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第10章 新たなる街への旅路編

第133話 村の繁栄を祝う宴

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 「おーーい、こっちの肉焼けたぞ!!」

 「こっちも山菜の盛り合わせが完成したよ。」

テイロに作ってもらったスライム像の試運転をしてから1週間が経った頃。今村では祝いの宴を準備している。すぐに宴をやってもよかったけどやっぱ村完全に復活するのを確認するまではやれないよな。

ユールが浄化して再び使えるようになった畑には特産品の薬草が生き生きと育っておりそのほかにもリーン監修の野菜の種を植えた結果いろんな野菜も育っていて来た当時の閑散として腐ってるような畑とは大違いだった。

ちなみにこれだけ早く野菜や薬草が生えた理由はユールの能力によって土に力が加わり成長速度、品質が向上したうえミニスライムたちのぴょんぴょんと跳ねる薬草成長ダンスによってたくさんの作物を手に入れれた。

その様子はかわいらしいの一言に尽きて周りにいた子供たちもそのダンスにつられてキャッキャとスライムたちと遊んでいた。

 「しかし本当にみずみずしい野菜ばっかりだね。本当に助かるよ。」

料理を作る主婦層にかなり好評だったようでもともと野菜作りをしていた人以外にも手伝ったりしている人もいたそうだ。顔はかなり生き生きしていたので相当暇してたんだったな。

 「しかしオーク肉にかぶりつくことができるなんてな。」

 「ああ、しかも丸焼きだけじゃなくてスライスされたやつもあるし色々な種類の料理があってすげえぜ。」

宴に欠かせない要素の一つの肉料理にはオーク肉を提供した。ほかにも肉の種類自体は多く持ってるが数で言うとオーク肉が圧倒的に多いためオークにした。

オーク肉の供給に関しては常に過剰で、ミニスライムたちがよく見つけては狩ってその場で解体してしまうので無下にすることもできずにカバンになら永久保存できるから仕方なく受け取ってた。ルー以外だれも多く食べないからな。

 「本当にありがたいぜ、こんなに肉を食えるなんていつぶりだろうな。」

 「まったくだぜ、最近は野菜すらまともに食えてなかったからな。涙が出てきそうだぜ。」

村は狩りに行くどころか今日のご飯を獲得することすら大変だったため肉に関しては全然食べれてなかったようだ。だからか目から涙を流しながら食べている人も少なくない。

 「本当に何から何まですまないのう。」

 「かなり肉が余ってたんでちょうどよかったですよ。多分しばらくしたらまた肉が増えてくと思うんで。」

 「そうか、本当にすごいやつらじゃ。」

肉が余ってたのは事実だし消費できてむしろこっちとしてもうれしい。ルーが全部食べてしまうかもしれなかったが我慢を覚えさせないといけないからな。

 「しかしあのハーピーの子はえらい食うな。」

やはりと言うかルーは今日の宴でもオーク肉の丸焼きをペロリと何本も平らげておりしかもまだまだ食べたりないのか隣に置いてあるサラダや果物にも普通に手を付けていた。シルが監視しているため肉しか食べないということはないが。

 「あ、リーン作り終わった?」

リーンに頼まれて教えたコロッケを作り終えたようだ。『なかなか作るのに苦労しましたがコツをつかむと意外とすんなりいくものですね。肉の消費もできて野菜も取れてなかなかいい料理ですね。』と満足そうに腕を動かしている。

 「かなり油の量がいるけどそれはモンスターの油が使えるから問題が少ないし今後もかなりのペースで出しそうだな。」

 「なんの話をしておるんじゃ?」

 「そうですね、じゃあリーン作った場所に案内してくれ。」

『かしこまりました。』リーンはぴょんぴょんとコロッケを置いてある場所に案内してくれる。ちなみにこの村には果樹園がなかったのだがこの度余ってた果物の種を植えてアクアの魔力の高い水を与えた結果広大な果樹園ができあがりいろんな種類の果物がすでにたわわに実ってた。

これなら今後のこの村の食事もかなり質の高いものに変わっていくだろう。

 「お、さっそく集まってるな。」

 「ほほう、あの料理か。確かにわしも知らない料理じゃの。」

コロッケの山にはすでにたくさんの人がいつ食べれるかと並んでおりその中には食いしん坊ルーやミニスライムたちもぴょんぴょんと待ちきれなさそうにしていた。

配ってるのはテイロだった。しかしテイロはそんなに食事に関心がないから仕事をしたいとコロッケを配る仕事をそていた。テイロをねぎらう会でもあるのになー。

 「俺も並んで食べてみようかな。」

並ぼうと最後尾に歩くがリーンが腕を伸ばしてそれを止める。どうしてか理由を問おうとしたが既にリーンはコロッケを用意していた。『ちゃんとアツアツなので心配いりませんよ。』

 「これはなかなかうまそうじゃ...ひっ!?」

 「村長どうしました?」

シンジは村長がシンジよりも先にコロッケを食べようとしたのをリーンの殺気に似た魔力を放出されてしまい背中に寒気が走ったのに気づいてなかった。

 「なんもないぞ、シンジから食べてくれ。」

 「そうですか、それでは...うん!!かなりおいしい!!」

衣はきれいにサクサクと揚がっておりそれでいてべたつきもなくでもジューシーでおいしいコロッケだ。売り物にもなりそうな味でいつか俺よりもメインで料理を作っていきそうな感じがする。

 「うまいの。」

そんな村長の言葉が近くに響いた。

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村編は完結予定です。次回またミラーゼルに移動予定です。
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