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第三十一章 究極の先へ、賑やかに
つぎのしゅだん
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テストゥネル様が天の蓋のことを話した時だった。
「失念しておった」
突如、テストゥネル様が、屋敷の外へと早足で歩き出した。
「何かあったのですか?」
後ろに付き従うようにカガミが追い縋り声をかける。
彼女達をオレを含めて全員が追いかける形になった。
「この家にはすでにそそなた達だけではなかったことに思い至らなかった」
テストゥネル様の視線の先には、ノアとクローヴィス、それから帝国皇女のファラハとお付きの2人がいた。そういや、いろいろな人が引っ越してきているからな。あとは、キンダッタ達か。
なんで急いでいるのかと思ったら、クローヴィスが心配だったのか。
「久しいな、タハミネよ」
すぐに、ファラハ達とクローヴィスの間に割り込むようにテストゥネル様は立った。
タハミネとは、どうやら知り合いらしい。
一方のファラハは、いきなりテストゥネル様が出てきたことに驚いていた。
もっとも、それは一瞬で、すぐに彼女達は、跪き挨拶を始める。
さすが龍神、皇女よりも格上なんだな。
「かような場所でお目にかかるとは……十分な挨拶もできず申し訳ありません。ファラハ・ミルトレト・イフェメトにございます」
落ち着いた様子で、挨拶するファラハに感心する。
すごいものだ。オレだったら、あんなに冷静には対処できない。オレだったら……即座に同僚達の影にでも隠れるだろう。
挨拶後も、ファラハとテストゥネル様のやり取りは続く。
「この子は、妾の子クローヴィスじゃ。いまだ、社交の場に出しておらぬ」
「左様でございましたか」
「あと、この場においては、ノアサリーナ達にはクローヴィスに対し身分を考えず接するよう言いつけてある。そういうものであると、承知しておけ」
「かしこまりました」
それからテストゥネル様がこちらを見た。
こっちを見るな。嫌な予感がする。
何か良からぬ事を考えていそうで怖い……というか、この考えも読まれてるんだよな。龍神テストゥネル様は、簡単に人の心を読むから、内心で悪態もつけない。やれやれだ。
予想通り、オレの心は読まれているようだ。テストゥネル様が、怪訝な様子でオレを見た。
テストゥネル様は視線をファラハ達に戻し言葉を続ける。
「そうよな。お前達も、クローヴィス、そしてノアサリーナ達に身分を考えず接するがよい」
ん? どういうことだ。
ファラハ達が、クローヴィスだけでなくオレ達にも?
「それは、例えば……そこのリーダとかいう奴隷が、ファラハ様に平伏せず、友人のように声をかけることを許せと?」
「そういうことであるな。タハミネよ」
やっぱりそういうことだよな。しかし、考えてみればそちらのがいいか。
今の状況だと、屋敷から出るのにも気をつかうからな。キンダッタ達はともかく、帝国の人はわりと身分関係に厳しそうで、見かけるとコソコソしてしまうのだ。
「いかに龍神テストゥネル様の言葉といえど……」
「ホホホ。それは面白い申し出でございます。このルッカイアはそう致しましょう」
「では、わたくしも」
「姫様!」
テストゥネル様の思いつきに、タハミネは反対しようとしていたが、他の2人が乗り気になった。とうとう最後は、タハミネは折れて
「かしこまりました」と小さく答えていた。ただし、ファラハ達は一旦立ち去ることにしたようだ。
「では、これからは友人のようにお付き合いくださいませ」
タハミネに耳打ちされたファラハは嬉しそうに笑い、オレ達にお辞儀し去って行った。
そこから先は、ゴルフだ。
「外だと、良い場所がなかったの」
そう言って、ノアがあたりを見回す。確かに、斜面が続くからな。
ゴルフには向かないか。
「だったら、屋敷の庭でやるか」
「お池とかあるよ」
「落ちたら、OBだな。2打プラスだ」
「おーびー……でしたか」
