166 / 196
第11章 テイマーの街
第165話 アイシャの実力
しおりを挟む
「この人は、アイシャさん。ゼノンさんの知り合いで、よくわからずついてきたんだ」
シンジはシルにある程度経緯を伝えた。しかし、アイシャがついてきた理由をシンジも把握していないためシルはあまり納得できていなかった。
「とりあえず、経緯はわかりましたし敵意も今の所はなさそうですね。ですが」
シルはアイシャの方に視線を向ける。シンジもアイシャの方に目を向けた。アイシャの表情は無表情であるが、ルーに抱きついており時折頭をなでている。
最初こそ抵抗していたルーだったが、暫く経つうちに気を許せる存在だと感じたのか嬉しそうにしている。
「あの様子は一体何なんですか?」
「俺も本当にわからない。ただただ嬉しそうな感じはするけど」
こうして俺たちが会話している間も、ひたすらルーの頭を撫で続けている。表情と行動のアンバランスさに本当に驚きを隠せない。
「この子は一体何!?この最高のふわふわ具合!?」
アイシャさんはかわいいものとかに目がない感じなのか?
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「改めて、自己紹介をお願いしていいですか?」
「私の名前はアイシャ。この街には5年前ぐらいから住んでいて、普段は闘士として過ごしている」
また、ゼノンさんとの関係性についても聞いたところ、この街で知り合ったようで、なれそめは俺たちに似たような感じだった。
「お金稼ぎで闘技場に入ったときに声をかけられた。その時から、すでにトップクラスだったようね」
さっきゼノンさんの周りにいた奴らも、似たような関係性なのか。
「シンジも参加するんでしょ?【グレートモスリーグ】」
「ああ、その予定だ。アイシャも出るのか?」
「あれは勝ち上がるほど、お金がより多くもらえるからね。でも、あなたとは戦いたくないわね」
「?一体どういう意味だ?」
俺はアイシャさんに聞き返そうとしたが、すぐにルーのもとに戻ってしまった。仕方なく、そのあとは特に何もなく一夜を過ごした。
そこまで大きい部屋をとってはいなかったので、俺だけ別で部屋を取り元の部屋ではシルとアイシャさんとルーが寝ていた。俺はスライムたちと仲良く就寝だった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
翌日になり、俺たちは冒険者ギルドに向かった。【グレートモスリーグ】の開催までもうしばらく時間がある。闘技場に参加してもいいが、俺たちは一応冒険者だ。金欠ではないが、ある程度活動は必要だ。
サイクロンウルフと呼ばれるモンスターの討伐に来た。討伐ランクはCランクだが、これは単体でのランク指定である。このモンスターの特徴は、自身の高速移動と抜群の連係プレーで群れで現れた場合はBランクにまで上がる。
このクエストを受けた理由はほかにもあり、アイシャさん自身の実力を見てみたかったのもある。ゼノンさんに見込まれているぐらいだから実力者なのは当然であるが、一緒に行動していく以上ある程度は把握する必要があるだろう。
アイシャさんのほうに、サイクロンウルフ3体が襲い掛かってきた。サイクロンウルフは連携プレーで詰め寄り、そのままかみつこうと飛ぶ。
しかし、アイシャさんは多角的な攻撃にもかかわらず、小さな動きで華麗にかわす。サイクロンウルフの動きが鈍ったのにあわせて、鋭い蹴りを首元に放った。吹っ飛んだサイクロンウルフは数メートル先にあった岩にめり込んでしまった。
「すげえ、とんでもないキック力だ」
「足のほうが、腕よりもパワーが大きい。だから私は蹴りを主軸に戦っている」
なるほど、確かに足は腕の3倍は強いって話もあったな。異世界に来てから蹴りを基本にしている相手はいなかったから新鮮味を感じる。
「これである程度実力は分かった?」
「ああ、それじゃあこのまま依頼を続行しよう」
そのままアイシャさんは遠くにいたサイクロンウルフの群れに向かった。俺が昨日男に殴りつけた威力よりもかなり高い。おそらく本気は出していないだろうから、そこが知れないな。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
その後3時間ぐらいが経ち、ここら一帯のサイクロンウルフの群れの排除が終了した。
「あなたのスライム何かおかしい」
アイシャさんはアクアを抱きしめながら問い詰めてきた。スライムが、サイクロンウルフ以上に卓越した連係プレーで、しかもアクアたちに関しては単体でも仕留めていた。
