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閑話 お花見
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「へえ、この世界にも桜があるのか。」
リリーシアを出て第二の王都ミラーゼルに向かう途中ピンク色の花を咲かせる木を見つけた。
「この木は見たことないですね。シンジ様は知ってるのですか?」
「ああ、俺が異世界に飛ばされる前にいた日本ってところでこの木は有名だったんだ。」
「そうだったんですね。」
「しかしシルが知らないのは意外だったな。」
「植物学は門外漢で薬草以外はあまり知らないんです。」
確かに薬草に関しては時々リーンと話すことがあったけど花とかは聞いたことがなかったな。目の前の桜(?)の木々はかなりの数花を咲かせており見るだけでも20分はかかりそうなほどだ。
「ここでお花見とかしたら楽ししそうだな。」
「お花見とは?」
「お花見っていうのはこの木を見ながらお菓子やおいしいものを食べたりお酒を飲んだりしてしゃべったりこの風景をみて楽しむ行事なんだ。」
「ピー⁉『お菓子!?』」
「きゅー⁉『おいしいもの⁉』」
うちの食いしん坊コンビマロとルーが変なところで反応しちまった。
「ピュー」
リーンが『もしよければわたくしたちもそのお花見を楽しんではみませんか?お酒はわかりませんがお菓子もおいしいものもすぐに準備できますよ。』と言いたげに腕を動かす。
「そうだな。せっかくだしここでお花見するか。それじゃあ準備するからミニスライムも出ておいで。」
準備となると人手が必要なためローブに吸収されてるミニスライムを呼び出す。ローブからどんどん飛び出てきて最後の1匹が出てくるとリーンが腕を動かして招集させる。
「えっとまずミニスライムたちは俺たちが座れるようにビニールシートを用意して。それからアクアはみんなが飲むジュースを準備。リーンは俺と一緒に料理。テイロは周りの敵に注意してくれ。シルは周りで困ってたりしたら手伝う、ルーも同様に頼む。ユールは...もう花見しているのか。マロは桜の花を食べなように。」
マロには念押ししておく。性格がまだまだ子供だからこういうところで釘を刺しておかないといけない。マロも気になってたようでギクッとして地面が少し濡れていた。汗のように出た溶解液か?
さっそくミニスライムは自身の溶解液を出してそれを加工して簡易的なレジャーシートが出来上がった。それを手分けして角を持ってぴんぴんに張る。そこにさらに机や椅子を置いていく。この子達の仕事ぶりは相変わらずすごい。
アクアはカバンの中から果物を取り出して溶解液で作ったガラス瓶の中に果汁100%ジュースを注いでいく。オレンジにリンゴに最近買ったブドウとたくさんの種類のジュースが出来上がる。またお茶も取り出していておそらくリーン用かな。リーンは紅茶とかが好きだからな。
テイロはぴょんぴょんと近くを跳ねて監視していて時折ミニスライムたちを手伝ってる。あ、机新調するんだ。テイロもきちんと仕事をしてるな。
シルたちも手伝ってるがあんまり出番はなさそうな気がするな。ルーももう桜の木を楽しんでるのか周りを飛んでて「ピー♪」と鳴いている。
ユールはしばらく鎮座するとまた別の桜の木の前に向かうとまた鎮座する。この繰り返しだ。
マロは俺の頭の上にいる。桜の花を食べないように監視しているんだが食べたいのか頭の上でずっとバイブレーションのように震えている。花見の時に少し食べさせてもいいか。
「それじゃあ料理作っていくか。」
「ピュー!」
花見だけど特にそれ用に新しい料理を作るかと言われるとそうではない。というより俺の技術と記憶では面白いものがつくれない。いつも通りパーティーで好まれる唐揚げを主におにぎり、イノシシの丸焼きに燻製を一度した肉を使ったステーキやハンバーグを作る。
作業量はかなり多いがリーンはかなりのスピードと高精度で仕上げるため俺としてはかなりありがたい。