ちょっとした追加ルールの説明をして、庭でゴルフをして遊ぶ。
ノソノソ動く海亀がいたりと、どうやっても難易度の高いコースになった。
こうして見ると屋敷の庭は広いよな。さすがにドライバーを使えず少々手狭ではあるが問題無くゴルフで遊べる。
「ついつい飛ばし過ぎちゃうよね」
今回は、プレインとミズキも加わる。ノア達はのびのびできるが、オレと同僚達には少し厳しい。どうしても飛ばしすぎてしまうのだ。
「ところで、本当に良かったんでしょうか? 身分を考えないようにって……皇女の立場とか……」
ゴルフ中、スコアを付けていたカガミが疑問を投げかけた。
「気にする事は無い。貴人が奴隷の友を持つことなど、別に不思議な事ではない」
カガミの疑問に、テストゥネル様が答え、続けて説明してくれた。
奴隷と貴族の身分を超えた友人の付き合いは、よくあることらしい。奴隷身分の家庭教師に、教え子だった貴族が友人としての付き合いを続けることが一番多いパターンだという。
「家庭教師の奴隷がいるのですね」
「戦の結果、領地を失った領主とその家族、多額の借金を負った魔法使い……それらは、学はある。虜囚や借金により奴隷となった後、家庭教師として生を繋ぐ事はままあることよな」
カガミの感想に、テストゥネル様が答える。この世界での奴隷は、本当にイメージと違うことが多いな。仕事だって単純労働だけではない、頭脳労働主体の奴隷も多い。
雑談しながらのゴルフは続く。
ノアはゲームの中で沈んだ気持ちが晴れたようで、楽しそうにゴルフを進める。
お昼時には、トップはクローヴィス、2位はノア、あとは同僚達で争うといった流れになった。
皆で食べるお昼ご飯。
今日は、ハンバーガー。母親の手前なのか、クローヴィスはナイフを使っている。
「リーダ。クローヴィスが上手になってる」
周りに倣ってハンバーガーを食べつつノアが悔しそうにオレに言う。確かに、上手くなっているのがわかる。
練習してきたらしい。こしゃくなことだ。
もっとも、オレには考えがある。
「次は新ルールだ」
午後、ゴルフを再開といった時に、オレは宣言し3つの輪っかを出す。前に飛行島で遊んだ魔導具だ。
「なに、それ?」
「魔導具を使ったゴルフだよ。クローヴィス君」
「いい大人がマジになってうける」
ミズキの下らないチャチャなんて聞き流し、ロープウエイ乗り場へと移動する。
視線の先は、温泉のある山で、その間には木々の茂る谷間がある。
木々溢れる谷間に向かって、打ちっぱなしで勝負するのだ。
しかも谷間に見える木々は紅葉に色づき眺めもいい。
そんな美しい景色へ向けて、魔導具を起動させて、3つの輪っかを空へと飛ばす。
「あほらし」
そう言ってサムソンが離脱した以外は、皆が午後のゲームにも付き合う。
結果は、プレインが1位。クローヴィスとノアが2位。ミズキが3位。オレが最下位。
谷間に吹く風によって、うまくボールが飛ばせず、ミズキとオレが苦戦した。
逆に風を利用したプレインが1位だった。
「流石は、クローヴィスじゃ。初見の勝負にも、順応する」
ゴルフの結果に、一番自慢げだったのはテストゥネル様だった。
一日が終わり、上機嫌のテストゥネル様とクローヴィスは帰っていった。
それから後はいつもの通りだ。ノアが寝た後、これからの事を話し合う。
「魔法の究極が失敗した以上、地下の魔法陣を考えたほうがいいと思うぞ」
サムソンは、魔法の究極は失敗したと断言した。
地下の魔法陣を考えるか……。サムソンは、当初より地下の超巨大魔法陣に期待している。禁書図書館で手に入れた本があって、さらに解析は進むだろう。
「私はもう少し検討した方がいいと思います」
対してカガミは、魔法の究極に期待しているようだ。
確かに、現状は本に書いてあったとおりをなぞっただけだ。改善の余地はあるかもしれない。失敗の原因を検証して、改善できるところは改善する。
それに魔法の究極で、オレの望みが叶わないとしても、使い道はあるだろう。
「まぁ、現状維持じゃ無いんスか?」
しばらく無言の時が流れ、プレインが言う。
結果的にそうなるのかな。
