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第2章 雄飛の青少年期編
082 順調に伸びる再生数とテコ入れ準備
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時は流れ、秋。
全国中学生硬式野球選手権大会も当然のように地方大会1回戦で敗退し、野球部としてのイベントは来年5月までなくなった。
一応、その前に文化祭や部活動紹介もあるが、基本は陸玖ちゃん先輩と4人組で頑張る感じだ。
ちなみに文化祭ではパネル展示を行う予定でいるようだ。
部活動紹介はテンプレートもあるし、まだ半年以上も時間がある。
そこまで大きな負担にはならないだろう。
「大松君。本当にうまくなりましたよね」
今日は練習の日。
今はその休憩時間。
練習の様子を見ていた仁科さんが感心したように言う。
「ホントにねー」
「たったの3ヶ月だよね?」
「何だかー、普通に野球部の選手ー、みたいなー。磐城君もー」
続く3人もまた、見る目が変わった様子
大松君と磐城君のステータスは以下の通り。
状態/戦績/▽関係者/プレイヤースコープ
・大松勝次(成長タイプ:マニュアル) 〇能力詳細 〇戦績
BC:400 SP:400 TAG:400 TAC:400 GT:400
PS:120 TV:400 PA:400
残り経験ポイント:31 好感度:54/100
状態/戦績/▽関係者/プレイヤースコープ
・磐城巧(成長タイプ:マニュアル) 〇能力詳細 〇戦績
BC:400 SP:400 TAG:400 TAC:400 GT:400
PS:120 TV:400 PA:400
残り経験ポイント:18945 好感度:62/100
更に【体は覚えている】【昔取った杵柄】【しなやかな肢体】【猫のような柔軟性】の基本セットで、能力の衰えと怪我の危険性を低減している。
能力値は目減りしない最大値で留めているため、大分低い。
それでも、そこそこスキルも取得しているので最低限の動きはできる。
中学1年生の野球選手としては下の上ぐらいだ。
この学校の生徒としては既に全校生徒で上位に入るはずだが。
加えて、俺達全員が取得しているとあるスキル。
▽取得スキル一覧
名称 分類
・見取り稽古 通常スキル
・スポンジの吸収力 極みスキル(取得条件:通常スキル「見取り稽古」の取得)
・生きた手本 通常スキル
・ロールモデル 極みスキル(取得条件:通常スキル「生きた手本」の取得)
【見取り稽古】
『誰かと一緒に練習した時、経験ポイント取得量が増える』
【スポンジの吸収力】
『誰かと一緒に練習した時、経験ポイント取得量が大幅に増える』
【生きた手本】
『このスキルを所持する者と一緒に練習すると経験ポイントの取得量が増える。ステータス値に差がある程、効果は大きくなる』
【ロールモデル】
『このスキルを所持する者と一緒に練習すると経験ポイントの取得量が大幅に増える。ステータス値に差がある程、効果は大きくなる』
これらのおかげで、今後も効率よく成長できること請け合いだ。
ちなみに、磐城君の【経験ポイント】が大量に残っているのは【生得スキル】【模倣】でスキルをタダで習得しているからだ。
改めて、これこそチート臭いな。
まあ、それはともかく。
「……私達も野村君に教わればうまくなるのかなー?」
この前は余り乗り気じゃなかった泉南さんだが、心が揺れているようだ。
2人が上達していることは体育の時間でも目の当たりにしていたはずではある。
それでも今この時まで躊躇していたのは、運動に対する自信のなさ故だろう。
「動画再生数は順調に伸びてますけど、やはりもう1つ特色が欲しいですからね」
「野村君が言ってた通り、自分達も野球ができた方がいいのは間違いないし」
「いつかー、自分達のチャンネルを持つならー、尚更だねー」
大松君の存在のおかげで、俺の指導力を彼女達も大分信じてくれたようだ。
……まあ、指導力=【マニュアル操作】によるステータス操作、なのだが。
故に、【成長タイプ:マニュアル】ではない彼女達にはそのまま適用できない。
