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第1章 雌伏の幼少期編
閑話02 いつかの取材(藤木すなお)
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「こちらは、この度WBW日本代表に初選出されました野村秀治郎選手の出身小学校です。グラウンドには野球に励んでいる子供達の姿がたくさん見えます。
地方の公立小学校とは思えないぐらいの活気がありますね。
野村選手効果でしょうか。
さて、本日は担任の先生として野村選手を指導されていた藤木すなお先生にお話を聞きたいと思います。
藤木先生、よろしくお願いします」
「はい。よろしくお願いいたします」
「早速ですが、野村選手の小学校時代はどのような子供だったのでしょうか」
「そう、ですね。とても不思議な子でした」
「と言うと?」
「入学式の翌日、子供達に自己紹介をさせたのですが、その時に彼は将来の夢としてWBW日本代表としてアメリカを倒したいと語っていたんです」
「その頃から既に、打倒アメリカを口にしていたのですね。
藤木先生も驚いたのではありませんか?」
「そうですね。確かに驚きはしました。
ですが、世間で言われているような無謀とか、夢を見過ぎといった感想とは真逆の印象を受けた、というのが正直なところです」
「真逆、ですか」
「はい。子供っぽい夢想にしか思えないような内容のはずなのに、子供らしい希望に溢れたものじゃなく……。
まるで自分自身に課した責務を果たそうとしているような……そうした冷たさというか、重たさというか。
もしかすると、入学し立てのあの頃から、自分が野球に関して特別な何かを持っていることをよくよく理解していて、使命感というか、運命めいたものを感じていたのかもしれません。
何となくですが、彼はあの頃から今の自分の姿を明確にイメージしていたんじゃないかなと思う時もあります。
6年間、担任の先生として接して、私自身、彼がいつか何か大きなことを成し遂げるんじゃないかという予感を常に抱いていました」
「成程……では、藤木先生にとって現在の野村選手の活躍は不思議ではないと」
「はい。全く。それどころかもっと凄い活躍をしてくれるんじゃないかと、期待しています。教師として、一ファンとして。
野村君が出場するWBWが今から本当に楽しみです」
「一方で、明暗が分かれてしまった選手もいます。
同じく藤木先生が受け持たれ、野村選手とは同級生。
小学校、中学校と国内大会でも国際大会でも話題をさらい、かつては神童とも呼ばれていた――」
地方の公立小学校とは思えないぐらいの活気がありますね。
野村選手効果でしょうか。
さて、本日は担任の先生として野村選手を指導されていた藤木すなお先生にお話を聞きたいと思います。
藤木先生、よろしくお願いします」
「はい。よろしくお願いいたします」
「早速ですが、野村選手の小学校時代はどのような子供だったのでしょうか」
「そう、ですね。とても不思議な子でした」
「と言うと?」
「入学式の翌日、子供達に自己紹介をさせたのですが、その時に彼は将来の夢としてWBW日本代表としてアメリカを倒したいと語っていたんです」
「その頃から既に、打倒アメリカを口にしていたのですね。
藤木先生も驚いたのではありませんか?」
「そうですね。確かに驚きはしました。
ですが、世間で言われているような無謀とか、夢を見過ぎといった感想とは真逆の印象を受けた、というのが正直なところです」
「真逆、ですか」
「はい。子供っぽい夢想にしか思えないような内容のはずなのに、子供らしい希望に溢れたものじゃなく……。
まるで自分自身に課した責務を果たそうとしているような……そうした冷たさというか、重たさというか。
もしかすると、入学し立てのあの頃から、自分が野球に関して特別な何かを持っていることをよくよく理解していて、使命感というか、運命めいたものを感じていたのかもしれません。
何となくですが、彼はあの頃から今の自分の姿を明確にイメージしていたんじゃないかなと思う時もあります。
6年間、担任の先生として接して、私自身、彼がいつか何か大きなことを成し遂げるんじゃないかという予感を常に抱いていました」
「成程……では、藤木先生にとって現在の野村選手の活躍は不思議ではないと」
「はい。全く。それどころかもっと凄い活躍をしてくれるんじゃないかと、期待しています。教師として、一ファンとして。
野村君が出場するWBWが今から本当に楽しみです」
「一方で、明暗が分かれてしまった選手もいます。
同じく藤木先生が受け持たれ、野村選手とは同級生。
小学校、中学校と国内大会でも国際大会でも話題をさらい、かつては神童とも呼ばれていた――」
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