~~~~~~~~~~~~~~~~~
「よし、これで完成だ!!」
「キュー!!」「ピュー」「きゅー」「ピー!」
最後の唐揚げが揚げ終わったところでちょうど準備が完了した。それぞれアクアが作ったジュースが入ったガラス瓶を手に取ってる。
「それじゃあ、乾杯!!」
俺はみんなとコップを当てて乾杯をする。ほかのみんなもかなりゆったりした感じでアクア特製ジュースをごくごく飲んでいく。マロも散っていく桜の花をパシンとキャッチして体に入れて楽しんでる。味はおいしいようで食べるたびにぴょんぴょん跳ねる。
ユールはいつの間にか受け取ってたアクアのジュース片手に桜の木をゆっくりと鑑賞している。その姿は本当に評論家みたいに見える。
ミニスライムたちも各々楽しんでいてだれが一番跳ねれるか勝負をしているようでぴょーんと1匹ずつジャンプしている。負けると悔しがったり勝ってぴょんぴょん跳ねたりしている。
アクアは宴会芸というか自身の体をツイストさせて回転しながら水を噴射するというよくわからない一発芸を披露してるがミニスライムたちには大人気なようだ。
「ピュー!!」
「キュー!」
一発芸で飛んだ水がリーンにかかってしまいリーンが怒りながらアクアを追いかけておりアクアは焦りながら急いで逃げている。相変わらずだな。
テイロは桜の木を一部伐採している。今度の家かなにか木製のものを作るときに使うのかな?
「なかなか楽しいですね。」
「そうだな。なんかこういうの初めてじゃないかな。」
「そうですね、強くならないといけませんがこうやって楽しんでいくのもいいですね。ルーもすごい楽しんでいるようですし。」
ルーはいまだに木の周りを飛んでいて時々ミニスライムも背中に乗せて空の旅をしてる。
「また桜の木を見つけた時にこうして花見をしたいな。」
シンジたちがつかの間の休息をとった一シーンであった。
リリーシアを出て第二の王都ミラーゼルに向かう途中ピンク色の花を咲かせる木を見つけた。
「この木は見たことないですね。シンジ様は知ってるのですか?」
「ああ、俺が異世界に飛ばされる前にいた日本ってところでこの木は有名だったんだ。」
「そうだったんですね。」
「しかしシルが知らないのは意外だったな。」
「植物学は門外漢で薬草以外はあまり知らないんです。」
確かに薬草に関しては時々リーンと話すことがあったけど花とかは聞いたことがなかったな。目の前の桜(?)の木々はかなりの数花を咲かせており見るだけでも20分はかかりそうなほどだ。
「ここでお花見とかしたら楽ししそうだな。」
「お花見とは?」
「お花見っていうのはこの木を見ながらお菓子やおいしいものを食べたりお酒を飲んだりしてしゃべったりこの風景をみて楽しむ行事なんだ。」
「ピー⁉『お菓子!?』」
「きゅー⁉『おいしいもの⁉』」
うちの食いしん坊コンビマロとルーが変なところで反応しちまった。
「ピュー」
リーンが『もしよければわたくしたちもそのお花見を楽しんではみませんか?お酒はわかりませんがお菓子もおいしいものもすぐに準備できますよ。』と言いたげに腕を動かす。
「そうだな。せっかくだしここでお花見するか。それじゃあ準備するからミニスライムも出ておいで。」
準備となると人手が必要なためローブに吸収されてるミニスライムを呼び出す。ローブからどんどん飛び出てきて最後の1匹が出てくるとリーンが腕を動かして招集させる。
「えっとまずミニスライムたちは俺たちが座れるようにビニールシートを用意して。それからアクアはみんなが飲むジュースを準備。リーンは俺と一緒に料理。テイロは周りの敵に注意してくれ。シルは周りで困ってたりしたら手伝う、ルーも同様に頼む。ユールは...もう花見しているのか。マロは桜の花を食べなように。」
マロには念押ししておく。性格がまだまだ子供だからこういうところで釘を刺しておかないといけない。マロも気になってたようでギクッとして地面が少し濡れていた。汗のように出た溶解液か?
