スライムと異世界冒険〜追い出されたが実は強かった

Miiya

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第10章 新たなる街への旅路編

第131話 村復興大作戦5

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 「うーーん、あんまりいいのが集まらないっすね。」

 「そうじゃの。」

最初の人が提出してから何人かが提出しに来たがどれもあんまりよくないというかなんというか。描けない俺が言うのもあれだが。

 「次お願いします。」

 「ありがとう、どれどれ。」

また新しく描いてくれた人の作品を見てみるとドラゴン?のような絵が描かれてた。

 「ドラゴンって護るどころかむしろ襲わないか?」

 「やっぱ護るなら力が強いやつが一番だと思ってですね。あと口から火とか出せたら最高ですな。」

 「うーーむ、しかしこの村はドラゴンを祀ってるわけでもないしの。凶悪モンスターという意味では悪くないかもしれないが。」

 「なかなか困りましたね。」

あと2人か。ちゃんといい感じに描いてくれる人はこの中にいるだろうか。

 「できました!!」

威勢よく声を上げたのは8歳ぐらいの男子だ。案外子供の発想も馬鹿にはできないかもしれない。さあ頼むぞ。

 「....うーん。」

なんというか、描いたものがどうとかじゃなくてその。

 「おぬし絵が下手じゃな。」

 「な、村長!?」

俺が言うべきか言わないべきか考えとったことを村長は平然と言ってしまった。子供だし簡単に砕かれるじゃないだろうか。

 「やっぱ、そうかな~。俺てきには結構いけたと思ったんだけどな。」

 「ところでこれはなにをイメージして描いたんじゃ?」

 「適当!!」

 「ほっほっほ。それじゃあ家に戻っていいぞ。」

うん!と少年は言って家がある地帯に走り去った。

 「なかなかいい子ですね。」

 「当り前じゃ。わしのいる村なんじゃ、そんなやわに育ってはおらん。」

村長は自信満々にそう語る。心配する必要なかったか。

 「すいません、ようやくできました。」

 「「おお、頼む!!」」

最後の希望の女性が描いた紙を見てみる。こ、これは

 「スライムですか?」

紙に描かれているのはボールのようなものがいくつも描かれていた。中には一部から触手のようなものが伸びている個体もいる。

 「はい、私もなにがいいかなかなか思いつかなかったんですけど後ろの風景を見てたらこれがいいかと思いまして。」

 「後ろの風景?」

彼女が見ている方向に視線を向けるとミニスライムと遊んでいる村の子供たちの姿が見えた。とても楽しそうでミニスライムを上にたかいたかいと投げたり顔をうずめたり抱きしめたり走りまわってるようだ。

 「この光景を見てしまえばスライム以外にこの村を護るものは思いつきません。」

 「わしは賛成じゃ。この村が今みたいに楽しい場所に仕上げたのはおぬしらのスライムじゃ。この村の防衛施設を作ってくれるのもスライムじゃろ?ならスライムが一番いいじゃないかの。」

 「なるほど、わかりました。」

村長は全村民を招集しに向かった。俺もシルにリーン、あと柵作りをしてくれてるテイロにミニスライム、あとなにかをしているユールを集めに行った。

 「村のの防衛施設ですか?でしたら私も描いてみたかったです。」

 「シルだったらなにを描くの?」

 「やはりフェンリルやそれこそルーの様な神鳥種を描きますかね。」

個性が見えてくるなやっぱり。ルーにも聞いてみたところなぜか肉ー♪と言ってたらしい。なぜだ?

 「皆の者!!フェリスが考えたスライムをモチーフにして防衛施設を作ってもらうことになった。賛成の者は盛大な拍手!!」

村長がそう言うと一斉に拍手が村中に鳴り響いた。みんなこの意見に賛成のようだ。途中「さすがフェリスさんだぜ」「スライム、悪くない」などの歓声もあがった。

 「よし、あとのことはおぬし任せても大丈夫かの?」

 「はい、」

村長からバトンタッチをもらう。 とは言ってもテイロに設営を頼むだけだが。

 「この子が今回の主任を務めてもらいます。なにか質問等がありましたらこの子に聞いてください。」

テイロを抱え上げて村の人たちに紹介する。テイロは自信満々にうでを動かしている。周りではミニスライムはぴょんぴょん跳ねてたたえ、アクア、リーン、ユールが腕を動かしている。ルーは上空をバサバサと飛びながらピー♪と鳴いている。

 「これは楽しみになりそうですね。」

 「ああ、うちのテイロがやるんだ。絶対にいい仕事になる。」

今日はもう日が暮れてるため作業は明日以降になる。今日はテイロが建てた家に寝ることにして村のみんなも解散となり改築された家を楽しんでいた。

 「改めて思うとテイロもかけがえのない存在になったな。」

最近は慣れていたからそんなに気にしてなかったがこの村に来たことでまたテイロの能力の高さを確認できた。本来改築自体も難しいのにテイロに至っては無から建てるからな。
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