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第2話
しおりを挟む堀木とたかひろは、大学の研究室での先輩と後輩だった。
若かりし頃のたかひろは、先輩である堀木を素直に尊敬し、研究に行き詰まった時はアドバイスをもらったり、テスト期間には過去問をもらったり、何かと頼りにしていた。
一緒に飲みに行った時には堀木は必ずと言っていいほど、卒業したら起業してIT企業を立ち上げると夢を語っていたものだった。
たかひろはそれをいつも笑って聞いていた。
きっと堀木さんなら実現できるに違いない。
心から彼の夢を応援したいと思っていた。
そしてたかひろが二十歳を過ぎた頃、堀木は就職活動することなく大学を中退し、会社を立ち上げた。
初めの数年間はかなり順調であったようだ。
数十人の従業員を抱え、妻子にも恵まれていた。
大学卒業後、プログラマーとして社会に出て、毎日終電まで残業する日々を送っていたたかひろにとっては堀木の全てが眩しかった。
しかし、その輝きはいつまでも続くわけではなかった。
たかひろが会社を退職し、フリーランスプログラマーとして少しずつ安定した収入を得られるようになった頃、堀木から2~3年ぶりに連絡が来た。
久しぶりに飲まないか、と彼は言った。
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