星空に導かれて~仲間を連れてほのぼの暮らします

Miiya

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うちのスライム達編

第26話 Let’s 家づくり!

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 「ここを出て行きます!」
今日の朝ヴィットリーさん達にそう宣言した。
 「ちょ、ちょっと待ってくれ。何があった?出て行くなんて寂しいじゃないか。」  
 「そんな。フミヤさんパーティーなのに出て行くんですか。どういうことですか!?」
 「2人とも落ち着いてください。この国を出るわけではありません。」
 「「え?」」
あーやっぱり理由を先に言うべだったな。
 
 「実はこの前ミニスライム達がどこに住んでいるのか気になって見に行ったら、洞窟の中だったんです。本人達は特に気にしてないようですが、俺は少し思うところをあり、せっかくだから家を建てようと思ったんです。」
 「出て行くって、この国ではなく王宮からか。よかった。君が出てくと、うちの娘もうるさいからな。」
 「な、何言ってるのお父様!!でも、よかった。」

理由はよくわからんがとりあえずOKなのかな?
家を建て理由がミニスライム達なのはもちろんなのだが、ずっと王宮にいるのもどうかと思う。たしかに特に何もされてはないが、もっと自由に生活したいと思った。

 「家を建てるとなるとお金はどうなんだ?」
 「たしか金貨が約二十五枚ぐらいですかね。」
 「うーん、それだと家を建てるのは厳しいぞ。相場は五十からだしな。」
 「あ、建設自体はこっちでやりますので。」
 「な、できるのか!?」
 「はい。俺とうちのスライム達がいれば多分大丈夫です。
プルムを総リーダーにして、レーミを材料班、ニースを建設班にして、ミニスライム達をそれぞれ配置すればいける。勝手にあれだけの洞窟を作ったんだしいけるでしょう。

 「土地なら高くても一五枚で足りるな。どこが希望だ。」
 「なるべく広く、森に近いところが欲しいです。」
広くというのは作業場の数がかなり多くなることを見越し、森に近いというのはミニスライム達がすごい働き者なのだ。俺は特に何も言ってないのだが、普通にモンスターや食料動物も狩るし、野菜もたくさん集めたり、毛皮もなんか綺麗に保存してある。森から離れると、他人に見られる恐れがある。殺されることは万に一つもないが、問題はいくつか出てくる。

だから森に近い方が何かと有利なのだ。この国は正門はすごい厳重な作りになっておりそこら周辺は壁があるのだが、少し遠ざかると壁がなく、柵で守ってある。これは馬車や盗賊の侵入の防衛のためである。なので、国民(冒険者以外)はよく通るらしい。

 「できればそこに俺の家専用で扉を設置したいのですがよろしいですか?」
 「無論、娘を助けてくれた恩人だ。たやすいことだ。」

よし、これで家づくりの問題は大丈夫だな。材料費も建材に関してはあいつらが取ってくるし、組み立ても自分達でできる。ペンキとか組み立て図とかでかかるだろう。あとは食器?とかかな。

 「それじゃあ3日後にその土地を君に譲渡するからそれまで待っといてくれ。」

というわけで3日後に建てることになりました。

一旦森へ行って呼び出す。いつものようにニースに呼び出してもらうが、ニースが俺に向かって飛び跳ねる。
 「プルム、これなんて言ってる?」
 「ええと、『今度から主人でも呼べばあの子達は来ますよ。』だそうです。」

 「そ、そうか。それじゃ、お前らー」
俺が呼ぶと一斉に集まりだした。35匹も集まると少し見映えがすごいな。

 「3日後にアステリアに俺たちの家を作ることになった。もちろんお前たちの家でもあるよ。」
そう伝えるとミニスライム達は歓喜して俺の周りを飛び跳ねる。レーミもニースも腕を伸ばして喜びを示す。

 「今から話すのは家づくりに関してだ。まず、この家づくりでの総リーダーはプルムだ。こいつの指示のもと動いてくれ。」
 「今回私がリーダーとなったプルムです。改めてよろしくお願いします。」
挨拶をすると、プルムに一気に尊敬の眼差しが集まってくる。そういや今までもちょくちょく他のスライム達の世話というか先輩として行動してたからな。
 「まず、建築班と材料調達班に分かれてもらいます。建築班はニースが、材料班はレーミがリーダーを担当してもらいます。材料班は木材と金属を主に調達、建築班はこれらを加工してもらいます。」

こうして、それぞれの班のメンバーに用件を伝え作業がスタートする。

俺は今からプルムと相談して設計図を書いてく。土地はあらかじめ広さを聞いておいた。広さは約65坪で日本の家が大体2軒建てれる広さだ。今回はこのうちの40坪ほど使って建てていく、残りは畑やほかの設置に回していく。

まず2階建で地下室ありの家を作っていく。1階はリビング、キッチンを基本に、毛皮の保存や木の実の保存ができる部屋、あと客間。そして何より風呂だ。この世界は洗浄クリーンという生活魔法やそれを魔石化したもの
使っているので風呂がなかった。日本人としてはやはり欲しい。

2階は寝室とミニスライムのくつろげる空間、着替えや武器などを整理する場所、テラスを作って監視や、のんびり過ごせる場所を作る。

地下室は冷蔵室だったり、鉱石の仕分け、加工場、燻製室に常温保存の場所として使う。これをプルムに相談してみたところ、「これなら大体は行けますね。ただ風呂というのはわからないのでそこはその時にまた考えていきましょう。」と言ってくれたので大丈夫だ。
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