶対無理だろ。まぁいいや、とりあえず俺の選ぶ武器はこれだ。)
まだ、どんなゲームか分からないので1番バランスの良さそうな片手剣と盾を選択する。
『では以上でキャラメイクが終了しました。この後、チュートリアルが始まります。そのまま、お待ちください。』
こうして、キャラメイクが終了した。
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