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二 使徒達――新たな日常⑧
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一日の授業が終わりを告げ、クラスメイトは皆掃除が始まる教室を出ていった。
朔耶もまたその流れに従って廊下に出て、しかし、その場に留まり、窓から見える青く澄み渡る空を曇ったような気持ちで眺めていた。
実際のところ、晶の指摘は当たっていた。
彼女達の前では見せないようにしていたが、心の奥では千影が世界に忘れられて二日という時が経ってようやく、千影がいないという事実が確かな重さを持ち始めていた。
千影を甦らせることができるかもしれない。
その可能性と彼女のデュナミスを得た時に抱いた充足感。
ただそれだけで上辺を取り繕い、亀裂の入った日常をやり過ごす程度の冷静さを保ってきた。
しかし、千影がいた日常との相違を数える度に、淀んだ何かが心に蓄積されていくのだ。
たとえ一ミリでも目的に近づいている実感があれば違ったのかもしれない。
だが、訓練だけでは進展が感じられない。
それが真綿で首を絞めるような嫌な焦り、苛立ちを生んでいた。
晶はそれを感じ取った。
と言うよりは、そうなるだろうと推測していた感じだった。使徒としての経験によるものだろうか。
そんな彼女に心配をかけたくない、と思うことはその実、まだ彼女を完全には信頼していない、ということなのかもしれない。
理屈の裏打ちを欲しがる性格が、僅かに距離を取らせているのだ。
「朔耶、大丈夫か?」
そんなことを考えながら、ぼんやりと空に視線を向けていたためか、すぐ傍で一緒に陽菜を待つ和也に心配され、朔耶は曖昧に笑って誤魔化した。
それに対して和也は呆れたような苦笑を浮かべていた。
何故、二人で陽菜を待っているのか。
その答えは、和也が六時間目の授業中に彼女からメールを受け取り、朔耶を引き止めて待っているよう命令されたからだった。
「朔兄!」
しばらくして軽い衝撃と共に陽菜の明るい声が耳に届き、左手が温かで柔らかな感触に包まれる。
この場での彼女の行動とその結果としては全く自然な流れだ。
しかし、陽菜は何故か不思議そうな表情を浮かべた。
「陽菜ちゃん、どうしたの?」
「え? う~ん、何だか、簡単に朔兄と腕を組めた気がして……」
自分の感覚がよく分からないのか、陽菜は、変なの、と呟いて、それから思い出したように可愛らしい怒りの表情を作った。
「それより朔兄、どうしたの? 全然一緒に帰ってくれないし。お兄ちゃんがちゃんと連れて来てくれないから、陽菜が来ちゃったよ」
その怒りの表情も寂しげなものに取って代わられ、最終的にはまた笑顔に戻る。
コロコロと変わる陽菜の表情を見ていると心も幾らか和むような気がする。
「ごめんね、陽菜ちゃん。でも――」
「朔耶、遅い……ぞ?」
聞き知った不満げな声にその方向を見る。と、態々迎えに来てくれたらしい晶が、朔耶と腕を絡めている陽菜の姿を認めて硬直していた。
「朔耶。これはどういうことだ?」
そして、何故か低い声を出す晶。見上げるように三白眼で睨まれると妙に怖い。
お前は千影が好きなのではないのか、と問うているかのようだ。
「え、いや、その――」
「朔兄。この子、誰?」
そんな晶を見て、彼女と同等以上に不機嫌そうな口調で言い、腕の力を強める陽菜。
そのせいで、彼女の年齢にしては大きいそれが強く当たって何とも言えない気分になる。
「朔兄、だと? いや、それよりも、私は最上級生だぞ! なりで判断するな!」
「え、ええーっ!? その体格で?」
「こ、この、多少胸がでかいからといって生意気な! と言うか、このリボンを見れば分かるだろうが!」
赤いリボンを摘んで白いラインを示しながら、リボン以上に顔を赤くして晶が叫ぶ。
「す、すみません、先輩。余りにも小さかったもので、つい」
「何だとっ!?」
今にも陽菜に掴みかかっていきそうな晶に、まあまあ、と宥めながら、陽菜から静かに離れる。
一瞬動揺したが、何となく懐かしく見えるやり取りに冷静になれた。
反面、その懐かしさのために心の奥底で何かが微かに疼く。
「朔耶。この前の先輩といい、どうしたんだ? あれか? モテ期って奴か? ま、何にしても他人の修羅場程面白いものはないよな」