「ねー、野村君。私達にも教えてくれるかなー?」
「勿論」
それでも泉南さんの問いかけにはそう即答する。
都合よく【成長タイプ:マニュアル】が今後も見つかったとしても、うまく仲間に誘うことができるかは分からない。
【成長タイプ:マニュアル】以外の子への指導の仕方も学んでおく必要がある。
一応頭の中に理論はあるので、ここらで試しておきたいところだ。
「それでー、どうすればいいのー?」
「まあ、何をするにしても基本が大事。正しい動作を覚えるところからだ」
【成長タイプ:マニュアル】はステータスを上げれば、自然と最適な動作になる。
他の【成長タイプ】はその逆。
最適な動作を繰り返せば【経験ポイント】を取得し易くなる。
結果、自動的にステータスが上がる。
全く以って当たり前の理屈だ。
そして、最適な動作の手本は今ここにある。
「高速撮影できるカメラを持ってきて貰えるか?」
「了解ー」
泉南さんが部室棟に駆けていく。
「持ってきたよー」
「よし。じゃあ、それでまずバッティングフォームと投球フォーム、送球フォームを撮影しよう。全員分」
「オッケー」
ステータスに裏打ちされた理想的で正確なフォーム。
それと彼女達のフォーム。
比較して、正しい形に矯正していく。
これこそが俺の考える【成長タイプ:マニュアル】以外を対象としたトレーニングの第1ステップだ。
「もう少し上半身を捻って構えて。捻り過ぎず。打つ時は体の開きをもっと遅く」
映像を確認しながら細かく指示を出す。
体に触れる役はあーちゃん。
【以心伝心】で意図はしっかり伝わっているので齟齬はない。
「投げる時はテイクバックの位置と軸足を意識して。リリースポイントを前に。最初はゆっくりでいいから確実に」
とにもかくにも正確さを重視する。
他のトレーニングはそれからだ。
「1人の時は動画を見ながら全身鏡を使ってやるといい。ちゃんとしたフォームはそれだけで見栄えがいいから、動画のネタにもなると思う」
「うん。とにかくやってみるよー」
【成長タイプ:マニュアル】ではなくとも、低ステータスの内は上昇も速い。
しばらく継続すれば、上達を実感できるだろう。
まずはそこまでが最初の山場だ。
頑張れ! 4人共!
全国中学生硬式野球選手権大会も当然のように地方大会1回戦で敗退し、野球部としてのイベントは来年5月までなくなった。
一応、その前に文化祭や部活動紹介もあるが、基本は陸玖ちゃん先輩と4人組で頑張る感じだ。
ちなみに文化祭ではパネル展示を行う予定でいるようだ。
部活動紹介はテンプレートもあるし、まだ半年以上も時間がある。
そこまで大きな負担にはならないだろう。
「大松君。本当にうまくなりましたよね」
今日は練習の日。
今はその休憩時間。
練習の様子を見ていた仁科さんが感心したように言う。
「ホントにねー」
「たったの3ヶ月だよね?」
「何だかー、普通に野球部の選手ー、みたいなー。磐城君もー」
続く3人もまた、見る目が変わった様子
大松君と磐城君のステータスは以下の通り。
状態/戦績/▽関係者/プレイヤースコープ
・大松勝次(成長タイプ:マニュアル) 〇能力詳細 〇戦績
BC:400 SP:400 TAG:400 TAC:400 GT:400
PS:120 TV:400 PA:400
残り経験ポイント:31 好感度:54/100
状態/戦績/▽関係者/プレイヤースコープ
・磐城巧(成長タイプ:マニュアル) 〇能力詳細 〇戦績
BC:400 SP:400 TAG:400 TAC:400 GT:400
PS:120 TV:400 PA:400
残り経験ポイント:18945 好感度:62/100
更に【体は覚えている】【昔取った杵柄】【しなやかな肢体】【猫のような柔軟性】の基本セットで、能力の衰えと怪我の危険性を低減している。
能力値は目減りしない最大値で留めているため、大分低い。
それでも、そこそこスキルも取得しているので最低限の動きはできる。
中学1年生の野球選手としては下の上ぐらいだ。
この学校の生徒としては既に全校生徒で上位に入るはずだが。
加えて、俺達全員が取得しているとあるスキル。
▽取得スキル一覧
名称 分類
・見取り稽古 通常スキル
・スポンジの吸収力 極みスキル(取得条件:通常スキル「見取り稽古」の取得)
・生きた手本 通常スキル
・ロールモデル 極みスキル(取得条件:通常スキル「生きた手本」の取得)
【見取り稽古】
『誰かと一緒に練習した時、経験ポイント取得量が増える』
【スポンジの吸収力】
『誰かと一緒に練習した時、経験ポイント取得量が大幅に増える』
【生きた手本】
『このスキルを所持する者と一緒に練習すると経験ポイントの取得量が増える。ステータス値に差がある程、効果は大きくなる』
【ロールモデル】
『このスキルを所持する者と一緒に練習すると経験ポイントの取得量が大幅に増える。ステータス値に差がある程、効果は大きくなる』
これらのおかげで、今後も効率よく成長できること請け合いだ。
ちなみに、磐城君の【経験ポイント】が大量に残っているのは【生得スキル】【模倣】でスキルをタダで習得しているからだ。
改めて、これこそチート臭いな。
まあ、それはともかく。
「……私達も野村君に教わればうまくなるのかなー?」
この前は余り乗り気じゃなかった泉南さんだが、心が揺れているようだ。
2人が上達していることは体育の時間でも目の当たりにしていたはずではある。
それでも今この時まで躊躇していたのは、運動に対する自信のなさ故だろう。
「動画再生数は順調に伸びてますけど、やはりもう1つ特色が欲しいですからね」
「野村君が言ってた通り、自分達も野球ができた方がいいのは間違いないし」
「いつかー、自分達のチャンネルを持つならー、尚更だねー」
大松君の存在のおかげで、俺の指導力を彼女達も大分信じてくれたようだ。
……まあ、指導力=【マニュアル操作】によるステータス操作、なのだが。
故に、【成長タイプ:マニュアル】ではない彼女達にはそのまま適用できない。
「ねー、野村君。私達にも教えてくれるかなー?」
「勿論」
それでも泉南さんの問いかけにはそう即答する。
都合よく【成長タイプ:マニュアル】が今後も見つかったとしても、うまく仲間に誘うことができるかは分からない。
【成長タイプ:マニュアル】以外の子への指導の仕方も学んでおく必要がある。
一応頭の中に理論はあるので、ここらで試しておきたいところだ。
「それでー、どうすればいいのー?」
「まあ、何をするにしても基本が大事。正しい動作を覚えるところからだ」
【成長タイプ:マニュアル】はステータスを上げれば、自然と最適な動作になる。
他の【成長タイプ】はその逆。
最適な動作を繰り返せば【経験ポイント】を取得し易くなる。
結果、自動的にステータスが上がる。
全く以って当たり前の理屈だ。
そして、最適な動作の手本は今ここにある。
「高速撮影できるカメラを持ってきて貰えるか?」
「了解ー」
泉南さんが部室棟に駆けていく。
「持ってきたよー」
「よし。じゃあ、それでまずバッティングフォームと投球フォーム、送球フォームを撮影しよう。全員分」
「オッケー」
ステータスに裏打ちされた理想的で正確なフォーム。
それと彼女達のフォーム。
比較して、正しい形に矯正していく。
これこそが俺の考える【成長タイプ:マニュアル】以外を対象としたトレーニングの第1ステップだ。
「もう少し上半身を捻って構えて。捻り過ぎず。打つ時は体の開きをもっと遅く」
映像を確認しながら細かく指示を出す。
体に触れる役はあーちゃん。
【以心伝心】で意図はしっかり伝わっているので齟齬はない。
「投げる時はテイクバックの位置と軸足を意識して。リリースポイントを前に。最初はゆっくりでいいから確実に」
とにもかくにも正確さを重視する。
他のトレーニングはそれからだ。
「1人の時は動画を見ながら全身鏡を使ってやるといい。ちゃんとしたフォームはそれだけで見栄えがいいから、動画のネタにもなると思う」
「うん。とにかくやってみるよー」
【成長タイプ:マニュアル】ではなくとも、低ステータスの内は上昇も速い。
しばらく継続すれば、上達を実感できるだろう。
まずはそこまでが最初の山場だ。
頑張れ! 4人共!
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