推しの兄(闇堕ち予定)の婚約者に転生した

花飛沫

文字の大きさ
25 / 46
2. 現れる登場人物達

箒に乗った王子様

しおりを挟む




      *     *     *




 オズはひたすらに痛む足首をさすっていた。痛みは一向に引く様子はなく、むしろ足首は腫れ上がって来ている。

(くそ、痛い‥‥。今何時だろう。閉会式はまだかな。)

 一刻も早く、この暗く湿った埃っぽい物置小屋から抜け出したい。こんなオンボロ小屋は、全力で体当たりでもしてみれば壊れたかもしれないが、足首の怪我のせいでそれもできない。

(ヒュー、無事に準決勝戦は終わったかな?)

 そうだと良い。別に、勝ち進んでなくたって良いのだ。ヒューが無事に試合を終えられたら、それだけでオズは報われる。
 溜め息を吐きて、目を閉じた。

「ヒュー‥‥。」

 その時、何かに首を前に引っ張られるような感覚がして、オズは目を開いた。服の中に違和感がある。オズは襟元から手を突っ込んだ。

「何だ‥‥?っ、これは!」

 違和感の正体は、ネックレスについた宝石だった。ヒューバートの瞳の色と似ているハックマナイトの宝石は少し光を持ち、くっ、くっ、と小さな力で前へ引っ張って来る。ヒューのいる方向を示しているのだ。

(でも、俺はまじない発動の呪文を唱えていない。という事は‥‥ヒューが俺を探してるんだ!)

 もう準決勝戦は終わっているだろうし、試合に負けてしまって出番が終わったからオズを探しに来てくれたのかもしれない。
 暫くすると、「オズー!」と名前を呼ぶヒューバートの声が聞こえて来た。

「ヒュー!俺はここだよ!」

 大声を上げると、さくさく、と草を踏む足音がこちらへ向かって来る。

「今、声がここから‥‥?オズ、そこに居るのか?」
「いるよ!この中だ!」
「何でそんなところにいるんだ!?」

 ヒューが当然の疑問を口にする。オズはヒューに見つけてもらえただけで安心して、体の力が抜けた。

「事情があって、鍵を閉められててここから出られないんだ!その鍵は壊せそう?」
「ああ、この南京錠だな?」

 やはり、南京錠が付けられていた。
 ヒューは「退がってて。」と言い、オズは言う通り物置小屋の端の方へ移動した。すると、ゴンッ、ベキッ、という音がしたのち、ガン!と扉は蹴りを入れられて開いた。扉は歪んでいる。
 視界には、選手服を着た美しい青年、ヒューが現れた。右手には魔法で作り出したらしい、簡易的なおのが握られている。
 手首と足首を蔓で縛られたオズを見たヒューは、目を見開いて顔から血の気が引く。

「‥‥誰にやられた?こんなこと‥‥一体何があったんだ?」
「それは後で話すよ。取り敢えずこの蔓を切ってくれないか。」
「分かった。」

 頼んだ通り、ヒューは腰に掛けていた短剣をさやから抜いて、素早く蔓を切り落とす。オズは「ありがとな。」と言って、解放された手首を振った。

「はぁー。ヒューが来てくれてよかったよ。無事に準決勝戦は終わったのか?」
「ああ。今は決勝戦の最中で、オズの手が必要だったから探しに来たんだ。」
「そうかそうか‥‥最中!?」

(準決勝戦を勝ち進んでいたのか!)

 オズはあんぐり口を開けて驚くが、ヒューは何でもないような顔をしていてる。

「じゃあ、早く会場に戻らないと!」
「でもオズを閉じ込めた犯人が‥‥。」
「それは後でいいから!」

 そう言うと、ヒューは渋々といった様子で箒を地面から拾う。腰の高さで手を離すと、箒は空中でふわりと止まった。
 オズは焦って物置小屋から一歩踏み出そうと立ち上がる。すると足首がズキンと痛んで、ガクッと体勢を崩し地面にしゃがみ込んでしまった。
 ヒューはオズの赤く腫れた足首を見て、初めて見るような恐ろしい表情になる。

