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第11章 テイマーの街
第167話 大会当日
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ついに【グレートモスリーグ】の開催日である。大会の日程は予選と本選それぞれ1日ずつの計2日で行われるそうだ。予選では様々なクラスの相手が入り混じるそうで、いわゆるバトルロワイヤルというものだ。
「今回の参加者総数は130人、結構な数がいるんだな」
「この時期に参加しに戻ってくるやつもおるからな」
いきなり後ろから答えが飛んできた。振り返ると、ゼノンさんがそこにいた。
「よ、ちゃんと来たようやな」
「自分もこの大会で何かしら手に入れたいと考えているんで。それで、この時期に戻ってくるというのは?」
「俺みたいに日ごろから闘技場で戦っているやつ以外にも、特定の大会やイベント以外には興味を示さないやつもおる」
なるほど、参加条件は基本登録して半年間にわたって戦ったもの、つまり登録してから半年戦えばそのあとは継続的な参戦がなくても行けるのか。
「まあ、それでも三桁を超えることはないんやけどな。やっぱ今回の特別措置のおかげやな。むっちゃ楽しみやわ」
そう、今回の大会はその規定は一時撤廃、その代わりに参加する際に実力やその他資格などから判断されるそうだ。判断方法に関して明確な発表はなかったが、そこは心配しなくてもいいのか。
「シンジみたいな飛び入り参加のやつも結構おるからな。俺が思っとる以上にこの話が広まっていたようやな」
「予選では別ブロックのようですね」
「せやな、俺は当然連覇を狙っている。シンジも本選ぐらいには上がってくれよ」
大きく高笑いを上げてゼノンさんはその場を離れた。
「シンジ様、私は応援しかできませんが頑張ってください」
シルがそう声をかけてくれた。周りのスライムたちもその場でぴょんぴょんとはねて応援してくれている。
「よし、絶対に優勝するぞ」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
予選は全130選手を4つに分け、約40人でバトルロワイヤル形式で行われ、そこで上位4名が本選に出場という感じだそうだ。
「思ったよりもつくりはしっかりしているな」
控室にいるのだが、異世界の闘技場って聞くと無機質な場所じゃないかと想像する。しかし、簡単にいうとスポーツセンターの控室のような感じで、ある程度の人数なら座れるベンチや荷物置き場もしっかり整備されている。
周りを見渡すと本当にいろんな選手がいる。剣を手入れしている人から杖を確認している人、ガントレットの感触を確かめていたりと、応力が試されそうだ。
「お、君がシンジ君か?ゼノンからよく話は聞いてるよ」
「あなたは?」
俺に声をかけてきた男の人は、緑色の髪色をしたさわやかな人だった。
「俺はダルトン。普段この闘技場で戦っている闘士だ。たぶん先日君とあっているんだけどな」
先日っていうと、観戦した日でその後ゼノンさんに連れられた時のことか。確かにゼノンさんの近くにいたような気はする。
「アイシャは元気にやっているか?」
「たぶんそうだと思います。ほとんどしゃべらないんで全然わからないですけど」
「やっぱそんな感じか。普段自分から行動を起こすタイプじゃないから、君についていくのは不思議だったんだけどいつもと同じなのか」
「付き合いは長いんですか?」
「そうだね、そこそこかな。4年前の闘技場の大会に出会ってからの仲だね。闘技場を少しでも盛り上げたい俺からすれば、女性の闘士が参加してくれるっていうのは結構ありがたいんだよね」
周りを見渡すと、男性が多いがそれでも7割ぐらいか。思ったよりも女性参加者も見受けられる。
「冒険者だと女性の割合もそこそこ高いんだけど、闘士となるとやっぱ女性は少し抵抗感を持つようなんだ。でもアイシャの活躍のおかげで、闘技場の大会に参加する女性も増えてきたんだ」
「女性が相手だと、少し戦いづらいところもありますけどね」
「中には女とは思えないのもいるから油断はしないほうがいいよ。それじゃあ、次会うときは戦いのリングで」
ダルトンさんはそう言って別の闘士にあいさつに行ってた。結構人だかりができているところから、かなりの有名人であることには間違いないか。そりゃ、ゼノンさんと付き合いが長いんだしな。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
予選4試合のうち、俺は第1試合から戦うことになった。アイシャさんは第3試合で、そこにはゼノンさんも入っている。
「やっぱこの第1試合はダルトンだろ。今年こそ優勝とるんじゃねえか?」
「いや去年ベスト8入りした新米エースのクリスがいいだろ」
「ダルトンともいい勝負したもんな」
すでにボルテージの上がっている観客席からは試合結果の予想が上がっていた。何度も優勝決定戦に上がっている現ランキング3位のダルトンを筆頭に、昨年初出場でいきなり本選出場し、ベスト8にまで残った女性闘士クリスなどが注目されているようだ。
「第1試合出場選手の入場です」
「今回の参加者総数は130人、結構な数がいるんだな」
「この時期に参加しに戻ってくるやつもおるからな」
いきなり後ろから答えが飛んできた。振り返ると、ゼノンさんがそこにいた。
「よ、ちゃんと来たようやな」
「自分もこの大会で何かしら手に入れたいと考えているんで。それで、この時期に戻ってくるというのは?」
「俺みたいに日ごろから闘技場で戦っているやつ以外にも、特定の大会やイベント以外には興味を示さないやつもおる」
なるほど、参加条件は基本登録して半年間にわたって戦ったもの、つまり登録してから半年戦えばそのあとは継続的な参戦がなくても行けるのか。
「まあ、それでも三桁を超えることはないんやけどな。やっぱ今回の特別措置のおかげやな。むっちゃ楽しみやわ」
そう、今回の大会はその規定は一時撤廃、その代わりに参加する際に実力やその他資格などから判断されるそうだ。判断方法に関して明確な発表はなかったが、そこは心配しなくてもいいのか。
「シンジみたいな飛び入り参加のやつも結構おるからな。俺が思っとる以上にこの話が広まっていたようやな」
「予選では別ブロックのようですね」
「せやな、俺は当然連覇を狙っている。シンジも本選ぐらいには上がってくれよ」
大きく高笑いを上げてゼノンさんはその場を離れた。
「シンジ様、私は応援しかできませんが頑張ってください」
シルがそう声をかけてくれた。周りのスライムたちもその場でぴょんぴょんとはねて応援してくれている。
「よし、絶対に優勝するぞ」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
予選は全130選手を4つに分け、約40人でバトルロワイヤル形式で行われ、そこで上位4名が本選に出場という感じだそうだ。
「思ったよりもつくりはしっかりしているな」
控室にいるのだが、異世界の闘技場って聞くと無機質な場所じゃないかと想像する。しかし、簡単にいうとスポーツセンターの控室のような感じで、ある程度の人数なら座れるベンチや荷物置き場もしっかり整備されている。
周りを見渡すと本当にいろんな選手がいる。剣を手入れしている人から杖を確認している人、ガントレットの感触を確かめていたりと、応力が試されそうだ。
「お、君がシンジ君か?ゼノンからよく話は聞いてるよ」
「あなたは?」
俺に声をかけてきた男の人は、緑色の髪色をしたさわやかな人だった。
「俺はダルトン。普段この闘技場で戦っている闘士だ。たぶん先日君とあっているんだけどな」
先日っていうと、観戦した日でその後ゼノンさんに連れられた時のことか。確かにゼノンさんの近くにいたような気はする。
「アイシャは元気にやっているか?」
「たぶんそうだと思います。ほとんどしゃべらないんで全然わからないですけど」
「やっぱそんな感じか。普段自分から行動を起こすタイプじゃないから、君についていくのは不思議だったんだけどいつもと同じなのか」
「付き合いは長いんですか?」
「そうだね、そこそこかな。4年前の闘技場の大会に出会ってからの仲だね。闘技場を少しでも盛り上げたい俺からすれば、女性の闘士が参加してくれるっていうのは結構ありがたいんだよね」
周りを見渡すと、男性が多いがそれでも7割ぐらいか。思ったよりも女性参加者も見受けられる。
「冒険者だと女性の割合もそこそこ高いんだけど、闘士となるとやっぱ女性は少し抵抗感を持つようなんだ。でもアイシャの活躍のおかげで、闘技場の大会に参加する女性も増えてきたんだ」
「女性が相手だと、少し戦いづらいところもありますけどね」
「中には女とは思えないのもいるから油断はしないほうがいいよ。それじゃあ、次会うときは戦いのリングで」
ダルトンさんはそう言って別の闘士にあいさつに行ってた。結構人だかりができているところから、かなりの有名人であることには間違いないか。そりゃ、ゼノンさんと付き合いが長いんだしな。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
予選4試合のうち、俺は第1試合から戦うことになった。アイシャさんは第3試合で、そこにはゼノンさんも入っている。
「やっぱこの第1試合はダルトンだろ。今年こそ優勝とるんじゃねえか?」
「いや去年ベスト8入りした新米エースのクリスがいいだろ」
「ダルトンともいい勝負したもんな」
すでにボルテージの上がっている観客席からは試合結果の予想が上がっていた。何度も優勝決定戦に上がっている現ランキング3位のダルトンを筆頭に、昨年初出場でいきなり本選出場し、ベスト8にまで残った女性闘士クリスなどが注目されているようだ。
「第1試合出場選手の入場です」
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