ガラスの世代

大西啓太

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単純バカ

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おれが高校時代に
ちょこっとだけ
入部した
少林寺拳法部というのは
顧問の先公から
部員に至るまで
バカばっかりだった

少林寺拳法の創設者の
理念や
理想というのは
崇高なモノ
だったかも
しれないが
おれがいた頃は
完全に
理念負けをして
腐りきっていた

おれがそこの
部員に
教わった
技とかは
あまり覚えてないが
一つだけ
今でも覚えている
ことがある
それは
とにかく
「デカい声を出せ」と
言うことだけだ

おれがアチョーとか
ヒエーとか
オリャーとか
マヌケな掛け声を
デカい声で
出せば
それでご満悦
だったのかな?
バカは声がデカいと
昔から言うぞ
それとも
おれは育ちが
良すぎて
いささか
お上品過ぎたかな?

そんな
バカばっかりを
相手にしていたら
いささか疲れて
一度
クラブ活動を
サボったことがある

すると翌日
おれが
クラブ活動をするため
学校の
道場で
部員に呼ばれて
何で休んだかを
問いただされた
おれが正直に
「疲れて
しょうがなかったから」と
伝えると
「おまえ疲れたから
休むなんて
良い身分だね」と
嫌味タップリに
言われた

仕事ならともかく
たかが学校の
クラブ活動を
疲れて休んだから
といって
何が悪い
おかしいのは
おまえらの方だ
頭が悪いね

おまえらみたいな
バカどもを
相手にしていると
疲れて
しょうがないんだよ
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