普通に考えれば以上事態だな。最弱クラスであるはずのスライムが、Bクラスのモンスターを蹂躙しているのだから。
「これが例の特別なスライム...」
「?アクアたちのことを知っているのか?」
「!? いや、ゼ、ゼノンに聞いた」
ああ、ゼノンさん初めてあったころにスライムたちのことを見抜いていたな。抱きしめられているアクアは振りほどくように暴れて、俺のほうに飛びついてきた。
「お、珍しいな」
アクアがこうして飛びついてくることは珍しいことではないが、それでも水を飲む時が多い。
「シンジ様、採集完了しました」
「よし、それじゃあ戻ろうか」
シンジはシルにある程度経緯を伝えた。しかし、アイシャがついてきた理由をシンジも把握していないためシルはあまり納得できていなかった。
「とりあえず、経緯はわかりましたし敵意も今の所はなさそうですね。ですが」
シルはアイシャの方に視線を向ける。シンジもアイシャの方に目を向けた。アイシャの表情は無表情であるが、ルーに抱きついており時折頭をなでている。
最初こそ抵抗していたルーだったが、暫く経つうちに気を許せる存在だと感じたのか嬉しそうにしている。
「あの様子は一体何なんですか?」
「俺も本当にわからない。ただただ嬉しそうな感じはするけど」
こうして俺たちが会話している間も、ひたすらルーの頭を撫で続けている。表情と行動のアンバランスさに本当に驚きを隠せない。
「この子は一体何!?この最高のふわふわ具合!?」
アイシャさんはかわいいものとかに目がない感じなのか?
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「改めて、自己紹介をお願いしていいですか?」
「私の名前はアイシャ。この街には5年前ぐらいから住んでいて、普段は闘士として過ごしている」
また、ゼノンさんとの関係性についても聞いたところ、この街で知り合ったようで、なれそめは俺たちに似たような感じだった。
「お金稼ぎで闘技場に入ったときに声をかけられた。その時から、すでにトップクラスだったようね」
さっきゼノンさんの周りにいた奴らも、似たような関係性なのか。
「シンジも参加するんでしょ?【グレートモスリーグ】」
「ああ、その予定だ。アイシャも出るのか?」
「あれは勝ち上がるほど、お金がより多くもらえるからね。でも、あなたとは戦いたくないわね」
「?一体どういう意味だ?」
俺はアイシャさんに聞き返そうとしたが、すぐにルーのもとに戻ってしまった。仕方なく、そのあとは特に何もなく一夜を過ごした。
そこまで大きい部屋をとってはいなかったので、俺だけ別で部屋を取り元の部屋ではシルとアイシャさんとルーが寝ていた。俺はスライムたちと仲良く就寝だった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
翌日になり、俺たちは冒険者ギルドに向かった。【グレートモスリーグ】の開催までもうしばらく時間がある。闘技場に参加してもいいが、俺たちは一応冒険者だ。金欠ではないが、ある程度活動は必要だ。
サイクロンウルフと呼ばれるモンスターの討伐に来た。討伐ランクはCランクだが、これは単体でのランク指定である。このモンスターの特徴は、自身の高速移動と抜群の連係プレーで群れで現れた場合はBランクにまで上がる。
このクエストを受けた理由はほかにもあり、アイシャさん自身の実力を見てみたかったのもある。ゼノンさんに見込まれているぐらいだから実力者なのは当然であるが、一緒に行動していく以上ある程度は把握する必要があるだろう。
アイシャさんのほうに、サイクロンウルフ3体が襲い掛かってきた。サイクロンウルフは連携プレーで詰め寄り、そのままかみつこうと飛ぶ。
しかし、アイシャさんは多角的な攻撃にもかかわらず、小さな動きで華麗にかわす。サイクロンウルフの動きが鈍ったのにあわせて、鋭い蹴りを首元に放った。吹っ飛んだサイクロンウルフは数メートル先にあった岩にめり込んでしまった。
「すげえ、とんでもないキック力だ」
「足のほうが、腕よりもパワーが大きい。だから私は蹴りを主軸に戦っている」
なるほど、確かに足は腕の3倍は強いって話もあったな。異世界に来てから蹴りを基本にしている相手はいなかったから新鮮味を感じる。
「これである程度実力は分かった?」
「ああ、それじゃあこのまま依頼を続行しよう」
そのままアイシャさんは遠くにいたサイクロンウルフの群れに向かった。俺が昨日男に殴りつけた威力よりもかなり高い。おそらく本気は出していないだろうから、そこが知れないな。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
その後3時間ぐらいが経ち、ここら一帯のサイクロンウルフの群れの排除が終了した。
「あなたのスライム何かおかしい」
アイシャさんはアクアを抱きしめながら問い詰めてきた。スライムが、サイクロンウルフ以上に卓越した連係プレーで、しかもアクアたちに関しては単体でも仕留めていた。
普通に考えれば以上事態だな。最弱クラスであるはずのスライムが、Bクラスのモンスターを蹂躙しているのだから。
「これが例の特別なスライム...」
「?アクアたちのことを知っているのか?」
「!? いや、ゼ、ゼノンに聞いた」
ああ、ゼノンさん初めてあったころにスライムたちのことを見抜いていたな。抱きしめられているアクアは振りほどくように暴れて、俺のほうに飛びついてきた。
「お、珍しいな」
アクアがこうして飛びついてくることは珍しいことではないが、それでも水を飲む時が多い。
「シンジ様、採集完了しました」
「よし、それじゃあ戻ろうか」
61
お気に入りに追加
11,484
あなたにおすすめの小説
異世界転生~チート魔法でスローライフ
玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。
43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。
その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」
大型連休を利用して、
穴場スポットへやってきた!
テントを建て、BBQコンロに
テーブル等用意して……。
近くの川まで散歩しに来たら、
何やら動物か?の気配が……
木の影からこっそり覗くとそこには……
キラキラと光注ぐように発光した
「え!オオカミ!」
3メートルはありそうな巨大なオオカミが!!
急いでテントまで戻ってくると
「え!ここどこだ??」
都会の生活に疲れた主人公が、
異世界へ転生して 冒険者になって
魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。
恋愛は多分ありません。
基本スローライフを目指してます(笑)
※挿絵有りますが、自作です。
無断転載はしてません。
イラストは、あくまで私のイメージです
※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが
少し趣向を変えて、
若干ですが恋愛有りになります。
※カクヨム、なろうでも公開しています

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる
十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。
異世界へ誤召喚されちゃいました~女神の加護でほのぼのスローライフ送ります~
モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎
飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。
保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。
そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。
召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。
強制的に放り込まれた異世界。
知らない土地、知らない人、知らない世界。
不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。
そんなほのぼのとした物語。

異世界でゆるゆるスローライフ!~小さな波乱とチートを添えて~
イノナかノかワズ
ファンタジー
助けて、刺されて、死亡した主人公。神様に会ったりなんやかんやあったけど、社畜だった前世から一転、ゆるいスローライフを送る……筈であるが、そこは知識チートと能力チートを持った主人公。波乱に巻き込まれたりしそうになるが、そこはのんびり暮らしたいと持っている主人公。波乱に逆らい、世界に名が知れ渡ることはなくなり、知る人ぞ知る感じに収まる。まぁ、それは置いといて、主人公の新たな人生は、温かな家族とのんびりした自然、そしてちょっとした研究生活が彩りを与え、幸せに溢れています。
*話はとてもゆっくりに進みます。また、序盤はややこしい設定が多々あるので、流しても構いません。
*他の小説や漫画、ゲームの影響が見え隠れします。作者の願望も見え隠れします。ご了承下さい。
*頑張って週一で投稿しますが、基本不定期です。
*無断転載、無断翻訳を禁止します。
小説家になろうにて先行公開中です。主にそっちを優先して投稿します。
カクヨムにても公開しています。
更新は不定期です。
間違い召喚! 追い出されたけど上位互換スキルでらくらく生活
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕は20歳独身、名は小日向 連(こひなた れん)うだつの上がらないダメ男だ
ひょんなことから異世界に召喚されてしまいました。
間違いで召喚された為にステータスは最初見えない状態だったけどネットのネタバレ防止のように背景をぼかせば見えるようになりました。
多分不具合だとおもう。
召喚した女と王様っぽいのは何も持っていないと言って僕をポイ捨て、なんて世界だ。それも元の世界には戻せないらしい、というか戻さないみたいだ。
そんな僕はこの世界で苦労すると思ったら大間違い、王シリーズのスキルでウハウハ、製作で人助け生活していきます
◇
四巻が販売されました!
今日から四巻の範囲がレンタルとなります
書籍化に伴い一部ウェブ版と違う箇所がございます
追加場面もあります
よろしくお願いします!
一応191話で終わりとなります
最後まで見ていただきありがとうございました
コミカライズもスタートしています
毎月最初の金曜日に更新です
お楽しみください!
神様がチートをくれたんだが、いやこれは流石にチートすぎんだろ...
自称猫好き
ファンタジー
幼い頃に両親を無くし、ショックで引きこもっていた俺、井上亮太は高校生になり覚悟をきめやり直そう!!そう思った矢先足元に魔法陣が「えっ、、、なにこれ」
意識がなくなり目覚めたら神様が土下座していた「すまんのぉー、少々不具合が起きてのぉ、其方を召喚させてしもたわい」
「大丈夫ですから頭を上げて下さい」 「じゃがのぅ、其方大事な両親も本当は私のせいで死んでしもうてのぉー、本当にすまない事をした。ゆるしてはくれぬだろうがぁ」「そんなのすぎた事です。それに今更どうにもなりませんし、頭を上げて下さい」
「なんて良い子なんじゃ。其方の両親の件も合わせて何か欲しいものとかは、あるかい?」欲しいものとかねぇ~。「いえ大丈夫ですよ。これを期に今からやり直そうと思います。頑張ります!」そして召喚されたらチートのなかのチートな能力が「いや、これはおかしいだろぉよ...」
初めて書きます!作者です。自分は、語学が苦手でところどころ変になってたりするかもしれないですけどそのときは教えてくれたら嬉しいです!アドバイスもどんどん下さい。気分しだいの更新ですが優しく見守ってください。これから頑張ります!

うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生
野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。
普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。
そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。
そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。
そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。
うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。
いずれは王となるのも夢ではないかも!?
◇世界観的に命の価値は軽いです◇
カクヨムでも同タイトルで掲載しています。

死んだのに異世界に転生しました!
drop
ファンタジー
友人が車に引かれそうになったところを助けて引かれ死んでしまった夜乃 凪(よるの なぎ)。死ぬはずの夜乃は神様により別の世界に転生することになった。
この物語は異世界テンプレ要素が多いです。
主人公最強&チートですね
主人公のキャラ崩壊具合はそうゆうものだと思ってください!
初めて書くので
読みづらい部分や誤字が沢山あると思います。
それでもいいという方はどうぞ!
(本編は完結しました)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる