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第6話
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大野の部屋には、いろんな画材や画集、専門書がひしめき合っていた。
堀木にとっては部屋の中のもの全てが新鮮で興味深いものばかり。
プレゼントの包装を開いた子供のように目を丸くして、部屋の中をきょろきょろと見回す彼が大野にとってはおかしくて仕方がなかった。
「へえ、これ全部お前の持ち物?随分熱心なんだな」
堀木は感心した面持ちで腕を組みながら言った。
「ええ…まあ…残念ながらまだ仕事には繋がっていないんですけどね。よかったら、僕が描いた作品も見ますか?」
堀木は、寝室に自分の作品がある、という言葉に何の疑念も持たずに奥の部屋までついてきた。
そして、じっと黙って壁にかかった油絵を見つめていた。
それは大野が美大生の頃に描いた睡蓮だった。
大野の作品はモネよりも全体的に背景の色合いが薄暗く、その一方で鮮やかな葉の色使い、緻密に描き込まれた葉脈が印象的だった。花の蕾はひとつも付いていなかった。
「ねえ、大野くん」
作品の感想を言おうとした堀木が後ろを振り返った瞬間、大野は堀木に後ろから抱きついた。
「堀木さん…堀木さんは僕のことが好きなんですよね?」
大野は彼の耳元でそう囁くと、その耳を口に含んで舌を這わせた。
―もし彼が「する側」であるなら、その場で押し倒されるかもしれない。
大野は後ろの貞操を失う覚悟を決めた。
しかし、堀木はそうしなかった。
彼は恥ずかしそうに俯いて、ためらいがちに頷いた。
その様子を見た大野は、堀木が「される側」であることを悟ると同時に、自分が今まで抱いてきた女性たちとは異なる態度に新鮮味を感じた。
彼が生まれて初めて、男性にときめいた瞬間だった。
「ねえ…堀木さん、ベッドに行きましょう?おれ、男の人とするのは初めてだけど、優しくするよ…。」
大野はそう囁きながら堅く抱きしめた腕をゆっくり解き、堀木の身体を愛撫しながら片手を下半身、もう片方の手を乳首に這わせた。
堀木は壁に手をついて、荒い息遣いをしながら大野にされるがままにされている。
「んっ…駄目だよ、大野くん…」
大野が乳首をつねる度に、堀木が身体をよじらせながら哀願する姿を見て、一種の支配欲、彼をものにしたいという欲望が大野の中で芽生えてきた。
「へえ、口ではそう言ってるけど、堀木さんのこれ、すごく大きくなってますよ?」
大野は堀木のジーンズに手を突っ込み、ペニスをまさぐりながら言った。
「ち、違う!違うから!」
「恥ずかしがらなくてもいいですよ、おれは堀木さんのすべてを見たいと思ってるし、堀木さんにすべてを見せたいと思ってる。おいで…堀木さん、おれに全部まかせて…」
大野は堀木の手を取ってベッドへ導き、彼を仰向けに横たえると、その身体にまたがりながら着ていたシャツを脱ぎ捨てた。
堀木は恥じらいながら、大野の露わになった肉体を黙って見つめている。
大野は堀木のジーンズに手をかけた。
彼にジーンズを剥ぎ取られ、堀木の恥部が露わになっていった。
「ほら、やっぱり大きくなってるじゃないですか。いやらしい人だよ、堀木さん」
大野は堀木の股間をまじまじと見つめながら言った。
しかし、そう言う大野の方もかなり興奮しはじめていた。
自分が十歳近くも年上の男に対して欲情し、勃起しているという状況に内心驚きながらも、とにかく挿入れたい、出したいという欲望に支配されていた。
はやる気持ちを抑えながら、堀木のペニスを愛撫し、何度もキスをした。
「あっ…んっ…嫌…やめてよ大野くん…」
「嫌?おれとするの嫌なの?さっきおれのこと好きって言ってくれたじゃないですか…」
大野はそう言って、悲しげなそぶりを見せた。
ここまで来て、もう後戻りする訳にはいかないのだ。
それに彼は、ペニスに口付ける度に、ぴくん、と微かに体を震わせる堀木が愛しいとさえ思い始めていた。
早く、早く一つになりたい…。
「だって、やっぱりまずいよ、たかひろに知られたら…」
「たかひろさんって、堀木さんの彼氏ですよね?あんな奴のこと気にすることないよ。それに海外に住んでるんでしょ、分かるわけないさ、大丈夫ですよ」
