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第6章 キエハナ編
第64話 異世界で米料理
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テイロが地下室を作り終え、リーンの実験も一区切りついたようなのでキッチンに戻って今日の夜ご飯を作る。
「ふん♪ふん♪」
俺は鼻歌交じりで材料を取り出す。お米にマグロにあとは油と塩と卵と豚肉。今日はチャーハンとマグロのお刺身を作る。チャーハンは大体が揃ってるが刺身は醤油がないからそのままで食べる。
まず鍋に水(アクア特製)を入れて火にかける。そして沸騰してきたところでお米を食べる分量だけ入れる。炊飯器はないので保管できないためである。そこからはふっくらご飯になるまでほかの下ごしらえをする。
まずはマグロの刺身から。解体してくれた大きな切り身をどんどん刺身サイズに切っていく。この間リーンはお米の方を見ている。わからないだろうと止めたのだがそれでもやると聞かなかったから仕方なくたのんだ。いい感じになった時に知らせてくれるそうだ。刺身とは言っても妻大根や菊の花はないためほんとうに刺身のみだ。彩りを良くしようと草を乗せようとしたが全て薬草だったためリーンに止められた。仕方なく刺身をそのまま乗せて行った。
刺身が終わりつぎは豚肉だ。チャーハン用となるとだいぶ小さめになり切る量も増えるので、アクアに手伝ってもらう。俺がザクッと切ってる間にアクアは豚肉をスパスパと切っていく。多分3倍ぐらいのスピードで仕上げている。こういう時腕全体で切れるスライム達は有利だと思う。
「ピュ!ピュー!ピュー!」
「ん?どうかしたの?どれどれ」
鍋に近づくとお米のいい匂いがする。いい感じ。でもなんでリーンはわかったんだ?
「おおーー、これこれ。やはり1ヶ月以上経っても俺の心にはまだ日本人の心が残ってたんだなー。」
久々のお米の匂いを堪能すると、卵を3個ほど割って容器に入れてといていく。そしてフライパンに油を敷く。油があっためられたところで溶き卵をフライパンに入れその上にお米を入れる。そしてそれを崩してどんどん炒めていく。
「ほう!やっ!」
久しぶりのフライ返しでテンションが上がり思わず声を出してしまう。しかしこの空間に止める者はおらず、むしろ応援するものしかいないためテンションは最高潮にまで上がってしまった。
「おっと、いかん。アクア。さっきの切った豚肉入れてくれる?」
「キュー♪」
アクアは豚肉の入った容器を持ってフライパンの中に入れる。俺は米と卵と一緒に豚肉も炒めていく。しばらく時間を置き、塩をふりかける。本当は胡椒もあると良かったんだけど、今のところ見つけられてない。香辛料は普通にありそうだけどな。
今回使用した油はドラゴンの中からほんの少しだけ取れた油だ。ほんの少しとは言ってもドラゴンの大きさだ。多分200mlはある。そのおかげかすごいパラパラに出来上がった。
「よし、みんな皿を持ってきて。」
近くにいるアクアやリーン、ほかに待機していたミニスライム達に皿を持ってくるように言うと俺の前に一列になって並び始めた。
「はい、はい、……」
配膳だけで10分かかった。これだけ人数がいれば必然かもしれないが結構時間かかったな。
「それじゃあ、いただきます!!」
ん!?うまい!!塩だけしか味付けしてないけど、普通に味がしっかりしている。多分ドラゴンの油に味があったんだろう。肉があんだけ美味しいんだ。
初めてチャーハンを食べたスライム達も喜んでいる。マロはちなみにスプーンはまだ使えないため俺がせっせとマロの口元(?)に運んでいる。食べるたびに震えるからちょっと危ない。みんな腕を幸せそうに揺らしているので使った甲斐があった。
マグロもとても美味しかった。ただのマグロの部分でもすごい油が乗っていた。これが大トロだったらもっとすごいんだろうな。そう思うとこの世界素材だけで言えば結構うまいもん食ってんなと思う。
「ふーー、美味しかった。みんなもどうだった?って聞くまでもないよな。」
本当に聞くまでもない。周りではぴょんぴょんと跳ねたり、腕を縦横無尽に動かして喜びを存分に表していた。またほかの米料理も作ろうかな。ほかには何があるかな。あ、オムライスならすぐ作れそうだな。この前オムレツも作ったし。
~~~~~~~~
「え?リーン畑作りたいの?」
ご飯を食べてしばらくした後、リーンがそんな提案をしてきた。俺は特に断る理由はないし、敷地的にも特に問題はないから良いとおもう。
様子を見るとテイロが固い地盤を綺麗にならしている。今回テイロ本当に活躍してるな。そしてリーンが数匹のミニスライムを引き連れて土を掘り返している。掘り返されたところにアクアが霧状に水を撒く。そういえば前に霊薬草の時アクアの水で成長促進してたっけ?しかも進化前だからさらなる効果がでてくるんじゃ……。リーンは掘り返し終わるといくつか種をまいていき、その上にアクアは今度はじょうろの水ぐらいの大きさの水を撒いていく。明日この畑はどうなってるのやら。
-----------------------------------------------
