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第2話 追い出される

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「ピーー♪」「プニー♪」

「え、ちょ、危な...わっぷ」

光が消え2体の姿が鮮明に見え始めた。そして目が合うと2体は嬉しそうに鳴きながら飛びついてきた。

「なんでこんな懐いてるんだ」

押されてしまい尻もちついてしまったが、それでも2体は体を擦り付けるのをやめようとはしない。とても初対面とは思えない行動だ。

「ピーピー!!」

そんなことを考えているうちにハーピーのほうが頭をすりすりと俺の体につけ始めた。

「なでてもらいたいのかな?」

あんまり小さな子供とかの対応をしたことがなかったからわからないがひとまず頭を撫でてみた。「ピ~♪」と嬉しそうに鳴くのでどうやら正解らしい。

「プ二!!」

「お前もか?よしよし」

「プ二~♪」

もう一匹のスライムのほうもなにやら肩のほうに乗っかってなにかをアピールし始めた。ハーピーのこと同じようにしてあげると嬉しそうに震えだした。

少し落ち着いてきたので頭の中で今の状況を整理してみる。まず2体テイムモンスターが授かった。

「...うん、この時点でおかしいっちゃおかしいんだよな」

どうやら先ほど話して予想通りの出来事が起こってしまったようだ。地下だから潜り込めるような窓とかはないだろうし。

ハーピーの子は大きさは6歳ぐらいか?そして羽はきれいな銀色で天井に着いているシャンデリアの光が見事に反射していて綺麗に輝いてる。あとは足が途中で鳥になってるぐらいで特にほかの特徴はないか。

次にスライムのほうだが、特に何もないかな。青く丸いフォルム、大きさは顔より少し小さいぐらいか。あとむっちゃ柔らかい。

「しかしこの子達は強いのか?」

ハーピーとスライムはこの大聖堂の中で今かけっこをしている。まさに子供たちが遊んでいるようだ。だがエノヴァ家に生まれた以上強さが大切なのに変わりない。

「見たとことただのハーピーに普通のスライムだよな」

この世界ではハーピーはあまり見かけない種族ではあるが強いかはわからない。スライムに至ってはその辺の平原とかに紛れてても見分けがつかないかもしれん。

「まあ一番大事なのは仲がいいってことだよな」

父さんのエンシェントドラゴンや兄さんのヤマタノオロチを見ていると何となくそう思う。2体とも主人である父さんと兄さんに忠誠を誓いながらもかなり楽しそうに生活している。

まだ出会って経ってないけどこの子達なら何とか仲良く過ごすことができるんじゃないかな。そうなんとなく、理由があるわけではないが思う。

「そろそろかけっこお開きにしてくれ。上に戻るから」

そう声をかけるとちゃんと従っているのか即座におふざけなしで俺のもとに戻った。言葉を理解してるのか?

「いや、ただ反応しただけか」

人間の言葉を理解するなんて伝説級のモンスターにしかできない芸当だからな。
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