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第9章 温泉街リリーシア
第114話 シルの買い物1
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「いたいーーーーー!!」
ひどい筋肉痛に悩まされていた。ギルドから出た後温泉でゆっくりしてから寝たんだが次の日起きた瞬間体がまったく動かなかった。
「昨日の戦闘ですかね。」
「うう、温泉のときもそんなに気にならなかったから大丈夫だと思ってたのに。」
起きてから2時間がたっているがベッドの上に寝たきりだ。足はほとんど動かなくまだ動かせれる腕も動くたびに激痛が走る。
「リーンさんのポーションでもどうにもならないんですもんね。」
「ああ、腕が千切れてても再生するぐらいの効力があるのになぜかまったく効かない。」
今隣の机ではリーンが必死にポーション研究に没頭している。なんとか俺の筋肉痛に効くようなものを作ろうとしている。
「う、う、あ!」
俺の背中ではミニスライム達がリズミカルに跳ねている。マッサージ的な効果があると期待しているのだがただただ痛みが走るだけ。
「買い物は私の任せてひとまず安静にしていてくださいね。」
「うう、ありがとう。」
~~~~~~~~~~~
「弓を作ってもらえる工房に行こうか。」
「ピー♪」
私はシンジ様が動けないということで壊れてしまった弓に変わる新しい弓を作ってもらうつもり。お金に関しては問題ないらしいけどそんなに溜まってるのかしら?
「リーンさんにもらったこの袋にどれだけ入ってるのでしょうか。」
かなりの重みはあるけど枚数は少ない。少し不安になるけどあのリーンさんに限ってへんなことはないでしょう。
「ここかしら?」
しばらく歩いてると鍛冶屋のような場所に着いた。この街はあまり武器とか聞いたことないですがこの工房が待ち一番のところらしい。
「まいどありがとうございます。ワースルー工房へようこそ。」
「あの、欲しい武器があるのですが。」
「はいはい、どの武器ですかね?」
「弓なんですけど。」
「ほな、こっちのほうですね。ついてきてください。」
若い女性の店員さんに促されて弓のある場所に向かう。
「わあー、」
「ピイー」
私とルーは素直に驚く。多種多様な弓がそこには置いてあった。小さい子供用の物から長距離でも使えるような長い弓、さらにはボーガンもあった。
「どうですか、かなりのもんでしょう。うちは街一番の工房と知られてる以上これぐらいはありますよ。」
「はい、かなり驚いてます。正直弓はあまり優遇されて無い時代ですし。」
昔、魔法の発展が進んでいなかった頃は遠距離攻撃の花形として弓がかなり使われていたが今のような魔法がかなり発展した時代では瞬時に撃てる上に練習する必要の無い魔法のほうが遠距離の花形になってしまった。
「ああーそんなこともありましたね。今ではエルフぐらいしか使わないですもんね。」
エルフは伝統を重んじる種族で唯一弓を時代が変わっても使う種族だ。
「それでお客さんはどの種類の弓を使いますか?」
「普通のサイズの...ああ、大体これぐらいですね。」
私はちょうど前使っていた弓と似た形とサイズの弓を手に取り見せる。
「このタイプですね。ご予算によっては親方に作ってもらえますが今日はどのくらいもって来てますか?」
私はリーンさんから受け取った袋の中を見てみる。
「!?え、ええとちょっとこれ見てください。」
「?ええ!?これ50万ダリルぐらいありますね。でしたら親方を呼んできますので少しお待ちください。」
こんなに入ってたの!?この中で最も高い弓でも20万までだ。一体リーンさんはどのような弓をつくってもらうつもりだったのでしょうか?
「おう、お前が今回のクライアントか。で、50万あるとかいってるが本当なのか?」
「はい、一応ご確認してください。」
「ん?お前のその袋、もしかしてウルルガの糸を使ってるのか!?」
「はい。」
前にリーンさんが普通にウルルガの糸で服や袋を平気で作っているせいで私も感覚が少し狂ってたけどこれが普通の反応だ。
「そうか、もしその袋を使っていいなら使わせてくれ。もちろん代わりの袋は出す。」
「うーん、大丈夫です。」
少し悩んだけど、あれだけウルルガの糸があるし大丈夫だよね。
「了解、それじゃあ作るから少し待ってろ。」
親方さんは工房に戻っていった。その背中は本物の職人って感じだった。いつもならふらふらしているルーもその背中を見ている。
「ほな、まっとる間どうしましょうかね。」
「そうですね、矢筒見せてもらっていいですか?」
「はいはーい、こっちのほうですね。」
弓のコーナーの隣に矢筒が数種類置いてあった。皮製や竹、金属製のものまであった。
「これがいいです。」
「ええ、とこれはブラックアリゲーターの皮を使ったものですね。お客さんいい目してますね。この皮は軽いのに強度はかなりのものですからね。」
ブラックアリゲーターの素材はカバンや装備によく使われているが、加工技術はかなり難しい。ここの工房の技術はそれだけ高いと言うことがわかる。
「ほな、この矢筒もまとめときますね。親方が作り終わるまで待っててくださいね。」
ひどい筋肉痛に悩まされていた。ギルドから出た後温泉でゆっくりしてから寝たんだが次の日起きた瞬間体がまったく動かなかった。
「昨日の戦闘ですかね。」
「うう、温泉のときもそんなに気にならなかったから大丈夫だと思ってたのに。」
起きてから2時間がたっているがベッドの上に寝たきりだ。足はほとんど動かなくまだ動かせれる腕も動くたびに激痛が走る。
「リーンさんのポーションでもどうにもならないんですもんね。」
「ああ、腕が千切れてても再生するぐらいの効力があるのになぜかまったく効かない。」
今隣の机ではリーンが必死にポーション研究に没頭している。なんとか俺の筋肉痛に効くようなものを作ろうとしている。
「う、う、あ!」
俺の背中ではミニスライム達がリズミカルに跳ねている。マッサージ的な効果があると期待しているのだがただただ痛みが走るだけ。
「買い物は私の任せてひとまず安静にしていてくださいね。」
「うう、ありがとう。」
~~~~~~~~~~~
「弓を作ってもらえる工房に行こうか。」
「ピー♪」
私はシンジ様が動けないということで壊れてしまった弓に変わる新しい弓を作ってもらうつもり。お金に関しては問題ないらしいけどそんなに溜まってるのかしら?
「リーンさんにもらったこの袋にどれだけ入ってるのでしょうか。」
かなりの重みはあるけど枚数は少ない。少し不安になるけどあのリーンさんに限ってへんなことはないでしょう。
「ここかしら?」
しばらく歩いてると鍛冶屋のような場所に着いた。この街はあまり武器とか聞いたことないですがこの工房が待ち一番のところらしい。
「まいどありがとうございます。ワースルー工房へようこそ。」
「あの、欲しい武器があるのですが。」
「はいはい、どの武器ですかね?」
「弓なんですけど。」
「ほな、こっちのほうですね。ついてきてください。」
若い女性の店員さんに促されて弓のある場所に向かう。
「わあー、」
「ピイー」
私とルーは素直に驚く。多種多様な弓がそこには置いてあった。小さい子供用の物から長距離でも使えるような長い弓、さらにはボーガンもあった。
「どうですか、かなりのもんでしょう。うちは街一番の工房と知られてる以上これぐらいはありますよ。」
「はい、かなり驚いてます。正直弓はあまり優遇されて無い時代ですし。」
昔、魔法の発展が進んでいなかった頃は遠距離攻撃の花形として弓がかなり使われていたが今のような魔法がかなり発展した時代では瞬時に撃てる上に練習する必要の無い魔法のほうが遠距離の花形になってしまった。
「ああーそんなこともありましたね。今ではエルフぐらいしか使わないですもんね。」
エルフは伝統を重んじる種族で唯一弓を時代が変わっても使う種族だ。
「それでお客さんはどの種類の弓を使いますか?」
「普通のサイズの...ああ、大体これぐらいですね。」
私はちょうど前使っていた弓と似た形とサイズの弓を手に取り見せる。
「このタイプですね。ご予算によっては親方に作ってもらえますが今日はどのくらいもって来てますか?」
私はリーンさんから受け取った袋の中を見てみる。
「!?え、ええとちょっとこれ見てください。」
「?ええ!?これ50万ダリルぐらいありますね。でしたら親方を呼んできますので少しお待ちください。」
こんなに入ってたの!?この中で最も高い弓でも20万までだ。一体リーンさんはどのような弓をつくってもらうつもりだったのでしょうか?
「おう、お前が今回のクライアントか。で、50万あるとかいってるが本当なのか?」
「はい、一応ご確認してください。」
「ん?お前のその袋、もしかしてウルルガの糸を使ってるのか!?」
「はい。」
前にリーンさんが普通にウルルガの糸で服や袋を平気で作っているせいで私も感覚が少し狂ってたけどこれが普通の反応だ。
「そうか、もしその袋を使っていいなら使わせてくれ。もちろん代わりの袋は出す。」
「うーん、大丈夫です。」
少し悩んだけど、あれだけウルルガの糸があるし大丈夫だよね。
「了解、それじゃあ作るから少し待ってろ。」
親方さんは工房に戻っていった。その背中は本物の職人って感じだった。いつもならふらふらしているルーもその背中を見ている。
「ほな、まっとる間どうしましょうかね。」
「そうですね、矢筒見せてもらっていいですか?」
「はいはーい、こっちのほうですね。」
弓のコーナーの隣に矢筒が数種類置いてあった。皮製や竹、金属製のものまであった。
「これがいいです。」
「ええ、とこれはブラックアリゲーターの皮を使ったものですね。お客さんいい目してますね。この皮は軽いのに強度はかなりのものですからね。」
ブラックアリゲーターの素材はカバンや装備によく使われているが、加工技術はかなり難しい。ここの工房の技術はそれだけ高いと言うことがわかる。
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