229 / 396
第4章 前兆と空の旅路
207 同行者とマナプレーン搭乗、出発
しおりを挟む
「けど、マナプレーン、か。少し楽しみね」
「いや、別に遊びに行く訳じゃないぞ。あくまで仕事なんだから、気を引き締めないと」
「…………学園長達じゃないけど、イサクはもっと心に遊びがあってもいい気がするわ」
翌朝。俺は約束の時間に合わせて学園長室へと向かう途中。
フェリトの気楽な言葉に軽く注意すると、そう呆れたように言った彼女に嘆息される。
その反応はちょっと心外だ。
「いや、俺はそんな堅物のつもりないんだけど……」
そもそも人外ロリコンな時点で、どう考えても硬派を気取るのは無理というものだ。
なら軟派な人間なのか、と問われたら否定したいところではあるけども。
「そうは言うけど、時間が空けば基本的に訓練だし、遊びに行くってなっても大体セト達とか他の誰かのためだし。もう少し自分のために時間を使ってもいいんじゃない?」
「うーん……」
少なくとも弟達に関してはそれこそが自分の喜びでもあるし、ルトアさんやレンリとのデートにしても、別の目的はあれ、俺自身も十二分に楽しませて貰っていたのだが……。
とは言え、フェリトも俺のためを想って言ってくれている訳だし、こんなことで頑なになって否定するのは思慮が足りないというものだろう。
俺が自発的に気分転換することで彼女(とトリリス様達)が納得するとのなら、たまにはそうするのもいいかもしれない。
…………ただ、まだ時代的に娯楽にそこまで多様性がないんだよな。
俺としては、未だに魔法的な力を使って色々試行錯誤する方が楽しいぐらいだし。
こういう部分は、文明の段階が異なる前世を持つ弊害なのかもしれない。
「まあ、何にせよ、その辺は帰ってきてからだな」
事前情報を聞いた限り、物見遊山気分のまま終われるような仕事という印象はない。
やはり、まずは依頼を完遂することを優先すべきだ。
そう思いながらフェリトに言葉を返した頃には学園長室の前。
一つ息を吐いて気持ちを切り替えてからノックし、それから返事を待って中に入る。
ウインテートで俺をサポートしてくれる同行者を連れてくる、という話だったが……。
「あれ? ライムさんに……ルシネさん?」
扉を開けてすぐに彼らの姿が目に入り、俺はトリリス様達への挨拶も忘れて思わず問い気味に二人の名前を口にしてしまった。
ライム・クラフィス・ヨスキ。
同じヨスキ村出身でアロン兄さんの同い年の親友。
行方不明になった兄さんこそ救世の転生者だと思い込んでいた彼は以前、真性少女契約したルシネさん達と共に狂化隷属の矢を利用し、決して小さくない事件を引き起こした。
動機は、無理矢理にでも戦力を増強して最凶の人形化魔物【ガラテア】に対抗するため。
最終的には本物の救世の転生者である俺の手によって捕らえられ、勘違いを正されて深く反省した上で、それぞれ刑務所と特別収容施設にて罪を償っていたはずだが――。
「同行者って、お二人なんですか?」
トリリス様達に軽く挨拶をした後、改めて彼らに視線を向けながら問う。
収監されているはずの二人が外に出てきているのは、有用な複合発露を持つ犯罪者に刑期を減らす引き換えに問題解決を依頼する特別労役の一貫と見て間違いない。
ならば、彼らが同行者と見るのが自然だ。
「その通りだゾ」
果たしてトリリス様は肯定の意を示し、それから続けてディームさんと共にこの件に彼らが同行する理由を説明し始める。
「今回、関係者には救世の転生者が同行することを伝えてあるのです……」
「ジズが出現する空域を突っ切る強行軍だからナ。人員の不安を和らげるためなのだゾ」
ここまでは前置きか。
当然ながらジズ云々の情報を隠したまま人員を運搬する訳にはいかないし、それは仕方がないことだろう。と言うより、その辺りは依頼者が当然見せるべき誠意だ。
そうでなくとも、何も知らないところに突然マナプレーンが襲われたりしたら、パニックが起こって一層悪い事態に陥りかねないからな。
報連相は大事だ。
「とは言え、救世の転生者の正体を大っぴらに明かす訳にはいかないからナ。ライム達には、救世の転生者の姿形が人員の記憶に残らないように精神操作して貰うのだゾ」
成程。二人の真・複合発露〈千年五色錯誤〉を利用する訳だ。
ならば、後々のことを特に気にすることなく、救世の転生者として力を振るうことができるだろう。実にありがたい。ありがたいのだが……。