「今後も、今までと同じで進めよう。超巨大魔法陣の解析を進めながら、魔法の究極も実験する。あとは……アダマンタイトを、もう少し突っ込んで探していきたい」
皆の意見を聞いて、今後の方針を提案する。
現状維持に加えて、アダマンタイトを探すという提案だ。ノアの持っている赤い手帳は、ウルクフラという人の手帳だ。それは、黒本エニエルの著者でもある。加えて、地下の超巨大魔法陣にも関係ありそうな人だ。中に書いてある事は、期待できる。
「それは俺も考えていたぞ。ちなみに、テストゥネル様は、持ってないそうだ。アダマンタイトは、ロウス……いや、テストゥネル様の近くには出現しないらしい。多分、オレ達の近くにもな」
「そうなんスか?」
「異世界の存在がいる近くは嫌うらしい。だから、待っていても手には入らない……らしいぞ。テストゥネル様の声が頭の中に響いて、教えてくれた」
テストゥネル様が、サムソンの心を読んで、アドバイスしたのか。
でも、話のとおりなら、テストゥネル様は異世界の存在になるけれど、どうなのだろう。
「そういえばさ、ノアノアのお爺ちゃんの所で、アダマンタイトの話したよね」
「帝都でオークションがあって、アダマンタイトが出品されるという話だったと思います」
カガミの言葉に頷く。
確かにそういう話がでた。帝都は遠いと思っていたが、確実な話はそれだけだ。
最悪、また帝国旅行かな……。
「バルカンとか、王都にいるトゥンヘルさんに、聞いたりしてみようよ」
ミズキの意見はいいな。情報収集は大切だ。
「魔法の研究に加えて、アダマンタイトを探そう。第一段階として、明日から情報収集といこう」
話はまとまり、明日からの方針を宣言する。
やる事はまだある。諦める必要は無いのだ。
「失念しておった」
突如、テストゥネル様が、屋敷の外へと早足で歩き出した。
「何かあったのですか?」
後ろに付き従うようにカガミが追い縋り声をかける。
彼女達をオレを含めて全員が追いかける形になった。
「この家にはすでにそそなた達だけではなかったことに思い至らなかった」
テストゥネル様の視線の先には、ノアとクローヴィス、それから帝国皇女のファラハとお付きの2人がいた。そういや、いろいろな人が引っ越してきているからな。あとは、キンダッタ達か。
なんで急いでいるのかと思ったら、クローヴィスが心配だったのか。
「久しいな、タハミネよ」
すぐに、ファラハ達とクローヴィスの間に割り込むようにテストゥネル様は立った。
タハミネとは、どうやら知り合いらしい。
一方のファラハは、いきなりテストゥネル様が出てきたことに驚いていた。
もっとも、それは一瞬で、すぐに彼女達は、跪き挨拶を始める。
さすが龍神、皇女よりも格上なんだな。
「かような場所でお目にかかるとは……十分な挨拶もできず申し訳ありません。ファラハ・ミルトレト・イフェメトにございます」
落ち着いた様子で、挨拶するファラハに感心する。
すごいものだ。オレだったら、あんなに冷静には対処できない。オレだったら……即座に同僚達の影にでも隠れるだろう。
挨拶後も、ファラハとテストゥネル様のやり取りは続く。
「この子は、妾の子クローヴィスじゃ。いまだ、社交の場に出しておらぬ」
「左様でございましたか」
「あと、この場においては、ノアサリーナ達にはクローヴィスに対し身分を考えず接するよう言いつけてある。そういうものであると、承知しておけ」
「かしこまりました」
それからテストゥネル様がこちらを見た。
こっちを見るな。嫌な予感がする。
何か良からぬ事を考えていそうで怖い……というか、この考えも読まれてるんだよな。龍神テストゥネル様は、簡単に人の心を読むから、内心で悪態もつけない。やれやれだ。
予想通り、オレの心は読まれているようだ。テストゥネル様が、怪訝な様子でオレを見た。
テストゥネル様は視線をファラハ達に戻し言葉を続ける。
「そうよな。お前達も、クローヴィス、そしてノアサリーナ達に身分を考えず接するがよい」
ん? どういうことだ。
ファラハ達が、クローヴィスだけでなくオレ達にも?
