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幕間 5→6
AR33 それの意味するところ
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「その頃、君はいくつかの問題を棚上げにしていた訳だけれど、恐らく、その中でも彼女の問題は最も長い間、解決することなく頭の片隅に残り続けていたことだろうね。ん? ああ、勿論。私達は知っていたとも。けれども、私は特に聞かれなかったからね。いや、聞かれたこともあったかもしれないけど、もし聞かれていたとしても間違いなくはぐらかしていたはずだ。何故なら――」
***
「一息つくとしましょうか……」
そう小さく口の中で誰にともなく呟いた私は、調べもののために訪れていたホウゲツ学園の図書館の、奥まったところにある閲覧席で一つ大きく伸びをした。
それから、十日以上前の出来事を思い返し、そこで目の当たりにした事実を改めて確認するように天井を見ながら口を開く。
「…………全ての意思ある者は根底で繋がっている、か」
獏の少女化魔物、リーメアを補導するために旦那様と共に入った夢の世界。
その奥底に鎮座した、人形化魔物共の根源たる破滅欲求の塊。
それは私が望む救世の転生者様に依らない救世を果たすために、間違いなく重要な情報だった。まだ手段は確立できていないものの、確実にそう言える。
何せ、自らの人生のほとんど全てを正にそのために捧げた御祖母様ですら全く知り得なかった事実なのだから。
そう言い切れるのは、もし御祖母様がそれについて何かしら情報を得ていたならば当然、全てを引き継いだ私も伝え聞いているはずだからだ。
いや、勿論――。
「そういう類の思想がなかった訳ではありませんが……」
判断材料の一つとするには、余りにも根拠が不確か過ぎた。
それがこうして、絵を描く出発点にするにたる情報となったのは大きな変化だ。
全く新たな視点。それは大いなるブレークスルーをもたらす可能性を持つ。
だからこそ……。
「後、恐らくは少し」
いくつかのピースがあれば、形を作ることができる。
私は今やそう思っていた。
あるいは、そのピース自体は既に私の中に揃っており、後は組み合わせ次第というところにまで来ているのかもしれない。
そんな予感もある。
「……とは言え、ここ数日は空振りばかりですが」
御祖母様の時から数えれば数十年進展がなかっただけに、気が昂って楽観してしまっている部分もあるかもしれない。
あるいは、そう言い聞かせて自分を奮い立たせているのか。
だが、まあ、たとえ一時の錯覚だとしてもやるべきことは変わらない。
粛々と目的に向かって歩み続けるのみだ。
そんな私が現在、旦那様に会いたいのを我慢して調べているのは、これまで余り目を向けてこなかった類の複合発露についてだ。
更に詳しく言えば、観測者の内面に深く関わるような、あるいは内側にベクトルが向いているような効果を持つもの。
今のところ、余りピンと来るものはないが……。
かなり長期間、ラハにセトさん達の護衛を押しつけている形となってしまっている以上、何かしら成果を上げたいところだ。
「しかし、護衛と言えば……今回は危うかったかもしれませんね」
旦那様と指切りで約束したセトさん達の護衛。
獏の少女化魔物に害意がなかったからよかったようなものの、もし彼らを害する目的で攻撃され、かつ命を落とすようなことがあれば私の命もまた危うかった。
それこそ、針千本飲まされたが如く喉が張り裂けて死んでいたかもしれない。
真性少女契約を結んでいるが故に一蓮托生であるラハにも、一層身を引き締めて護衛をするように言っておかなければ。
そこまで考えて、どんどん思考が横道に逸れていっているのを自覚し、私は改めて少し気分転換しようと立ち上がった。
人間、一つのことに集中力は中々続かないもの。
そういう時は目先を変えてみるのも大事なことだ。
どうにも答えが出ない知恵の輪も、別のことに目を向けてから再び手に取ってみるとすんなり解けてしまったりするものなのだから。
「そう言えば、リクルさんが旦那様と真性少女契約を結ぶことができない理由を調べるという約束もありましたね」
スライムの少女化魔物が、本心から望んでいるにもかかわらず、どうしてか真性少女契約を結ぶことができない。
どこかで聞き覚えのある話なのだが、一体どこで聞いたのだったか。
「まあ、私の知識のほとんどは御祖母様から得たものですが」
これでも記憶力はそこそこいい方だと自負しているし、救世の転生者様に関わる話であれば覚えていないはずがない。
となると、そのための教育を本格的に受けるよりも昔。
御祖母様に助けられた頃に聞いたのだろう。
恐らくは寝物語か何かの時に。御祖母様の実体験に基づいた補足的な話として。
「その辺りを探せば、思い出すかもしれませんね」
そう推測して、私は子供向けの童話などが置かれた本棚へと向かった。
同じ物語があるかどうかは分からないが、子供向けの話というものは同じような類型から生まれたものも多い。
似たような物語を見つけ出すことができれば、それに引きずられるようにして思い出すことも可能かもしれない。
だから絵本が並ぶ棚の前に至った私は、目についた本を手に取って流し見た。
「『勇者ジャスティンと魔炎竜フレム』? これは……間違いなく御義母様と御義父様の出会いをアレンジしたものですね」
救世の転生者様たる旦那様が生まれる前の物語。
【ガラテア】も人形化魔物もない時代の話だ。
その段階では、暴走した少女化魔物が人類にとって最大の脅威となる。
身体強化の複合発露を持つ少女化魔物ならば特に。
その中でも、ほぼほぼ特異思念集積体レベルの力を持つ火竜の少女化魔物たる御祖母様の暴走を調伏した訳だから、勇者と称賛されてもおかしくはない。
もっとも、子供向けの絵本だからか大分単純化されているようで、少女化魔物ではなく単なる魔物、そして討伐という結末に改変されてしまっているが……。
奥付に記された本の情報を見る限り何度も重版されているようなので、御義母様は気にしていないようだ。
別の一冊を手に取る。
「『一人ぼっちのゴースト』……【ガラテア】に家族諸共殺され、ゴーストの少女化魔物と成り果ててしまった女の子の話ですか。……悲劇としては有り触れていますし、特定の誰かの話、という訳ではないのでしょうね」
しかし、義理の父母を題材にした絵本の後だったので、ついつい旦那様の従者たるイリュファさんを思い浮かべてしまう。
そう言えば、彼女の詳しい出自を私は知らない。
救世の転生者様に関する真実を知りながらも行動を起こさないことには不満があるが、機会があれば腹を割って話をしてみるのもいいかもしれない。
更に別の一冊を手に――。
「これは……」
スライムの少女化魔物であるリクルに関係のありそうなタイトルに、自然とページを捲る手が遅くなる。
じっくり読み進めていくとストーリーにも覚えがあった。
「思い、出しました」
間違いない。
御祖母様が読んでくれた絵本はこれだ。
そして、この内容は実在する特異思念集積体のスライムを基にしたものだと、最後まで読み聞かせてくれた後で御祖母様は教えてくれた。
その絵本のタイトルは『百万回分裂したスライム』と言う。
「ですが、これはつまり――」
それに導かれるように甦った私の記憶は、リクルという名の彼女がそう遠くない未来に消滅してしまうという事実を示していた。
***
「私達は、君に教えたところでどうすることもできはしないと思っていた。だからこそ、その時まで何も言うことはなかったし、その事実が明らかになった時には既に……いや、最初の最初から手遅れだった訳だ」
***
「一息つくとしましょうか……」
そう小さく口の中で誰にともなく呟いた私は、調べもののために訪れていたホウゲツ学園の図書館の、奥まったところにある閲覧席で一つ大きく伸びをした。
それから、十日以上前の出来事を思い返し、そこで目の当たりにした事実を改めて確認するように天井を見ながら口を開く。
「…………全ての意思ある者は根底で繋がっている、か」
獏の少女化魔物、リーメアを補導するために旦那様と共に入った夢の世界。
その奥底に鎮座した、人形化魔物共の根源たる破滅欲求の塊。
それは私が望む救世の転生者様に依らない救世を果たすために、間違いなく重要な情報だった。まだ手段は確立できていないものの、確実にそう言える。
何せ、自らの人生のほとんど全てを正にそのために捧げた御祖母様ですら全く知り得なかった事実なのだから。
そう言い切れるのは、もし御祖母様がそれについて何かしら情報を得ていたならば当然、全てを引き継いだ私も伝え聞いているはずだからだ。
いや、勿論――。
「そういう類の思想がなかった訳ではありませんが……」
判断材料の一つとするには、余りにも根拠が不確か過ぎた。
それがこうして、絵を描く出発点にするにたる情報となったのは大きな変化だ。
全く新たな視点。それは大いなるブレークスルーをもたらす可能性を持つ。
だからこそ……。
「後、恐らくは少し」
いくつかのピースがあれば、形を作ることができる。
私は今やそう思っていた。
あるいは、そのピース自体は既に私の中に揃っており、後は組み合わせ次第というところにまで来ているのかもしれない。
そんな予感もある。
「……とは言え、ここ数日は空振りばかりですが」
御祖母様の時から数えれば数十年進展がなかっただけに、気が昂って楽観してしまっている部分もあるかもしれない。
あるいは、そう言い聞かせて自分を奮い立たせているのか。
だが、まあ、たとえ一時の錯覚だとしてもやるべきことは変わらない。
粛々と目的に向かって歩み続けるのみだ。
そんな私が現在、旦那様に会いたいのを我慢して調べているのは、これまで余り目を向けてこなかった類の複合発露についてだ。
更に詳しく言えば、観測者の内面に深く関わるような、あるいは内側にベクトルが向いているような効果を持つもの。
今のところ、余りピンと来るものはないが……。
かなり長期間、ラハにセトさん達の護衛を押しつけている形となってしまっている以上、何かしら成果を上げたいところだ。
「しかし、護衛と言えば……今回は危うかったかもしれませんね」
旦那様と指切りで約束したセトさん達の護衛。
獏の少女化魔物に害意がなかったからよかったようなものの、もし彼らを害する目的で攻撃され、かつ命を落とすようなことがあれば私の命もまた危うかった。
それこそ、針千本飲まされたが如く喉が張り裂けて死んでいたかもしれない。
真性少女契約を結んでいるが故に一蓮托生であるラハにも、一層身を引き締めて護衛をするように言っておかなければ。
そこまで考えて、どんどん思考が横道に逸れていっているのを自覚し、私は改めて少し気分転換しようと立ち上がった。
人間、一つのことに集中力は中々続かないもの。
そういう時は目先を変えてみるのも大事なことだ。
どうにも答えが出ない知恵の輪も、別のことに目を向けてから再び手に取ってみるとすんなり解けてしまったりするものなのだから。
「そう言えば、リクルさんが旦那様と真性少女契約を結ぶことができない理由を調べるという約束もありましたね」
スライムの少女化魔物が、本心から望んでいるにもかかわらず、どうしてか真性少女契約を結ぶことができない。
どこかで聞き覚えのある話なのだが、一体どこで聞いたのだったか。
「まあ、私の知識のほとんどは御祖母様から得たものですが」
これでも記憶力はそこそこいい方だと自負しているし、救世の転生者様に関わる話であれば覚えていないはずがない。
となると、そのための教育を本格的に受けるよりも昔。
御祖母様に助けられた頃に聞いたのだろう。
恐らくは寝物語か何かの時に。御祖母様の実体験に基づいた補足的な話として。
「その辺りを探せば、思い出すかもしれませんね」
そう推測して、私は子供向けの童話などが置かれた本棚へと向かった。
同じ物語があるかどうかは分からないが、子供向けの話というものは同じような類型から生まれたものも多い。
似たような物語を見つけ出すことができれば、それに引きずられるようにして思い出すことも可能かもしれない。
だから絵本が並ぶ棚の前に至った私は、目についた本を手に取って流し見た。
「『勇者ジャスティンと魔炎竜フレム』? これは……間違いなく御義母様と御義父様の出会いをアレンジしたものですね」
救世の転生者様たる旦那様が生まれる前の物語。
【ガラテア】も人形化魔物もない時代の話だ。
その段階では、暴走した少女化魔物が人類にとって最大の脅威となる。
身体強化の複合発露を持つ少女化魔物ならば特に。
その中でも、ほぼほぼ特異思念集積体レベルの力を持つ火竜の少女化魔物たる御祖母様の暴走を調伏した訳だから、勇者と称賛されてもおかしくはない。
もっとも、子供向けの絵本だからか大分単純化されているようで、少女化魔物ではなく単なる魔物、そして討伐という結末に改変されてしまっているが……。
奥付に記された本の情報を見る限り何度も重版されているようなので、御義母様は気にしていないようだ。
別の一冊を手に取る。
「『一人ぼっちのゴースト』……【ガラテア】に家族諸共殺され、ゴーストの少女化魔物と成り果ててしまった女の子の話ですか。……悲劇としては有り触れていますし、特定の誰かの話、という訳ではないのでしょうね」
しかし、義理の父母を題材にした絵本の後だったので、ついつい旦那様の従者たるイリュファさんを思い浮かべてしまう。
そう言えば、彼女の詳しい出自を私は知らない。
救世の転生者様に関する真実を知りながらも行動を起こさないことには不満があるが、機会があれば腹を割って話をしてみるのもいいかもしれない。
更に別の一冊を手に――。
「これは……」
スライムの少女化魔物であるリクルに関係のありそうなタイトルに、自然とページを捲る手が遅くなる。
じっくり読み進めていくとストーリーにも覚えがあった。
「思い、出しました」
間違いない。
御祖母様が読んでくれた絵本はこれだ。
そして、この内容は実在する特異思念集積体のスライムを基にしたものだと、最後まで読み聞かせてくれた後で御祖母様は教えてくれた。
その絵本のタイトルは『百万回分裂したスライム』と言う。
「ですが、これはつまり――」
それに導かれるように甦った私の記憶は、リクルという名の彼女がそう遠くない未来に消滅してしまうという事実を示していた。
***
「私達は、君に教えたところでどうすることもできはしないと思っていた。だからこそ、その時まで何も言うことはなかったし、その事実が明らかになった時には既に……いや、最初の最初から手遅れだった訳だ」
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