「それも、同じ人にやられたの?」
「ああ。」
「っ、やっぱりそいつを許しておけない!今すぐ‥‥。」
「いいから!今は試合優先!」
「‥‥分かった。」

 また怒りに震え出すヒューにオズがしがみつき早く行こうと急かすと、ヒューはオズと視線を合わせるようにかがみ込んだ。

「動かないでね。」
「え?」

 そう言うと、ヒューはオズの脇と足裏に手を差し入れて抱き上げる。いわゆるお姫様抱っこだ。

「は!?ちょっ、降ろして!」
「じっとしていてよ。足が痛くて歩けないんだろう。」

 ヒューはなんとオズを抱えたまま、箒に飛び乗る。箒は二人を乗せてふわりと空高くへ飛び上がると、最終決戦が行われている体育場に標準を定めた。

「首に腕を回して、しっかり掴まってて!」
「うええ!?はい!」

 もう空高い位置まで来ていたので、オズは逆らえず、言われた通りヒューの首に腕を回して力を込めた。




















 体育場の上空に着くと、箒は一気に降下する。
 ヒューはオズをお姫様抱っこしたままで、箒は立ち乗り。試合フィールドに飛んで入って来た二人に、会場の皆の視線が注がれた。姫を救ったヒーローの如く現れたヒューバートに、信じられないほどの歓声が上がる。

「オズ君!?」
「オズ君~!」
「オズ君、無事だったんだね!」
 
 おしゃべりをしようと約束していたクラスの友達がこちらに手を振っていた。
 丁度呪文詠唱が終わったらしいジャスパーも、箒に乗って現れた二人に呆気に取られる。

「ヒューバート、お前、どこぞの王子様かよ!?」

 ジャスパーはオズをお姫様抱っこするヒューにそう叫んだ。
 天秤の前まで来ると、地面から五十センチほど浮いたところで箒はまたふわりと止まり、地面の砂が風圧で舞う。
 会場の観客席には校内のほぼ全員が来ており、視線がヒューとオズに集まった。ヒューはオズをお姫様だっこしたまま箒から飛び降りる。

『青組、オブライエン選手、四着です!続いて紅組、カーティス選手、五着です!』

(全然、一番には間に合わなかったか‥‥。)

 見ると、先に勝ったらしい白組のグレイグと、紅組、緑組の選手が豪華で巨大な天秤の近くで待機していた。
 その後もう一人の青組の選手、エッカルト、ハイノも詠唱が終わり、試合は終わったかのように見られた。しかし、男の声でアナウンスが始まる。

『ありがとうございました。皆さん、〝自分の一番大切なもの〟はご用意できましたね。ですが、この順位は偽りである可能性があります。』

 司会者の言葉で、会場は騒めき出す。

『皆さん、こちらの巨大天秤をご覧下さい。この天秤の皿部分は半径一メートルはあり、大きな物でも乗せることができます。今、天秤の右側の皿に一枚の花びらが乗っているのが見えますか?』

 言われた通り、大きな右の皿の上には小さな花びら一枚が置かれていた。

『この天秤には特殊な魔術が組み込まれているのです。先着順に、皆さんには左の皿部分に用意していただいたものを乗せてもらいます。それが〝本当に貴方あなたの一番大切なものだったなら〟、天秤は左に傾くでしょう。』

 右側の皿に乗っているのは小さな一枚の花弁だ。どの選手が持っているものも、この花びらより軽いとは思えない。

『しかしそれが貴方が心から思う一番大切なものでなかった場合、この天秤はぴくりとも動きません。』

 再び会場は騒めきに包まれる。

(花びら一枚と同じ重さと捉えられるってことか。)

 オズはヒューの横顔を見上げた。ヒューには動揺している様子はなく、真っ直ぐに天秤を見据えている。

『では、一番に転移魔術を成功させたグレイグ・ハルフォード選手は、左の皿に用意したものを乗せて下さい。』

(一番はグレイグだったんだ!それは納得だな~。何しろ主人公の恋人になる男だし。)

 彼の能力の高さを、小説を読んでいたオズは何度も目の当たりにして来た。グレイグが一番になるのは分かる。
 そんなグレイグはゆっくりと天秤に近づき、左の皿に古くて分厚い本を乗せた。すると、天秤はぐぐっと左に傾き、左の皿は台についた。
 うおー!と歓声が響く。

『ありがとうございました。ハルフォード選手は条件を満たしています。よって、優勝者は彼に決定です!』

 盛大な拍手が会場を満たす。オズもヒューに抱えられたまま、手のひらが赤くなる程一生懸命に手を叩いた。
 観客席に向かって綺麗な礼をしたグレイグに、一人の審査員の生徒がマイクを持って近づく。

