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第10章 新たなる街への旅路編
第129話 村復興大作戦3
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防衛設備や柵をたてるために村の入り口に来た。もちろん材料がいるためカバンも持ってきている(リーンたちにはウルルガの糸を渡してある)。各地ではすでにミニスライムたちによる柵作りが行われていた。
「みんなありがとうな。」
懸命に働いてるミニスライムの仕事を見て感謝の言葉を言わずにはいられなかった。いったん木を体内に取り込むと柵に使えるような加工が施されていた。そして別のミニスライムがシーンからいつもいただいてる糸玉を紐状にして何本かの木をまとめて柵に仕立て上げた。
村の広さはそれなりにあるため時間がかかりそうだった。またミニスライムの数が少ないことから何匹かは材料調達に赴いてるのだろう。見事なチームワークで作業が進んでいる。
「それじゃあ俺たちは設備を作ろうか。」
「キュー」「きゅー」
一緒にいるテイロ、アクア、マロが腕を上げてやる気を見せる。
今回作るうえで大事なのは俺たち冒険者ではない一般人でも簡単かつ安全に使える、これが大事になってくると思う。と思うのだが、
「テイロのそのヘルメットはなんだ?」
『リーンさんに防衛設備作るって言ったら『あら、それじゃあ安全に気を付けないとね』とこれをくれたんっす。』と腕を揺らす。テイロについてるヘルメットは日本の工事現場によくある感じでなによりも触ってみると軽い、プラスチック製だった。
「どうやってプラスチックを作ったんだあいつは。」
テイロはぴょんぴょんとヘルメットを持って喜んで跳ねてる。やはりレジェンダリースライムに常識は通用しないのかな。
「しかしなんかいい案あるかな。」
俺は文系学生だっただけに工学とかに知識は全然深くない。あんまり想像できない。偏見になっちゃうけどこういうのってパソコンオタクとかの専売特許だよな。
「魔力をそんなに使用せずなおかつ火力はちゃんとあるもの。」
「きゅー♪」
悩む中マロが新たに魔石を渡してくる。以前マロの新能力が発覚してからというもの暇さえあれば常にマロは魔石を作ってる。余ってるしなんかに使えればいいかなと思うしダメとは言ってない。
「そうだ!!これを使えばいいか!!」
思いついた。できるかは正直テイロの技術力と材料に左右されるかもしれないが。
「テイロ、こんな感じなのが作りたいんだ。」
俺が考えたのはレーザー設備だ。魔石は魔力を流せば使用者にかかわらず一定の効果が出る。さらにマロにちょうどいい魔石を作ってもらえばそれにふさわしいものもできる。構造は某国民的ゲーム緑帽子を付けた主人公のシリーズに出てくる円柱の偶像を作りその中に魔石を埋め込むのはどうかと考えた。
「テイロできそうかな?」
テイロに相談すると『設計図的なのに写してくれれば可能な限り再現します』と自信満々に答えた。設計図かー、俺絵心があんまりないからな。どうしようか、
「そうだ、村長に頼んで絵をうまく書ける人に頼もうかな。最悪デザインが変わってもいいや。村の人達が使うものだし。」
善は急げ、と俺は駆け足で村長のもとに行った。(マロはシンジの髪をつかんでいたが下にいたアクアとテイロは突然の行動にぴょんぴょんと急いでシンジの後ろを追いかけた。)
~~~~~~~~~~~~~~~~~
村長のもとに着き俺の考えを一通り伝えた。村のために防衛設備や柵を取り付けること、そのために絵を上手く描ける人を探していることを。
「なるほどのー、少し待ってくれんか。」
「ん?」
「ちょっと短期間で規格外のことが起こりすぎて整理が追い付かないんじゃ。すべての家を改築し、村民ほぼ全員の衣類、しかも服だけでなく布団やタオルまで作っとる。そして次には魔物に襲われないために柵や防衛設備を作る。数日前なんかは考えられなかったことなんじゃ。」
村長はうーーんうーーんと5分間悩みながらもようやく考えがまとまったようで、
「やっと整理が追い付いたわい。絵が描ける村民を探してるんじゃな。今もまだ衣類を提供しているところでみな集まってるはずじゃからそこに向かうとしよう。」
「わかりました。」
村長とシルたちがいる場所へ向かう。まだまだ人は大勢いて近づくと振り向かれる。
「おお、あんたがシルさんのリーダーなんだってな。本当に助かったぜ。」
「ええ、最近は服がほとんどボロボロだったからこんなに綺麗な服がもらえて助かったわ。」
「家もさっき見たけどすげー変わってたな。むちゃくちゃ住みやすそうだったぞ。」
一斉に村民から感謝の言葉が飛んできた。正直俺自体はなにもしてないんだけどいいのかな。
「あ、シンジ様。お疲れ様です。」「ピュー」
「シルとリーン、お前たちの服すごい好評みたいだな。」
「いえ、これもシンジ様がウルルガを助けたからこその結果ですよ。」
いや、そんなたいそうなことしたつもりはないんだけど。
「皆の者!!シンジが村民の中で絵を上手に描ける者を探しておる。もし自信があるものがいれば率先して出てまいれ。」
村長さんが大声でそんなことを発した。すると多くの村民が詰めかけてきて「おれがやるぜ」「いや私がやるわ」