「それは、例えば……そこのリーダとかいう奴隷が、ファラハ様に平伏せず、友人のように声をかけることを許せと?」
「そういうことであるな。タハミネよ」
やっぱりそういうことだよな。しかし、考えてみればそちらのがいいか。
今の状況だと、屋敷から出るのにも気をつかうからな。キンダッタ達はともかく、帝国の人はわりと身分関係に厳しそうで、見かけるとコソコソしてしまうのだ。
「いかに龍神テストゥネル様の言葉といえど……」
「ホホホ。それは面白い申し出でございます。このルッカイアはそう致しましょう」
「では、わたくしも」
「姫様!」
テストゥネル様の思いつきに、タハミネは反対しようとしていたが、他の2人が乗り気になった。とうとう最後は、タハミネは折れて
「かしこまりました」と小さく答えていた。ただし、ファラハ達は一旦立ち去ることにしたようだ。
「では、これからは友人のようにお付き合いくださいませ」
タハミネに耳打ちされたファラハは嬉しそうに笑い、オレ達にお辞儀し去って行った。
そこから先は、ゴルフだ。
「外だと、良い場所がなかったの」
そう言って、ノアがあたりを見回す。確かに、斜面が続くからな。
ゴルフには向かないか。
「だったら、屋敷の庭でやるか」
「お池とかあるよ」
「落ちたら、OBだな。2打プラスだ」
「おーびー……でしたか」
ちょっとした追加ルールの説明をして、庭でゴルフをして遊ぶ。
ノソノソ動く海亀がいたりと、どうやっても難易度の高いコースになった。
こうして見ると屋敷の庭は広いよな。さすがにドライバーを使えず少々手狭ではあるが問題無くゴルフで遊べる。
「ついつい飛ばし過ぎちゃうよね」
今回は、プレインとミズキも加わる。ノア達はのびのびできるが、オレと同僚達には少し厳しい。どうしても飛ばしすぎてしまうのだ。
「ところで、本当に良かったんでしょうか? 身分を考えないようにって……皇女の立場とか……」
ゴルフ中、スコアを付けていたカガミが疑問を投げかけた。
「気にする事は無い。貴人が奴隷の友を持つことなど、別に不思議な事ではない」
カガミの疑問に、テストゥネル様が答え、続けて説明してくれた。
奴隷と貴族の身分を超えた友人の付き合いは、よくあることらしい。奴隷身分の家庭教師に、教え子だった貴族が友人としての付き合いを続けることが一番多いパターンだという。
「家庭教師の奴隷がいるのですね」
「戦の結果、領地を失った領主とその家族、多額の借金を負った魔法使い……それらは、学はある。虜囚や借金により奴隷となった後、家庭教師として生を繋ぐ事はままあることよな」
カガミの感想に、テストゥネル様が答える。この世界での奴隷は、本当にイメージと違うことが多いな。仕事だって単純労働だけではない、頭脳労働主体の奴隷も多い。
雑談しながらのゴルフは続く。
ノアはゲームの中で沈んだ気持ちが晴れたようで、楽しそうにゴルフを進める。
お昼時には、トップはクローヴィス、2位はノア、あとは同僚達で争うといった流れになった。
皆で食べるお昼ご飯。
今日は、ハンバーガー。母親の手前なのか、クローヴィスはナイフを使っている。
「リーダ。クローヴィスが上手になってる」
周りに倣ってハンバーガーを食べつつノアが悔しそうにオレに言う。確かに、上手くなっているのがわかる。
練習してきたらしい。こしゃくなことだ。
もっとも、オレには考えがある。
「次は新ルールだ」
午後、ゴルフを再開といった時に、オレは宣言し3つの輪っかを出す。前に飛行島で遊んだ魔導具だ。
「なに、それ?」
「魔導具を使ったゴルフだよ。クローヴィス君」
「いい大人がマジになってうける」
