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第一章 未来異星世界
011 ステータス?
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「それで、分析結果はどうだったんだ?」
「ああ。今、表示しよう」
門番はそう告げると、何もない空間を指先でなぞるように動かした。
直後、空中に半透明のウインドウのようなものが浮かび上がる。
ステータス画面……ではなく、SF的な空中ディスプレイのようだ。
そこに記載されていたのは――。
名称不詳
種族 :旧人
人格 :良好
パワー :E
スピード :E
戦闘レベル :E-
超越現象タイプ:干渉・他
判定 :戦闘不可
備考 :超越現象は修復能力と思われる。
アテラ(仮称)
種族 :機人(アーティファクトランク:EX)
人格 :可(所有者の管理を要する)
パワー :D
スピード :D+
戦闘レベル :D
超越現象タイプ:不明
判定 :戦闘可
備考 :戦闘職は推奨しない。断片の保有は確認できず。
「……何か戦闘に言及し過ぎじゃないか?」
あの適性試験の内容を考えると当然かもしれないが、首を傾げざるを得ない。
とりあえず男にも理解できたのは、戦いには向かないということだけだった。
「まあ、この時代この星で最も必要とされているのがそれだからな」
「そんな殺伐とした時代なのか……」
詳しい事情は分からないが、男はここでやっていけるか少し心配になった。
「超越現象というのは?」
「ああ。物理学を超越した現象の略称で、各々が持つ固有の特殊能力をそう呼称している。超越現象タイプは、それがどの系統に分類されるかを表すものだ」
固有の特殊能力。系統。
オタク心が少し刺激され、男は門番の説明に意識を集中させた。
「系統は三種類。放出、干渉・自、干渉・他だけだ。放出は攻撃魔法、干渉は治癒やバフ、デバフの類と思えばいい。自や他は対象が自分か他人かを示している」
男の場合、備考と合わせると修復能力を自分以外に発動できる力となるようだ。
アテラの傷ついた腕を修復したのが正にそれだろう。
しかし、いずれにしても最も需要があるらしい仕事は無理そうだ。
今更、3Kっぽい仕事などしたくはないが。
「後はおおよそ読んで字の如く、だな。二十一世紀の日本出身なら分かるだろう」
「…………あの、このアーティファクトランク:EXとは何ですか?」
男が微妙な気分になっていると、横からアテラが話に復帰して尋ねる。
「これか? これはなあ……断片なしだと能力不明ってだけだな。気にするな」
「はあ……では、その断片とは――」
「他に知りたいことがあれば、これを使うといい」
若干わざとらしく話を切り上げた門番は、懐から小さな腕輪を二つ取り出した。
「それは?」
「身分証明書も兼ねる……スマホのような機能を持った端末だと認識してくれればいい。最低限の情報も調べられる。権限によって得られる情報は異なるがな」
言いながら彼はそれを差し出してきたので、男は一先ず受け取って観察した。
一見すると何の機能もない装飾品に見える。
「身に着けると認証され、専用の端末になる」
促すような門番の言動を受け、男はそれを手首にはめた。
すると、自動で空中に画面が開き、名前を入力して下さいと表示される。
一緒に三つの空白が出てきている。
項目を見るにファーストネーム、ミドルネーム、ファミリーネームのようだ。
「ああ。今、表示しよう」
門番はそう告げると、何もない空間を指先でなぞるように動かした。
直後、空中に半透明のウインドウのようなものが浮かび上がる。
ステータス画面……ではなく、SF的な空中ディスプレイのようだ。
そこに記載されていたのは――。
名称不詳
種族 :旧人
人格 :良好
パワー :E
スピード :E
戦闘レベル :E-
超越現象タイプ:干渉・他
判定 :戦闘不可
備考 :超越現象は修復能力と思われる。
アテラ(仮称)
種族 :機人(アーティファクトランク:EX)
人格 :可(所有者の管理を要する)
パワー :D
スピード :D+
戦闘レベル :D
超越現象タイプ:不明
判定 :戦闘可
備考 :戦闘職は推奨しない。断片の保有は確認できず。
「……何か戦闘に言及し過ぎじゃないか?」
あの適性試験の内容を考えると当然かもしれないが、首を傾げざるを得ない。
とりあえず男にも理解できたのは、戦いには向かないということだけだった。
「まあ、この時代この星で最も必要とされているのがそれだからな」
「そんな殺伐とした時代なのか……」
詳しい事情は分からないが、男はここでやっていけるか少し心配になった。
「超越現象というのは?」
「ああ。物理学を超越した現象の略称で、各々が持つ固有の特殊能力をそう呼称している。超越現象タイプは、それがどの系統に分類されるかを表すものだ」
固有の特殊能力。系統。
オタク心が少し刺激され、男は門番の説明に意識を集中させた。
「系統は三種類。放出、干渉・自、干渉・他だけだ。放出は攻撃魔法、干渉は治癒やバフ、デバフの類と思えばいい。自や他は対象が自分か他人かを示している」
男の場合、備考と合わせると修復能力を自分以外に発動できる力となるようだ。
アテラの傷ついた腕を修復したのが正にそれだろう。
しかし、いずれにしても最も需要があるらしい仕事は無理そうだ。
今更、3Kっぽい仕事などしたくはないが。
「後はおおよそ読んで字の如く、だな。二十一世紀の日本出身なら分かるだろう」
「…………あの、このアーティファクトランク:EXとは何ですか?」
男が微妙な気分になっていると、横からアテラが話に復帰して尋ねる。
「これか? これはなあ……断片なしだと能力不明ってだけだな。気にするな」
「はあ……では、その断片とは――」
「他に知りたいことがあれば、これを使うといい」
若干わざとらしく話を切り上げた門番は、懐から小さな腕輪を二つ取り出した。
「それは?」
「身分証明書も兼ねる……スマホのような機能を持った端末だと認識してくれればいい。最低限の情報も調べられる。権限によって得られる情報は異なるがな」
言いながら彼はそれを差し出してきたので、男は一先ず受け取って観察した。
一見すると何の機能もない装飾品に見える。
「身に着けると認証され、専用の端末になる」
促すような門番の言動を受け、男はそれを手首にはめた。
すると、自動で空中に画面が開き、名前を入力して下さいと表示される。
一緒に三つの空白が出てきている。
項目を見るにファーストネーム、ミドルネーム、ファミリーネームのようだ。
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