と自信に満ち溢れた村民が多かった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
近況ボードでも書きましたがついに悲願のお気に入り10000人越えしました。いつも楽しく読んでくださりありがとうございます。これからもよろしくお願いします。
「みんなありがとうな。」
懸命に働いてるミニスライムの仕事を見て感謝の言葉を言わずにはいられなかった。いったん木を体内に取り込むと柵に使えるような加工が施されていた。そして別のミニスライムがシーンからいつもいただいてる糸玉を紐状にして何本かの木をまとめて柵に仕立て上げた。
村の広さはそれなりにあるため時間がかかりそうだった。またミニスライムの数が少ないことから何匹かは材料調達に赴いてるのだろう。見事なチームワークで作業が進んでいる。
「それじゃあ俺たちは設備を作ろうか。」
「キュー」「きゅー」
一緒にいるテイロ、アクア、マロが腕を上げてやる気を見せる。
今回作るうえで大事なのは俺たち冒険者ではない一般人でも簡単かつ安全に使える、これが大事になってくると思う。と思うのだが、
「テイロのそのヘルメットはなんだ?」
『リーンさんに防衛設備作るって言ったら『あら、それじゃあ安全に気を付けないとね』とこれをくれたんっす。』と腕を揺らす。テイロについてるヘルメットは日本の工事現場によくある感じでなによりも触ってみると軽い、プラスチック製だった。
「どうやってプラスチックを作ったんだあいつは。」
テイロはぴょんぴょんとヘルメットを持って喜んで跳ねてる。やはりレジェンダリースライムに常識は通用しないのかな。
「しかしなんかいい案あるかな。」
俺は文系学生だっただけに工学とかに知識は全然深くない。あんまり想像できない。偏見になっちゃうけどこういうのってパソコンオタクとかの専売特許だよな。
「魔力をそんなに使用せずなおかつ火力はちゃんとあるもの。」
「きゅー♪」
悩む中マロが新たに魔石を渡してくる。以前マロの新能力が発覚してからというもの暇さえあれば常にマロは魔石を作ってる。余ってるしなんかに使えればいいかなと思うしダメとは言ってない。
「そうだ!!これを使えばいいか!!」
思いついた。できるかは正直テイロの技術力と材料に左右されるかもしれないが。
「テイロ、こんな感じなのが作りたいんだ。」
俺が考えたのはレーザー設備だ。魔石は魔力を流せば使用者にかかわらず一定の効果が出る。さらにマロにちょうどいい魔石を作ってもらえばそれにふさわしいものもできる。構造は某国民的ゲーム緑帽子を付けた主人公のシリーズに出てくる円柱の偶像を作りその中に魔石を埋め込むのはどうかと考えた。
「テイロできそうかな?」
テイロに相談すると『設計図的なのに写してくれれば可能な限り再現します』と自信満々に答えた。設計図かー、俺絵心があんまりないからな。どうしようか、
「そうだ、村長に頼んで絵をうまく書ける人に頼もうかな。最悪デザインが変わってもいいや。村の人達が使うものだし。」
善は急げ、と俺は駆け足で村長のもとに行った。(マロはシンジの髪をつかんでいたが下にいたアクアとテイロは突然の行動にぴょんぴょんと急いでシンジの後ろを追いかけた。)
~~~~~~~~~~~~~~~~~
村長のもとに着き俺の考えを一通り伝えた。村のために防衛設備や柵を取り付けること、そのために絵を上手く描ける人を探していることを。
「なるほどのー、少し待ってくれんか。」
「ん?」
「ちょっと短期間で規格外のことが起こりすぎて整理が追い付かないんじゃ。すべての家を改築し、村民ほぼ全員の衣類、しかも服だけでなく布団やタオルまで作っとる。そして次には魔物に襲われないために柵や防衛設備を作る。数日前なんかは考えられなかったことなんじゃ。」
村長はうーーんうーーんと5分間悩みながらもようやく考えがまとまったようで、
「やっと整理が追い付いたわい。絵が描ける村民を探してるんじゃな。今もまだ衣類を提供しているところでみな集まってるはずじゃからそこに向かうとしよう。」
「わかりました。」
村長とシルたちがいる場所へ向かう。まだまだ人は大勢いて近づくと振り向かれる。
「おお、あんたがシルさんのリーダーなんだってな。本当に助かったぜ。」
「ええ、最近は服がほとんどボロボロだったからこんなに綺麗な服がもらえて助かったわ。」
「家もさっき見たけどすげー変わってたな。むちゃくちゃ住みやすそうだったぞ。」
一斉に村民から感謝の言葉が飛んできた。正直俺自体はなにもしてないんだけどいいのかな。
「あ、シンジ様。お疲れ様です。」「ピュー」
「シルとリーン、お前たちの服すごい好評みたいだな。」
「いえ、これもシンジ様がウルルガを助けたからこその結果ですよ。」
いや、そんなたいそうなことしたつもりはないんだけど。
「皆の者!!シンジが村民の中で絵を上手に描ける者を探しておる。もし自信があるものがいれば率先して出てまいれ。」
村長さんが大声でそんなことを発した。すると多くの村民が詰めかけてきて「おれがやるぜ」「いや私がやるわ」
と自信に満ち溢れた村民が多かった。
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