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第9章 温泉街リリーシア
第111話 後処理
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「それであいつはどうなった!?」
「安心してください。これが奴の死体です。」
そう言ってフリース(死亡)を見せる。ヨーグさん達は人型の時しか見てなかったから今の姿に驚きを隠せてなかった。
「これが本来の姿。」
「よく勝てましたね。こんな化け物に。」
たしかに俺もよくわからない。アクアとシルが吹っ飛ばされてから急にカチンときたからか尽きかけてた魔力が再び湧いてきた。
「それよりもこれを見てなんだかわかりますか?」
俺はヨーグさんに黒い石を渡す。最初はただの石に見えただろうがヨーグさんは何かに気づいたようだ。
「この魔力は、ブートの魔力?」
「はい、でもこの魔石がなんなのかはわからないですが。」
「これはおそらく召喚の魔石だな。なんの魔物かわからないが。」
少なくともフリースではないことだけは確かだ。魔王幹部が召喚の魔石から出てくることは絶対にありえない。
「これ解体とかはしないほうがいいですよね。」
「んー、多分そのままが1番だろうけど腐ってしまうしな。」
「あー、それならミニスライム達に任せれば多分大丈夫だと思います。」
キエハナにいた頃地下室の毛皮や肉の管理を担当していたミニスライムたちは腐敗作用を抑えることができる。今回はその力を借りる。
「今は何も手を出さずにギルドマスターに任せるのが一番だな。俺の手には負えん。」
「そうですね。」
「だが、これは俺も見過ごせないな。」
ヨーグさんは召喚の魔石をじっと見つめてそうつぶやいた。目を覚まして逃げやがったブートたちをまずどうにかしないといけない。
「一旦これがあった場所まで見に行くか。わかるか?」
「ああ、それならアクアがわかります。アクア、案内してくれ。」
「キュー!」
『任せなさい!』と言いたげに腕をシュバッと上げると目的地に向かってぴょんぴょんと跳ね始めた。ヨーグさんたちは目覚めたばかりでまだふらふらしている。
「ピー!」
フリースがいなくなり戻って来た魔物たちを元気になったルーが風魔法で竜巻を起こしてどんどん蹴散らしていく。あらためてルーの潜在能力を思い知る。まだぜんぜん日がたってないにもかかわらずこの力だ。
「キュー」
「ここか。だけどみたところ何も無いですね。」
「そうだな、イース、わかるか?」
「そうっすね...見つかりました。4つはあります。」
「4つかかなりあるな。」
「なにがあるんですか?」
俺は何を言ってるのかがわからなくなりヨーグさんに質問した。
「イースは罠を見つけることが出来るんだ。召喚の魔石があるってことは罠もあるのが一般的だ。」
話によると罠を使って動けなくなったところに魔物を召喚して一気につぶすのがセオリーと言われている。
「すべてにブートの魔力が感じられます。」
「決まったな。おそらくシンジをはめるために使ったんだろう。ギルドマスターにこれを提出すればやつらはすぐにつかまるな。」
つかまる、俺は少しシャルケのことを思い出した。もちろんやつが悪かったのは火を見るより明らか。だが日本人の性格が少し残ってるのかその言葉に少し重みを感じる。
~~~~~~~~~~
「ああああーーーー!!」
街に戻りギルドに向かうためにマロに重力魔法をかけてもらい地面にある風魔法の魔方陣で上に上がった。初めての体験にヨーグさんたちはかなり驚きながら上に上がった。
「重力魔法ってあるんすね。」
「ああ、俺も本に載ってるだけの存在だと思ってた。ん?なにかギルドのほうが騒がしいな。」
ヨーグさんの言うとおりやけに騒がしい。しかし緊急クエストが完了したからというわけではなさそうだ。物々しさを感じる。
「あれ、ヨーグさん!?なんでいるんですか?」
「お前こそなんで俺がいないことが普通なんだ?」
ギルドに入ると中にいた一人の冒険者がヨーグさんにそんな奇妙なことを言い放った。
「緊急クエスト中に死んだってブートが言ってました。」
「ブート!?」
なんだって!?今回の元凶に近い存在がそんなことを言ってたのか!?
「とりあえず受け付けに話を通してギルドマスターに会いに行くぞ。」
「そうですね、」
全員がヨーグさんの意見に賛同するように頷く。
「今日はどうなされ...ヨーグさん!?生きてたんですか?」
「そのことについてギルドマスターに話がある。すぐに通してくれ。」
「わかりました、ついてきてください。」
急ぎ早に歩く受付さんの後をついて行く。俺たちを見て驚くやからが多い。相変わらずだなこの世界の噂の広がりようは。
「ギルドマスター、ヨーグさんたちを連れてきました。」
「そうか、ヨーグたちを連れて....ヨーグ!?」
「ギルドマスター、ブートたちについて話があります。」
「わかった、ブートたちを呼ぶ必要があるか?」
「いえ、ひとまず話をしてそのあと呼ぶか考えます。」
「そうか、わかった。とりあえずソファにかけろ。」
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『世界一の殺し屋が異世界に転生したら』を書き始めました。もしよろしければそちらもどうぞ。
「安心してください。これが奴の死体です。」
そう言ってフリース(死亡)を見せる。ヨーグさん達は人型の時しか見てなかったから今の姿に驚きを隠せてなかった。
「これが本来の姿。」
「よく勝てましたね。こんな化け物に。」
たしかに俺もよくわからない。アクアとシルが吹っ飛ばされてから急にカチンときたからか尽きかけてた魔力が再び湧いてきた。
「それよりもこれを見てなんだかわかりますか?」
俺はヨーグさんに黒い石を渡す。最初はただの石に見えただろうがヨーグさんは何かに気づいたようだ。
「この魔力は、ブートの魔力?」
「はい、でもこの魔石がなんなのかはわからないですが。」
「これはおそらく召喚の魔石だな。なんの魔物かわからないが。」
少なくともフリースではないことだけは確かだ。魔王幹部が召喚の魔石から出てくることは絶対にありえない。
「これ解体とかはしないほうがいいですよね。」
「んー、多分そのままが1番だろうけど腐ってしまうしな。」
「あー、それならミニスライム達に任せれば多分大丈夫だと思います。」
キエハナにいた頃地下室の毛皮や肉の管理を担当していたミニスライムたちは腐敗作用を抑えることができる。今回はその力を借りる。
「今は何も手を出さずにギルドマスターに任せるのが一番だな。俺の手には負えん。」
「そうですね。」
「だが、これは俺も見過ごせないな。」
ヨーグさんは召喚の魔石をじっと見つめてそうつぶやいた。目を覚まして逃げやがったブートたちをまずどうにかしないといけない。
「一旦これがあった場所まで見に行くか。わかるか?」
「ああ、それならアクアがわかります。アクア、案内してくれ。」
「キュー!」
『任せなさい!』と言いたげに腕をシュバッと上げると目的地に向かってぴょんぴょんと跳ね始めた。ヨーグさんたちは目覚めたばかりでまだふらふらしている。
「ピー!」
フリースがいなくなり戻って来た魔物たちを元気になったルーが風魔法で竜巻を起こしてどんどん蹴散らしていく。あらためてルーの潜在能力を思い知る。まだぜんぜん日がたってないにもかかわらずこの力だ。
「キュー」
「ここか。だけどみたところ何も無いですね。」
「そうだな、イース、わかるか?」
「そうっすね...見つかりました。4つはあります。」
「4つかかなりあるな。」
「なにがあるんですか?」
俺は何を言ってるのかがわからなくなりヨーグさんに質問した。
「イースは罠を見つけることが出来るんだ。召喚の魔石があるってことは罠もあるのが一般的だ。」
話によると罠を使って動けなくなったところに魔物を召喚して一気につぶすのがセオリーと言われている。
「すべてにブートの魔力が感じられます。」
「決まったな。おそらくシンジをはめるために使ったんだろう。ギルドマスターにこれを提出すればやつらはすぐにつかまるな。」
つかまる、俺は少しシャルケのことを思い出した。もちろんやつが悪かったのは火を見るより明らか。だが日本人の性格が少し残ってるのかその言葉に少し重みを感じる。
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「ああああーーーー!!」
街に戻りギルドに向かうためにマロに重力魔法をかけてもらい地面にある風魔法の魔方陣で上に上がった。初めての体験にヨーグさんたちはかなり驚きながら上に上がった。
「重力魔法ってあるんすね。」
「ああ、俺も本に載ってるだけの存在だと思ってた。ん?なにかギルドのほうが騒がしいな。」
ヨーグさんの言うとおりやけに騒がしい。しかし緊急クエストが完了したからというわけではなさそうだ。物々しさを感じる。
「あれ、ヨーグさん!?なんでいるんですか?」
「お前こそなんで俺がいないことが普通なんだ?」
ギルドに入ると中にいた一人の冒険者がヨーグさんにそんな奇妙なことを言い放った。
「緊急クエスト中に死んだってブートが言ってました。」
「ブート!?」
なんだって!?今回の元凶に近い存在がそんなことを言ってたのか!?
「とりあえず受け付けに話を通してギルドマスターに会いに行くぞ。」
「そうですね、」
全員がヨーグさんの意見に賛同するように頷く。
「今日はどうなされ...ヨーグさん!?生きてたんですか?」
「そのことについてギルドマスターに話がある。すぐに通してくれ。」
「わかりました、ついてきてください。」
急ぎ早に歩く受付さんの後をついて行く。俺たちを見て驚くやからが多い。相変わらずだなこの世界の噂の広がりようは。
「ギルドマスター、ヨーグさんたちを連れてきました。」
「そうか、ヨーグたちを連れて....ヨーグ!?」
「ギルドマスター、ブートたちについて話があります。」
「わかった、ブートたちを呼ぶ必要があるか?」
「いえ、ひとまず話をしてそのあと呼ぶか考えます。」
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