その光景を傍観していた和也が他人事のように言う。
そんな彼の様子に、その修羅場らしきものを演じている片方はお前の妹だろうに、と深い溜息をつく。
確実に和也はメロドラマを大笑いしながら見るタイプだ。
「朔耶! さっさと行くぞ。己刃も待っているからな」
「何言ってるんですか! 朔兄は陽菜達と一緒に帰るんです! 今日は朔兄の家に行くんですから!」
朔耶も初めて聞く予定を決定事項のように言い出す陽菜。
「そんなもの――」
対して晶は反論を途中で切ると、いいことを思いついた、という感じの意地の悪い笑みを見せた。
「いや、丁度いい。なら、私達も行こう。少し待っていろ。己刃を呼ぶ」
そう言って廊下のど真ん中で電話をかけ始めた晶は、己刃に校門のところまで来るように伝えていた。
名目上、学内での携帯の使用は禁止されているのだが、隠す素振りも全く見せない堂々とした姿に誰も注意できなかった。教師に見つからないことを祈るしかない。
「え、あ、あれ?」
まだ目の前の展開に理解が追いついていない様子の陽菜は、そんな晶を前に呆然とした声を出した。
彼女にとっては全く想定外の方向へ事態が転がってしまったようだ。
「よし、校門に向かうぞ」
やがて電話を終えた晶がそう言うと先頭を切る。
学院会室に向かう予定だった朔耶に拒否権はなく、そんな彼女に大人しく続いた。
それに連なるように渋々という感じの陽菜と面白がっている風の和也もついてくる。
そして校門のところで、突然呼び出されたためか戸惑いの表情と共に待っていた己刃と合流した。
「さあ、朔耶の家に行くとしようか」
どこか楽しそうに歩き出す晶、この状況を楽しんでいるらしい和也。
その二人と、朔耶を含めた残る三人は非常に対照的だった。
朔耶は困惑と諦めが入り混じった妙な感覚を抱き、己刃は晶に呆れたような視線を送っていた。
何より陽菜の不機嫌の度合いはこれまでに類を見ない程だった。
「うー、もう、何で、い~っつも誰かが邪魔するの!?」
頬を膨らませて文句を言う陽菜をその隣で和也が宥めていたようだったが、何故か彼女から背中を殴られていた。また余計なことを言ったのだろう。
しかし、先程もだが、陽菜の記憶からは完全に千影の存在が消え去っていないように感じられる。
あるいは、一部とはいえ彼女のデュナミスを保持していることが何か関係しているのかもしれない。
だが、それも所詮引っかかる程度。千影自身の存在を忘れているのなら意味はない。
「ごめんね、朝日奈君。晶が無理を言って」
晶は道を既に知っているのか、ずんずんと先導するように前を進んでいて、陽菜と和也は格闘中。
と言う訳で、必然的に朔耶は己刃と並んで歩いていた。
背丈が同じぐらいなので、隣を見れば、彼女の申し訳なさそうな顔が目の前にある形となる。
「いえ、俺は別に。母さんも客を歓迎するのが趣味みたいな人ですから」
「そう。よかった。……今回はさすがに急だったけど、その内伺おうとは思っていたの」
「え? どうしてです?」
「状況によっては家に帰れなくなったりするかもしれないから。一応、部活に入った、ということにさせて貰おうと思って」
「ああ、あの学院会、ですか?」
己刃は、そう、と首を縦に振った。
使徒となって以来、放課後はあの部屋を訪れることが日課になりつつあったが、家では友達と遊びに行っていたことにしていた。
しかし、それは基本インドア派の朔耶には余り連続して使えない言い訳だった。
もし部活という理由を正当に使えるのであれば確かに楽になる。
「でも、どういう風に説明するんですか? 活動内容とか」
「一応マニュアルがあってね。生徒会に似たような組織として説明するの。活動内容は、学校運営の手伝い、かな。名目上だけどね」
あの学校自体が使徒のサポート組織なのだから、アノミアでの活動を学校運営の手伝いと言うのも完全な間違いではない、かもしれない。
ともかく、生徒会に近い組織だと説明されれば、あの母親でなくとも大概の親は納得してしまうに違いない。朔耶はそう思いながら、成程、と呟いた。
「おい、朔耶。どれがお前のマンションだ?」
話をしている内に団地の中に入っていたようで、先頭を歩いていた晶が困ったように立ち止まって、しかし、横柄な口調で尋ねてきた。
その身長の低さのせいで、精一杯虚勢を張っている迷子のように見えてしまう。
どうやら団地内のどのマンションに朔耶の家があるかまでは分からなかったらしい。
「あれですよ」
そんな彼女の様子に思わず微苦笑しながら、朔耶は指差した。
朔耶もまたその流れに従って廊下に出て、しかし、その場に留まり、窓から見える青く澄み渡る空を曇ったような気持ちで眺めていた。
実際のところ、晶の指摘は当たっていた。
彼女達の前では見せないようにしていたが、心の奥では千影が世界に忘れられて二日という時が経ってようやく、千影がいないという事実が確かな重さを持ち始めていた。
千影を甦らせることができるかもしれない。
その可能性と彼女のデュナミスを得た時に抱いた充足感。
ただそれだけで上辺を取り繕い、亀裂の入った日常をやり過ごす程度の冷静さを保ってきた。
しかし、千影がいた日常との相違を数える度に、淀んだ何かが心に蓄積されていくのだ。
たとえ一ミリでも目的に近づいている実感があれば違ったのかもしれない。
だが、訓練だけでは進展が感じられない。
それが真綿で首を絞めるような嫌な焦り、苛立ちを生んでいた。
晶はそれを感じ取った。
と言うよりは、そうなるだろうと推測していた感じだった。使徒としての経験によるものだろうか。
そんな彼女に心配をかけたくない、と思うことはその実、まだ彼女を完全には信頼していない、ということなのかもしれない。
理屈の裏打ちを欲しがる性格が、僅かに距離を取らせているのだ。
「朔耶、大丈夫か?」
そんなことを考えながら、ぼんやりと空に視線を向けていたためか、すぐ傍で一緒に陽菜を待つ和也に心配され、朔耶は曖昧に笑って誤魔化した。
それに対して和也は呆れたような苦笑を浮かべていた。
何故、二人で陽菜を待っているのか。
その答えは、和也が六時間目の授業中に彼女からメールを受け取り、朔耶を引き止めて待っているよう命令されたからだった。
「朔兄!」
しばらくして軽い衝撃と共に陽菜の明るい声が耳に届き、左手が温かで柔らかな感触に包まれる。
この場での彼女の行動とその結果としては全く自然な流れだ。
しかし、陽菜は何故か不思議そうな表情を浮かべた。
「陽菜ちゃん、どうしたの?」
「え? う~ん、何だか、簡単に朔兄と腕を組めた気がして……」
自分の感覚がよく分からないのか、陽菜は、変なの、と呟いて、それから思い出したように可愛らしい怒りの表情を作った。
「それより朔兄、どうしたの? 全然一緒に帰ってくれないし。お兄ちゃんがちゃんと連れて来てくれないから、陽菜が来ちゃったよ」
その怒りの表情も寂しげなものに取って代わられ、最終的にはまた笑顔に戻る。
コロコロと変わる陽菜の表情を見ていると心も幾らか和むような気がする。
「ごめんね、陽菜ちゃん。でも――」
「朔耶、遅い……ぞ?」
聞き知った不満げな声にその方向を見る。と、態々迎えに来てくれたらしい晶が、朔耶と腕を絡めている陽菜の姿を認めて硬直していた。
「朔耶。これはどういうことだ?」
そして、何故か低い声を出す晶。見上げるように三白眼で睨まれると妙に怖い。
お前は千影が好きなのではないのか、と問うているかのようだ。
「え、いや、その――」
「朔兄。この子、誰?」
そんな晶を見て、彼女と同等以上に不機嫌そうな口調で言い、腕の力を強める陽菜。
そのせいで、彼女の年齢にしては大きいそれが強く当たって何とも言えない気分になる。
「朔兄、だと? いや、それよりも、私は最上級生だぞ! なりで判断するな!」
「え、ええーっ!? その体格で?」
「こ、この、多少胸がでかいからといって生意気な! と言うか、このリボンを見れば分かるだろうが!」
赤いリボンを摘んで白いラインを示しながら、リボン以上に顔を赤くして晶が叫ぶ。
「す、すみません、先輩。余りにも小さかったもので、つい」
「何だとっ!?」
今にも陽菜に掴みかかっていきそうな晶に、まあまあ、と宥めながら、陽菜から静かに離れる。
一瞬動揺したが、何となく懐かしく見えるやり取りに冷静になれた。
反面、その懐かしさのために心の奥底で何かが微かに疼く。
「朔耶。この前の先輩といい、どうしたんだ? あれか? モテ期って奴か? ま、何にしても他人の修羅場程面白いものはないよな」
その光景を傍観していた和也が他人事のように言う。
そんな彼の様子に、その修羅場らしきものを演じている片方はお前の妹だろうに、と深い溜息をつく。
確実に和也はメロドラマを大笑いしながら見るタイプだ。
「朔耶! さっさと行くぞ。己刃も待っているからな」
「何言ってるんですか! 朔兄は陽菜達と一緒に帰るんです! 今日は朔兄の家に行くんですから!」
朔耶も初めて聞く予定を決定事項のように言い出す陽菜。
「そんなもの――」
対して晶は反論を途中で切ると、いいことを思いついた、という感じの意地の悪い笑みを見せた。
「いや、丁度いい。なら、私達も行こう。少し待っていろ。己刃を呼ぶ」
そう言って廊下のど真ん中で電話をかけ始めた晶は、己刃に校門のところまで来るように伝えていた。
名目上、学内での携帯の使用は禁止されているのだが、隠す素振りも全く見せない堂々とした姿に誰も注意できなかった。教師に見つからないことを祈るしかない。
「え、あ、あれ?」
まだ目の前の展開に理解が追いついていない様子の陽菜は、そんな晶を前に呆然とした声を出した。
彼女にとっては全く想定外の方向へ事態が転がってしまったようだ。
「よし、校門に向かうぞ」
やがて電話を終えた晶がそう言うと先頭を切る。
学院会室に向かう予定だった朔耶に拒否権はなく、そんな彼女に大人しく続いた。
それに連なるように渋々という感じの陽菜と面白がっている風の和也もついてくる。
そして校門のところで、突然呼び出されたためか戸惑いの表情と共に待っていた己刃と合流した。
「さあ、朔耶の家に行くとしようか」
どこか楽しそうに歩き出す晶、この状況を楽しんでいるらしい和也。
その二人と、朔耶を含めた残る三人は非常に対照的だった。
朔耶は困惑と諦めが入り混じった妙な感覚を抱き、己刃は晶に呆れたような視線を送っていた。
何より陽菜の不機嫌の度合いはこれまでに類を見ない程だった。
「うー、もう、何で、い~っつも誰かが邪魔するの!?」
頬を膨らませて文句を言う陽菜をその隣で和也が宥めていたようだったが、何故か彼女から背中を殴られていた。また余計なことを言ったのだろう。
しかし、先程もだが、陽菜の記憶からは完全に千影の存在が消え去っていないように感じられる。
あるいは、一部とはいえ彼女のデュナミスを保持していることが何か関係しているのかもしれない。
だが、それも所詮引っかかる程度。千影自身の存在を忘れているのなら意味はない。
「ごめんね、朝日奈君。晶が無理を言って」
晶は道を既に知っているのか、ずんずんと先導するように前を進んでいて、陽菜と和也は格闘中。
と言う訳で、必然的に朔耶は己刃と並んで歩いていた。
背丈が同じぐらいなので、隣を見れば、彼女の申し訳なさそうな顔が目の前にある形となる。
「いえ、俺は別に。母さんも客を歓迎するのが趣味みたいな人ですから」
「そう。よかった。……今回はさすがに急だったけど、その内伺おうとは思っていたの」
「え? どうしてです?」
「状況によっては家に帰れなくなったりするかもしれないから。一応、部活に入った、ということにさせて貰おうと思って」
「ああ、あの学院会、ですか?」
己刃は、そう、と首を縦に振った。
使徒となって以来、放課後はあの部屋を訪れることが日課になりつつあったが、家では友達と遊びに行っていたことにしていた。
しかし、それは基本インドア派の朔耶には余り連続して使えない言い訳だった。
もし部活という理由を正当に使えるのであれば確かに楽になる。
「でも、どういう風に説明するんですか? 活動内容とか」
「一応マニュアルがあってね。生徒会に似たような組織として説明するの。活動内容は、学校運営の手伝い、かな。名目上だけどね」
あの学校自体が使徒のサポート組織なのだから、アノミアでの活動を学校運営の手伝いと言うのも完全な間違いではない、かもしれない。
ともかく、生徒会に近い組織だと説明されれば、あの母親でなくとも大概の親は納得してしまうに違いない。朔耶はそう思いながら、成程、と呟いた。
「おい、朔耶。どれがお前のマンションだ?」
話をしている内に団地の中に入っていたようで、先頭を歩いていた晶が困ったように立ち止まって、しかし、横柄な口調で尋ねてきた。
その身長の低さのせいで、精一杯虚勢を張っている迷子のように見えてしまう。
どうやら団地内のどのマンションに朔耶の家があるかまでは分からなかったらしい。
「あれですよ」
そんな彼女の様子に思わず微苦笑しながら、朔耶は指差した。
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