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第4章 前兆と空の旅路
225 無垢への回帰
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超巨大な氷塊を複合発露で浮かべて運びながら、首都リベランジェ上空を通り過ぎて西へ。海上に出て、更に西へと夜の空を翔けていく。
サンダーバードの少女化魔物ルトアさんとの真・複合発露〈裂雲雷鳥・不羈〉を併用してはいるものの、ほぼほぼベヒモスキメラを封じる〈万有凍結・封緘〉に力を割り振っているために若干スピードは遅い。
しかし、西とは言っても目的地はホウゲツではないので、自ら刺した狂化隷属の矢によって暴走中のサユキとフェリトに負担を強いる時間は最小限で済むはずだ。
「主様、もう少し左でありまする」
「ああ、分かった」
真・複合発露〈支天神鳥・煌翼〉により、超広域で空に存在するものを感知することのできるアスカのナビに従って南寄りに進路を取る。
目的地は元の世界で言うところのハワイ。
こちらでは(恐らく魔物という存在のせいで定住できた者がおらず)無人島のままであるそこは、名目上どの国にも属していないことになっている。
なので、合流地点として利用するのに非常に都合がよかった。
外交上の問題を気にせず、転移の複合発露を使用可能だからだ。
おかげで、一々ホウゲツまで戻るよりも早く彼女の手を借りることができる。
「後ほんの少しだけ左でありまする」
「これぐらいか?」
「僅かに右へ戻して下さいませ。行き過ぎておりますれば」
「ええと、これでいいか?」
「はい。ぴったしでございまする」
逐次、俺の進路を正確に目的地へと修正してくれるアスカ。
彼女が正確に誘導することができているのも、既にかの島に待ち人がいて、何らかの物体を空に飛ばしてくれているおかげだ。
なので、彼女の指示に従えば問題ない。
俺は氷塊と飛行の維持だけを考えていればいい。
後少し。目的地に到着すれば、ルエットを元に戻してやることができるはずだ。
「そろそろ見えてくる頃でありまする」
首都リベランジェを離れてから空を翔けること二十分程度。
アスカの言う通り、ハワイ島が視界に映った。
元の世界で言うロサンゼルスからハワイまで移動しても時間帯としては夜のままだが、本来無人島のそこに既に誰かが訪れていることを改めて示すように祈望之器によるものと思しき灯りが点いている。
加えて〈裂雲雷鳥・不羈〉を使用している俺が放つ雷光もある。
おかげで目を凝らすと、東側の海岸の上空には巨大な凧のようなものが風に揺られながら浮かんでいるのが見て取れた。
これを目印にしてアスカはナビをしていた訳だ。
そして俺達は、丁度その凧を引く糸の先にある地面を目指して降下していく。
「来たな、イサク。全く無茶を言いおって」
そこで待ち構えていたのは見知った顔。
世界有数の複製師であるイッポンダタラの少女化魔物のアマラさんと……。
その背後には、ウインテート連邦共和国に同行したライムさんと真性少女契約を結んでいるパレットさんの姿もあった。
悪魔(サルガタナス)の少女化魔物たる彼女が転移の複合発露を用いて、ここまでアマラさんをつれてきてくれたようだ。特別労役の一環と見て間違いない。
恐らくパレットさんはこの島に来たことはないはずだが、転移先のイメージをアコさん辺りに見せて貰って転移に成功することができたのだろう。
アマラさんの周囲に大量に積み上げられた、複製改良用の物資も含めて。
この状況を目にすると、改めて外交上の問題となりかねない力だと思う。
だからこそ、パレットさんは一人留守番となった訳だけども。
いずれにせよ、そこはとりあえず為政者が気にすべきところ。
俺は目の前の問題を優先すべきだ。
「すみません、アマラさん。これしか思い浮かばず……」
つい三、四十分程前に依頼したばかりという無茶振り。
加えて手を離すことのできない状況だったとは言え、俺が直接頼む訳ではなくイリュファを介してのことだっただけに申し訳なさが募る。
だから俺は、若干呆れたように嘆息したアマラさんに深く頭を下げた。
「まあ、構わぬ。少女化魔物を救うためじゃからな」
最初の一文句は、それはそれとしても余りに急過ぎて言いたくなったのだろう。
俺としてはそれで済んで、ありがたいぐらいだ。
このような急な依頼。頼んだ先が彼女達でなければ、そして俺が救世の転生者でなければ、断られるか特急料金を吹っかけられても文句は言えない。
……もっとも、そうはならないと彼女達を信頼してお願いした訳だけども。
「それで、その、準備の方は」
「当然できておるわ。ワシを誰じゃと思っておる」
「ありがとうございます。では、早速お願いします」
「おう。任せておけ」
俺が頭を下げると、アマラさんは頼もしく胸を叩く。
彼女がいつになく真剣そのものであることは、普段は着崩している袴をしっかりと着た上で、襷がけまでしている姿を見ればよく分かる。
正に女傑という感じで凛々しく見える。
その彼女は砂浜に置かれた氷塊に一歩近づくと、懐から取り出した小さい狂化隷属の矢を僅かな躊躇もなく自らの左手に突き刺した。
この思い切りのよさを見ても、手慣れていることが分かる。
それ故か暴走状態に入っているはずが、表面的には大きな異変は見られない。
しかし、多少なり好戦的にはなるらしく、彼女は獰猛な笑みを浮かべると、矢が刺さったままの左手で足元に置かれていた注連縄を掴み上げながら口を開いた。
「さあ、とくと御覧じよ。ワシの暴走・複合発露〈破理・天目一箇〉の力を」
直後、周囲に積み上げられた資材が徐々に消え去り、彼女が掲げた右手の先から縄と帯が絡み合って新たに一本の太い注連縄が生成されて伸びていく。
複製元は左手で掴んだ注連縄と、襷がけに使用している帯だろうか。
絶え間なく生み出されていくそれは蛇のように蠢きながら砂浜に一部埋まった氷塊に至り、その周りを這うように一周、二周と縛り上げていく。
最後に始点に絡みつき、結び合わさった瞬間。
その複製改良品の基となった二つの祈望之器の効力が発揮された。
複合発露を無効化する封印の注連縄。そして効力を増幅するメギンギョルズ。
各々の一度限りながら本物と遜色ない効果が合わさり、氷塊ごとルエットが暴走使用していた暴走・複合発露をも無効化される。
おぞましい異形と成り果てたベヒモスキメラが、解けるように消えていく。
「あ……」
刹那の後、効果の範囲内に残ったのは見も知らぬ特徴の乏しい少女。
それこそが怪盗ルエットの真実の姿なのだろう。
本物の怪盗ルエットは呆けたような声を出し、かと思えば意識を失った。
暴走状態にあっただけに必要とあらば当て身をして意識を奪おうと構えていた足で地面を蹴り、無防備に頭から落下しそうなルエットの下へと瞬間的に移動する。
そして俺は彼女を柔らかく受けとめ、そのまま抱きかかえた。
「……これで一先ず、解決、かな」
その彼女の手首にブレスレット状に加工された封印の注連縄を巻いて複合発露を完全に封じてから、彼女の小さな体を軽く揺する。
「う……あ……」
それによってルエットは意識を取り戻したらしく、言葉にならないような曖昧な声を上げながら薄っすらとだけ目を開いた。
とりあえず暴走を継続しているような雰囲気はないが……。
「大丈夫か? 俺が分かるか?」
大部分の心配に若干の警戒を交えながら、そんな彼女に静かに問いかける。
しかし、ルエットはそれに対して大きな反応を見せることなく、焦点が合っているのかも分からないようなぼんやりとした目をこちらに向けるばかりだった。
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しかし、西とは言っても目的地はホウゲツではないので、自ら刺した狂化隷属の矢によって暴走中のサユキとフェリトに負担を強いる時間は最小限で済むはずだ。
「主様、もう少し左でありまする」
「ああ、分かった」
真・複合発露〈支天神鳥・煌翼〉により、超広域で空に存在するものを感知することのできるアスカのナビに従って南寄りに進路を取る。
目的地は元の世界で言うところのハワイ。
こちらでは(恐らく魔物という存在のせいで定住できた者がおらず)無人島のままであるそこは、名目上どの国にも属していないことになっている。
なので、合流地点として利用するのに非常に都合がよかった。
外交上の問題を気にせず、転移の複合発露を使用可能だからだ。
おかげで、一々ホウゲツまで戻るよりも早く彼女の手を借りることができる。
「後ほんの少しだけ左でありまする」
「これぐらいか?」
「僅かに右へ戻して下さいませ。行き過ぎておりますれば」
「ええと、これでいいか?」
「はい。ぴったしでございまする」
逐次、俺の進路を正確に目的地へと修正してくれるアスカ。
彼女が正確に誘導することができているのも、既にかの島に待ち人がいて、何らかの物体を空に飛ばしてくれているおかげだ。
なので、彼女の指示に従えば問題ない。
俺は氷塊と飛行の維持だけを考えていればいい。
後少し。目的地に到着すれば、ルエットを元に戻してやることができるはずだ。
「そろそろ見えてくる頃でありまする」
首都リベランジェを離れてから空を翔けること二十分程度。
アスカの言う通り、ハワイ島が視界に映った。
元の世界で言うロサンゼルスからハワイまで移動しても時間帯としては夜のままだが、本来無人島のそこに既に誰かが訪れていることを改めて示すように祈望之器によるものと思しき灯りが点いている。
加えて〈裂雲雷鳥・不羈〉を使用している俺が放つ雷光もある。
おかげで目を凝らすと、東側の海岸の上空には巨大な凧のようなものが風に揺られながら浮かんでいるのが見て取れた。
これを目印にしてアスカはナビをしていた訳だ。
そして俺達は、丁度その凧を引く糸の先にある地面を目指して降下していく。
「来たな、イサク。全く無茶を言いおって」
そこで待ち構えていたのは見知った顔。
世界有数の複製師であるイッポンダタラの少女化魔物のアマラさんと……。
その背後には、ウインテート連邦共和国に同行したライムさんと真性少女契約を結んでいるパレットさんの姿もあった。
悪魔(サルガタナス)の少女化魔物たる彼女が転移の複合発露を用いて、ここまでアマラさんをつれてきてくれたようだ。特別労役の一環と見て間違いない。
恐らくパレットさんはこの島に来たことはないはずだが、転移先のイメージをアコさん辺りに見せて貰って転移に成功することができたのだろう。
アマラさんの周囲に大量に積み上げられた、複製改良用の物資も含めて。
この状況を目にすると、改めて外交上の問題となりかねない力だと思う。
だからこそ、パレットさんは一人留守番となった訳だけども。
いずれにせよ、そこはとりあえず為政者が気にすべきところ。
俺は目の前の問題を優先すべきだ。
「すみません、アマラさん。これしか思い浮かばず……」
つい三、四十分程前に依頼したばかりという無茶振り。
加えて手を離すことのできない状況だったとは言え、俺が直接頼む訳ではなくイリュファを介してのことだっただけに申し訳なさが募る。
だから俺は、若干呆れたように嘆息したアマラさんに深く頭を下げた。
「まあ、構わぬ。少女化魔物を救うためじゃからな」
最初の一文句は、それはそれとしても余りに急過ぎて言いたくなったのだろう。
俺としてはそれで済んで、ありがたいぐらいだ。
このような急な依頼。頼んだ先が彼女達でなければ、そして俺が救世の転生者でなければ、断られるか特急料金を吹っかけられても文句は言えない。
……もっとも、そうはならないと彼女達を信頼してお願いした訳だけども。
「それで、その、準備の方は」
「当然できておるわ。ワシを誰じゃと思っておる」
「ありがとうございます。では、早速お願いします」
「おう。任せておけ」
俺が頭を下げると、アマラさんは頼もしく胸を叩く。
彼女がいつになく真剣そのものであることは、普段は着崩している袴をしっかりと着た上で、襷がけまでしている姿を見ればよく分かる。
正に女傑という感じで凛々しく見える。
その彼女は砂浜に置かれた氷塊に一歩近づくと、懐から取り出した小さい狂化隷属の矢を僅かな躊躇もなく自らの左手に突き刺した。
この思い切りのよさを見ても、手慣れていることが分かる。
それ故か暴走状態に入っているはずが、表面的には大きな異変は見られない。
しかし、多少なり好戦的にはなるらしく、彼女は獰猛な笑みを浮かべると、矢が刺さったままの左手で足元に置かれていた注連縄を掴み上げながら口を開いた。
「さあ、とくと御覧じよ。ワシの暴走・複合発露〈破理・天目一箇〉の力を」
直後、周囲に積み上げられた資材が徐々に消え去り、彼女が掲げた右手の先から縄と帯が絡み合って新たに一本の太い注連縄が生成されて伸びていく。
複製元は左手で掴んだ注連縄と、襷がけに使用している帯だろうか。
絶え間なく生み出されていくそれは蛇のように蠢きながら砂浜に一部埋まった氷塊に至り、その周りを這うように一周、二周と縛り上げていく。
最後に始点に絡みつき、結び合わさった瞬間。
その複製改良品の基となった二つの祈望之器の効力が発揮された。
複合発露を無効化する封印の注連縄。そして効力を増幅するメギンギョルズ。
各々の一度限りながら本物と遜色ない効果が合わさり、氷塊ごとルエットが暴走使用していた暴走・複合発露をも無効化される。
おぞましい異形と成り果てたベヒモスキメラが、解けるように消えていく。
「あ……」
刹那の後、効果の範囲内に残ったのは見も知らぬ特徴の乏しい少女。
それこそが怪盗ルエットの真実の姿なのだろう。
本物の怪盗ルエットは呆けたような声を出し、かと思えば意識を失った。
暴走状態にあっただけに必要とあらば当て身をして意識を奪おうと構えていた足で地面を蹴り、無防備に頭から落下しそうなルエットの下へと瞬間的に移動する。
そして俺は彼女を柔らかく受けとめ、そのまま抱きかかえた。
「……これで一先ず、解決、かな」
その彼女の手首にブレスレット状に加工された封印の注連縄を巻いて複合発露を完全に封じてから、彼女の小さな体を軽く揺する。
「う……あ……」
それによってルエットは意識を取り戻したらしく、言葉にならないような曖昧な声を上げながら薄っすらとだけ目を開いた。
とりあえず暴走を継続しているような雰囲気はないが……。
「大丈夫か? 俺が分かるか?」
大部分の心配に若干の警戒を交えながら、そんな彼女に静かに問いかける。
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