ただ、同行者と聞いて俺が思っていたのとちょっと違う。
「ライムさんってウインテートに行ったことがあるんですか?」
「いや、ない。ルシネもな」
「それがどうしたのだ?」
「いえ、その、昨日トリリス様達から同行者は俺の補助をしてくれると聞いて、アチラに滞在中のサポートかなと思ったもので。海外に泊まりがけは今生では初めてですから」
ルシネさんの問いに答えると、二人は納得したような表情を浮かべた。
そして、ライムさんが口を開く。
「一応、それも今回の俺達の役割に入っているぞ」
「え、でも、ウインテートに行ったことはないんですよね?」
「特別収容施設の施設長から、ルシネがウインテートに滞在しているとある人物の視界とやらを見せて貰ったからな。ある意味、下見をしたような状態にある」
アコさんの複合発露〈命歌残響〉の力か。
それによってスパイ的な存在の記憶を読み取り、ルシネさんに見せたのだろう。
名前と顔さえ知っていれば、たとえ離れていたとしても情報を読み取ることができる訳だから、やはり破格の複合発露と言うしかない。
これを利用すれば、あるいは転移可能な地点も易々と増やせそうだ。
当然、その辺は他国も想定しているだろうし、それだけにしっかりと国際的なルールを順守しているポーズを取ることは必要不可欠に違いない。
……転移と言えば、ライムさんはルシネさんの他にもう一人、転移の複合発露を持った少女化魔物と真性少女契約を結んでいたはずだが――。
「そう言えば、パレットさんはどうしてます?」
「転移の複合発露持ちは海外には行けないからな。特別収容施設で留守番だ」
「名目上は私達に対する人質、というところだな」
ルシネさんはそうつけ加えるが、ウラバ大事変の時には三人揃っていたはずだし、彼女達は己を省みて模範的に罪を償っている訳だから人質などなくても実質的には問題ない。
どちらかと言うと、ライムさんがウインテートに行くためだろう。
パレットさんが封印の注連縄の中にいないと、彼女と真性少女契約中のライムさんも転移の複合発露を使える状態になって海外への渡航ができなくなるはずだから。
まあ、何はともあれ、知り合いが同行してくれるのは心強い限りだ。
精神干渉の力も、一度食らったことがあるだけに信頼できるし。
「全体的な流れについてもライム達に伝えてあるからナ。ウインテートへの道すがらにでも聞いておいて欲しいのだゾ」
と、ライムさん達との話が一段落ついたと見てか、トリリス様が纏めにかかる。
続いてディームさんもまた口を開き――。
「暴走するジズの補導も勿論重要ですが、癒しの力を持つ祈望之器アスクレピオスが盗まれるのは、社会にとって非常に大きな損失なのです。イサク、よろしく頼むのです……」
「分かりました。任せて下さい」
そう言って頭を下げた彼女に俺は、胸を叩きながら応じた。
そして、ライムさん達と共に学園長室を離れ、この世界に転生して初めての長旅の出発地点たる湾岸地区のマナプレーンの発着場を祈念魔法を用いて空から目指す。
「ライムさん。荷物、俺の影の中に入れておきましょうか?」
「申し出はありがたいが、やめておく。と言うか、イサクもなるべく荷物は外に出しておいた方がいいぞ。余りに影の世界が広いと救世の転生者と疑われ易くなる」
「精神干渉で記憶を改竄できるとは言っても、常識外れの行動は慎んだ方がいい」
確かに。二人の言葉に納得と共に頷く。
下手をすると、小さな親切大きなお世話にしかならないな。
ライムさんの忠告に従ってイリュファに着替えなどを適当に鞄に詰めて貰い、二人と同じように割と大きく膨らんだそれを背負うことにする。
同じく常識外れのヨスキ村出身のライムさんだが、やはり都会暮らしの経験が段違いに多いおかげだろう。ちゃんと世間一般の普通を把握しているようで頼りになる。
なるべく二人に相談し、自重して行動しよう。
そう己に言い聞かせながら空を翔けていき、やがて目的の発着場に至った俺達は件のマナプレーンの前に降り立った。
「結構大きいんだな……」
その場で一旦、それを見上げながら呟く。
大きさとしてはジャンボジェット並だが、また何とも不思議な形だ。
鳥を模していることだけは分かるが、どうやら羽らしき部分にも座席があるようだ。
まあ、思念の蓄積という航空力学の範疇にない力で飛ぶ訳だから、極論座席だけだったとしても恐らく飛びはするのだろうし、前世の飛行機の形状は必要ないのかもしれない。
