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第2章 雄飛の青少年期編
128 プロへの異色な道筋
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数日後の放課後。部室棟のミーティングルームにて。
俺は特別関わりの深い部員達を集め、退学に至った経緯を説明する場を作った。
勿論、本来は練習の時間なので、顧問の虻川先生に許可を取った上でのことだ。
メンバーはまず幼馴染組の美海ちゃんと昇二。
入学以来、色々と振り回してしまった陸玖ちゃん先輩。
同学年の大松君、諏訪北さん、泉南さん、佳藤さん、仁科さん。
それから、俺の一存で美海ちゃんとバッテリーを組ませた倉本さん。
これからのことについて、彼女らや野球部のことも含めて話しておきたい。
そうした意図もあっての人選だった。
「――と言う訳で、学校を辞めることにしたんだ」
予め整理しておいた内容を集まった面々の前で告げ、そう締め括る。
退学届は既に母さんと一緒に提出済みだ。
今日を以って正式に最終学歴が高校中退となる。
クラスメートにはホームルームで担任の教師から説明があった。
幼馴染組には、さすがに事前に大まかな話は伝えている。
「……とりあえず、野村君のお父さんの命が助かってよかった」
やや重い空気の中、陸玖ちゃん先輩が代表するように言う。
他の皆も気遣うような表情だ。
「はい。一先ず何とかなりそうです。なので、そこは気にしないで下さい」
デリケートな問題ではあるが、あくまで事情説明の中で触れただけだ。
皆に気遣って貰うために話した訳ではないので、そんな反応は逆に困る。
そう思いながら、陸玖ちゃん先輩に視線を向けると彼女は小さく頷いた。
「んん゛っ……それにしても――」
そして軽く咳払いをし、普段通りの声の調子で話し出す陸玖ちゃん先輩。
「高校を中退してクラブチーム……じゃなくて企業チーム、だなんて、随分と珍しいルートを選んだね。うふふふ」
わざとらしくいつものノリを装って笑う彼女のおかげで、場の雰囲気が一気に和らぐ。
暴走気味に動くのではなく、空気を読んだ上で空気を読まない行動を取る。
そうできるようになったのは、この数年の成果と言えるだろう。
「それはいいけど、茜まで学校を辞める必要ないんじゃないの?」
と、美海ちゃんが呆れたように問う。
彼女の言う通り、いつの間にかあーちゃんも一緒に退学することになっていた。
釈明をさせて貰うと、この件については俺の発案ではない。
……いや、まあ、どこかでそうなりそうな気はしていたけれども。
当のあーちゃんは、何故そんな質問をされるのか理解できないと首を傾げる。
相変わらずのマイペースっぷりだ。
「何で私の方がおかしいみたいなリアクションするのよ……」
「みなみー、しゅー君の球を受けるのはわたしの仕事。こうなるのは必然」
真顔のまま、むしろ諭すように告げるあーちゃん。
そんな彼女の姿に、美海ちゃんは諦めたように深く嘆息した。
「退学届が受理された以上、ご両親も学校も認めたってことだろうけど……」
「そういうこと」
こればかりはさすがに俺もどうかとは思ったものの、あーちゃんは頑なだった。
明彦氏も加奈さんも、自分の娘のことであるだけにそういう彼女の性格は重々承知しているので、折れざるを得なかった感じだ。
認めなかったら暴走しそうな危うさも、あーちゃんにはあるしな。
まあ、それでも。
ステータス的な保証がなければ絶対にとめていただろうけど。
いずれにせよ。
経歴という意味においても後戻りできないリスクを背負わせてしまった。
元からそのつもりではあったが、あーちゃんとはもう完全なる一蓮托生。
明彦氏や加奈さんの認識もそうだろう。
娘の人生を、幸せを、丸ごと俺に懸けた形だ。
一層責任を感じるし、必ず責任を取らなければならない。
そう改めて強く思う。
「けど、秀治郎君。確かドラフトとかスカウトって、高校生は高校卒業見込みじゃないと対象にならないんじゃなかった?」
「そうだね。中退して社会人だと2年間資格がなくなる」
既に今年のドラフト会議は終了済み。
なので、俺の場合は19歳の年に指名を受ける資格が復活する。
