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第8章 なびく銀色の風
第87話 この少女は...
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「ギャア、ギャア、」
「またゴブリンの群れか。あっちにはコボルトの集団もいるじゃないか。」
おかしい、この2日間はリリアさんに聞いてた通りの出現数だった。だけど今日は急激に増えた。しかも雑魚モンスターと呼ばれるようなモンスターばかりだ。
逆にハードサーペントなどのゴブリンたちを食らうようなモンスターが極端に減った。一番強くてもオークぐらいだ。やっぱミニスライム達の探索のせいかな?
「でも表情がおかしいんだよな。」
まるでなにかに襲われて逃げてきたような感じなんだよな。でもこのまま進むだけかな。
「きゅー、」
「あ、マロ起きた?結構寝たね。」
「きゅー、....zzz」
また寝始めちゃった。なんだろう、成長期なのかな?また食べる量増えてきたしな。あまりの肉がなくなるから助かるっちゃ助かるけど。ん?道が二股に分かれてる。
「アクア、どっちに進めばいい?」
「キュー!」
アクアが腕を右に伸ばしたので右に進む。アクアの探知スキルは100%、まず間違いない。ダンジョンは行き止まりがあるけどこういう森は行き止まりがないから確実性が無いと怖い。アクアは本当に助かる。
~~~~~~~~~
「今度はついにモンスターすら見なくなった。」
あれから1時間歩いたが、さっきまで5分に一回は来た大軍がこの1時間ゴブリン3体しか出てこなかった。明らかに異常事態だ。なにか生態系を狂わしたモンスターがいるのか?
「きゅ?」
いや、ミニスライム達ではないな。前に探索の仕方を聞いたら、家を中心に円形に探索しているらしい。直線状には決してやらないらしい。でも彼らの収納能力の限界を知らないから入るならどこまでも行きそうな気がする。
「ガアーーーー!」
「なんだ!今の鳴き声は?」
突然前から大きな鳴き声、熊っぽい鳴き声が聞こえた。こいつがこの現象の原因か?
「きゅー!!」
マロが起きると突然鳴き出した。だけど前みたいに飛び出すことなく頭の上で小さな腕を伸ばしてあせり具合を示している。これも成長した証の一つかな。
「こっちか、みんな急ぐよ。」
マロが指した方向に走って向かう。マロが教えるってことは誰かしら危険な目にあっているってことだ。以前の勇者のときもそうだった。特にやさしいスライムなんだ。
~~~~~~~~~
「ガアーーー!!」
あの姿はグリズリー?いや、でもあの目の傷は何だ?しかも意外とでかい。高さはあんまり変わらないけど、なんか横にもでかい。サモアン系というか、なんというか。
「マロ、あれか?お前が追いかけていたのは?」
「きゅー!」
そうだと言わんばかりに腕をあげる。もしかしたらあいつがここら一帯のモンスターを追い出したのか。しかし、
「移動方法が野生すぎる。」
木々をどんどん折って進んでいってる。何を目指しているのかわからないがとにかく怒っているようだ。返り血がついてるあたり、何かに攻撃されたから怒っているのかな。
「追いかけるよ。」
そのまま俺たちも追いかける。相手は何かに夢中だからか全く気づかれてない。
「グル、」
止まった?何かについに追いついたのか?とにかくマロが止めたいと言ってるんだ。
「はあーー!」
やつから4メートルぐらいまで隠れながら移動した後、飛び出して顎元に蹴りを入れる。当然気づいてなかったから綺麗に吹っ飛ぶ。
「きゅー!!」
「ん、マロ何か見つけ…!?」
マロの鳴き声がする方向に行くと、そこには女性が倒れていた。
「………綺麗な銀髪だ。」
彼女の容姿は、150センチぐらいで可愛らしいというのが一番合う。ただなにより彼女の髪色、とんでもなく綺麗な銀色だ。
「……マロが助けたかったのはこの子か?」
「きゅー♪、きゅー……」
「大丈夫だ。とりあえず、この子についてる血を拭かないとな。リーン、タオルに洗浄の溶解液をつけてくれ。」
リーンに頼んでタオルを出してもらい、そこに汚れをとる用の溶解液をつけてもらった。返り血の付いているところを拭いていく。幸い女性にとって大事な部分にはついてなかった。
「よし、これで汚れは無くなったな。今は意識を失ってるのか?アクアはわかる?」
アクアにこの子の状況を聞いてみると『うーーん、なんか弱々しい、あ衰弱!そう衰弱状態になってる。多分ご飯とか睡眠とか取れてないのかな?』と返事が返ってきた。
「そうか。テイロ、今すぐに家を建てれるか?」
テイロは嫌な顔せず、カバンから建築用の木材を取り出し、ミニスライムをほとんど総動員して家を建ててくれてる。
「ピューー!!」
「ん?どうしたリーン?え?嘘でしょ!?」
リーンの腕の動きは『この子をテイムしてください!』だった。
「人間にテイムはできないでしょ?え、この子ならできる!?じゃあ、試すだけ試すよ。」
「テイム!」
パーーーン、
「え!?え!?ちょ嘘でしょ!?」
彼女は光に包まれ始めた。正確に言えば彼女自身が光り出している。これって、テイムが成功してるってことだよな?
「リーンはできるって知ってたの?」
『はい、この子は人間ではないと思いました。』だと。俺にはわからん。
「またゴブリンの群れか。あっちにはコボルトの集団もいるじゃないか。」
おかしい、この2日間はリリアさんに聞いてた通りの出現数だった。だけど今日は急激に増えた。しかも雑魚モンスターと呼ばれるようなモンスターばかりだ。
逆にハードサーペントなどのゴブリンたちを食らうようなモンスターが極端に減った。一番強くてもオークぐらいだ。やっぱミニスライム達の探索のせいかな?
「でも表情がおかしいんだよな。」
まるでなにかに襲われて逃げてきたような感じなんだよな。でもこのまま進むだけかな。
「きゅー、」
「あ、マロ起きた?結構寝たね。」
「きゅー、....zzz」
また寝始めちゃった。なんだろう、成長期なのかな?また食べる量増えてきたしな。あまりの肉がなくなるから助かるっちゃ助かるけど。ん?道が二股に分かれてる。
「アクア、どっちに進めばいい?」
「キュー!」
アクアが腕を右に伸ばしたので右に進む。アクアの探知スキルは100%、まず間違いない。ダンジョンは行き止まりがあるけどこういう森は行き止まりがないから確実性が無いと怖い。アクアは本当に助かる。
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「今度はついにモンスターすら見なくなった。」
あれから1時間歩いたが、さっきまで5分に一回は来た大軍がこの1時間ゴブリン3体しか出てこなかった。明らかに異常事態だ。なにか生態系を狂わしたモンスターがいるのか?
「きゅ?」
いや、ミニスライム達ではないな。前に探索の仕方を聞いたら、家を中心に円形に探索しているらしい。直線状には決してやらないらしい。でも彼らの収納能力の限界を知らないから入るならどこまでも行きそうな気がする。
「ガアーーーー!」
「なんだ!今の鳴き声は?」
突然前から大きな鳴き声、熊っぽい鳴き声が聞こえた。こいつがこの現象の原因か?
「きゅー!!」
マロが起きると突然鳴き出した。だけど前みたいに飛び出すことなく頭の上で小さな腕を伸ばしてあせり具合を示している。これも成長した証の一つかな。
「こっちか、みんな急ぐよ。」
マロが指した方向に走って向かう。マロが教えるってことは誰かしら危険な目にあっているってことだ。以前の勇者のときもそうだった。特にやさしいスライムなんだ。
~~~~~~~~~
「ガアーーー!!」
あの姿はグリズリー?いや、でもあの目の傷は何だ?しかも意外とでかい。高さはあんまり変わらないけど、なんか横にもでかい。サモアン系というか、なんというか。
「マロ、あれか?お前が追いかけていたのは?」
「きゅー!」
そうだと言わんばかりに腕をあげる。もしかしたらあいつがここら一帯のモンスターを追い出したのか。しかし、
「移動方法が野生すぎる。」
木々をどんどん折って進んでいってる。何を目指しているのかわからないがとにかく怒っているようだ。返り血がついてるあたり、何かに攻撃されたから怒っているのかな。
「追いかけるよ。」
そのまま俺たちも追いかける。相手は何かに夢中だからか全く気づかれてない。
「グル、」
止まった?何かについに追いついたのか?とにかくマロが止めたいと言ってるんだ。
「はあーー!」
やつから4メートルぐらいまで隠れながら移動した後、飛び出して顎元に蹴りを入れる。当然気づいてなかったから綺麗に吹っ飛ぶ。
「きゅー!!」
「ん、マロ何か見つけ…!?」
マロの鳴き声がする方向に行くと、そこには女性が倒れていた。
「………綺麗な銀髪だ。」
彼女の容姿は、150センチぐらいで可愛らしいというのが一番合う。ただなにより彼女の髪色、とんでもなく綺麗な銀色だ。
「……マロが助けたかったのはこの子か?」
「きゅー♪、きゅー……」
「大丈夫だ。とりあえず、この子についてる血を拭かないとな。リーン、タオルに洗浄の溶解液をつけてくれ。」
リーンに頼んでタオルを出してもらい、そこに汚れをとる用の溶解液をつけてもらった。返り血の付いているところを拭いていく。幸い女性にとって大事な部分にはついてなかった。
「よし、これで汚れは無くなったな。今は意識を失ってるのか?アクアはわかる?」
アクアにこの子の状況を聞いてみると『うーーん、なんか弱々しい、あ衰弱!そう衰弱状態になってる。多分ご飯とか睡眠とか取れてないのかな?』と返事が返ってきた。
「そうか。テイロ、今すぐに家を建てれるか?」
テイロは嫌な顔せず、カバンから建築用の木材を取り出し、ミニスライムをほとんど総動員して家を建ててくれてる。
「ピューー!!」
「ん?どうしたリーン?え?嘘でしょ!?」
リーンの腕の動きは『この子をテイムしてください!』だった。
「人間にテイムはできないでしょ?え、この子ならできる!?じゃあ、試すだけ試すよ。」
「テイム!」
パーーーン、
「え!?え!?ちょ嘘でしょ!?」
彼女は光に包まれ始めた。正確に言えば彼女自身が光り出している。これって、テイムが成功してるってことだよな?
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