大野はそう言いながら堀木の太ももを持ち上げた。
堀木は大野にされるがまま、赤子のような姿勢を取らされた恥辱で顔を真っ赤にしている。
「いいよ…堀木さん…もっとおれに顔を見せて…」
堀木の尻に触れると、その肌は桃のようにみずみずしく柔らかで、大野はその桃に貪りつきたい衝動に駆られた。
そして、その割れ目を手で押し広げると、慣れた手つきで堀木のアヌスに指をねじ込んだ。
「ああっ…ダメっ…ダメだってば…」
堀木は大野が与える快感に身悶えし、涙を流した。
その様子を見た大野は興奮のあまりジーンズを下ろすと、その露わになった、固く隆起したぺニスを堀木のアヌスに力一杯押し付けた。
「痛いっ…痛いよ、大野くん…」
堀木は苦悶の表情を浮かべながら悲鳴をあげた。
大野のペニスは少しも挿入っていなかった。
畜生、どうしてうまくいかないんだ。男も女もそう大して変わらないはずなのに。
せっかくここまで来たのに挿入らないなんて…。
何人もの女を抱いてきた大野にとって、セックスで上手くいかないことは男として恥じるべきことだと思っていた。
たとえその相手が男だったとしても。
「ごめんね…堀木さん、痛い思いをさせてしまって…」
何度試しても上手くいかなくて、いたずらに堀木の体に負担をかけることが心苦しくなった大野は、息を弾ませながら堀木を抱きしめた。
「いや、その…俺の方こそごめん」
「堀木さんが謝ることじゃないよ…じゃあさ、せめておれと一緒に写真撮ってくれます?おれと堀木さんが初めてした日ってことで、記念にとっておきたいから…」
堀木は、若い子の言うことはよくわからないが、きっとそういう記念写真を撮るのが若い子の間で流行っているのだろうと思い、了承した。
二人は汗だくのまま衣服を身にまとい、ベッドの上で並んで腰掛けた。
大野はスマートフォンを顔の前にかざしながら、独り言のようにぼそりと呟いた。
「おれも堀木さんのこと…好きですよ」
それと同時に、カメラのシャッター音が部屋の中に響いた。
「えっ、大野くん、今なんか言った?」
「いいえ、何も」
大野はただ笑っていた。
大野と軽い気持ちで撮った一枚の写真。
まさか、その写真が原因であんなことになるなんて、思ってもみなかった。
堀木にとっては部屋の中のもの全てが新鮮で興味深いものばかり。
プレゼントの包装を開いた子供のように目を丸くして、部屋の中をきょろきょろと見回す彼が大野にとってはおかしくて仕方がなかった。
「へえ、これ全部お前の持ち物?随分熱心なんだな」
堀木は感心した面持ちで腕を組みながら言った。
「ええ…まあ…残念ながらまだ仕事には繋がっていないんですけどね。よかったら、僕が描いた作品も見ますか?」
堀木は、寝室に自分の作品がある、という言葉に何の疑念も持たずに奥の部屋までついてきた。
そして、じっと黙って壁にかかった油絵を見つめていた。
それは大野が美大生の頃に描いた睡蓮だった。
大野の作品はモネよりも全体的に背景の色合いが薄暗く、その一方で鮮やかな葉の色使い、緻密に描き込まれた葉脈が印象的だった。花の蕾はひとつも付いていなかった。
「ねえ、大野くん」
作品の感想を言おうとした堀木が後ろを振り返った瞬間、大野は堀木に後ろから抱きついた。
「堀木さん…堀木さんは僕のことが好きなんですよね?」
大野は彼の耳元でそう囁くと、その耳を口に含んで舌を這わせた。
―もし彼が「する側」であるなら、その場で押し倒されるかもしれない。
大野は後ろの貞操を失う覚悟を決めた。
しかし、堀木はそうしなかった。
彼は恥ずかしそうに俯いて、ためらいがちに頷いた。
その様子を見た大野は、堀木が「される側」であることを悟ると同時に、自分が今まで抱いてきた女性たちとは異なる態度に新鮮味を感じた。
彼が生まれて初めて、男性にときめいた瞬間だった。
「ねえ…堀木さん、ベッドに行きましょう?おれ、男の人とするのは初めてだけど、優しくするよ…。」
大野はそう囁きながら堅く抱きしめた腕をゆっくり解き、堀木の身体を愛撫しながら片手を下半身、もう片方の手を乳首に這わせた。
堀木は壁に手をついて、荒い息遣いをしながら大野にされるがままにされている。
「んっ…駄目だよ、大野くん…」