しばらくほのぼのした感じでしたが
次回から冒険者活動をします。
「ふん♪ふん♪」
俺は鼻歌交じりで材料を取り出す。お米にマグロにあとは油と塩と卵と豚肉。今日はチャーハンとマグロのお刺身を作る。チャーハンは大体が揃ってるが刺身は醤油がないからそのままで食べる。
まず鍋に水(アクア特製)を入れて火にかける。そして沸騰してきたところでお米を食べる分量だけ入れる。炊飯器はないので保管できないためである。そこからはふっくらご飯になるまでほかの下ごしらえをする。
まずはマグロの刺身から。解体してくれた大きな切り身をどんどん刺身サイズに切っていく。この間リーンはお米の方を見ている。わからないだろうと止めたのだがそれでもやると聞かなかったから仕方なくたのんだ。いい感じになった時に知らせてくれるそうだ。刺身とは言っても妻大根や菊の花はないためほんとうに刺身のみだ。彩りを良くしようと草を乗せようとしたが全て薬草だったためリーンに止められた。仕方なく刺身をそのまま乗せて行った。
刺身が終わりつぎは豚肉だ。チャーハン用となるとだいぶ小さめになり切る量も増えるので、アクアに手伝ってもらう。俺がザクッと切ってる間にアクアは豚肉をスパスパと切っていく。多分3倍ぐらいのスピードで仕上げている。こういう時腕全体で切れるスライム達は有利だと思う。
「ピュ!ピュー!ピュー!」
「ん?どうかしたの?どれどれ」
鍋に近づくとお米のいい匂いがする。いい感じ。でもなんでリーンはわかったんだ?
「おおーー、これこれ。やはり1ヶ月以上経っても俺の心にはまだ日本人の心が残ってたんだなー。」
久々のお米の匂いを堪能すると、卵を3個ほど割って容器に入れてといていく。そしてフライパンに油を敷く。油があっためられたところで溶き卵をフライパンに入れその上にお米を入れる。そしてそれを崩してどんどん炒めていく。
「ほう!やっ!」
久しぶりのフライ返しでテンションが上がり思わず声を出してしまう。しかしこの空間に止める者はおらず、むしろ応援するものしかいないためテンションは最高潮にまで上がってしまった。
「おっと、いかん。アクア。さっきの切った豚肉入れてくれる?」
「キュー♪」
アクアは豚肉の入った容器を持ってフライパンの中に入れる。俺は米と卵と一緒に豚肉も炒めていく。しばらく時間を置き、塩をふりかける。本当は胡椒もあると良かったんだけど、今のところ見つけられてない。香辛料は普通にありそうだけどな。
今回使用した油はドラゴンの中からほんの少しだけ取れた油だ。ほんの少しとは言ってもドラゴンの大きさだ。多分200mlはある。そのおかげかすごいパラパラに出来上がった。
「よし、みんな皿を持ってきて。」
近くにいるアクアやリーン、ほかに待機していたミニスライム達に皿を持ってくるように言うと俺の前に一列になって並び始めた。
「はい、はい、……」
配膳だけで10分かかった。これだけ人数がいれば必然かもしれないが結構時間かかったな。
「それじゃあ、いただきます!!」
ん!?うまい!!塩だけしか味付けしてないけど、普通に味がしっかりしている。多分ドラゴンの油に味があったんだろう。肉があんだけ美味しいんだ。
初めてチャーハンを食べたスライム達も喜んでいる。マロはちなみにスプーンはまだ使えないため俺がせっせとマロの口元(?)に運んでいる。食べるたびに震えるからちょっと危ない。みんな腕を幸せそうに揺らしているので使った甲斐があった。
マグロもとても美味しかった。ただのマグロの部分でもすごい油が乗っていた。これが大トロだったらもっとすごいんだろうな。そう思うとこの世界素材だけで言えば結構うまいもん食ってんなと思う。
「ふーー、美味しかった。みんなもどうだった?って聞くまでもないよな。」
本当に聞くまでもない。周りではぴょんぴょんと跳ねたり、腕を縦横無尽に動かして喜びを存分に表していた。またほかの米料理も作ろうかな。ほかには何があるかな。あ、オムライスならすぐ作れそうだな。この前オムレツも作ったし。
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「え?リーン畑作りたいの?」
ご飯を食べてしばらくした後、リーンがそんな提案をしてきた。俺は特に断る理由はないし、敷地的にも特に問題はないから良いとおもう。
様子を見るとテイロが固い地盤を綺麗にならしている。今回テイロ本当に活躍してるな。そしてリーンが数匹のミニスライムを引き連れて土を掘り返している。掘り返されたところにアクアが霧状に水を撒く。そういえば前に霊薬草の時アクアの水で成長促進してたっけ?しかも進化前だからさらなる効果がでてくるんじゃ……。リーンは掘り返し終わるといくつか種をまいていき、その上にアクアは今度はじょうろの水ぐらいの大きさの水を撒いていく。明日この畑はどうなってるのやら。
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しばらくほのぼのした感じでしたが
次回から冒険者活動をします。
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