さっそくミニスライムは自身の溶解液を出してそれを加工して簡易的なレジャーシートが出来上がった。それを手分けして角を持ってぴんぴんに張る。そこにさらに机や椅子を置いていく。この子達の仕事ぶりは相変わらずすごい。
アクアはカバンの中から果物を取り出して溶解液で作ったガラス瓶の中に果汁100%ジュースを注いでいく。オレンジにリンゴに最近買ったブドウとたくさんの種類のジュースが出来上がる。またお茶も取り出していておそらくリーン用かな。リーンは紅茶とかが好きだからな。
テイロはぴょんぴょんと近くを跳ねて監視していて時折ミニスライムたちを手伝ってる。あ、机新調するんだ。テイロもきちんと仕事をしてるな。
シルたちも手伝ってるがあんまり出番はなさそうな気がするな。ルーももう桜の木を楽しんでるのか周りを飛んでて「ピー♪」と鳴いている。
ユールはしばらく鎮座するとまた別の桜の木の前に向かうとまた鎮座する。この繰り返しだ。
マロは俺の頭の上にいる。桜の花を食べないように監視しているんだが食べたいのか頭の上でずっとバイブレーションのように震えている。花見の時に少し食べさせてもいいか。
「それじゃあ料理作っていくか。」
「ピュー!」
花見だけど特にそれ用に新しい料理を作るかと言われるとそうではない。というより俺の技術と記憶では面白いものがつくれない。いつも通りパーティーで好まれる唐揚げを主におにぎり、イノシシの丸焼きに燻製を一度した肉を使ったステーキやハンバーグを作る。
作業量はかなり多いがリーンはかなりのスピードと高精度で仕上げるため俺としてはかなりありがたい。
~~~~~~~~~~~~~~~~~
「よし、これで完成だ!!」
「キュー!!」「ピュー」「きゅー」「ピー!」
最後の唐揚げが揚げ終わったところでちょうど準備が完了した。それぞれアクアが作ったジュースが入ったガラス瓶を手に取ってる。
「それじゃあ、乾杯!!」
俺はみんなとコップを当てて乾杯をする。ほかのみんなもかなりゆったりした感じでアクア特製ジュースをごくごく飲んでいく。マロも散っていく桜の花をパシンとキャッチして体に入れて楽しんでる。味はおいしいようで食べるたびにぴょんぴょん跳ねる。
ユールはいつの間にか受け取ってたアクアのジュース片手に桜の木をゆっくりと鑑賞している。その姿は本当に評論家みたいに見える。
ミニスライムたちも各々楽しんでいてだれが一番跳ねれるか勝負をしているようでぴょーんと1匹ずつジャンプしている。負けると悔しがったり勝ってぴょんぴょん跳ねたりしている。
アクアは宴会芸というか自身の体をツイストさせて回転しながら水を噴射するというよくわからない一発芸を披露してるがミニスライムたちには大人気なようだ。
「ピュー!!」
「キュー!」
一発芸で飛んだ水がリーンにかかってしまいリーンが怒りながらアクアを追いかけておりアクアは焦りながら急いで逃げている。相変わらずだな。
テイロは桜の木を一部伐採している。今度の家かなにか木製のものを作るときに使うのかな?
「なかなか楽しいですね。」
「そうだな。なんかこういうの初めてじゃないかな。」
「そうですね、強くならないといけませんがこうやって楽しんでいくのもいいですね。ルーもすごい楽しんでいるようですし。」
ルーはいまだに木の周りを飛んでいて時々ミニスライムも背中に乗せて空の旅をしてる。
「また桜の木を見つけた時にこうして花見をしたいな。」
シンジたちがつかの間の休息をとった一シーンであった。
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