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第11章 テイマーの街
第186話 レベルの違い
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ダルトンさんの放った魔力砲をノーガード状態で喰らってしまったサンドん選手、煙が晴れるとそこにはギリギリの状態ではあるが、なんとか立っている姿があった。
「よく今の攻撃をノーガードで耐え切ったな。流石に驚いたぞ」
「そう簡単に負けるわけにはいかない」
そう言うと、サンド選手は魔力をこの試合で最大限に貯め始めた。サンド選手を捉えていた鎖は先ほどの魔力砲ですでに壊れてしまっている。
「あんなボロボロな状態で一体なにができるんだ」
「いや、意外と侮れんもんやぞ。特に魔法の中遠距離攻撃を得意としている奴は」
俺の考えとは逆に答えるゼノンさん、アイシャさんも続けて、
「剣や拳を使うタイプの場合は攻撃をするのに魔力だけじゃなく体の状態も必要、でも魔力のみで攻撃が可能なあいつならなにか仕掛けてきてもおかしくはない」
「そういうことやな、なにやらおもろそうなもん出してきよるぞ」
サンド選手の手の先から独特な模様の入った魔法陣が出ている。それを見たダルトンさんはすぐにサンド選手の方に急接近した。
「(あれはなんだかわからんが、放っておくわけには行かなそうだな)」
牽制に数発の魔法弾を放つが、魔法陣にあたってもまるでビクともしない。そして魔法陣の魔力量がさらに上がってきている。
「もう遅いぞ、ダルトン。これが俺の最大火力だ!!」
魔法陣が光を放ち、その場で大きな爆風が闘技場に一気に遅いかかった。観客席側では魔法による障壁が貼られているため、戦闘経験を持たない一般観戦客に被害は飛ばないように設計されているが、それでもすこしヒヤッとしてしまうほどの勢いを感じた。
「一体中ではどれほどの爆風が広がっているんだ」
先ほどまではダルトンさんが優勢に見えており、周りの観客もダルトンさんを応援していたがこの一撃を見て、思わず黙ってしまった。
「シンジ様、中にいるダルトンさんは大丈夫なのでしょうか?」
「どうなんだろうな、あれだけ接近していた状況だったしガードしていたとしても、そう簡単には防げないと思うが。放ったサンド選手もボロボロの状態でここまでの魔法が使えるなんて」
「こんな感じで魔法のみの攻撃であれば、脅かすような攻撃も可能っちゅうわけやな。武闘家や剣士だったらまあまず勝負あったのう」
「ダルトンさんは倒されてしまったんでしょうか?」
「それはもうすぐわかることや」
爆風が晴れて、闘技場の中心を見るとそこにはサンド選手を持ち上げているダルトンさんの姿が見えた。その光景をみた観客は再び大いに盛り上がった。
「な、なんでこの一撃をまともに耐えているんだ」
ダルトンさんの外見から、多少のダメージはもらっているように見えるが、険しい表情はせずいつもの表情である。
「確かにあれだけダメージをもらっていたお前がここまで強大な魔法を放てるとは想定していなかった。だが、俺はあの程度の魔法では簡単に倒されるほどやわではない」
持ち上げていたサンド選手をその場に放り捨てるように話したダルトンさんが、勝ち名乗りを受ける。サンド選手はもうまともに立てなくなっていた。
「サンド、確かにお前は弱くない。ただ1つ、お前と俺とではレベルが違うんだ。それだけのことなんだ」
そしてダルトンさんが去る頃には観客がおそらくこの試合で1番の盛り上がりを見せた。これが長らくこの闘技場に参加し、そしてトップクラスに立ち続けているダルトンさんの人気を物語っている。
すでに何度もこの闘技場で戦いを見ているが、ここまで盛り上がったのはゼノンさんの試合ぐらいしかなかった。
「さすがダルトンってとこね。最後の一撃の威力は少し驚いたところはあったけど、ダルトンは特に問題なかったようね」
「せやな、どんな相手にも柔軟に合わせる対応力だけやない、純粋な強さもこの闘技場の中でも間違いなくトップや。今年も真剣勝負ができるのが楽しみや」