前世だと独立リーグ経由ならセーフとか例外があったようだが、ここにはない。
私営の2部リーグや3部リーグが独立リーグの代わりのようなものだからだろう。
「最低1年、棒を振ることになるわね」
「いや、そうでもないよ」
「……どういうこと?」
「前にも言ったろ? やりようはあるって」
そう言えば、以前その辺りのことについて具体的な話をしようとしたところで父さんが倒れたと連絡を受けたのだったか。
ちょっとそこにも触れておくとしよう。
「実は、父さんのことがあってもなくても元々野球部は辞めるつもりだったんだ」
「え? どういうことよ」
「クラブチームの村山マダーレッドサフフラワーズに入ろうと考えてて。高校在学中でも、野球部にさえ所属してなければ企業のクラブチームには入団できるからね」
それが当初の計画だった。
余談だが、それは企業チーム化は大分前倒しになったことも意味している。
と言うか、本来の予定通りにことが運んでいれば、企業チーム化せず一気に次のステップに行くことができる想定だった。
まあ、その部分に関しては明彦氏にも話していないし、選手達のモチベーションアップのために企業チーム化についても本気で進めて貰っていたけれども。
「……でも、どっちにしろ、野球浪人状態になるわよね?」
「まあ、ドラフトとかスカウトとかならね。けど、プロ野球選手になるルートは他にもあるし、1部リーグに至る道だってドラフトや移籍だけじゃない」
またそれか、と言いたげに表情に疑問の色を浮かべる美海ちゃん。
やはり常識人枠である彼女は、中々その答えに辿り着けないようだ。
「……あ、まさか!?」
対照的に、陸玖ちゃん先輩が何かに気づいたように大きな声を出した。
皆の視線が一気に集まる。
それでももう怯むことはない。
ここにも彼女の成長が見られるな。
とは言え、変わっていない部分もある。
陸玖ちゃん先輩は急に「うふふ、うふふふ」とヤバげな笑顔を浮かべ始めた。
「陸玖ちゃん先輩? どういうことです?」
「つまり、野村君は入れ替え戦で下剋上していくつもりってこと!」
「げ、下剋上……?」
「そう! 来年の都市対抗野球でベスト4に入って私営3部に挑む! それに勝ったら、次は私営3部で地区2位以内に入って私営2部のチームを倒す!」
「そして私営2部で地区総合優勝して入れ替え戦で私営1部のチームを倒せば、日本プロ野球1部リーグの正式なプロ野球選手だ」
それも、俺だけではなくチーム丸ごと。
この世界特有の制度をうまく利用すれば、それが可能なのだ。
……とは言え、当たり前だが、入れ替えなんてそうそう発生するものではない。
だからこそ、それを前提とした異色過ぎるプロ入りルートなど美海ちゃんは考えもしなかった訳だ。
ちなみに。
私営2部、3部リーグは前世で昔行われていた前期後期制を採用していて、前半戦と後半戦でそれぞれ入れ替え戦が発生する。
これによって1部リーグや公営2部、3部リーグとの差別化を図っているらしい。
同時に、危機感を持たせて企業に戦力強化を促す意味もあるとか。
対照的に、社会人チームが私営3部に挑戦する場合と、私営2部のチームが私営1部に挑戦する場合は年に1回しか機会がない。
プロの壁、そして1部リーグの壁は厚いということを示しているのだろう。
尚、私営1部リーグに挑めるのは、私営2部リーグ地区総合優勝チームとなる。
公営側がセレスティアルリーグとパーマネントリーグに分かれているように、私営側もイーストリーグ(東地区)とウエストリーグ(西地区)に分かれている。
それぞれの地区で半年毎に優勝チームを決め、シーズンの最後に地区総合優勝決定戦を行う。そこで勝利したチームが地区総合優勝チームだ。
故に、後期から私営2部に昇格したチームでも後期優勝すればチャンスがある。
もっとも、あくまでもルール上可能なだけで、未だかつてそれをなし得たチームは1チームも存在しないが。
「来年私営3部昇格。再来年前期で私営2部昇格。後期で私営1部昇格。そうすれば高校卒業と同時に1部リーグにドラフト指名されたのと同じになる」
むしろ3部リーグや2部リーグを経由している分、キャリアは上かもしれない。
「む、無茶苦茶よ」
散々俺の無茶苦茶につき合ってきた美海ちゃんでも困惑の様相。
それだけ世間一般からすると非常識な計画だ。
