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第6章 キエハナ編
第67話 偽りの勇者の帰還と真の勇者の攻略
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ここは[レヴァルア王国]で最も大きい街[リリシア]。この街には唯一王宮があり、シンジが飛ばされてきたところでもある。
「国王陛下!!勇者御一行がお戻りになられました!!」
「おお!」
約3週間前に東の森へと遠征に出した王。しかし予定の帰還の日にちよりも遅れがあったため何があったかと危惧していた。
「国王!ただ今戻りました。」
「おお、よくぞ戻ってきた。遅れているから何があったか心配した……?」
勇者の身なりを見るなり王は不思議そうに勇者達を見る。それもそのはず、槍使いのリクが槍を持ってなかったり、鎧にやけに傷が付いていたりと、王の想定をはるかに超えている様子だった。
「実はワイバーンに襲撃をくらいました。」
「な!?ワイバーンだと!!良くぞ無事帰ってこれたな。」
王がワイバーンという言葉に驚く。まだレベルが45にも達してない勇者達にとっては手も足も出ない存在。逃げることでさえ厳しい。
「いえ、実はシンジに助けてもらったんです。」
「おお、そうかなるほど。シンジに助けて………!?なんだと!?」
シンジという言葉にとても食いつく王。今彼にとって一番必要な存在だ。
「今はどこだ!!どこにおるのだ!!」
「ええと、おそらくキエハナにいると思います。」
「ぬー、キエハナか。」
この街からも決して遠くはない。馬車を用いればこの街から約3日で距離だ
「勇者たちは連れて帰らなかったのか?」
すでに追い出してしまい、強いとわかってからまた来てくれというのは虫のいい話ではあるが、勇者たちの成長が芳しくない上、最も信頼していた宰相の失態、王の精神状態は少しずつ崩れ始めもはやモラルだったり信念だったりを考えられない状況に陥ってるのだ。
「いえ、もちろん勧誘しました。追放した張本人のリドさんがいなくなったことも伝えました。でも乗らないどころか返り討ちにあいました。もちろん強行突破しょうとしたこちらもわるかったんですが。」
「な!?返り討ちにあっただと!?」
勇者たちの装備はレベルに相応していないかなり優秀なもだった。ランクCの装備をつけており、そうそう壊されることはないのだ。
「(もうそんな強さなのか。ワイバーンを倒し、装備すら簡単に壊し、この三人を倒すなんて。)」
「勇者たちは一度休息をとりなさい。」
王が勇者たちに命じると、それに従い勇者たちはそれぞれの部屋に戻った。
「王様、どうしますか?」
「うーーむ。一度追い出してるのだ。簡単には行かぬな。」
王はこの後もシンジをどうにかしてこの勇者として戻ってもらえるように各大臣や知識人などと話し合いを行うことになった。
~~~~~~~~~~
一方のシンジ。
「ここがダンジョンボスの扉か。」
モンスターハウスを突破してから圧倒的な速さで攻略できた。まあほとんどアクアの探知能力のおかげで迷うことなく進めたからな。あと道中に出てくるモンスターは先導するアクアや、その護衛をしているテイロが一撃で倒してしまったからだ。おかげで俺のやることがほとんど無かったな。
「それじゃあ、開けるか。」
ギギギーーーー
扉を開けるとただ広い空間があった。壁には魔石が入ったライトがついてるだけで他に特徴はなかった。
バタン!!
しばらく部屋の様子を見ていたら突然扉が閉じた。ドアノブを引っ張ってもびくともしない。
「ギイヤーーーー」
「なんだあれは!?」
突如上空から叫び声が聞こえてくる。上を見ると、とても大きいモンスターが下に下りてくる。
「これは....リヴァイアサンっていうやつか?」
俺の目の前にいるのは竜とも言えそうだし、蛇とも言えそうなモンスターだ。ゲームとかでも海のモンスターとして有名だったしこのダンジョンも海のダンジョンだからリヴァイアサンだな。
「『ファイアーアロー』」
様子見でいちど『ファイアーアロー』を数発撃ってみる。
「ギア!!」
「な!?」
リヴァイアサンがはいた水ブレスでいとも簡単に消し去った。それなりにこめたと思ったんだけどな。火魔法が得意な俺にとって少し厄介な相手かもしれないな。
「それじゃあ肉弾戦かな。ミニスライム達は装備になって。」
ミニスライム達にエルボーパッドやニーパッドになってもらい、今度は走りこんで懐に入ってみる。そこらのモンスターとはわけが違い、巨大な体にも関わらず俺のスピードに反応してくる。
「ギャア!!」
「ちっ!!」
また水ブレスが来た。抑えることができないから一度バックステップで避ける。どうしたものか。まだマロは戦闘に出すのは怖いな。水か.....!?