試合が終わったところで、アイシャさんとゼノンさんが笑いながらそう話していた。やはり、長年の仲間が勝つと嬉しいのだろう、その様子をみて俺も気分が良くなった。
「よく今の攻撃をノーガードで耐え切ったな。流石に驚いたぞ」
「そう簡単に負けるわけにはいかない」
そう言うと、サンド選手は魔力をこの試合で最大限に貯め始めた。サンド選手を捉えていた鎖は先ほどの魔力砲ですでに壊れてしまっている。
「あんなボロボロな状態で一体なにができるんだ」
「いや、意外と侮れんもんやぞ。特に魔法の中遠距離攻撃を得意としている奴は」
俺の考えとは逆に答えるゼノンさん、アイシャさんも続けて、
「剣や拳を使うタイプの場合は攻撃をするのに魔力だけじゃなく体の状態も必要、でも魔力のみで攻撃が可能なあいつならなにか仕掛けてきてもおかしくはない」
「そういうことやな、なにやらおもろそうなもん出してきよるぞ」
サンド選手の手の先から独特な模様の入った魔法陣が出ている。それを見たダルトンさんはすぐにサンド選手の方に急接近した。
「(あれはなんだかわからんが、放っておくわけには行かなそうだな)」
牽制に数発の魔法弾を放つが、魔法陣にあたってもまるでビクともしない。そして魔法陣の魔力量がさらに上がってきている。
「もう遅いぞ、ダルトン。これが俺の最大火力だ!!」
魔法陣が光を放ち、その場で大きな爆風が闘技場に一気に遅いかかった。観客席側では魔法による障壁が貼られているため、戦闘経験を持たない一般観戦客に被害は飛ばないように設計されているが、それでもすこしヒヤッとしてしまうほどの勢いを感じた。
「一体中ではどれほどの爆風が広がっているんだ」
先ほどまではダルトンさんが優勢に見えており、周りの観客もダルトンさんを応援していたがこの一撃を見て、思わず黙ってしまった。
「シンジ様、中にいるダルトンさんは大丈夫なのでしょうか?」
「どうなんだろうな、あれだけ接近していた状況だったしガードしていたとしても、そう簡単には防げないと思うが。放ったサンド選手もボロボロの状態でここまでの魔法が使えるなんて」
「こんな感じで魔法のみの攻撃であれば、脅かすような攻撃も可能っちゅうわけやな。武闘家や剣士だったらまあまず勝負あったのう」
「ダルトンさんは倒されてしまったんでしょうか?」
「それはもうすぐわかることや」
爆風が晴れて、闘技場の中心を見るとそこにはサンド選手を持ち上げているダルトンさんの姿が見えた。その光景をみた観客は再び大いに盛り上がった。
「な、なんでこの一撃をまともに耐えているんだ」
ダルトンさんの外見から、多少のダメージはもらっているように見えるが、険しい表情はせずいつもの表情である。
「確かにあれだけダメージをもらっていたお前がここまで強大な魔法を放てるとは想定していなかった。だが、俺はあの程度の魔法では簡単に倒されるほどやわではない」
持ち上げていたサンド選手をその場に放り捨てるように話したダルトンさんが、勝ち名乗りを受ける。サンド選手はもうまともに立てなくなっていた。
「サンド、確かにお前は弱くない。ただ1つ、お前と俺とではレベルが違うんだ。それだけのことなんだ」
そしてダルトンさんが去る頃には観客がおそらくこの試合で1番の盛り上がりを見せた。これが長らくこの闘技場に参加し、そしてトップクラスに立ち続けているダルトンさんの人気を物語っている。
すでに何度もこの闘技場で戦いを見ているが、ここまで盛り上がったのはゼノンさんの試合ぐらいしかなかった。
「さすがダルトンってとこね。最後の一撃の威力は少し驚いたところはあったけど、ダルトンは特に問題なかったようね」
「せやな、どんな相手にも柔軟に合わせる対応力だけやない、純粋な強さもこの闘技場の中でも間違いなくトップや。今年も真剣勝負ができるのが楽しみや」
試合が終わったところで、アイシャさんとゼノンさんが笑いながらそう話していた。やはり、長年の仲間が勝つと嬉しいのだろう、その様子をみて俺も気分が良くなった。
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