94 / 196
第8章 なびく銀色の風
第93話 シルとルーのコンビネーション
しおりを挟む
「おはようございます。」
「ん?ああ、おはよう。」
朝起きてスライムベッドから起き上がると、すでにシルは起きていたようで、お茶を持ってきてくれた。普通のお茶だ。
「あれ?ルーは?」
「ああ、まだ寝てます。すごい寝相で布団がすぐ飛んでったりして大変でしたよ。」
そう言ってため息をつくシル。だけど顔色は悪くない。というか出会った時のあの衰弱した時がとんでもなく顔色悪かった。
「あと1時間ぐらいしたら出発するから準備してね。」
「あ、わかりました。」
シルの出会いで多少の時間ロスが発生したがそれ以上の利益は見込めるだろう。シルはルーを起こしにベッドの方に向かった。
~~~~~~~~
「はははぁー、」
シルの目のハイライトが消えている気がする。目の前ではテイロ主導の下家の解体がされている。常日頃思うが職人レベルの出来だ。建築木材は綺麗に貼っついている部分だけを切り取っているから痛めてないし、力強いため運搬も問題ない。
ミニスライムたちもなかなかの技術を持っており、テイロが切っていく木材を綺麗にカバンに運んだり、石造りの浴槽も綺麗に解体する。体の中に取り込むこともできるためスムーズに進む。
「ピイー、」
「きゅー、」
ルーは特に何も思ってないようでマロと遊んでいる。マロが重力魔法で重くした後、頑張って飛ぶというよくわからない遊びをしている。
そんなこんなで家の作業が終わり、テイロが戻ってきて終わったことを伝えにきた。
「ありがとう。それじゃあ行こうか。おーいマロ!」
遊んでいるマロを呼ぶ。まだ地面の汚れを落とせないため頭の上が定位置だ。呼ばれると嬉しそうに跳ねて頭の上に乗っかる。
~~~~~~~~
歩いて30分後、特に何もなかった移動だったが前にサーペント系のモンスターが現れた。
「これはブラッドサーペントですね。確かDランクで噛みつきが特徴のモンスターですね。」
「なるほど、だったら遠距離がいいのか?」
「はい、ここは私が倒してみてもいいですか?この力を早くためしたいですし。」
「わかった。じゃあ外から見てるから頑張ってな。」
だけどシルはそこまで強くなってたかな?Dランクのステータスがわからないからなんとも言えないが。それに弓も今はないし。
「ルー、ちょっといい。」
「ピイー?」
シルはルーを呼ぶと小声で何かを説明し始める。しばらく話した後ルーは「ピイー♪」とわかったようでシルから離れるとブラッドサーペントの方に体を向ける。
「いくよ!ルー!」
「ピー!」
シルは風魔法で銀の風を出し1匹のブラッドサーペントに当てる。しかし、威力不足かブラッドサーペントはダメージを受けてもそこまでの様子。
「シャー!」
ブラッドサーペントはシルの方ににじり寄りシュバッとシルの方に跳んでいく。噛みつきだ。
「ピイー!」
だが跳んだ瞬間、ルーが横からブラッドサーペントに羽で攻撃した。ブラッドサーペントはかなり遠くに吹っ飛びKOされた。
「やった、やったよルー。」
「ピイー♪」
シルとルーは抱き合って嬉しさを分かち合ってるが後ろから仲間と思われるブラッドサーペントが飛びかかってきた。
「『バーストフレイムショット』」
俺はブラッドサーペントの頭部めがけて火魔法を撃ち1発で倒す。
「油断しちゃダメだろ。」
「すいません。ちょっと嬉しくて、つい。」
注意するべきなのだろうけど、シルはゴブリンしかまともに戦えなかったって言ってたし嬉しくなるのもわかる。不問にしようかな。
「それにしてもルーはまだ生まれたばかり?かわからないけどまだレベル1なんだよな。」
「はい、でもルーは神鳥種なので元からステータスはとても高いんです。多分Bランクぐらいあるんじゃないですかね。」
「ピイー!」
ルーも『強いの!』と言うように胸を張る。
「そうか、それじゃあ解体して進もうか。」
「ここで解体するんですか?サーペント種の解体はなかなか難しいはずでは?」
