スライムと異世界冒険〜追い出されたが実は強かった

Miiya

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第10章 新たなる街への旅路編

第127話 村復興大作戦1

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 「えっと、何をやればいいですかね。」

 「おお、やってくれると!!ありがたい。」

村長に言われたのは老朽化が進んで今にも倒壊するような家を改築してほしいとのこと。見てからじゃないと何とも言えないが。

 「テイロ、見る限りではどうだ?」

『そうですね、改築だけでならミニスライム6匹でも十分っすね。俺のところは自分だけでも大丈夫そうですしそんなに手間はかからなそうっす。』と自信満々に跳ねる。

 「OK、じゃ頼むよ。」

テイロは全ミニスライムを近くに召集すると腕を懸命に動かしている。今回の作業について伝えてるんだろう。そしてテイロが説明し終わるとミニスライムたちはいっせいにぴょんと跳ねると6匹編成で各地の家に向かった。

材料に関しては近くに森があるのでグループの1匹が採集に向かってるようで何匹かぴょんぴょんと村を出ていく姿が見える。

 「すまぬな、こんな厄介ごとを頼んでしまって。」

 「いいですよ。それに俺じゃなくてスライムたちがやるんですから。村民の方たちは大丈夫なんですか?」

 「それなら心配ない。お主らの家を見せたとたんに態度が急変しての、全員承諾してくれたよ。」

 「そうですか。」

~~~~~~~~~~~~~~~~

テイロやミニスライムたちが建築している間の風景。

 「おお、あんな小さなスライムがこんな仕事ができるなんてな。」

村の数少ない大工の人たちもミニスライムの仕事ぶりには目を見張るものがあると感心していた。特に大工たちも森のモンスターを倒すことができなかったため材料不足であったためミニスライムが平気で大木を何本も持ってくる様子には驚きしかなかった。

 「かわいい!!」

村の子供もミニスライムたちの建築している様子を見ていたがそのかわいらしい動きや姿に惹かれている子供たちが多くいた。中には触りに行く子供もいたがミニスライムたちはなるべく場所を離れて安全なところで触らせてあげてた。

 「ぷにぷにだーー!!」

ありがとうと子供がミニスライムたちに手を振りミニスライムはすぐさま家に戻り建築を続けた。

村には約15軒ほどの家があったが一軒あたり20~30分程度で終わるため日が暮れる前にはすでにすべての家の改築が完了していた。テイロによる最終診断を終え完全に改築は終了した。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 「わたくしはリーンさんと服を作ってあげたいと思います。」

 「ピュー―!!」

シルたちはどうやら村民たちの服を作ってあげたいらしい。衣類もかなりボロボロに見え男の人たちでは上半身裸の人も中にはいた。

 「そうだね、それじゃあよろしく頼むよ。」

シルはリーンを抱き上げて村長の家に入った。シーンからいつもいただいてる糸玉も大量に抱えながらだ。人も大勢いるからかなりの重労働になりそうだな。

 「俺たちはすこしぶらぶら村を歩いてなにかあるか見てみるか。」

 「キュー!」「きゅー!」

ルーは村の子供たちと遊んでいる。ルー自体も子供だからすんなりと打ち解けたようだ。ユールは森に入ってはずっと帰ってない。変なことはしないと思うしそのままにしている。残った俺、アクア、マロでこの村にほか何かあるか探しに行くことにした。

 「ここの井戸は大丈夫なのか?」

異世界ものの小説とか漫画を読んでるとよく井戸の問題がある気がする。水の第一人者のアクアもいることだし何があっても大丈夫だろう。

 「よいっしょっと。」

井戸から少し水をくみ上げてみる。見たところ綺麗とは言い難い水だ。アクアの出す水とは真逆のような水。においも少し悪いような。

 「キュー!!キュー!!」

アクアがとんでもなく驚いている。『何なのこの水!?汚すぎる。どうしたらこんなひどい水ができるの?』と言いたげに腕を揺らす。

 「そんなにひどいのか。何とかできる?」

アクアは一応できると跳ねるが井戸に降りる許可を得ないといけない。また村長のほうに行くか。

 「なんと、あの井戸の水は悪くなっとるのか!?治せるならやってほしい。」

一発OKだった。というわけで井戸の水が流れている場所に案内してもらった。

 「異臭!?」

近づくにつれ鼻が曲がりそうな強烈なにおいが漂ってきた。マロがすかさず結界魔法をかけてくれた。するとにおいを感じなくなった。結界にはこんなこともできるのか。

 「アクアどうにかできる?」

『任せなさい!!』と自信満々に腕をビシッと上げると流れのほうに近づく。何かきょろきょろと動いている中何かにきづくとちゃぽんと水の中に入った。

 「アクア!?」

心配になりアクアが着水した場所に駆け寄ると一本のアクアの腕が出てきた。そしてぽちょんとまた沈んだ。マロを抱きかかえてアクアが大丈夫かと心配しながら待つ。

 「キュー!!」

 「アクア!終わったのか!大丈夫だった?」

『なんか亀裂が入っててそこから腐った魔物のようなものが流れてて汚くなってた。だけどそこの亀裂をちょちょいと直してついでにあたりの水全部私の水に換えといたよ。』と腕を動かして達成感ある態度だった。

 「ありがとな。ご苦労様。」

アクアの頭部を撫でるとぴょんぴょんと跳ねて最後は体を張ってドヤ顔のような姿だった。

~~~~~~~~~~~~~~

 「村長さん!終わりましたよ。」

 「何なのじゃおぬしらは!!」

え!?どういうことだ?なんか悪いことしたかな。もしかしてミニスライムたちが!?いやでもへまするわけがなし
な。

 「物の数時間で村の家すべてを改築し、村民全員の衣類の問題をたやすく解決するとは。」

 「ああ、」

そういうことか。てっきり悪いことしたのかと焦っちゃったよ。

 「それでまさかとは思うが水の問題を解決してきたのか?」

 「ええ、うちのアクアがきれいに解決しましたよ。これからはきれいな水が入ってくると思いますよ。」

どうやらここの水は近くの川から流れているらしいがその途中で魔物の変な成分が入ってしまい粗悪内容水になってしまった。しかしアクアが直した今は安全な水が流れるはずだ。アクアも自信満々にその場でぴょんぴょんと跳ねる。
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