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第9章 温泉街リリーシア
第108話 激突
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「魔王幹部!?」
こんなところにいきなり魔王軍、しかも幹部クラスが来るなんて。
「ところで、ヒドラを知りませんかね?わたしが昨日放ったのですが見つからなくてですね。」
「それなら俺達が昨日倒した。」
「わお、なかなかやりますね。今代の勇者は歴代の中でも強いと見受けられますね。あのヒドラは子供であるがすこし手を加えさせてもらったんですがねー。」
あのヒドラはこいつの仕業か。モンスターは成体になった状態でランク指定される。つまり子供は弱いはず。だが昨日のヒドラはAと言われてもおかしくない強さだった。
「とりあえずこいつらはいらないかな?」
「……は!?こ、ここは!?」
「……ひ!?あーー!!!」
ブート達は突然顔を上げると叫び始め、フリースから逃げるようにその場を去った。
「くそ、こんなやつ知るか!!スライムテイマーお前のせいだぞ!!」
「は!?お前何言ってる…おい!!逃げるな!」
カチンとくる言葉にブート達に声をかけるもスタコラサッサと逃げて行ってしまった。
「ふざけるなよあいつら、」
「それよりシンジ、勇者ってどういうことだよ、」
「え!?あ、、、」
やばい、俺が召喚された勇者っていうのは知られてはならないことだ。
「寝ていろ、」
パシュン!
「う、、、、」
フリースが声を発した途端にヨーグさん達が倒れ始めた。見てみると寝息を立てている。
「どういうことだ。」
「そいつらに君が勇者と知られるとこちらも困るのでな。」
「困る?」
「もしそいつらから広まれば人間側はすぐに対策を立ててくる。それはこちらとしてもよろしくないのでね。」
そうか、まだ魔王側にはすでに対策されていることを知らないのか。ここはひとまず納得するふりをしておくか。
「それで、お前は何で来たんだ?」
「ああ、さっき言ってたヒドラの試運転のつもりで来たんですけどね、」
言う途中、手を動かしてコキコキと手を鳴らす。
「何をするつもりだ。」
「...少しあなたに興味がわいてきたんですよ。あの強化したヒドラ、魔王軍でも倒すのはかなり限られるあのヒドラを倒したあなたにね。」
そう言ったとたんフリースは魔力を溜め始めた。周りの景色がさらに暗くなる。
「化け物かよ。」
昨日のヒドラの魔力がかすむように見えるな。少し呼吸がしづらくなってきた。
ヒュン!
「くっ!」
「いい反応ですね。勇者は格闘関係は強くないというジンクスがあるんですがね。」
「俺も驚いた。まさか魔王軍のやつがこぶしをあてにきたなんてな。」
突然こぶしを振りぬいてきた。なんとか手に魔力をこめて受け止める。
「これなら少しは楽しめそうですね。」
「俺は楽しむつもりは無いけどな。」
森にはパシン!ペシン!と乾いた音が何度も何度も響き渡った。思ったよりもパンチが速い。隙もぜんぜん見つからない。これが魔王軍幹部の実力か。
「どうしたんですか、いなしたり避けてばかりではいつまでたっても私を倒せませんよ。」
「そうだな、よっと。」
フリースのパンチに合わせてフリースの右腕をとって逆さ押さえ込みでフリースの体勢をくずしてあごにトラースキック。
パシン!
「なかなかいい攻撃ですね。」
「今のパターンの攻撃を防ぐとは。」
フリースは虚を突かれた顔をしたがそれでも蹴りはなんとか受け止めてた。
「やはりあなたと戦ってるとおもしろいですね。見たこと無い動き、ぜひ捕まえて洗脳して知りたいですね。」
「あいにく、つかまる気はないんでね。」
口でそう言うが意外と厳しい。スピードを高めてもあまり効果が無い。なにかしらで意表をついて攻撃をいれないといけない。
「いくぞ、」
「どんどんあなたの戦いを見せてください。」
パシ、ペシン、ひゅんひゅん、
「いいですねー、おもしろいです、おもしろいです。」
「笑っていられるのか?」
なんとか隙を作るか弱点を見つけないと。
ばしん
「!?木!?」
「ここまでのようですね、はあ!!」
後ろに大木があった。そして、フリースはチャンスと見たのか大きくこぶしをあてにくる。
にやり、
「ほい、」
「ん?な、」
フリースの右腕をとり、場所を入れ替え、フリースの首を急いで腕で掴み、大木を蹴り上げそのまま回転してフリースの頭を地面に突き刺す。ロープ蹴り上げ式DDTのように攻撃した。
さすがのフリースも意表をつかれたようで首をおさえたまま座っている。
「...ふふふ、」
「なにがおかしい、」
「いえ、まさかこのような攻撃がきくとは。しかもしびれた感覚がするなんて。」
ざわざわざわ
とつぜん周りの空気が悪くなりさらに暗くなってきた。
「おもしろい、おもしろーーーーーい!!」
ブワーーーーー
「どこまでお前は強くなるんだ。」
「そういうあなたも何か隠してそうですけどね。」
俺とフリースはさらに魔力を高めてこの先の戦いのために体を強化した。
こんなところにいきなり魔王軍、しかも幹部クラスが来るなんて。
「ところで、ヒドラを知りませんかね?わたしが昨日放ったのですが見つからなくてですね。」
「それなら俺達が昨日倒した。」
「わお、なかなかやりますね。今代の勇者は歴代の中でも強いと見受けられますね。あのヒドラは子供であるがすこし手を加えさせてもらったんですがねー。」
あのヒドラはこいつの仕業か。モンスターは成体になった状態でランク指定される。つまり子供は弱いはず。だが昨日のヒドラはAと言われてもおかしくない強さだった。
「とりあえずこいつらはいらないかな?」
「……は!?こ、ここは!?」
「……ひ!?あーー!!!」
ブート達は突然顔を上げると叫び始め、フリースから逃げるようにその場を去った。
「くそ、こんなやつ知るか!!スライムテイマーお前のせいだぞ!!」
「は!?お前何言ってる…おい!!逃げるな!」
カチンとくる言葉にブート達に声をかけるもスタコラサッサと逃げて行ってしまった。
「ふざけるなよあいつら、」
「それよりシンジ、勇者ってどういうことだよ、」
「え!?あ、、、」
やばい、俺が召喚された勇者っていうのは知られてはならないことだ。
「寝ていろ、」
パシュン!
「う、、、、」
フリースが声を発した途端にヨーグさん達が倒れ始めた。見てみると寝息を立てている。
「どういうことだ。」
「そいつらに君が勇者と知られるとこちらも困るのでな。」
「困る?」
「もしそいつらから広まれば人間側はすぐに対策を立ててくる。それはこちらとしてもよろしくないのでね。」
そうか、まだ魔王側にはすでに対策されていることを知らないのか。ここはひとまず納得するふりをしておくか。
「それで、お前は何で来たんだ?」
「ああ、さっき言ってたヒドラの試運転のつもりで来たんですけどね、」
言う途中、手を動かしてコキコキと手を鳴らす。
「何をするつもりだ。」
「...少しあなたに興味がわいてきたんですよ。あの強化したヒドラ、魔王軍でも倒すのはかなり限られるあのヒドラを倒したあなたにね。」
そう言ったとたんフリースは魔力を溜め始めた。周りの景色がさらに暗くなる。
「化け物かよ。」
昨日のヒドラの魔力がかすむように見えるな。少し呼吸がしづらくなってきた。
ヒュン!
「くっ!」
「いい反応ですね。勇者は格闘関係は強くないというジンクスがあるんですがね。」
「俺も驚いた。まさか魔王軍のやつがこぶしをあてにきたなんてな。」
突然こぶしを振りぬいてきた。なんとか手に魔力をこめて受け止める。
「これなら少しは楽しめそうですね。」
「俺は楽しむつもりは無いけどな。」
森にはパシン!ペシン!と乾いた音が何度も何度も響き渡った。思ったよりもパンチが速い。隙もぜんぜん見つからない。これが魔王軍幹部の実力か。
「どうしたんですか、いなしたり避けてばかりではいつまでたっても私を倒せませんよ。」
「そうだな、よっと。」
フリースのパンチに合わせてフリースの右腕をとって逆さ押さえ込みでフリースの体勢をくずしてあごにトラースキック。
パシン!
「なかなかいい攻撃ですね。」
「今のパターンの攻撃を防ぐとは。」
フリースは虚を突かれた顔をしたがそれでも蹴りはなんとか受け止めてた。
「やはりあなたと戦ってるとおもしろいですね。見たこと無い動き、ぜひ捕まえて洗脳して知りたいですね。」
「あいにく、つかまる気はないんでね。」
口でそう言うが意外と厳しい。スピードを高めてもあまり効果が無い。なにかしらで意表をついて攻撃をいれないといけない。
「いくぞ、」
「どんどんあなたの戦いを見せてください。」
パシ、ペシン、ひゅんひゅん、
「いいですねー、おもしろいです、おもしろいです。」
「笑っていられるのか?」
なんとか隙を作るか弱点を見つけないと。
ばしん
「!?木!?」
「ここまでのようですね、はあ!!」
後ろに大木があった。そして、フリースはチャンスと見たのか大きくこぶしをあてにくる。
にやり、
「ほい、」
「ん?な、」
フリースの右腕をとり、場所を入れ替え、フリースの首を急いで腕で掴み、大木を蹴り上げそのまま回転してフリースの頭を地面に突き刺す。ロープ蹴り上げ式DDTのように攻撃した。
さすがのフリースも意表をつかれたようで首をおさえたまま座っている。
「...ふふふ、」
「なにがおかしい、」
「いえ、まさかこのような攻撃がきくとは。しかもしびれた感覚がするなんて。」
ざわざわざわ
とつぜん周りの空気が悪くなりさらに暗くなってきた。
「おもしろい、おもしろーーーーーい!!」
ブワーーーーー
「どこまでお前は強くなるんだ。」
「そういうあなたも何か隠してそうですけどね。」
俺とフリースはさらに魔力を高めてこの先の戦いのために体を強化した。
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