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第7章 王と再会編
第77話 やるわけないだろ
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ステーキ肉を切り分けてると、後ろのほうからとんでもない視線を感じる。振り返るとすでに食べ終わったであろう兵士達が俺達の調理をじっともの欲しそうに見ていた。そんなにおいが出ないようにしたつもりだったけど。
「なんですか?俺たちの食事に興味があるんですか?」
理由はある程度わかるが、一応聞いてみる。これ以上じっと見られと作業効率が悪くなるからな。
「い、いや別に。」
一人の兵士が下手な口笛を吹きながらそう答える。まあ、食べたいんだろうけどさっきあんなこと言った手前、正面から聞くことは出来ないよな。そう考えながら切り分けてると別の兵士が来た。
「その飯少し譲ってくれたら、代わりにお前の分の夜の見張りをするから頼む!!」
ほう、そう来たか。ちゃんとお返しをしないといけないと思ったのかな。
「悪いけど、お前らに言われたとおり俺たちの分しか用意してないからな。残念だが、残りはない。それに見張りの必要もない。うちのマロが結界魔法があるから遠慮しとく。」
「う、あ、ああ。」
兵士は面食らったような表情をしながら持ち場に戻った。俺はわざわざ人に食事は出さない。ちゃんと対価、もしくは信頼があれば出すが、こいつらなんかに出す飯はない。
「お、テイロたち戻って来たか!!」
盛り付けを終えると同時に、テイロ率いる探索隊が戻って来た。テイロの体が少し大きくなってるあたり、収穫物が沢山あったようだ。そして近づくとテイロは自身の体からさまざまな収穫物を出していく。その中にはでかい鶏や見たことない鉱石、果実、薬草を吐き出した。同行していたミニスライムの体からも沢山出てくる。
それを見たリーンは、自身の溶解液で作ったと思われるシートを出して種類ごとに分け始めた。仕分けが終わると、リーンは他のスライム達にお小遣いとして薬草や肉、果実を渡し始めた。そんな仲間思いの様子を見てほっこりしながら見守る。他のやつらもこの精神を大事にして欲しいもんだが。
「それじゃ、いただきまーす。」
「キュー」「ピュー」「きゅー」
音頭をとると、他のスライム達も一斉に腕を揺らし、そして食事を食べ始めた。好き嫌いが無いから食事が制限されても困らないから本当に助かるな。
「うん!なかなかイケるな。」
今日はイノシシ肉を使ったステーキだが、なかなか美味い。イノシシの油がそれ自体にも少し味が付いていて、簡単な調味料でもなかなか美味くなっている。
ジーーーーーー
兵士がついに全員俺たちの食事を眺め始めやがった。お前らにはプライドのかけらもないのか。マロも流石に怖いのかプルプル震えている。
「おい、いい加減にしてくれ。あんまり見られるとこっちも美味しく飯を食べれない。現にこいつは怖がってるじゃないか。」
そう言ってマロを抱き上げたまま撫でる。いつもであれは嬉しそうにプルプル震えながら腕を揺らすが、今は恐怖が少し薄れたぐらいで、あまり嬉しそうではない。
「え、ああすまない。ただ1つ聞かせてくれ。その肉は何を使ってる?」
「は?んーと、バレットボウだったかな。」
確かあの弾丸みたいに突進してくるイノシシだよな。初めて食ったし多分そうだろう。
「「「バレットボウ!?」」」
「ほら教えたでしょ?再度食べるから別の場所に行っててくれ。」
しっしっと手を振って、兵士たちに離れるように促す。兵士たちは渋々戻った。マロの震えも恐怖感が消え、リラックスしている。まだ子スライム、人見知りにになっちゃうのは困るからな。
「ご馳走さまでし……?アクアどうした?」
食べ終わり、いつものように挨拶をしている途中でアクアがぴょんぴょんと跳ねてどこかへいく。アクアはマイペースではあるが、きちんと倫理観はあるからこんなことないんだけどな。
ついていくと、そこは先ほど料理していた場所だった。何事かと見てみると、アクアが1人の兵士を捕まえており、『こいつ!!私たちのご飯の残りを食べようとしていた!!それは私の仕事なのよーー!』と腕を揺らして怒っていた。いや怒るとこ仕事取られたことなの!?普通、こんなことやっていることだろう。やはりマイペース。
~~~~~~~~
調理場に忍び込んでいた男をリーンに作ってもらった縄で縛った。なぜかこの縄はしっかりと4周するとあまりなく結ぶことができた。(ウルルガの性質によるものだが、それを知ってはいなかった。)
「で、なぜあんなことをしたんだ?」
「い、いや、あんなに美味しそうなにおいがするから。………つい。」
「ふーーーん、」
「な、頼むよ!もうこんなことはしねえ。だから解放してくれないか?」
ピシン!
「がは!」
「何がついだよ。お前に反省の意は無いのか?あ?」
俺は兵士のほおをひっぱたいた。その様子を見たリーンはアクアとテイロに指示を出し、ミニスライム、そしてマロを引き連れて片付けをするように、それと他の兵士の監視をさせた。
「ありがとう、リーン。」
この様子をあまり他のみんなに見られたくは無い。さてと、
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「なんですか?俺たちの食事に興味があるんですか?」
理由はある程度わかるが、一応聞いてみる。これ以上じっと見られと作業効率が悪くなるからな。
「い、いや別に。」
一人の兵士が下手な口笛を吹きながらそう答える。まあ、食べたいんだろうけどさっきあんなこと言った手前、正面から聞くことは出来ないよな。そう考えながら切り分けてると別の兵士が来た。
「その飯少し譲ってくれたら、代わりにお前の分の夜の見張りをするから頼む!!」
ほう、そう来たか。ちゃんとお返しをしないといけないと思ったのかな。
「悪いけど、お前らに言われたとおり俺たちの分しか用意してないからな。残念だが、残りはない。それに見張りの必要もない。うちのマロが結界魔法があるから遠慮しとく。」
「う、あ、ああ。」
兵士は面食らったような表情をしながら持ち場に戻った。俺はわざわざ人に食事は出さない。ちゃんと対価、もしくは信頼があれば出すが、こいつらなんかに出す飯はない。
「お、テイロたち戻って来たか!!」
盛り付けを終えると同時に、テイロ率いる探索隊が戻って来た。テイロの体が少し大きくなってるあたり、収穫物が沢山あったようだ。そして近づくとテイロは自身の体からさまざまな収穫物を出していく。その中にはでかい鶏や見たことない鉱石、果実、薬草を吐き出した。同行していたミニスライムの体からも沢山出てくる。
それを見たリーンは、自身の溶解液で作ったと思われるシートを出して種類ごとに分け始めた。仕分けが終わると、リーンは他のスライム達にお小遣いとして薬草や肉、果実を渡し始めた。そんな仲間思いの様子を見てほっこりしながら見守る。他のやつらもこの精神を大事にして欲しいもんだが。
「それじゃ、いただきまーす。」
「キュー」「ピュー」「きゅー」
音頭をとると、他のスライム達も一斉に腕を揺らし、そして食事を食べ始めた。好き嫌いが無いから食事が制限されても困らないから本当に助かるな。
「うん!なかなかイケるな。」
今日はイノシシ肉を使ったステーキだが、なかなか美味い。イノシシの油がそれ自体にも少し味が付いていて、簡単な調味料でもなかなか美味くなっている。
ジーーーーーー
兵士がついに全員俺たちの食事を眺め始めやがった。お前らにはプライドのかけらもないのか。マロも流石に怖いのかプルプル震えている。
「おい、いい加減にしてくれ。あんまり見られるとこっちも美味しく飯を食べれない。現にこいつは怖がってるじゃないか。」
そう言ってマロを抱き上げたまま撫でる。いつもであれは嬉しそうにプルプル震えながら腕を揺らすが、今は恐怖が少し薄れたぐらいで、あまり嬉しそうではない。
「え、ああすまない。ただ1つ聞かせてくれ。その肉は何を使ってる?」
「は?んーと、バレットボウだったかな。」
確かあの弾丸みたいに突進してくるイノシシだよな。初めて食ったし多分そうだろう。
「「「バレットボウ!?」」」
「ほら教えたでしょ?再度食べるから別の場所に行っててくれ。」
しっしっと手を振って、兵士たちに離れるように促す。兵士たちは渋々戻った。マロの震えも恐怖感が消え、リラックスしている。まだ子スライム、人見知りにになっちゃうのは困るからな。
「ご馳走さまでし……?アクアどうした?」
食べ終わり、いつものように挨拶をしている途中でアクアがぴょんぴょんと跳ねてどこかへいく。アクアはマイペースではあるが、きちんと倫理観はあるからこんなことないんだけどな。
ついていくと、そこは先ほど料理していた場所だった。何事かと見てみると、アクアが1人の兵士を捕まえており、『こいつ!!私たちのご飯の残りを食べようとしていた!!それは私の仕事なのよーー!』と腕を揺らして怒っていた。いや怒るとこ仕事取られたことなの!?普通、こんなことやっていることだろう。やはりマイペース。
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調理場に忍び込んでいた男をリーンに作ってもらった縄で縛った。なぜかこの縄はしっかりと4周するとあまりなく結ぶことができた。(ウルルガの性質によるものだが、それを知ってはいなかった。)
「で、なぜあんなことをしたんだ?」
「い、いや、あんなに美味しそうなにおいがするから。………つい。」
「ふーーーん、」
「な、頼むよ!もうこんなことはしねえ。だから解放してくれないか?」
ピシン!
「がは!」
「何がついだよ。お前に反省の意は無いのか?あ?」
俺は兵士のほおをひっぱたいた。その様子を見たリーンはアクアとテイロに指示を出し、ミニスライム、そしてマロを引き連れて片付けをするように、それと他の兵士の監視をさせた。
「ありがとう、リーン。」
この様子をあまり他のみんなに見られたくは無い。さてと、
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