「アクア!!あいつを牽制してくれ。そしてリーンはアクアの補助に回ってくれ。テイロはマロの警護を頼む。」
俺の声を聞いてそれぞれ持ち場につく。そしてアクアは早速突っ込んで行ってる。それにあわせリヴァイアサンが先ほど同様に水ブレスをはく。
「キュー♪」
「....ギ?」
リヴァイアサンは今起こった出来事に困惑していた。そう、水ブレスすべてをアクアが吸い取ってしまったのだ。
「国王陛下!!勇者御一行がお戻りになられました!!」
「おお!」
約3週間前に東の森へと遠征に出した王。しかし予定の帰還の日にちよりも遅れがあったため何があったかと危惧していた。
「国王!ただ今戻りました。」
「おお、よくぞ戻ってきた。遅れているから何があったか心配した……?」
勇者の身なりを見るなり王は不思議そうに勇者達を見る。それもそのはず、槍使いのリクが槍を持ってなかったり、鎧にやけに傷が付いていたりと、王の想定をはるかに超えている様子だった。
「実はワイバーンに襲撃をくらいました。」
「な!?ワイバーンだと!!良くぞ無事帰ってこれたな。」
王がワイバーンという言葉に驚く。まだレベルが45にも達してない勇者達にとっては手も足も出ない存在。逃げることでさえ厳しい。
「いえ、実はシンジに助けてもらったんです。」
「おお、そうかなるほど。シンジに助けて………!?なんだと!?」
シンジという言葉にとても食いつく王。今彼にとって一番必要な存在だ。
「今はどこだ!!どこにおるのだ!!」
「ええと、おそらくキエハナにいると思います。」
「ぬー、キエハナか。」
この街からも決して遠くはない。馬車を用いればこの街から約3日で距離だ
「勇者たちは連れて帰らなかったのか?」
すでに追い出してしまい、強いとわかってからまた来てくれというのは虫のいい話ではあるが、勇者たちの成長が芳しくない上、最も信頼していた宰相の失態、王の精神状態は少しずつ崩れ始めもはやモラルだったり信念だったりを考えられない状況に陥ってるのだ。
「いえ、もちろん勧誘しました。追放した張本人のリドさんがいなくなったことも伝えました。でも乗らないどころか返り討ちにあいました。もちろん強行突破しょうとしたこちらもわるかったんですが。」
「な!?返り討ちにあっただと!?」
勇者たちの装備はレベルに相応していないかなり優秀なもだった。ランクCの装備をつけており、そうそう壊されることはないのだ。
「(もうそんな強さなのか。ワイバーンを倒し、装備すら簡単に壊し、この三人を倒すなんて。)」
「勇者たちは一度休息をとりなさい。」
王が勇者たちに命じると、それに従い勇者たちはそれぞれの部屋に戻った。
「王様、どうしますか?」
「うーーむ。一度追い出してるのだ。簡単には行かぬな。」
王はこの後もシンジをどうにかしてこの勇者として戻ってもらえるように各大臣や知識人などと話し合いを行うことになった。
~~~~~~~~~~
一方のシンジ。
「ここがダンジョンボスの扉か。」
モンスターハウスを突破してから圧倒的な速さで攻略できた。まあほとんどアクアの探知能力のおかげで迷うことなく進めたからな。あと道中に出てくるモンスターは先導するアクアや、その護衛をしているテイロが一撃で倒してしまったからだ。おかげで俺のやることがほとんど無かったな。
「それじゃあ、開けるか。」
ギギギーーーー
扉を開けるとただ広い空間があった。壁には魔石が入ったライトがついてるだけで他に特徴はなかった。
バタン!!
しばらく部屋の様子を見ていたら突然扉が閉じた。ドアノブを引っ張ってもびくともしない。
「ギイヤーーーー」
「なんだあれは!?」
突如上空から叫び声が聞こえてくる。上を見ると、とても大きいモンスターが下に下りてくる。
「これは....リヴァイアサンっていうやつか?」
俺の目の前にいるのは竜とも言えそうだし、蛇とも言えそうなモンスターだ。ゲームとかでも海のモンスターとして有名だったしこのダンジョンも海のダンジョンだからリヴァイアサンだな。
「『ファイアーアロー』」
様子見でいちど『ファイアーアロー』を数発撃ってみる。
「ギア!!」
「な!?」
リヴァイアサンがはいた水ブレスでいとも簡単に消し去った。それなりにこめたと思ったんだけどな。火魔法が得意な俺にとって少し厄介な相手かもしれないな。
「それじゃあ肉弾戦かな。ミニスライム達は装備になって。」
ミニスライム達にエルボーパッドやニーパッドになってもらい、今度は走りこんで懐に入ってみる。そこらのモンスターとはわけが違い、巨大な体にも関わらず俺のスピードに反応してくる。
「ギャア!!」
「ちっ!!」
また水ブレスが来た。抑えることができないから一度バックステップで避ける。どうしたものか。まだマロは戦闘に出すのは怖いな。水か.....!?
「アクア!!あいつを牽制してくれ。そしてリーンはアクアの補助に回ってくれ。テイロはマロの警護を頼む。」
俺の声を聞いてそれぞれ持ち場につく。そしてアクアは早速突っ込んで行ってる。それにあわせリヴァイアサンが先ほど同様に水ブレスをはく。
「キュー♪」
「....ギ?」
リヴァイアサンは今起こった出来事に困惑していた。そう、水ブレスすべてをアクアが吸い取ってしまったのだ。
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