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最終話 玉祈征示は諦めない④
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「さすがの余も今の一撃には冷やりとさせられた」
それは平坦な声だったが、先程までの無感情な声とはかけ離れた、激情を抑えつけているかのような声だった。
「理に反する弱者如きに本気を出さねばならん屈辱、命で贖って貰うぞ」
闇を圧縮し、人の形に留めたかのような姿。そこから溢れ出す強大な魔力の圧迫感。
かつて六元連環の力で死にかけたことのある征示だからこそ、あの〈六元連環魔導砲〉の一撃を受けて尚、それ程の力と意思を残す敵の姿は恐ろしかった。
(敗北……死)
常に安全圏で茶番を繰り返してきた征示にとって真実、死を意識する戦いは初めてで、恐怖が体を震わせるのを抑えられない。
(けど――)
何よりも恐ろしいものはそれではない。それを征示は知っていた。
孤独。誰からも認められず、必要とされず、生きるのではなくただあること。
それは生きながら死んでいるようなもの。心が少しずつ朽ちて欠けていくかのようなあの感覚、絶望は二度と味わいたくない。
だからこそ、そこから救い出してくれたテレジアの理想を守りたい。そのために――。
(敗北への恐れなど飲み込んで、勝利を諦めはしない!)
たとえ、その果てにテレジアとの約束を破ってしまうことになろうとも。
だから、征示は魔導通信機から届いた彼女の声に滲む問いと危惧には気づかない振りをして、己の全てを振り絞るように、かつてない覚悟と共に詠唱を始めた。
「『初めに闇があり、闇の中から始まりの光が生まれた。光は無限の炎となり、炎は水によって冷やされて大地を生み出した。そして悠久の時の果て、全てを風がさらっていく』」
「まだ足掻くか、弱者」
「『かくて世界に再び闇が満ち、いつの日か光が生まれる時を待つ』」
「よかろう。余がその歪んだ力を叩き潰してくれる」
「『大いなる世界の巡り。その中で命は絶え間なく咲き乱れ、新たなる力を紡いでゆく』」
憎悪にも近い嘲りに満ちたヘルシャフトの言葉を聞き流し、詠唱を続けながら次元の狭間から魔導水晶を取り出す。
「六元連環〈命は無限の力〉!」
そして、そう告げた瞬間、魔導水晶が輝きを放ち出す。
それは〈六元連環魔導砲〉の制御用パーツ。犠牲を厭わない覚悟を持ちながらも、最後までテレジアとの約束を諦めないためのか細い蜘蛛の糸だった。
六つの属性の魔力は征示の中で絶え間なく巡り続ける。
繰り返す世界に生まれ、幾多の力を、文明を、絆を紡いでいく命の如く、その魔力の流れが新たな魔力を生み出していく。それは本来個人では受け止められない力だ。
しかし、その全てを魔導水晶は緻密に制御し、一時的に安定状態を作り出していた。
それでも尚、純粋な生の力は暴れ馬の如く体を駆け巡り、全身を引き裂かんばかりに荒れ狂っている。
結果、征示の全員を覆っていた漆黒の装甲は力の奔流に耐えきれずにはがれ落ち、形容不能の光がその身を包み込んで同化していく。
「これは、先の光と同じ――」
そして、僅かな驚愕を見せるヘルシャフトへと征示は一気に翔けた。
「おおおおおおおおっ!」
既に光と同化したはずの神経を焼くような強大な魔力による幻肢痛を絶叫で抑え込み、敵の中心を狙って全力の拳を放つ。
しかし、一瞬早く、闇そのものと化したヘルシャフトに回避され、その肩を穿つ結果に終わる。
「ぐっ、貴様あああっ!」
僅かなりともダメージを受けたかのようにヘルシャフトが呻く。
しかし、互いに身体を異物質と化している上、魔力においても近いレベルにある今、この程度では致命打にはなり得ない。
その事実を示すように、ヘルシャフトは即座に体勢を立て直す。
「それ程の力を持ちながら、あくまでも理に反するか!」
そして、手を形作る闇を鋭く引き伸ばし、剣の如きそれを以って斬りかかってきた。
「消え失せろ! そのあり方は反吐が出る!」
それは先程までよりも遥かに速い一撃。しかし――。
(……見える)
流れが見える。命の、意思の流れとでも言うべきものが。
六元連環を発動したことにより、征示の認識は大きく変容を遂げていた。この世の命を巡る全てが理屈を超えて知覚されつつあった。
だから、明らかに速くなった攻撃を、先程よりも遅いと知覚して回避する。
それでも、タイミングとしては間一髪。先読みに近い感覚を以ってして、ようやく足下に届くレベルだ。そして、辛うじて繰り出した反撃は、今度は完全に避けられてしまう。
だが、だからと言って受けに回ってはいけない。攻め切る以外に征示に先はない。
(魔導水晶は長くは持たない。ストックも限られている)
「くっ、真淵流奥義、空の型!」
手数を増やすことで相手に防戦を強いり、ひたすらに殴打を続ける。
それによって数十発に一発の割合でヘルシャフトへと攻撃は届くが、近づいてはいても未だ魔力の密度に歴然とした差があるのか、どうあっても有効打には至らない。
「悪足掻きにも程があるぞ、愚物がっ!!」
「ぐっ、ああああっ!」
挙句、余りに攻撃を意識し過ぎたせいで直撃を受け、そのたった一撃に片腕を消し飛ばされてしまう。それでも即座に魔力を束ねて腕を再構築し、ヘルシャフトへと挑むが、結果は繰り返しにしかならない。
究極とはシンプルなものと相場が決まっている。純粋な一撃の強さで相手を上回らなければ、この領域での戦いには勝利することなどできはしない。
(出力が……絶対的に足りない)
あの〈六元連環魔導砲〉の一撃が通用しなかった相手だ。その制御装置を利用して安定させている今の状態で上回ることなど不可能。
そんなことは元々分かり切っていたことだ。
(この魔導水晶も、これ以上は耐えられない。ストックを使っても結果は同じだ)
勝利を諦めない。約束を諦めない。
双方を追い求めては、どちらも果たせないのなら――。
「テレジア様、すみません。約束は守れません」
それは平坦な声だったが、先程までの無感情な声とはかけ離れた、激情を抑えつけているかのような声だった。
「理に反する弱者如きに本気を出さねばならん屈辱、命で贖って貰うぞ」
闇を圧縮し、人の形に留めたかのような姿。そこから溢れ出す強大な魔力の圧迫感。
かつて六元連環の力で死にかけたことのある征示だからこそ、あの〈六元連環魔導砲〉の一撃を受けて尚、それ程の力と意思を残す敵の姿は恐ろしかった。
(敗北……死)
常に安全圏で茶番を繰り返してきた征示にとって真実、死を意識する戦いは初めてで、恐怖が体を震わせるのを抑えられない。
(けど――)
何よりも恐ろしいものはそれではない。それを征示は知っていた。
孤独。誰からも認められず、必要とされず、生きるのではなくただあること。
それは生きながら死んでいるようなもの。心が少しずつ朽ちて欠けていくかのようなあの感覚、絶望は二度と味わいたくない。
だからこそ、そこから救い出してくれたテレジアの理想を守りたい。そのために――。
(敗北への恐れなど飲み込んで、勝利を諦めはしない!)
たとえ、その果てにテレジアとの約束を破ってしまうことになろうとも。
だから、征示は魔導通信機から届いた彼女の声に滲む問いと危惧には気づかない振りをして、己の全てを振り絞るように、かつてない覚悟と共に詠唱を始めた。
「『初めに闇があり、闇の中から始まりの光が生まれた。光は無限の炎となり、炎は水によって冷やされて大地を生み出した。そして悠久の時の果て、全てを風がさらっていく』」
「まだ足掻くか、弱者」
「『かくて世界に再び闇が満ち、いつの日か光が生まれる時を待つ』」
「よかろう。余がその歪んだ力を叩き潰してくれる」
「『大いなる世界の巡り。その中で命は絶え間なく咲き乱れ、新たなる力を紡いでゆく』」
憎悪にも近い嘲りに満ちたヘルシャフトの言葉を聞き流し、詠唱を続けながら次元の狭間から魔導水晶を取り出す。
「六元連環〈命は無限の力〉!」
そして、そう告げた瞬間、魔導水晶が輝きを放ち出す。
それは〈六元連環魔導砲〉の制御用パーツ。犠牲を厭わない覚悟を持ちながらも、最後までテレジアとの約束を諦めないためのか細い蜘蛛の糸だった。
六つの属性の魔力は征示の中で絶え間なく巡り続ける。
繰り返す世界に生まれ、幾多の力を、文明を、絆を紡いでいく命の如く、その魔力の流れが新たな魔力を生み出していく。それは本来個人では受け止められない力だ。
しかし、その全てを魔導水晶は緻密に制御し、一時的に安定状態を作り出していた。
それでも尚、純粋な生の力は暴れ馬の如く体を駆け巡り、全身を引き裂かんばかりに荒れ狂っている。
結果、征示の全員を覆っていた漆黒の装甲は力の奔流に耐えきれずにはがれ落ち、形容不能の光がその身を包み込んで同化していく。
「これは、先の光と同じ――」
そして、僅かな驚愕を見せるヘルシャフトへと征示は一気に翔けた。
「おおおおおおおおっ!」
既に光と同化したはずの神経を焼くような強大な魔力による幻肢痛を絶叫で抑え込み、敵の中心を狙って全力の拳を放つ。
しかし、一瞬早く、闇そのものと化したヘルシャフトに回避され、その肩を穿つ結果に終わる。
「ぐっ、貴様あああっ!」
僅かなりともダメージを受けたかのようにヘルシャフトが呻く。
しかし、互いに身体を異物質と化している上、魔力においても近いレベルにある今、この程度では致命打にはなり得ない。
その事実を示すように、ヘルシャフトは即座に体勢を立て直す。
「それ程の力を持ちながら、あくまでも理に反するか!」
そして、手を形作る闇を鋭く引き伸ばし、剣の如きそれを以って斬りかかってきた。
「消え失せろ! そのあり方は反吐が出る!」
それは先程までよりも遥かに速い一撃。しかし――。
(……見える)
流れが見える。命の、意思の流れとでも言うべきものが。
六元連環を発動したことにより、征示の認識は大きく変容を遂げていた。この世の命を巡る全てが理屈を超えて知覚されつつあった。
だから、明らかに速くなった攻撃を、先程よりも遅いと知覚して回避する。
それでも、タイミングとしては間一髪。先読みに近い感覚を以ってして、ようやく足下に届くレベルだ。そして、辛うじて繰り出した反撃は、今度は完全に避けられてしまう。
だが、だからと言って受けに回ってはいけない。攻め切る以外に征示に先はない。
(魔導水晶は長くは持たない。ストックも限られている)
「くっ、真淵流奥義、空の型!」
手数を増やすことで相手に防戦を強いり、ひたすらに殴打を続ける。
それによって数十発に一発の割合でヘルシャフトへと攻撃は届くが、近づいてはいても未だ魔力の密度に歴然とした差があるのか、どうあっても有効打には至らない。
「悪足掻きにも程があるぞ、愚物がっ!!」
「ぐっ、ああああっ!」
挙句、余りに攻撃を意識し過ぎたせいで直撃を受け、そのたった一撃に片腕を消し飛ばされてしまう。それでも即座に魔力を束ねて腕を再構築し、ヘルシャフトへと挑むが、結果は繰り返しにしかならない。
究極とはシンプルなものと相場が決まっている。純粋な一撃の強さで相手を上回らなければ、この領域での戦いには勝利することなどできはしない。
(出力が……絶対的に足りない)
あの〈六元連環魔導砲〉の一撃が通用しなかった相手だ。その制御装置を利用して安定させている今の状態で上回ることなど不可能。
そんなことは元々分かり切っていたことだ。
(この魔導水晶も、これ以上は耐えられない。ストックを使っても結果は同じだ)
勝利を諦めない。約束を諦めない。
双方を追い求めては、どちらも果たせないのなら――。
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