『因みに、そちらはどう言った品なのか伺ってもいいですか?』

 グレイグは頷き、マイクを受け取った。

『この本は兄の形見です。かなり古い本ですが、今でも大切に読み返しています。』
『はい!ハルフォード選手、ありがとうございました!』 

 生徒がマイクの電源を落とすと、またあの男の声でアナウンスが始まる。

『では、箒に乗って戻ってきた二着目のアルデンホフ選手は、用意したものを左の皿に乗せてください。』

 しかし、呼ばれたアルデンホフ選手は顔を青白くさせて、視線を泳がせている。彼は一つの宝石を皿に乗せた。天秤はぴくりとも動かない。

『動きませんね。それは貴方の一番大切なものではありません。よって、アルデンホフ選手は失格とします。』

 如何いかにも高価そうなものを、箒に乗って適当に持って来たのだろう。失格になった紅組のアルデンホフ選手は、項垂うなだれて退がって行った。

『では、同じく箒に乗って戻って来た三着のバルシュミーデ選手は、用意したものを左の皿に乗せてください。』

 バルシュミーデ選手も顔が青ざめている。彼は恐々こわごわと、豪奢な装飾の付いた指輪を左の皿に載せた。天秤はやはり動かない。

『動きませんね。それは貴方の一番大切なものではありません。よって、バルシュミーデ選手も失格とします。』

 バルシュミーデ選手も失格になってしまった。
 次は、いよいよヒューの番だ。

『では、同じく箒に乗って戻って来た四着のオブライエン選手は、用意したものを左の皿に乗せてください。』

 そこで、オズはヒューが自分を探していた理由を思い出す。

「そうだ!ヒューはこの為に俺を呼んだんだろう。大切なものって、俺が持ってる物なのか?」
「いいや。」

 オズが慌てて聞くも、ヒューは首を横に振る。ならば、どうしてオズはここに連れてこられたのだろうか。

「じゃあ、ヒューの一番大切なものって何なんだ?」

『貴方の一番大切なものは、何ですか?』

 オズと同時に、なかなか大切なものを出さないヒューにアナウンスも繰り返す。

「僕の、一番大切なものは‥‥。」

 もったいぶるヒューに、観客の視線も寄せ集まる。
 ヒューは、未だお姫様抱っこで抱えられたままのオズの方へ顔を向ける。陽の光を浴びて、力強く、美しい表情をしていた。




「オズワルド、君だ。」




 その瞬間、会場がドッ、とき立った。「きゃー!」という女子たちの声も聞こえる。
 オズは、ボッ、と顔を赤くさせた。
 ヒューは今までオズに対して恋愛感情があると言うことはおおやけにしていなかったし、ハイスペックイケメンヒューバートが〝オズが一番大切だ〟と言い切ったことは、多くの人間に衝撃を与えた。
 ヒューはゆっくりと天秤まで歩き、大きな左の皿にオズを優しく座らせる。

 天秤はグンと左に傾き、皿の底はあっという間に台についた。

 うおおおお、だとか、わああああ、だとか、会場は歓声に包まれる。

 今、ヒューバートの愛が証明されてしまった。
 
「人ってありだったのかよ!?」

 ジャスパーが驚き叫ぶ声が聞こえる。

「そんな、オズ‥‥!」
「はぁ‥‥君には完敗ですよ、ヒューバート君。」

 エッカルトやハイノも何か言っている。
 オズは恥ずかしくなって来て、赤くなった顔を両手で覆った。

『ありがとうございました。オブライエン選手は条件を満たしています。よって、準優勝者は彼に決定です!』

 会場は大きな拍手に包まれる。
 オズは天秤から、ヒューにまたお姫様抱っこをしてもらう。二人の元に、審査員の生徒が駆け寄って来て、ヒューの口元にマイクを寄せた。

『因みに、そちらはどう言った方なのか伺ってもいいですか?』
『はい。オズワルド君は僕の‥‥。』
『あ"ー!いい!いいって!もういいからー!』

 ふざけ半分で聞いて来た審査員に答えようとしたヒューを、オズは必死で止める。
 観客席から「ひゅ~!」と口笛で茶化してくる人達もいた。
 オズは恥ずかしくて「もう降ろして!」とヒューに訴えてみたが、「歩けないだろう。」と一蹴されて、結局、退場までヒューはずっとオズをお姫様抱っこしていた。オズは顔から火が出る思いだった。











 

 因みに、体育祭は結局白組が勝った。まあグレイグがいたチームなので納得だ。それに、大会のかなめである魔法戦闘型ゲームの金銀銅賞者はメダルを貰えたので、思い出が形として残って良かったと思っている。



 
 




しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

過労死転生した公務員、魔力がないだけで辺境に追放されたので、忠犬騎士と知識チートでざまぁしながら領地経営はじめます

水凪しおん
BL
過労死した元公務員の俺が転生したのは、魔法と剣が存在する異世界の、どうしようもない貧乏貴族の三男だった。 家族からは能無しと蔑まれ、与えられたのは「ゴミ捨て場」と揶揄される荒れ果てた辺境の領地。これは、事実上の追放だ。 絶望的な状況の中、俺に付き従ったのは、無口で無骨だが、その瞳に確かな忠誠を宿す一人の護衛騎士だけだった。 「大丈夫だ。俺がいる」 彼の言葉を胸に、俺は決意する。公務員として培った知識と経験、そして持ち前のしぶとさで、この最悪な領地を最高の楽園に変えてみせると。 これは、不遇な貴族と忠実な騎士が織りなす、絶望の淵から始まる領地改革ファンタジー。そして、固い絆で結ばれた二人が、やがて王国を揺るがす運命に立ち向かう物語。 無能と罵った家族に、見て見ぬふりをした者たちに、最高の「ざまぁ」をお見舞いしてやろうじゃないか!

悪役令息(Ω)に転生したので、破滅を避けてスローライフを目指します。だけどなぜか最強騎士団長(α)の運命の番に認定され、溺愛ルートに突入!

水凪しおん
BL
貧乏男爵家の三男リヒトには秘密があった。 それは、自分が乙女ゲームの「悪役令息」であり、現代日本から転生してきたという記憶だ。 家は没落寸前、自身の立場は断罪エンドへまっしぐら。 そんな破滅フラグを回避するため、前世の知識を活かして領地改革に奮闘するリヒトだったが、彼が生まれ持った「Ω」という性は、否応なく運命の渦へと彼を巻き込んでいく。 ある夜会で出会ったのは、氷のように冷徹で、王国最強と謳われる騎士団長のカイ。 誰もが恐れるαの彼に、なぜかリヒトは興味を持たれてしまう。 「関わってはいけない」――そう思えば思うほど、抗いがたいフェロモンと、カイの不器用な優しさがリヒトの心を揺さぶる。 これは、運命に翻弄される悪役令息が、最強騎士団長の激重な愛に包まれ、やがて国をも動かす存在へと成り上がっていく、甘くて刺激的な溺愛ラブストーリー。

虚ろな檻と翡翠の魔石

篠雨
BL
「本来の寿命まで、悪役の身体に入ってやり過ごしてよ」 不慮の事故で死んだ僕は、いい加減な神様の身勝手な都合により、異世界の悪役・レリルの器へ転生させられてしまう。 待っていたのは、一生を塔で過ごし、魔力を搾取され続ける孤独な日々。だが、僕を管理する強面の辺境伯・ヨハンが運んでくる薪や食事、そして不器用な優しさが、凍てついた僕の心を次第に溶かしていく。 しかし、穏やかな時間は長くは続かない。魔力を捧げるたびに脳内に流れ込む本物のレリルの記憶と領地を襲う未曾有の魔物の群れ。 「僕が、この場所と彼を守る方法はこれしかない」 記憶に翻弄され頭は混乱する中、魔石化するという残酷な決断を下そうとするが――。 ----------------------------------------- 0時,6時,12時,18時に2話ずつ更新

妹を救うためにヒロインを口説いたら、王子に求愛されました。

藤原遊
BL
乙女ゲームの悪役令息に転生したアラン。 妹リリィが「悪役令嬢として断罪される」未来を変えるため、 彼は決意する――ヒロインを先に口説けば、妹は破滅しない、と。 だがその“奇行”を見ていた王太子シリウスが、 なぜかアラン本人に興味を持ち始める。 「君は、なぜそこまで必死なんだ?」 「妹のためです!」 ……噛み合わないはずの会話が、少しずつ心を動かしていく。 妹は完璧令嬢、でも内心は隠れ腐女子。 ヒロインは巻き込まれて腐女子覚醒。 そして王子と悪役令息は、誰も知らない“仮面の恋”へ――。 断罪回避から始まる勘違い転生BL×宮廷ラブストーリー。 誰も不幸にならない、偽りと真実のハッピーエンド。

『君を幸せにする』と毎日プロポーズしてくるチート宮廷魔術師に、飽きられるためにOKしたら、なぜか溺愛が止まらない。

春凪アラシ
BL
「君を一生幸せにする」――その言葉が、これほど厄介だなんて思わなかった。 チート宮廷魔術師×うさぎ獣人の道具屋。
毎朝押しかけてプロポーズしてくる天才宮廷魔術師・シグに、うんざりしながらも返事をしてしまったうさぎ獣人の道具屋である俺・トア。 
でもこれは恋人になるためじゃない、“一目惚れの幻想を崩し、幻滅させて諦めさせる作戦”のはずだった。 ……なのに、なんでコイツ、飽きることなく俺の元に来るんだよ? 
“うさぎ獣人らしくない俺”に、どうしてそんな真っ直ぐな目を向けるんだ――? 見た目も性格も不釣り合いなふたりが織りなす、ちょっと不器用な異種族BL。 同じ世界観の「「世界一美しい僕が、初恋の一目惚れ軍人に振られました」僕の辞書に諦めはないので全力で振り向かせます」を投稿してます!トアも出てくるので良かったらご覧ください✨

転生したら、主人公の宿敵(でも俺の推し)の側近でした

リリーブルー
BL
「しごとより、いのち」厚労省の過労死等防止対策のスローガンです。過労死をゼロにし、健康で充実して働き続けることのできる社会へ。この小説の主人公は、仕事依存で過労死し異世界転生します。  仕事依存だった主人公(20代社畜)は、過労で倒れた拍子に異世界へ転生。目を覚ますと、そこは剣と魔法の世界——。愛読していた小説のラスボス貴族、すなわち原作主人公の宿敵(ライバル)レオナルト公爵に仕える側近の美青年貴族・シリル(20代)になっていた!  原作小説では悪役のレオナルト公爵。でも主人公はレオナルトに感情移入して読んでおり彼が推しだった! なので嬉しい!  だが問題は、そのラスボス貴族・レオナルト公爵(30代)が、物語の中では原作主人公にとっての宿敵ゆえに、原作小説では彼の冷酷な策略によって国家間の戦争へと突き進み、最終的にレオナルトと側近のシリルは処刑される運命だったことだ。 「俺、このままだと死ぬやつじゃん……」  死を回避するために、主人公、すなわち転生先の新しいシリルは、レオナルト公爵の信頼を得て歴史を変えようと決意。しかし、レオナルトは原作とは違い、どこか寂しげで孤独を抱えている様子。さらに、主人公が意外な才覚を発揮するたびに、公爵の態度が甘くなり、なぜか距離が近くなっていく。主人公は気づく。レオナルト公爵が悪に染まる原因は、彼の孤独と裏切られ続けた過去にあるのではないかと。そして彼を救おうと奔走するが、それは同時に、公爵からの執着を招くことになり——!?  原作主人公ラセル王太子も出てきて話は複雑に! 見どころ ・転生 ・主従  ・推しである原作悪役に溺愛される ・前世の経験と知識を活かす ・政治的な駆け引きとバトル要素(少し) ・ダークヒーロー(攻め)の変化(冷酷な公爵が愛を知り、主人公に執着・溺愛する過程) ・黒猫もふもふ 番外編では。 ・もふもふ獣人化 ・切ない裏側 ・少年時代 などなど 最初は、推しの信頼を得るために、ほのぼの日常スローライフ、かわいい黒猫が出てきます。中盤にバトルがあって、解決、という流れ。後日譚は、ほのぼのに戻るかも。本編は完結しましたが、後日譚や番外編、ifルートなど、続々更新中。

【完結】僕の異世界転生先は卵で生まれて捨てられた竜でした

エウラ
BL
どうしてこうなったのか。 僕は今、卵の中。ここに生まれる前の記憶がある。 なんとなく異世界転生したんだと思うけど、捨てられたっぽい? 孵る前に死んじゃうよ!と思ったら誰かに助けられたみたい。 僕、頑張って大きくなって恩返しするからね! 天然記念物的な竜に転生した僕が、助けて育ててくれたエルフなお兄さんと旅をしながらのんびり過ごす話になる予定。 突発的に書き出したので先は分かりませんが短い予定です。 不定期投稿です。 本編完結で、番外編を更新予定です。不定期です。

婚約者の王子様に愛人がいるらしいが、ペットを探すのに忙しいので放っておいてくれ。

フジミサヤ
BL
「君を愛することはできない」  可愛らしい平民の愛人を膝の上に抱え上げたこの国の第二王子サミュエルに宣言され、王子の婚約者だった公爵令息ノア・オルコットは、傷心のあまり学園を飛び出してしまった……というのが学園の生徒たちの認識である。  だがノアの本当の目的は、行方不明の自分のペット(魔王の側近だったらしい)の捜索だった。通りすがりの魔族に道を尋ねて目的地へ向かう途中、ノアは完璧な変装をしていたにも関わらず、何故かノアを追ってきたらしい王子サミュエルに捕まってしまう。 ◇拙作「僕が勇者に殺された件。」に出てきたノアの話ですが、一応単体でも読めます。 ◇テキトー設定。細かいツッコミはご容赦ください。見切り発車なので不定期更新となります。

処理中です...