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第11章 テイマーの街
第192話 控え室の一幕
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控え室に到着すると、そこには数人がすでに入室していた。その中で知り合いが1人いた。
「シンジ、早めにきたな」
ダルトンさんだ。なんとなく彼が早く来るのはわかる。話をしている時も、常に冷静で周りをよく見ている。きっちりしている感じで、それは試合にも一部出ている。
「ゼノンさんはまだ来てないんですね」
「ああ、ゼノンは本戦が始まると結構ギリギリまで来ないことが多いかな。今日はスライムもお連れのようだな」
「そうです、今までは観客席で見てもらっていましたが、さすがに人が増えすぎて席を多く取るのはどうかなと思って。関係者に確認したら、従魔ということで許可は得たので問題はないですね」
ゼノンさんが初対面の時にスライムについて少し話したが、ダルトンさんに関してはそこまで話していないがどう思っているんだろう。
「スライムと一緒に戦うかはまだ決めてないのか?先日の試合、スライムも参加してたらもう少し有利だっただろう」
「確かにそうですけど、今回はなるべく僕の実力でどこまでいけるのかを試すことも重要視しているので。状況によっては、そうせざるを得ないかもしれませんが」
「ふ、もし相手することがあればぜひ戦ってみたいものだけどな」
俺とダルトンさんで話をしていると、扉から見慣れた顔が出てくる。
「シンジ、はやいのう。ダルトンがいつも通りやが。せや、道中でアイシャとすれ違ったで一緒にきたんや」
ゼノンさんとアイシャさんだ。こちらもいつも通りと言ったところか、ゼノンさんは大声で俺たちに話しかける。後ろにいたアイシャさんも、特に何も喋らずにいる。
「きゅー!?きゅー!」
「おいおい、どうしたマロ?落ち着けって」
足元にいたマロが、突然俺の方に飛び跳ねるて、かなり激しめに震える。何が起こったのかはわからないがとにかく落ち着かせることにした。
今日の朝飲んだ、リーン特製ドリンクのストックを飲ませた。マロの好物の霊薬草などの薬草類が入ってるため好物であると判断した。マロはそれを受け取り、飲むと落ち着きを取り戻したのかぴょんと俺から離れる。
「お前のその白いスライム大丈夫か?随分暴れてるようにみえたけど?」
「ええ、ちょっと驚かせてしまいすいません。今は他のスライムに見てもらうので多少は落ち着いていると思います」
今はテイロとリーンに様子を見てもらっている。リーン特製ドリンクを飲んだことで落ち着けているようだ。でも、俺が飲んだ感じだとエナドリに近かったけど、味覚が少し違うのか?
「スライムがスライムの様子を見るなんてなかなか面白い光景やな」
「ここはテイマーの街でもあるが、ここまで高レベルなスライムを複数使役している冒険者はいないからな。野生だと、こうして世話をすることも聞いたことがないしな」
ダルトンさんとゼノンさんが今の一連の光景の感想を言う。俺にとっては当たり前の光景ではあるが、普通がスライムをテイムしている人はほとんどいないらしいからな。特にうちの場合、一蓮托生と言えるぐらいスライムに頼っている部分が多い。
各スライムの世話や扱いもスライムが行うことはしばしばある。だいたいがリーンが担当することが多く、そのほとんどがアクアやマロが暴れた時の後始末だがな。
「(だが、マロがここまで過敏に反応するのは、かなり珍しいな。しかも以前あったのは魔王関係、可能性の低い話ではあるが、この街や闘技場に魔王関係者が来たかもしれない。ただの気まぐれと捉えるわけにはいかないかもな)」
と、そんな一幕があった中、時間となったようで審判団の代表が入ってくる。
「今日の第1試合を発表する。第1試合の対戦相手だが、ゼノン対……ダルトンだ」
控え室にいた参加者全員がその対戦カードを聞いて驚きを隠せなかったようだ。この2人が戦うことが、何を意味しているのか、そうまさしく事実上の決勝戦だからだ。
「シンジ、早めにきたな」
ダルトンさんだ。なんとなく彼が早く来るのはわかる。話をしている時も、常に冷静で周りをよく見ている。きっちりしている感じで、それは試合にも一部出ている。
「ゼノンさんはまだ来てないんですね」
「ああ、ゼノンは本戦が始まると結構ギリギリまで来ないことが多いかな。今日はスライムもお連れのようだな」
「そうです、今までは観客席で見てもらっていましたが、さすがに人が増えすぎて席を多く取るのはどうかなと思って。関係者に確認したら、従魔ということで許可は得たので問題はないですね」
ゼノンさんが初対面の時にスライムについて少し話したが、ダルトンさんに関してはそこまで話していないがどう思っているんだろう。
「スライムと一緒に戦うかはまだ決めてないのか?先日の試合、スライムも参加してたらもう少し有利だっただろう」
「確かにそうですけど、今回はなるべく僕の実力でどこまでいけるのかを試すことも重要視しているので。状況によっては、そうせざるを得ないかもしれませんが」
「ふ、もし相手することがあればぜひ戦ってみたいものだけどな」
俺とダルトンさんで話をしていると、扉から見慣れた顔が出てくる。
「シンジ、はやいのう。ダルトンがいつも通りやが。せや、道中でアイシャとすれ違ったで一緒にきたんや」
ゼノンさんとアイシャさんだ。こちらもいつも通りと言ったところか、ゼノンさんは大声で俺たちに話しかける。後ろにいたアイシャさんも、特に何も喋らずにいる。
「きゅー!?きゅー!」
「おいおい、どうしたマロ?落ち着けって」
足元にいたマロが、突然俺の方に飛び跳ねるて、かなり激しめに震える。何が起こったのかはわからないがとにかく落ち着かせることにした。
今日の朝飲んだ、リーン特製ドリンクのストックを飲ませた。マロの好物の霊薬草などの薬草類が入ってるため好物であると判断した。マロはそれを受け取り、飲むと落ち着きを取り戻したのかぴょんと俺から離れる。
「お前のその白いスライム大丈夫か?随分暴れてるようにみえたけど?」
「ええ、ちょっと驚かせてしまいすいません。今は他のスライムに見てもらうので多少は落ち着いていると思います」
今はテイロとリーンに様子を見てもらっている。リーン特製ドリンクを飲んだことで落ち着けているようだ。でも、俺が飲んだ感じだとエナドリに近かったけど、味覚が少し違うのか?
「スライムがスライムの様子を見るなんてなかなか面白い光景やな」
「ここはテイマーの街でもあるが、ここまで高レベルなスライムを複数使役している冒険者はいないからな。野生だと、こうして世話をすることも聞いたことがないしな」
ダルトンさんとゼノンさんが今の一連の光景の感想を言う。俺にとっては当たり前の光景ではあるが、普通がスライムをテイムしている人はほとんどいないらしいからな。特にうちの場合、一蓮托生と言えるぐらいスライムに頼っている部分が多い。
各スライムの世話や扱いもスライムが行うことはしばしばある。だいたいがリーンが担当することが多く、そのほとんどがアクアやマロが暴れた時の後始末だがな。
「(だが、マロがここまで過敏に反応するのは、かなり珍しいな。しかも以前あったのは魔王関係、可能性の低い話ではあるが、この街や闘技場に魔王関係者が来たかもしれない。ただの気まぐれと捉えるわけにはいかないかもな)」
と、そんな一幕があった中、時間となったようで審判団の代表が入ってくる。
「今日の第1試合を発表する。第1試合の対戦相手だが、ゼノン対……ダルトンだ」
控え室にいた参加者全員がその対戦カードを聞いて驚きを隠せなかったようだ。この2人が戦うことが、何を意味しているのか、そうまさしく事実上の決勝戦だからだ。
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