さすがに座席型は余りに疑わしい形なので、速度や安定性は全くなさそうだけれども。
「行くぞ、イサク」
「あ、はい」
ライムさんに促されるままタラップの下で身分証を提示し、席に案内される。
どうやら基本的に個室らしく、他の人員の姿はない。
全体での顔合わせやブリーフィングはウインテートで行うらしい。
「席に着いて、シートベルトを締めてお待ち下さい」
そうして客室乗務員の指示に従い、シートベルトつき高級そうなソファに座って少し待っていると、しばらくして窓の外の景色が動き始める。
前世の飛行機とは異なり、この巨体がまずその場で緩やかに浮かび上がっていく。
「おおっ」
それを前にして俺が感嘆の声を上げる間にグンと加速がかかり……。
こうして、ウインテートへと向かう空の旅が始まったのだった。
「いや、別に遊びに行く訳じゃないぞ。あくまで仕事なんだから、気を引き締めないと」
「…………学園長達じゃないけど、イサクはもっと心に遊びがあってもいい気がするわ」
翌朝。俺は約束の時間に合わせて学園長室へと向かう途中。
フェリトの気楽な言葉に軽く注意すると、そう呆れたように言った彼女に嘆息される。
その反応はちょっと心外だ。
「いや、俺はそんな堅物のつもりないんだけど……」
そもそも人外ロリコンな時点で、どう考えても硬派を気取るのは無理というものだ。
なら軟派な人間なのか、と問われたら否定したいところではあるけども。
「そうは言うけど、時間が空けば基本的に訓練だし、遊びに行くってなっても大体セト達とか他の誰かのためだし。もう少し自分のために時間を使ってもいいんじゃない?」
「うーん……」
少なくとも弟達に関してはそれこそが自分の喜びでもあるし、ルトアさんやレンリとのデートにしても、別の目的はあれ、俺自身も十二分に楽しませて貰っていたのだが……。
とは言え、フェリトも俺のためを想って言ってくれている訳だし、こんなことで頑なになって否定するのは思慮が足りないというものだろう。
俺が自発的に気分転換することで彼女(とトリリス様達)が納得するとのなら、たまにはそうするのもいいかもしれない。
…………ただ、まだ時代的に娯楽にそこまで多様性がないんだよな。
俺としては、未だに魔法的な力を使って色々試行錯誤する方が楽しいぐらいだし。
こういう部分は、文明の段階が異なる前世を持つ弊害なのかもしれない。
「まあ、何にせよ、その辺は帰ってきてからだな」
事前情報を聞いた限り、物見遊山気分のまま終われるような仕事という印象はない。
やはり、まずは依頼を完遂することを優先すべきだ。
そう思いながらフェリトに言葉を返した頃には学園長室の前。
一つ息を吐いて気持ちを切り替えてからノックし、それから返事を待って中に入る。
ウインテートで俺をサポートしてくれる同行者を連れてくる、という話だったが……。
「あれ? ライムさんに……ルシネさん?」
扉を開けてすぐに彼らの姿が目に入り、俺はトリリス様達への挨拶も忘れて思わず問い気味に二人の名前を口にしてしまった。
ライム・クラフィス・ヨスキ。
同じヨスキ村出身でアロン兄さんの同い年の親友。
行方不明になった兄さんこそ救世の転生者だと思い込んでいた彼は以前、真性少女契約したルシネさん達と共に狂化隷属の矢を利用し、決して小さくない事件を引き起こした。
動機は、無理矢理にでも戦力を増強して最凶の人形化魔物【ガラテア】に対抗するため。
最終的には本物の救世の転生者である俺の手によって捕らえられ、勘違いを正されて深く反省した上で、それぞれ刑務所と特別収容施設にて罪を償っていたはずだが――。
「同行者って、お二人なんですか?」
トリリス様達に軽く挨拶をした後、改めて彼らに視線を向けながら問う。
収監されているはずの二人が外に出てきているのは、有用な複合発露を持つ犯罪者に刑期を減らす引き換えに問題解決を依頼する特別労役の一貫と見て間違いない。
ならば、彼らが同行者と見るのが自然だ。
「その通りだゾ」
果たしてトリリス様は肯定の意を示し、それから続けてディームさんと共にこの件に彼らが同行する理由を説明し始める。
「今回、関係者には救世の転生者が同行することを伝えてあるのです……」
「ジズが出現する空域を突っ切る強行軍だからナ。人員の不安を和らげるためなのだゾ」
ここまでは前置きか。
