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第10章 新たなる街への旅路編

第135話 またまた夢の世界での話

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「それじゃあ、よろしくお願いします。」

野営中の夜の夢の世界にいる。村を復興している間は精神的な疲れを残したくなかったため夢での修業はしていなかった。エレノアさんも黒いスライムさんも了承してくれた。

 「わかったわ、それじゃあよろしくね。」

 「プ二プ二~♪」

黒いスライムさんは一回跳ねるといきなりトップギアでぴょんぴょん攻めてくる。スライムだから奇襲とまではならないもかなりのスピード、アクアたちをもしのぐ速度だ。

 「『旋風放火フレイムウィンドウ』」

手加減はできない相手なので初めから風と火の合成魔法を放ち黒いスライムを倒しにかかる。

 「プニー!(『水龍弾』)」

黒いスライムは魔法で竜の形をした水魔法を飛ばしてあっさりと俺の魔法をかき消す。さすがにこれでは足止めにもならないかな。

 「はあー!」

水龍が霧散して視界が悪くなったところで猛ダッシュして黒いスライムに肉弾戦を挑む。

 「『フレイムランス』、『ライトアロー』」

黒いスライムに至近距離で火魔法と光魔法を放つ。

 「プ二!(『ダークスフィア』)」

黒いスライムは闇魔法で形成された球体を作り出すと、その球体は俺が放った火魔法と光魔法を吸い込み、一緒にその場から消失した。

 「こんな魔法があるなんて。」

闇魔法を使わないからあんまり闇魔法の特性がわからない。光魔法はその場を照らすものや光が固体化して攻撃に使えるようになったりするが、闇魔法には魔法を吸収する能力があるのか。

 「プ二!!(『アイシクルランス』)」

 「くっ『フレイムバズーカー』」

何本もの氷魔法の槍が飛んでくる。俺は爆発する火魔法を撃ってすべての氷の槍を壊す。

 「な、」

視界が明るくなるとすでにチェックメイトだったようで黒いスライムは腕の先から氷の針を俺の顔の先に突き出しておりいつでも倒せれる状態になっていた。

 「参りました。」

黒いスライムは腕をもとに戻す。やっぱりそんな簡単にはいかない。

 「お疲れ様、どう?」

 「どうって言われても見ればわかるでしょう。まだ勝つのは先の話ですね。」

 「それでも人間相手だったらまだ戦えてたでしょうね。スライムはそういう意味でも本来倒しにくい種族なんだけどね。」

スライムにはあんまり打撃が通じないし斬撃も弱点部位にあてない限りはそこの部分はすぐに再生してしまう。だから肉弾戦は本来スライムのほうが優位にあるはずだが知能が低いから簡単に倒される。

 「ちゃんと強いのはわかってますから。」

 「ただ常識を払しょくするのはかなり大変よ。」

エレノアさんの目的であるスライムの地位向上はかなり大変に思えてしまう。好きでもない限りはまず強さが第一になってくるが全モンスター最低級モンスターだ、とても使おうとは思わない。

 「でも文献にはスライムの進化個体が載ってるし使っててもおかしくないけど。」

 「ほとんどの進化個体は進化の過程がかなり長いからね。あなたはスキルで簡略されてるけど常人にはかなり大変よ。」

 「はあ、そういうことですか。」

俺としてもスライムテイマーだしたくさんの人たちにスライムの強さを知ってほしいし実際に仲間にしてほしい。けど中には強さを悪い方向に受けとる輩もいる。まえのシャルケがその例だ。

強いスライムを育てるんじゃなくて盗み取るというあるまじき行為をする人間もいるから複雑だ。まるで道具のように扱おうとするのはかなり腹が立つ。

 「ところでユールだったけ?あの子はどうかしら?」

 「ああ、かなりマイペースですね。うちのアクアよりもさらにですしどこかにホイホイと行ってしまいますしまだまだつかみどころがわからないですね。」

 「ユグドラシルの恩恵を受けるものは悪いやつではないけどそういう子もたまにはいるわね。でも能力は申し分ないでしょう?」

 「はい、村での働きはかなりよかったですね。」

森羅万象の力を使って畑をあっという間に使える状態に戻した。しかももともとの範囲を大きく超えて質も向上しており本来作れなかった種類の作物も育つようになった。

 「ならいいわ、せっかく送ったのに役に立たなかったら私としても残念ですし。」

 「ただもう少し付き合いやすい性格だったら色々と楽なんですけどね。どうしても目を離すとすぐにどっかに行ったりするんで。でも悪さはしないんで怒ることもできませんし。」

 「そこは君に任せるわ。それに癖がある子のほうがなにかと面白いことがありそうじゃない。レジェンダリースライム全員個性があるじゃない。」

 「それはそうですけど。」

 「さあ、休憩終了。また再開するわよ。」

 「プ二プーニ!」

 「よし、今度こそ倒すぞ。」

立ち上がって黒いスライムと再び対峙する。その後たった5分足らずで倒されてしまった。
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