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第11章 テイマーの街
第194話 天王山
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「皆様長らくお待たせしました、これより『グレートモスリーグ』本戦トーナメント2回戦第1試合を開始したいと思います」
いつも通り、闘技場に上がり観客を煽るマイクパフォーマンスを披露するアナウンサー。それ聞いて、当然観客たちは盛り上がりを見せる。今日はいつにも増して観に来ている人隊が多いからか、少し離れた控え室にかなり大きな声が届いている。
「それでは登場していただく選手をご紹介しましょう。まずは、『グレートモスリーグ』史上最強の男、ゼノン!!!」
マイクに合わせてゼノンさんが登場する。当然観客にいる人たちはさらに盛り上がる。この闘技場の看板選手であるから当たり前とも言えるが。
「続いて登場するのは、ゼノンと双翼をなす超絶技巧派闘士、ダルトン!!!」
ダルトンさんもマイクと同時に登場する。ダルトンさんらしく、観客席の方に手を振るといったファンサービスも行っている。ダルトンさんが出てきた時には、観客の表情は色々あった。
「ここでこのカード!?」
「この2人は決勝であたれよ」
「いやここで当たるのも面白いかもしれない」
「この2人が決勝以外で戦うのはいつぶりだ」
十人十色の声が飛び交う。素直にこの2人の決戦が観れるという喜びや、2回戦というまだ終盤とは言えないところで当たってしまうという落胆、ここで長年見てきている人ならではな興味深さを示すなど、本当にさまざまな声が飛び交っている。
「ちなみに去年決勝で戦った時はもっとすごかった」
「アイシャさん…」
隣で静かにしていたアイシャさんがそう言う。おそらく俺が少なからず驚いたところを見たんだろう、付け足してくれた。これでまだまだなのか。
「でも、これも一つのスパイスのようなものとして見れば、案外良さそうだけどね」
「受け取り方次第ですよね。この2人ですから、よほどのことがなければまずどこかで絶対戦うことになりますし」
アイシャさんはこの2人がこの時点で当たることに関しては賛成的な意見がよく出てくる。よくよく考えてみればそのはず、強い敵同士が潰しあってくれるのは願ってもない展開だ。少しでも有利にという意味ではアイシャさんからすればこの展開はありがたいのだろう。
「それにあなたと一回戦ってみたいしね」
「それは俺もですけど、そんなにですか?」
「…あんまり話している時間はなさそうね。もうすぐはじまりそう」
アイシャさんが俺と戦ってみたい、というのは少し不思議な感覚だった。追求しようとも思ったが、断られたしこれ以上は聞けそうにないと思ったので追求するのはやめた。
「やっぱこの舞台で向かい合うと違うな」
「せやな、年中戦っとるがこの瞬間が最高やな」
ゼノンさんとダルトンさんの2人が近づき向かい合う。ゼノンさんはいつも通り自然体であり、ダルトンさんは軽めのストレッチをしている。
「お前と戦うのはこの舞台以外でもよくあるし、なんなら味方として戦うこともある。でも、毎年この時だけが特別だ。そして今回こそお前に勝つ」
軽くストレッチを終えたダルトンさんがゼノンさんに指を指す。普段は冷静で、行動も大人びているダルトンさんが取る行動には見えない。それだけ彼の中でこの戦いは大きいということが見てわかる。
「確かに去年はかなり力をつけてきた印象はある。ただのう、お前が勝つのは無理っちゅう話や」
ゼノンさんは一気に体内の魔力を高める。この時点で、前回の対戦よりも大きな魔力を放出している。本当に前回の試合は片手間で終わらせたんだな。
「ほな、いくで」
ゼノンさんがそれまで自然体だったのが、腰を軽く落とし右手を後ろに引き魔力をその右手に込める。その魔力の大きさは計り知れない大きさだ。
「煉獄狼の一撃!!」
ゼノンさんは一瞬にしてダルトンさんに接近し、拳を当てる。その威力は拳を当てる、では到底すまない大きさだ。一瞬で爆風のようなものが闘技場全体を舞い、2人の様子が見えなくなる。
「……これぐらいは防げるぞ」
ダルトンさんは障壁を出して、完璧にゼノンさんの一撃を凌いだ。
いつも通り、闘技場に上がり観客を煽るマイクパフォーマンスを披露するアナウンサー。それ聞いて、当然観客たちは盛り上がりを見せる。今日はいつにも増して観に来ている人隊が多いからか、少し離れた控え室にかなり大きな声が届いている。
「それでは登場していただく選手をご紹介しましょう。まずは、『グレートモスリーグ』史上最強の男、ゼノン!!!」
マイクに合わせてゼノンさんが登場する。当然観客にいる人たちはさらに盛り上がる。この闘技場の看板選手であるから当たり前とも言えるが。
「続いて登場するのは、ゼノンと双翼をなす超絶技巧派闘士、ダルトン!!!」
ダルトンさんもマイクと同時に登場する。ダルトンさんらしく、観客席の方に手を振るといったファンサービスも行っている。ダルトンさんが出てきた時には、観客の表情は色々あった。
「ここでこのカード!?」
「この2人は決勝であたれよ」
「いやここで当たるのも面白いかもしれない」
「この2人が決勝以外で戦うのはいつぶりだ」
十人十色の声が飛び交う。素直にこの2人の決戦が観れるという喜びや、2回戦というまだ終盤とは言えないところで当たってしまうという落胆、ここで長年見てきている人ならではな興味深さを示すなど、本当にさまざまな声が飛び交っている。
「ちなみに去年決勝で戦った時はもっとすごかった」
「アイシャさん…」
隣で静かにしていたアイシャさんがそう言う。おそらく俺が少なからず驚いたところを見たんだろう、付け足してくれた。これでまだまだなのか。
「でも、これも一つのスパイスのようなものとして見れば、案外良さそうだけどね」
「受け取り方次第ですよね。この2人ですから、よほどのことがなければまずどこかで絶対戦うことになりますし」
アイシャさんはこの2人がこの時点で当たることに関しては賛成的な意見がよく出てくる。よくよく考えてみればそのはず、強い敵同士が潰しあってくれるのは願ってもない展開だ。少しでも有利にという意味ではアイシャさんからすればこの展開はありがたいのだろう。
「それにあなたと一回戦ってみたいしね」
「それは俺もですけど、そんなにですか?」
「…あんまり話している時間はなさそうね。もうすぐはじまりそう」
アイシャさんが俺と戦ってみたい、というのは少し不思議な感覚だった。追求しようとも思ったが、断られたしこれ以上は聞けそうにないと思ったので追求するのはやめた。
「やっぱこの舞台で向かい合うと違うな」
「せやな、年中戦っとるがこの瞬間が最高やな」
ゼノンさんとダルトンさんの2人が近づき向かい合う。ゼノンさんはいつも通り自然体であり、ダルトンさんは軽めのストレッチをしている。
「お前と戦うのはこの舞台以外でもよくあるし、なんなら味方として戦うこともある。でも、毎年この時だけが特別だ。そして今回こそお前に勝つ」
軽くストレッチを終えたダルトンさんがゼノンさんに指を指す。普段は冷静で、行動も大人びているダルトンさんが取る行動には見えない。それだけ彼の中でこの戦いは大きいということが見てわかる。
「確かに去年はかなり力をつけてきた印象はある。ただのう、お前が勝つのは無理っちゅう話や」
ゼノンさんは一気に体内の魔力を高める。この時点で、前回の対戦よりも大きな魔力を放出している。本当に前回の試合は片手間で終わらせたんだな。
「ほな、いくで」
ゼノンさんがそれまで自然体だったのが、腰を軽く落とし右手を後ろに引き魔力をその右手に込める。その魔力の大きさは計り知れない大きさだ。
「煉獄狼の一撃!!」
ゼノンさんは一瞬にしてダルトンさんに接近し、拳を当てる。その威力は拳を当てる、では到底すまない大きさだ。一瞬で爆風のようなものが闘技場全体を舞い、2人の様子が見えなくなる。
「……これぐらいは防げるぞ」
ダルトンさんは障壁を出して、完璧にゼノンさんの一撃を凌いだ。
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