ガラスの世代

長きに渡る生活

東京の
郊外にある
おれの自宅の団地に
引っ越してから
ちょうど45年近くが
経過した
その間
いろいろ遭った

嬉しかったこと
楽しかったこと
悲しかったこと
苦しかったこと
辛かったこと
その全てを
おれの親父と
お袋と
二人の姉貴とで
共有して
経験してきた

おれがここまで
生きてこれたのも
全部親父と
お袋のおかげだ

おれは長年の間
何にも無くて
苦労もしたが
それも全て
乗り越えられそうだ

それも全部
親父とお袋の
おかげだ

親父もお袋も
今ではすっかり
歳をとって
しまったが
もう先が見えている
ことは
分かりきっては
いるけれど
あと少しだけ
長く生きて欲しい

いろいろ遭ったが
今では
親父にも
お袋にも
深い恩義を
感じている

おれがもっと
大きくなった
姿を
親父にも
お袋にも
見せてやりたい
だから
あと少しで良いから
長生きしてくれ

あの世に逝くことは
いつでも出来る
でもあの世に逝ったら
二度とこの世には
戻って来れない

だから
あと少しで
良いから
長く生きてくれ