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第4話 国から出る

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「くそ!!なんでこんなことになったんだよ!!」

俺は家を飛び出してとにかく一人になれる場所に走って、裏道の隅っこのほうに座りこんだ。どうして今俺はこんなことになってんだよ。

「ちくしょう!!なんでだよ!!」

「ピー、」「プ二ー」

「なんだよお前ら、もとはと言えばお前らのせいで追い出されたんだよ!!くそ」

俺は頭に血が上った状態で諸悪の根源ともいえるような二匹の慰めにいよいよ我慢がしきれなくなった。

パシン!!

「あ、!!」

俺はひざ元にいたスライムをはたいてしまった。しまった、これじゃあもうテイムモンスターが弱いとかの話ではない、もうテイマーとして失格だ。

「まあ、もう俺は捨てられたもんな」

ははは、と生きる希望を失ってしまい意識がもうろうとしてくる。もう、テイマーとかの問題じゃないもんな。明日も生きていられるかもわからない。

「プニー」

「なんだよ、ほっといてくれよ!!」

スライムがまたしても俺のひざ元にすり寄ってきた。

「...また?」

確かさっきはたいた時って怒りに任せてたから全力でやったはず。ただのスライムだったらまず耐えられるわけない。俺は急いでスライムのほうに視線を向ける。

「あれ?傷が全くない」

「プ二?」

スライムを抱き上げて体中を見渡すが全く傷がない。それどころか汚れすらない。さすがに砂埃とかがつくはずなのに。しかし当の本人は首をかしげるような仕草をする。

「いったい、お前たちは」

スライムのこの様子から俺のさっきの攻撃をまるで意に介してない。それにハーピーのほうも全然驚いてる様子じゃない。

「もしかして全然弱くないんじゃないか?」

安心しきってるのか、かなり余裕な表情。

「でも今のままじゃあ調べようがないしな。とにかくこの国から出ないと」

追い出されたという締め付けられるような状況を忘れるように俺はこの国から出することに決めた。

「ごめん、いきなり叩いちゃって。痛くなかったか?別に俺のところにいる必要はないんだぞ」

俺はテイマーとしてあるまじきことをしてしまった。許されなくてもおかしくない。

「プ二?プニー♪」

「え?俺のことを許してくれるのか?」

スライムに問いかけるが首をかしげるような仕草をされてしまう。それはまるで『何を許すの?』と言ってるようだった。隣にいるハーピーもそんな感じの反応をする。

「それじゃあ、早くこんなところを出よう」

俺はスライムを抱き上げ、急いでこの国の門がある場所に向かった。まだ完全に立ち直れてるわけではない。なのになぜかこいつらを見ていると心がすごい楽になってくる。また締め付けられるような感覚になる前に出よう。
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