大野が乳首をつねる度に、堀木が身体をよじらせながら哀願する姿を見て、一種の支配欲、彼をものにしたいという欲望が大野の中で芽生えてきた。
「へえ、口ではそう言ってるけど、堀木さんのこれ、すごく大きくなってますよ?」
大野は堀木のジーンズに手を突っ込み、ペニスをまさぐりながら言った。
「ち、違う!違うから!」
「恥ずかしがらなくてもいいですよ、おれは堀木さんのすべてを見たいと思ってるし、堀木さんにすべてを見せたいと思ってる。おいで…堀木さん、おれに全部まかせて…」
大野は堀木の手を取ってベッドへ導き、彼を仰向けに横たえると、その身体にまたがりながら着ていたシャツを脱ぎ捨てた。
堀木は恥じらいながら、大野の露わになった肉体を黙って見つめている。
大野は堀木のジーンズに手をかけた。
彼にジーンズを剥ぎ取られ、堀木の恥部が露わになっていった。
「ほら、やっぱり大きくなってるじゃないですか。いやらしい人だよ、堀木さん」
大野は堀木の股間をまじまじと見つめながら言った。
しかし、そう言う大野の方もかなり興奮しはじめていた。
自分が十歳近くも年上の男に対して欲情し、勃起しているという状況に内心驚きながらも、とにかく挿入れたい、出したいという欲望に支配されていた。
はやる気持ちを抑えながら、堀木のペニスを愛撫し、何度もキスをした。
「あっ…んっ…嫌…やめてよ大野くん…」
「嫌?おれとするの嫌なの?さっきおれのこと好きって言ってくれたじゃないですか…」
大野はそう言って、悲しげなそぶりを見せた。
ここまで来て、もう後戻りする訳にはいかないのだ。
それに彼は、ペニスに口付ける度に、ぴくん、と微かに体を震わせる堀木が愛しいとさえ思い始めていた。
早く、早く一つになりたい…。
「だって、やっぱりまずいよ、たかひろに知られたら…」
「たかひろさんって、堀木さんの彼氏ですよね?あんな奴のこと気にすることないよ。それに海外に住んでるんでしょ、分かるわけないさ、大丈夫ですよ」
大野はそう言いながら堀木の太ももを持ち上げた。
堀木は大野にされるがまま、赤子のような姿勢を取らされた恥辱で顔を真っ赤にしている。
「いいよ…堀木さん…もっとおれに顔を見せて…」
堀木の尻に触れると、その肌は桃のようにみずみずしく柔らかで、大野はその桃に貪りつきたい衝動に駆られた。
そして、その割れ目を手で押し広げると、慣れた手つきで堀木のアヌスに指をねじ込んだ。
「ああっ…ダメっ…ダメだってば…」
堀木は大野が与える快感に身悶えし、涙を流した。
その様子を見た大野は興奮のあまりジーンズを下ろすと、その露わになった、固く隆起したぺニスを堀木のアヌスに力一杯押し付けた。
「痛いっ…痛いよ、大野くん…」
堀木は苦悶の表情を浮かべながら悲鳴をあげた。
大野のペニスは少しも挿入っていなかった。
畜生、どうしてうまくいかないんだ。男も女もそう大して変わらないはずなのに。
せっかくここまで来たのに挿入らないなんて…。
何人もの女を抱いてきた大野にとって、セックスで上手くいかないことは男として恥じるべきことだと思っていた。
たとえその相手が男だったとしても。
「ごめんね…堀木さん、痛い思いをさせてしまって…」
何度試しても上手くいかなくて、いたずらに堀木の体に負担をかけることが心苦しくなった大野は、息を弾ませながら堀木を抱きしめた。
「いや、その…俺の方こそごめん」
「堀木さんが謝ることじゃないよ…じゃあさ、せめておれと一緒に写真撮ってくれます?おれと堀木さんが初めてした日ってことで、記念にとっておきたいから…」
堀木は、若い子の言うことはよくわからないが、きっとそういう記念写真を撮るのが若い子の間で流行っているのだろうと思い、了承した。
二人は汗だくのまま衣服を身にまとい、ベッドの上で並んで腰掛けた。
大野はスマートフォンを顔の前にかざしながら、独り言のようにぼそりと呟いた。
「おれも堀木さんのこと…好きですよ」
それと同時に、カメラのシャッター音が部屋の中に響いた。
「えっ、大野くん、今なんか言った?」
「いいえ、何も」
大野はただ笑っていた。
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