しかし、そもそも俺という存在がイレギュラー極まりない。
ステータスという物差しもある。
できない道理はない。
「まあ、そこは見守っててくれ。世間をアッと言わせてやるからさ」
俺は特別関わりの深い部員達を集め、退学に至った経緯を説明する場を作った。
勿論、本来は練習の時間なので、顧問の虻川先生に許可を取った上でのことだ。
メンバーはまず幼馴染組の美海ちゃんと昇二。
入学以来、色々と振り回してしまった陸玖ちゃん先輩。
同学年の大松君、諏訪北さん、泉南さん、佳藤さん、仁科さん。
それから、俺の一存で美海ちゃんとバッテリーを組ませた倉本さん。
これからのことについて、彼女らや野球部のことも含めて話しておきたい。
そうした意図もあっての人選だった。
「――と言う訳で、学校を辞めることにしたんだ」
予め整理しておいた内容を集まった面々の前で告げ、そう締め括る。
退学届は既に母さんと一緒に提出済みだ。
今日を以って正式に最終学歴が高校中退となる。
クラスメートにはホームルームで担任の教師から説明があった。
幼馴染組には、さすがに事前に大まかな話は伝えている。
「……とりあえず、野村君のお父さんの命が助かってよかった」
やや重い空気の中、陸玖ちゃん先輩が代表するように言う。
他の皆も気遣うような表情だ。
「はい。一先ず何とかなりそうです。なので、そこは気にしないで下さい」
デリケートな問題ではあるが、あくまで事情説明の中で触れただけだ。
皆に気遣って貰うために話した訳ではないので、そんな反応は逆に困る。
そう思いながら、陸玖ちゃん先輩に視線を向けると彼女は小さく頷いた。
「んん゛っ……それにしても――」
そして軽く咳払いをし、普段通りの声の調子で話し出す陸玖ちゃん先輩。
「高校を中退してクラブチーム……じゃなくて企業チーム、だなんて、随分と珍しいルートを選んだね。うふふふ」
わざとらしくいつものノリを装って笑う彼女のおかげで、場の雰囲気が一気に和らぐ。
暴走気味に動くのではなく、空気を読んだ上で空気を読まない行動を取る。
そうできるようになったのは、この数年の成果と言えるだろう。
「それはいいけど、茜まで学校を辞める必要ないんじゃないの?」
と、美海ちゃんが呆れたように問う。
彼女の言う通り、いつの間にかあーちゃんも一緒に退学することになっていた。
釈明をさせて貰うと、この件については俺の発案ではない。
……いや、まあ、どこかでそうなりそうな気はしていたけれども。
当のあーちゃんは、何故そんな質問をされるのか理解できないと首を傾げる。
相変わらずのマイペースっぷりだ。
「何で私の方がおかしいみたいなリアクションするのよ……」
「みなみー、しゅー君の球を受けるのはわたしの仕事。こうなるのは必然」
真顔のまま、むしろ諭すように告げるあーちゃん。
そんな彼女の姿に、美海ちゃんは諦めたように深く嘆息した。
「退学届が受理された以上、ご両親も学校も認めたってことだろうけど……」
「そういうこと」
こればかりはさすがに俺もどうかとは思ったものの、あーちゃんは頑なだった。
明彦氏も加奈さんも、自分の娘のことであるだけにそういう彼女の性格は重々承知しているので、折れざるを得なかった感じだ。
認めなかったら暴走しそうな危うさも、あーちゃんにはあるしな。
まあ、それでも。
ステータス的な保証がなければ絶対にとめていただろうけど。
いずれにせよ。
経歴という意味においても後戻りできないリスクを背負わせてしまった。
元からそのつもりではあったが、あーちゃんとはもう完全なる一蓮托生。
明彦氏や加奈さんの認識もそうだろう。
娘の人生を、幸せを、丸ごと俺に懸けた形だ。
一層責任を感じるし、必ず責任を取らなければならない。
そう改めて強く思う。
「けど、秀治郎君。確かドラフトとかスカウトって、高校生は高校卒業見込みじゃないと対象にならないんじゃなかった?」
「そうだね。中退して社会人だと2年間資格がなくなる」
既に今年のドラフト会議は終了済み。
なので、俺の場合は19歳の年に指名を受ける資格が復活する。
前世だと独立リーグ経由ならセーフとか例外があったようだが、ここにはない。
私営の2部リーグや3部リーグが独立リーグの代わりのようなものだからだろう。
「最低1年、棒を振ることになるわね」