「解体はアクアの十八番だからな。アクア!ブラッドサーペントの解体頼んでいい?」
『任せて』と腕をあげると体を伸ばしてブラッドサーペントを丸々飲み込む。しばらくした後ポンと体から肉と魔石と皮が吐き出された。
「すごい!!しかもこんな完璧に、しかも血抜きにいたっては臭いが全くしない。」
そんな褒め言葉に『これが私の実力よ!』と誇示するようにぴょんぴょんと上下に跳ねる。
~~~~~~~~
その後もシルとルーの巧みなコンビネーションによって数多くのモンスターが倒されていった。ルーが飛んで上に注意をそらしたところをシルが風魔法でとどめを刺したりといろんなコンビネーションも見ることができた。
「……」
「?どうかした?シル。」
シルが手のひらを見て何かを考えている。
「なんかやけに力が入ると言いますか、魔法の威力も高くなってる気がするので。ちょっとステータス見ますね。」
シルはそう言ってステータス画面を写す。
名前:シル
種族:天使
年齢:15
レベル:26
HP642/642
MP821/852
職業:無し
魔法:風魔法12、光魔法8、
スキル:天使の加護、従魔間念話
称号:シンジの従魔
召喚使徒:ルー(神鳥種)
「むちゃくちゃ強くなってないですか!?」
あー、この反応なんか懐かしいな。俺も最初はそんな感じだったなー。
「ああ、これは俺のスキルの『成長』で確か5倍経験値が入るんだ。」
「5倍ーー!?!?!?」
森にシルの叫びが響き渡った。
「ん?ああ、おはよう。」
朝起きてスライムベッドから起き上がると、すでにシルは起きていたようで、お茶を持ってきてくれた。普通のお茶だ。
「あれ?ルーは?」
「ああ、まだ寝てます。すごい寝相で布団がすぐ飛んでったりして大変でしたよ。」
そう言ってため息をつくシル。だけど顔色は悪くない。というか出会った時のあの衰弱した時がとんでもなく顔色悪かった。
「あと1時間ぐらいしたら出発するから準備してね。」
「あ、わかりました。」
シルの出会いで多少の時間ロスが発生したがそれ以上の利益は見込めるだろう。シルはルーを起こしにベッドの方に向かった。
~~~~~~~~
「はははぁー、」
シルの目のハイライトが消えている気がする。目の前ではテイロ主導の下家の解体がされている。常日頃思うが職人レベルの出来だ。建築木材は綺麗に貼っついている部分だけを切り取っているから痛めてないし、力強いため運搬も問題ない。
ミニスライムたちもなかなかの技術を持っており、テイロが切っていく木材を綺麗にカバンに運んだり、石造りの浴槽も綺麗に解体する。体の中に取り込むこともできるためスムーズに進む。
「ピイー、」
「きゅー、」
ルーは特に何も思ってないようでマロと遊んでいる。マロが重力魔法で重くした後、頑張って飛ぶというよくわからない遊びをしている。
そんなこんなで家の作業が終わり、テイロが戻ってきて終わったことを伝えにきた。
「ありがとう。それじゃあ行こうか。おーいマロ!」
遊んでいるマロを呼ぶ。まだ地面の汚れを落とせないため頭の上が定位置だ。呼ばれると嬉しそうに跳ねて頭の上に乗っかる。
~~~~~~~~
歩いて30分後、特に何もなかった移動だったが前にサーペント系のモンスターが現れた。
「これはブラッドサーペントですね。確かDランクで噛みつきが特徴のモンスターですね。」
「なるほど、だったら遠距離がいいのか?」
「はい、ここは私が倒してみてもいいですか?この力を早くためしたいですし。」
「わかった。じゃあ外から見てるから頑張ってな。」
だけどシルはそこまで強くなってたかな?Dランクのステータスがわからないからなんとも言えないが。それに弓も今はないし。
「ルー、ちょっといい。」
「ピイー?」
シルはルーを呼ぶと小声で何かを説明し始める。しばらく話した後ルーは「ピイー♪」とわかったようでシルから離れるとブラッドサーペントの方に体を向ける。
「いくよ!ルー!」
「ピー!」