ミズキの下らないチャチャなんて聞き流し、ロープウエイ乗り場へと移動する。
視線の先は、温泉のある山で、その間には木々の茂る谷間がある。
木々溢れる谷間に向かって、打ちっぱなしで勝負するのだ。
しかも谷間に見える木々は紅葉に色づき眺めもいい。
そんな美しい景色へ向けて、魔導具を起動させて、3つの輪っかを空へと飛ばす。
「あほらし」
そう言ってサムソンが離脱した以外は、皆が午後のゲームにも付き合う。
結果は、プレインが1位。クローヴィスとノアが2位。ミズキが3位。オレが最下位。
谷間に吹く風によって、うまくボールが飛ばせず、ミズキとオレが苦戦した。
逆に風を利用したプレインが1位だった。
「流石は、クローヴィスじゃ。初見の勝負にも、順応する」
ゴルフの結果に、一番自慢げだったのはテストゥネル様だった。
一日が終わり、上機嫌のテストゥネル様とクローヴィスは帰っていった。
それから後はいつもの通りだ。ノアが寝た後、これからの事を話し合う。
「魔法の究極が失敗した以上、地下の魔法陣を考えたほうがいいと思うぞ」
サムソンは、魔法の究極は失敗したと断言した。
地下の魔法陣を考えるか……。サムソンは、当初より地下の超巨大魔法陣に期待している。禁書図書館で手に入れた本があって、さらに解析は進むだろう。
「私はもう少し検討した方がいいと思います」
対してカガミは、魔法の究極に期待しているようだ。
確かに、現状は本に書いてあったとおりをなぞっただけだ。改善の余地はあるかもしれない。失敗の原因を検証して、改善できるところは改善する。
それに魔法の究極で、オレの望みが叶わないとしても、使い道はあるだろう。
「まぁ、現状維持じゃ無いんスか?」
しばらく無言の時が流れ、プレインが言う。
結果的にそうなるのかな。
「今後も、今までと同じで進めよう。超巨大魔法陣の解析を進めながら、魔法の究極も実験する。あとは……アダマンタイトを、もう少し突っ込んで探していきたい」
皆の意見を聞いて、今後の方針を提案する。
現状維持に加えて、アダマンタイトを探すという提案だ。ノアの持っている赤い手帳は、ウルクフラという人の手帳だ。それは、黒本エニエルの著者でもある。加えて、地下の超巨大魔法陣にも関係ありそうな人だ。中に書いてある事は、期待できる。
「それは俺も考えていたぞ。ちなみに、テストゥネル様は、持ってないそうだ。アダマンタイトは、ロウス……いや、テストゥネル様の近くには出現しないらしい。多分、オレ達の近くにもな」
「そうなんスか?」
「異世界の存在がいる近くは嫌うらしい。だから、待っていても手には入らない……らしいぞ。テストゥネル様の声が頭の中に響いて、教えてくれた」
テストゥネル様が、サムソンの心を読んで、アドバイスしたのか。
でも、話のとおりなら、テストゥネル様は異世界の存在になるけれど、どうなのだろう。
「そういえばさ、ノアノアのお爺ちゃんの所で、アダマンタイトの話したよね」
「帝都でオークションがあって、アダマンタイトが出品されるという話だったと思います」
カガミの言葉に頷く。
確かにそういう話がでた。帝都は遠いと思っていたが、確実な話はそれだけだ。
最悪、また帝国旅行かな……。
「バルカンとか、王都にいるトゥンヘルさんに、聞いたりしてみようよ」
ミズキの意見はいいな。情報収集は大切だ。
「魔法の研究に加えて、アダマンタイトを探そう。第一段階として、明日から情報収集といこう」
話はまとまり、明日からの方針を宣言する。
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