「いや、そうでもないよ」
「……どういうこと?」
「前にも言ったろ? やりようはあるって」
そう言えば、以前その辺りのことについて具体的な話をしようとしたところで父さんが倒れたと連絡を受けたのだったか。
ちょっとそこにも触れておくとしよう。
「実は、父さんのことがあってもなくても元々野球部は辞めるつもりだったんだ」
「え? どういうことよ」
「クラブチームの村山マダーレッドサフフラワーズに入ろうと考えてて。高校在学中でも、野球部にさえ所属してなければ企業のクラブチームには入団できるからね」
それが当初の計画だった。
余談だが、それは企業チーム化は大分前倒しになったことも意味している。
と言うか、本来の予定通りにことが運んでいれば、企業チーム化せず一気に次のステップに行くことができる想定だった。
まあ、その部分に関しては明彦氏にも話していないし、選手達のモチベーションアップのために企業チーム化についても本気で進めて貰っていたけれども。
「……でも、どっちにしろ、野球浪人状態になるわよね?」
「まあ、ドラフトとかスカウトとかならね。けど、プロ野球選手になるルートは他にもあるし、1部リーグに至る道だってドラフトや移籍だけじゃない」
またそれか、と言いたげに表情に疑問の色を浮かべる美海ちゃん。
やはり常識人枠である彼女は、中々その答えに辿り着けないようだ。
「……あ、まさか!?」
対照的に、陸玖ちゃん先輩が何かに気づいたように大きな声を出した。
皆の視線が一気に集まる。
それでももう怯むことはない。
ここにも彼女の成長が見られるな。
とは言え、変わっていない部分もある。
陸玖ちゃん先輩は急に「うふふ、うふふふ」とヤバげな笑顔を浮かべ始めた。
「陸玖ちゃん先輩? どういうことです?」
「つまり、野村君は入れ替え戦で下剋上していくつもりってこと!」
「げ、下剋上……?」
「そう! 来年の都市対抗野球でベスト4に入って私営3部に挑む! それに勝ったら、次は私営3部で地区2位以内に入って私営2部のチームを倒す!」
「そして私営2部で地区総合優勝して入れ替え戦で私営1部のチームを倒せば、日本プロ野球1部リーグの正式なプロ野球選手だ」
それも、俺だけではなくチーム丸ごと。
この世界特有の制度をうまく利用すれば、それが可能なのだ。
……とは言え、当たり前だが、入れ替えなんてそうそう発生するものではない。
だからこそ、それを前提とした異色過ぎるプロ入りルートなど美海ちゃんは考えもしなかった訳だ。
ちなみに。
私営2部、3部リーグは前世で昔行われていた前期後期制を採用していて、前半戦と後半戦でそれぞれ入れ替え戦が発生する。
これによって1部リーグや公営2部、3部リーグとの差別化を図っているらしい。
同時に、危機感を持たせて企業に戦力強化を促す意味もあるとか。
対照的に、社会人チームが私営3部に挑戦する場合と、私営2部のチームが私営1部に挑戦する場合は年に1回しか機会がない。
プロの壁、そして1部リーグの壁は厚いということを示しているのだろう。
尚、私営1部リーグに挑めるのは、私営2部リーグ地区総合優勝チームとなる。
公営側がセレスティアルリーグとパーマネントリーグに分かれているように、私営側もイーストリーグ(東地区)とウエストリーグ(西地区)に分かれている。
それぞれの地区で半年毎に優勝チームを決め、シーズンの最後に地区総合優勝決定戦を行う。そこで勝利したチームが地区総合優勝チームだ。
故に、後期から私営2部に昇格したチームでも後期優勝すればチャンスがある。
もっとも、あくまでもルール上可能なだけで、未だかつてそれをなし得たチームは1チームも存在しないが。
「来年私営3部昇格。再来年前期で私営2部昇格。後期で私営1部昇格。そうすれば高校卒業と同時に1部リーグにドラフト指名されたのと同じになる」
むしろ3部リーグや2部リーグを経由している分、キャリアは上かもしれない。
「む、無茶苦茶よ」
散々俺の無茶苦茶につき合ってきた美海ちゃんでも困惑の様相。
それだけ世間一般からすると非常識な計画だ。
しかし、そもそも俺という存在がイレギュラー極まりない。
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