シルは風魔法で銀の風を出し1匹のブラッドサーペントに当てる。しかし、威力不足かブラッドサーペントはダメージを受けてもそこまでの様子。
「シャー!」
ブラッドサーペントはシルの方ににじり寄りシュバッとシルの方に跳んでいく。噛みつきだ。
「ピイー!」
だが跳んだ瞬間、ルーが横からブラッドサーペントに羽で攻撃した。ブラッドサーペントはかなり遠くに吹っ飛びKOされた。
「やった、やったよルー。」
「ピイー♪」
シルとルーは抱き合って嬉しさを分かち合ってるが後ろから仲間と思われるブラッドサーペントが飛びかかってきた。
「『バーストフレイムショット』」
俺はブラッドサーペントの頭部めがけて火魔法を撃ち1発で倒す。
「油断しちゃダメだろ。」
「すいません。ちょっと嬉しくて、つい。」
注意するべきなのだろうけど、シルはゴブリンしかまともに戦えなかったって言ってたし嬉しくなるのもわかる。不問にしようかな。
「それにしてもルーはまだ生まれたばかり?かわからないけどまだレベル1なんだよな。」
「はい、でもルーは神鳥種なので元からステータスはとても高いんです。多分Bランクぐらいあるんじゃないですかね。」
「ピイー!」
ルーも『強いの!』と言うように胸を張る。
「そうか、それじゃあ解体して進もうか。」
「ここで解体するんですか?サーペント種の解体はなかなか難しいはずでは?」
「解体はアクアの十八番だからな。アクア!ブラッドサーペントの解体頼んでいい?」
『任せて』と腕をあげると体を伸ばしてブラッドサーペントを丸々飲み込む。しばらくした後ポンと体から肉と魔石と皮が吐き出された。
「すごい!!しかもこんな完璧に、しかも血抜きにいたっては臭いが全くしない。」
そんな褒め言葉に『これが私の実力よ!』と誇示するようにぴょんぴょんと上下に跳ねる。
~~~~~~~~
その後もシルとルーの巧みなコンビネーションによって数多くのモンスターが倒されていった。ルーが飛んで上に注意をそらしたところをシルが風魔法でとどめを刺したりといろんなコンビネーションも見ることができた。
「……」
「?どうかした?シル。」
シルが手のひらを見て何かを考えている。
「なんかやけに力が入ると言いますか、魔法の威力も高くなってる気がするので。ちょっとステータス見ますね。」
シルはそう言ってステータス画面を写す。
名前:シル
種族:天使
年齢:15
レベル:26
HP642/642
MP821/852
職業:無し
魔法:風魔法12、光魔法8、
スキル:天使の加護、従魔間念話
称号:シンジの従魔
召喚使徒:ルー(神鳥種)
「むちゃくちゃ強くなってないですか!?」
あー、この反応なんか懐かしいな。俺も最初はそんな感じだったなー。
「ああ、これは俺のスキルの『成長』で確か5倍経験値が入るんだ。」
「5倍ーー!?!?!?」
森にシルの叫びが響き渡った。
74
お気に入りに追加
11,481
あなたにおすすめの小説

少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる
十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。
スキル盗んで何が悪い!
大都督
ファンタジー
"スキル"それは誰もが欲しがる物
"スキル"それは人が持つには限られた能力
"スキル"それは一人の青年の運命を変えた力
いつのも日常生活をおくる彼、大空三成(オオゾラミツナリ)彼は毎日仕事をし、終われば帰ってゲームをして遊ぶ。そんな毎日を繰り返していた。
本人はこれからも続く生活だと思っていた。
そう、あのゲームを起動させるまでは……
大人気商品ワールドランド、略してWL。
ゲームを始めると指先一つリアルに再現、ゲーマーである主人公は感激と喜び物語を勧めていく。
しかし、突然目の前に現れた女の子に思わぬ言葉を聞かさせる……
女の子の正体は!? このゲームの目的は!?
これからどうするの主人公!
【スキル盗んで何が悪い!】始まります!

【完結】神スキル拡大解釈で底辺パーティから成り上がります!
まにゅまにゅ
ファンタジー
平均レベルの低い底辺パーティ『龍炎光牙《りゅうえんこうが》』はオーク一匹倒すのにも命懸けで注目もされていないどこにでもでもいる冒険者たちのチームだった。
そんなある日ようやく資金も貯まり、神殿でお金を払って恩恵《ギフト》を授かるとその恩恵《ギフト》スキルは『拡大解釈』というもの。
その効果は魔法やスキルの内容を拡大解釈し、別の効果を引き起こせる、という神スキルだった。その拡大解釈により色んなものを回復《ヒール》で治したり強化《ブースト》で獲得経験値を増やしたりととんでもない効果を発揮する!
底辺パーティ『龍炎光牙』の大躍進が始まる!
第16回ファンタジー大賞奨励賞受賞作です。
異世界転生~チート魔法でスローライフ
玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。
43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。
その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」
大型連休を利用して、
穴場スポットへやってきた!
テントを建て、BBQコンロに
テーブル等用意して……。
近くの川まで散歩しに来たら、
何やら動物か?の気配が……
木の影からこっそり覗くとそこには……
キラキラと光注ぐように発光した
「え!オオカミ!」
3メートルはありそうな巨大なオオカミが!!
急いでテントまで戻ってくると
「え!ここどこだ??」
都会の生活に疲れた主人公が、
異世界へ転生して 冒険者になって
魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。
恋愛は多分ありません。
基本スローライフを目指してます(笑)
※挿絵有りますが、自作です。
無断転載はしてません。
イラストは、あくまで私のイメージです
※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが
少し趣向を変えて、
若干ですが恋愛有りになります。
※カクヨム、なろうでも公開しています

巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する
高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。
手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。

クラス召喚に巻き込まれてしまいました…… ~隣のクラスがクラス召喚されたけど俺は別のクラスなのでお呼びじゃないみたいです~
はなとすず
ファンタジー
俺は佐藤 響(さとう ひびき)だ。今年、高校一年になって高校生活を楽しんでいる。
俺が通う高校はクラスが4クラスある。俺はその中で2組だ。高校には仲のいい友達もいないしもしかしたらこのままボッチかもしれない……コミュニケーション能力ゼロだからな。
ある日の昼休み……高校で事は起こった。
俺はたまたま、隣のクラス…1組に行くと突然教室の床に白く光る模様が現れ、その場にいた1組の生徒とたまたま教室にいた俺は異世界に召喚されてしまった。
しかも、召喚した人のは1組だけで違うクラスの俺はお呼びじゃないらしい。だから俺は、一人で異世界を旅することにした。
……この物語は一人旅を楽しむ俺の物語……のはずなんだけどなぁ……色々、トラブルに巻き込まれながら俺は異世界生活を謳歌します!
誰一人帰らない『奈落』に落とされたおっさん、うっかり暗号を解読したら、未知の遺物の使い手になりました!
ミポリオン
ファンタジー
旧題:巻き込まれ召喚されたおっさん、無能で誰一人帰らない場所に追放されるも、超古代文明の暗号を解いて力を手にいれ、楽しく生きていく
高校生達が勇者として召喚される中、1人のただのサラリーマンのおっさんである福菅健吾が巻き込まれて異世界に召喚された。
高校生達は強力なステータスとスキルを獲得したが、おっさんは一般人未満のステータスしかない上に、異世界人の誰もが持っている言語理解しかなかったため、転移装置で誰一人帰ってこない『奈落』に追放されてしまう。
しかし、そこに刻まれた見たこともない文字を、健吾には全て理解する事ができ、強大な超古代文明のアイテムを手に入れる。
召喚者達は気づかなかった。健吾以外の高校生達の通常スキル欄に言語スキルがあり、健吾だけは固有スキルの欄に言語スキルがあった事を。そしてそのスキルが恐るべき力を秘めていることを。
※カクヨムでも連載しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる