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第一章 未来異星世界
026 後始末と呼び出し
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「出土品を吸収し、その機能を効率よく使用できるのが汝の超越現象のようだな」
床に転がっていた【アブソーバー】を停止させた後、出土品を使用して侵入者達を拘束したクリルは、改めてアテラに視線を向けながら言った。
彼女は、陳列された商品の内の一つをアテラに差し出しながら続ける。
「これも吸収できるか?」
形状は短い棒のようなもの。
用途は分からない。
「やってみます」
アテラはそれを受け取り、ディスプレイに【o(-`д´- o)】と表示させる。
自身の超越現象を使おうとしているようだ。
直後、明確に変化が生じる。……しかし――。
「ふむ。駄目か」
単に出土品が起動しただけだったらしい。
アテラの手の中に巨大な両手剣が生成されている。
大剣を作り出す先史兵装のようだ。
彼女が機能を停止させると、単なる棒に戻る。
「吸収できる容量が決まっているのかもしれないな。我がアテラに渡した【アクセラレーター】は中々に複雑怪奇な代物故、あれ一つでメモリが埋まったのだろう」
「【アクセラレーター】ですか」
「ああ。スーパーブラディオンを応用した局所的な時間操作により、己を数秒の間だけ超加速させる装置だ。生身の人間には負荷がかかり過ぎる故、機人しか使えん」
「超加速……」
つまるところ、あの瞬間。
アテラはマグの目にもとまらぬ速さで動き、侵入者達を気絶させた訳だ。
「超越現象は使用していく中で成長する。アテラは、いずれ多くの出土品をその身に宿すことができるようになるかもしれんな」
クリルはそう締め括ると、急に顔をしかめて傷ついた頬に手を当てた。
痛みを思い出したのだろう。
説明を優先させる辺り、実に彼女らしい。……今日会ったばかりだが。
そのクリルは不機嫌そうな顔で小さなスプレー容器を取り出し、ノズルを自分自身の腫れてしまった頬に向けて一吹きした。
「ふう」
霧状の何かが付着すると、彼女が息を吐く間に傷が綺麗さっぱり消え去っていく。
治療の機能を持った出土品だったようだ。
「っと。遅かったな」
丁度そのタイミングで店の入口の方から人の気配がして、クリルが視線を移す。
マグも目を向けると、門番と同じ全身鎧の何者かがぞろぞろと入ってきていた。
厳つい出で立ちに、元の時代の感覚に引っ張られて無意識に身構えてしまう。
だが、クリルの落ち着いた態度を見て、マグは警戒を解いた。
「彼らですか?」
「ああ。頼む」
クリルに問いかけた男性は、彼女の返答に頷くと残りの者達に指示を出し始める。
見たところ、この街の治安組織、元の時代で言う警察官に相当する者達のようだ。
【アブソーバー】停止に伴い、自動的に通報がなされたと端末にログが残っている。
とりあえず見た目から兵士呼びでいいだろう。
その彼らは、意識を失った侵入者達をテキパキと運び出していく。
端末が送った情報で既に事態を把握しているのか、取り調べは不要の様子。
兵士達はそのまま撤収していった。
それを見送ってから、クリルは店内の片づけを始めた。
「マグ。汝の力で入口を元の状態に戻せるか?」
「やってみます」
早速、割れたガラス戸の無事な部分に触れながら超越現象を発動させる。
すると、床に散らばっていた破片も含め、一瞬にして綺麗に元通りになった。
検証で何度も使ったおかげか何となく手慣れた感がある。
クリルの片づけも出土品を使用したおかげか、瞬く間に終わったようだった。
「んっ?」
丁度そのタイミングで、手首の端末から空間ディスプレイが開く。
クリルの方を見ると、彼女の目の前にも半透明のプレートが浮かんでいた。
「これは……メタ様からの招集か」
「メタ様って、確か街の――」
「うむ。管理者だ」
「……応じないとまずいですよね」
独裁国家の元首レベルの権限を持つ相手と聞いた。
鶴の一声で罪人にされてしまう可能性もなくはない。
正直なところ、余り会いたくはないが……。
「当然だろう。最優先事項だ。行くぞ」
目をつけられてしまったのならば、もはやどうしようもない。
クリルに促され、マグは仕方なく彼女とアテラと共に店を出たのだった。
床に転がっていた【アブソーバー】を停止させた後、出土品を使用して侵入者達を拘束したクリルは、改めてアテラに視線を向けながら言った。
彼女は、陳列された商品の内の一つをアテラに差し出しながら続ける。
「これも吸収できるか?」
形状は短い棒のようなもの。
用途は分からない。
「やってみます」
アテラはそれを受け取り、ディスプレイに【o(-`д´- o)】と表示させる。
自身の超越現象を使おうとしているようだ。
直後、明確に変化が生じる。……しかし――。
「ふむ。駄目か」
単に出土品が起動しただけだったらしい。
アテラの手の中に巨大な両手剣が生成されている。
大剣を作り出す先史兵装のようだ。
彼女が機能を停止させると、単なる棒に戻る。
「吸収できる容量が決まっているのかもしれないな。我がアテラに渡した【アクセラレーター】は中々に複雑怪奇な代物故、あれ一つでメモリが埋まったのだろう」
「【アクセラレーター】ですか」
「ああ。スーパーブラディオンを応用した局所的な時間操作により、己を数秒の間だけ超加速させる装置だ。生身の人間には負荷がかかり過ぎる故、機人しか使えん」
「超加速……」
つまるところ、あの瞬間。
アテラはマグの目にもとまらぬ速さで動き、侵入者達を気絶させた訳だ。
「超越現象は使用していく中で成長する。アテラは、いずれ多くの出土品をその身に宿すことができるようになるかもしれんな」
クリルはそう締め括ると、急に顔をしかめて傷ついた頬に手を当てた。
痛みを思い出したのだろう。
説明を優先させる辺り、実に彼女らしい。……今日会ったばかりだが。
そのクリルは不機嫌そうな顔で小さなスプレー容器を取り出し、ノズルを自分自身の腫れてしまった頬に向けて一吹きした。
「ふう」
霧状の何かが付着すると、彼女が息を吐く間に傷が綺麗さっぱり消え去っていく。
治療の機能を持った出土品だったようだ。
「っと。遅かったな」
丁度そのタイミングで店の入口の方から人の気配がして、クリルが視線を移す。
マグも目を向けると、門番と同じ全身鎧の何者かがぞろぞろと入ってきていた。
厳つい出で立ちに、元の時代の感覚に引っ張られて無意識に身構えてしまう。
だが、クリルの落ち着いた態度を見て、マグは警戒を解いた。
「彼らですか?」
「ああ。頼む」
クリルに問いかけた男性は、彼女の返答に頷くと残りの者達に指示を出し始める。
見たところ、この街の治安組織、元の時代で言う警察官に相当する者達のようだ。
【アブソーバー】停止に伴い、自動的に通報がなされたと端末にログが残っている。
とりあえず見た目から兵士呼びでいいだろう。
その彼らは、意識を失った侵入者達をテキパキと運び出していく。
端末が送った情報で既に事態を把握しているのか、取り調べは不要の様子。
兵士達はそのまま撤収していった。
それを見送ってから、クリルは店内の片づけを始めた。
「マグ。汝の力で入口を元の状態に戻せるか?」
「やってみます」
早速、割れたガラス戸の無事な部分に触れながら超越現象を発動させる。
すると、床に散らばっていた破片も含め、一瞬にして綺麗に元通りになった。
検証で何度も使ったおかげか何となく手慣れた感がある。
クリルの片づけも出土品を使用したおかげか、瞬く間に終わったようだった。
「んっ?」
丁度そのタイミングで、手首の端末から空間ディスプレイが開く。
クリルの方を見ると、彼女の目の前にも半透明のプレートが浮かんでいた。
「これは……メタ様からの招集か」
「メタ様って、確か街の――」
「うむ。管理者だ」
「……応じないとまずいですよね」
独裁国家の元首レベルの権限を持つ相手と聞いた。
鶴の一声で罪人にされてしまう可能性もなくはない。
正直なところ、余り会いたくはないが……。
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