当然ながらジズ云々の情報を隠したまま人員を運搬する訳にはいかないし、それは仕方がないことだろう。と言うより、その辺りは依頼者が当然見せるべき誠意だ。
そうでなくとも、何も知らないところに突然マナプレーンが襲われたりしたら、パニックが起こって一層悪い事態に陥りかねないからな。
報連相は大事だ。
「とは言え、救世の転生者の正体を大っぴらに明かす訳にはいかないからナ。ライム達には、救世の転生者の姿形が人員の記憶に残らないように精神操作して貰うのだゾ」
成程。二人の真・複合発露〈千年五色錯誤〉を利用する訳だ。
ならば、後々のことを特に気にすることなく、救世の転生者として力を振るうことができるだろう。実にありがたい。ありがたいのだが……。
ただ、同行者と聞いて俺が思っていたのとちょっと違う。
「ライムさんってウインテートに行ったことがあるんですか?」
「いや、ない。ルシネもな」
「それがどうしたのだ?」
「いえ、その、昨日トリリス様達から同行者は俺の補助をしてくれると聞いて、アチラに滞在中のサポートかなと思ったもので。海外に泊まりがけは今生では初めてですから」
ルシネさんの問いに答えると、二人は納得したような表情を浮かべた。
そして、ライムさんが口を開く。
「一応、それも今回の俺達の役割に入っているぞ」
「え、でも、ウインテートに行ったことはないんですよね?」
「特別収容施設の施設長から、ルシネがウインテートに滞在しているとある人物の視界とやらを見せて貰ったからな。ある意味、下見をしたような状態にある」
アコさんの複合発露〈命歌残響〉の力か。
それによってスパイ的な存在の記憶を読み取り、ルシネさんに見せたのだろう。
名前と顔さえ知っていれば、たとえ離れていたとしても情報を読み取ることができる訳だから、やはり破格の複合発露と言うしかない。
これを利用すれば、あるいは転移可能な地点も易々と増やせそうだ。
当然、その辺は他国も想定しているだろうし、それだけにしっかりと国際的なルールを順守しているポーズを取ることは必要不可欠に違いない。
……転移と言えば、ライムさんはルシネさんの他にもう一人、転移の複合発露を持った少女化魔物と真性少女契約を結んでいたはずだが――。
「そう言えば、パレットさんはどうしてます?」
「転移の複合発露持ちは海外には行けないからな。特別収容施設で留守番だ」
「名目上は私達に対する人質、というところだな」
ルシネさんはそうつけ加えるが、ウラバ大事変の時には三人揃っていたはずだし、彼女達は己を省みて模範的に罪を償っている訳だから人質などなくても実質的には問題ない。
どちらかと言うと、ライムさんがウインテートに行くためだろう。
パレットさんが封印の注連縄の中にいないと、彼女と真性少女契約中のライムさんも転移の複合発露を使える状態になって海外への渡航ができなくなるはずだから。
まあ、何はともあれ、知り合いが同行してくれるのは心強い限りだ。
精神干渉の力も、一度食らったことがあるだけに信頼できるし。
「全体的な流れについてもライム達に伝えてあるからナ。ウインテートへの道すがらにでも聞いておいて欲しいのだゾ」
と、ライムさん達との話が一段落ついたと見てか、トリリス様が纏めにかかる。
続いてディームさんもまた口を開き――。
「暴走するジズの補導も勿論重要ですが、癒しの力を持つ祈望之器アスクレピオスが盗まれるのは、社会にとって非常に大きな損失なのです。イサク、よろしく頼むのです……」
「分かりました。任せて下さい」
そう言って頭を下げた彼女に俺は、胸を叩きながら応じた。
そして、ライムさん達と共に学園長室を離れ、この世界に転生して初めての長旅の出発地点たる湾岸地区のマナプレーンの発着場を祈念魔法を用いて空から目指す。
「ライムさん。荷物、俺の影の中に入れておきましょうか?」
「申し出はありがたいが、やめておく。と言うか、イサクもなるべく荷物は外に出しておいた方がいいぞ。余りに影の世界が広いと救世の転生者と疑われ易くなる」
「精神干渉で記憶を改竄できるとは言っても、常識外れの行動は慎んだ方がいい」
確かに。二人の言葉に納得と共に頷く。
下手をすると、小さな親切大きなお世話にしかならないな。
ライムさんの忠告に従ってイリュファに着替えなどを適当に鞄に詰めて貰い、二人と同じように割と大きく膨らんだそれを背負うことにする。
同じく常識外れのヨスキ村出身のライムさんだが、やはり都会暮らしの経験が段違いに多いおかげだろう。ちゃんと世間一般の普通を把握しているようで頼りになる。
なるべく二人に相談し、自重して行動しよう。
そう己に言い聞かせながら空を翔けていき、やがて目的の発着場に至った俺達は件のマナプレーンの前に降り立った。
「結構大きいんだな……」
その場で一旦、それを見上げながら呟く。
大きさとしてはジャンボジェット並だが、また何とも不思議な形だ。
鳥を模していることだけは分かるが、どうやら羽らしき部分にも座席があるようだ。
まあ、思念の蓄積という航空力学の範疇にない力で飛ぶ訳だから、極論座席だけだったとしても恐らく飛びはするのだろうし、前世の飛行機の形状は必要ないのかもしれない。
さすがに座席型は余りに疑わしい形なので、速度や安定性は全くなさそうだけれども。
「行くぞ、イサク」
「あ、はい」
ライムさんに促されるままタラップの下で身分証を提示し、席に案内される。
どうやら基本的に個室らしく、他の人員の姿はない。
全体での顔合わせやブリーフィングはウインテートで行うらしい。
「席に着いて、シートベルトを締めてお待ち下さい」
そうして客室乗務員の指示に従い、シートベルトつき高級そうなソファに座って少し待っていると、しばらくして窓の外の景色が動き始める。
前世の飛行機とは異なり、この巨体がまずその場で緩やかに浮かび上がっていく。
「おおっ」
それを前にして俺が感嘆の声を上げる間にグンと加速がかかり……。
こうして、ウインテートへと向かう空の旅が始まったのだった。
0
お気に入りに追加
273
あなたにおすすめの小説
性奴隷を飼ったのに
お小遣い月3万
ファンタジー
10年前に俺は日本から異世界に転移して来た。
異世界に転移して来たばかりの頃、辿り着いた冒険者ギルドで勇者認定されて、魔王を討伐したら家族の元に帰れるのかな、っと思って必死になって魔王を討伐したけど、日本には帰れなかった。
異世界に来てから10年の月日が流れてしまった。俺は魔王討伐の報酬として特別公爵になっていた。ちなみに領地も貰っている。
自分の領地では奴隷は禁止していた。
奴隷を売買している商人がいるというタレコミがあって、俺は出向いた。
そして1人の奴隷少女と出会った。
彼女は、お風呂にも入れられていなくて、道路に落ちている軍手のように汚かった。
彼女は幼いエルフだった。
それに魔力が使えないように処理されていた。
そんな彼女を故郷に帰すためにエルフの村へ連れて行った。
でもエルフの村は魔力が使えない少女を引き取ってくれなかった。それどころか魔力が無いエルフは処分する掟になっているらしい。
俺の所有物であるなら彼女は処分しない、と村長が言うから俺はエルフの女の子を飼うことになった。
孤児になった魔力も無いエルフの女の子。年齢は14歳。
エルフの女の子を見捨てるなんて出来なかった。だから、この世界で彼女が生きていけるように育成することに決めた。
※エルフの少女以外にもヒロインは登場する予定でございます。
※帰る場所を無くした女の子が、美しくて強い女性に成長する物語です。
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
国家魔術師をリストラされた俺。かわいい少女と共同生活をする事になった件。寝るとき、毎日抱きついてくるわけだが
静内燕
ファンタジー
かわいい少女が、寝るとき毎日抱きついてくる。寝……れない
かわいい少女が、寝るとき毎日抱きついてくる。
居場所を追い出された二人の、不器用な恋物語──
Aランクの国家魔術師であった男、ガルドは国の財政難を理由に国家魔術師を首になった。
その後も一人で冒険者として暮らしていると、とある雨の日にボロボロの奴隷少女を見つける。
一度家に泊めて、奴隷商人に突っ返そうとするも「こいつの居場所なんてない」と言われ、見捨てるわけにもいかず一緒に生活することとなる羽目に──。
17歳という年齢ながらスタイルだけは一人前に良い彼女は「お礼に私の身体、あげます」と尽くそうとするも、ガルドは理性を総動員し彼女の誘惑を断ち切り、共同生活を行う。
そんな二人が共に尽くしあい、理解し合って恋に落ちていく──。
街自体が衰退の兆しを見せる中での、居場所を失った二人の恋愛物語。
ギルドから追放された実は究極の治癒魔法使い。それに気付いたギルドが崩壊仕掛かってるが、もう知らん。僕は美少女エルフと旅することにしたから。
yonechanish
ファンタジー
僕は治癒魔法使い。
子供の頃、僕は奴隷として売られていた。
そんな僕をギルドマスターが拾ってくれた。
だから、僕は自分に誓ったんだ。
ギルドのメンバーのために、生きるんだって。
でも、僕は皆の役に立てなかったみたい。
「クビ」
その言葉で、僕はギルドから追放された。
一人。
その日からギルドの崩壊が始まった。
僕の治癒魔法は地味だから、皆、僕がどれだけ役に立ったか知らなかったみたい。
だけど、もう遅いよ。
僕は僕なりの旅を始めたから。
【書籍化】パーティー追放から始まる収納無双!~姪っ子パーティといく最強ハーレム成り上がり~
くーねるでぶる(戒め)
ファンタジー
【24年11月5日発売】
その攻撃、収納する――――ッ!
【収納】のギフトを賜り、冒険者として活躍していたアベルは、ある日、一方的にパーティから追放されてしまう。
理由は、マジックバッグを手に入れたから。
マジックバッグの性能は、全てにおいてアベルの【収納】のギフトを上回っていたのだ。
これは、3度にも及ぶパーティ追放で、すっかり自信を見失った男の再生譚である。
女神に同情されて異世界へと飛ばされたアラフォーおっさん、特S級モンスター相手に無双した結果、実力がバレて世界に見つかってしまう
サイダーボウイ
ファンタジー
「ちょっと冬馬君。このプレゼン資料ぜんぜんダメ。一から作り直してくれない?」
万年ヒラ社員の冬馬弦人(39歳)は、今日も上司にこき使われていた。
地方の中堅大学を卒業後、都内の中小家電メーカーに就職。
これまで文句も言わず、コツコツと地道に勤め上げてきた。
彼女なしの独身に平凡な年収。
これといって自慢できるものはなにひとつないが、当の本人はあまり気にしていない。
2匹の猫と穏やかに暮らし、仕事終わりに缶ビールが1本飲めれば、それだけで幸せだったのだが・・・。
「おめでとう♪ たった今、あなたには異世界へ旅立つ権利が生まれたわ」
誕生日を迎えた夜。
突如、目の前に現れた女神によって、弦人の人生は大きく変わることになる。
「40歳まで童貞だったなんて・・・これまで惨めで辛かったでしょ? でももう大丈夫! これからは異世界で楽しく遊んで暮らせるんだから♪」
女神に同情される形で異世界へと旅立つことになった弦人。
しかし、降り立って彼はすぐに気づく。
女神のとんでもないしくじりによって、ハードモードから異世界生活をスタートさせなければならないという現実に。
これは、これまで日の目を見なかったアラフォーおっさんが、異世界で無双しながら成り上がり、その実力がバレて世界に見つかってしまうという人生逆転の物語である。
クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~
いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。
他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。
「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。
しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。
1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化!
自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働!
「転移者が世界を良くする?」
「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」
追放された少年の第2の人生が、始まる――!
※本作品は他サイト様でも掲載中です。
異世界で穴掘ってます!
KeyBow
ファンタジー
修学旅行中のバスにいた筈が、異世界召喚にバスの全員が突如されてしまう。主人公の聡太が得たスキルは穴掘り。外れスキルとされ、屑の外れ者として抹殺されそうになるもしぶとく生き残り、救ってくれた少女と成り上がって行く。不遇といわれるギフトを駆使して日の目を見ようとする物語
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる