スライムと異世界冒険〜追い出されたが実は強かった

Miiya

文字の大きさ
上 下
60 / 196
第6章 キエハナ編

第59話 なんかあっさり

しおりを挟む
 「シンジ!!もう終わりだ!!」

 「え!?」

今俺はとどめを刺そうとでかい岩の上に乗っている。ここからムーンサルトプレスをしようとしたが止められた。

 「さっき言っただろう。私の判断で合格っていうのは。」

 「え?それじゃ俺は。」

 「お前は晴れて今日からCランク冒険者だ。」

 「やったーー!!」

いよっしゃー!ランクアップ!!」

 「きゅー♪」「ピュー♪」「キュー♪」

外から応援してくれてたみんなも嬉しそうに跳ねたり腕をゆらゆら動かしている。嬉しいなー。

 「それじゃあゼラはこの後の処理を任せる。」

 「わかりました。シンジくん、付いてきて。」

ゼラさんに言われるがままについていった。

~~~~~~~~

 「ターク、それで彼はどうだった?」

 「いてて、『どうだった?』じゃねえよ!!なんなんだよあいつ。」

 「だから言っただろう。本気でやれと。」

 「はぁー、他の『ドラゴンスレイヤー』の噂は本当だったんですね。」

 「ああ、だが私も最初は半信半疑だったよ。」
 
 「当たり前ですよ。Dランクのテイマーがソロで倒すなんて。しかも見た目は駆け出し感が抜けてないし。」

 「それにあんまりここの常識も知らないようだ。例えば魔力漏れを抑えるような帽子があったらいくら出す?」

 「そんなやばい商品があるんですか?俺でしたら多分30万ダリルぐらい出しますかね?多分ワイバーン5体分には相当するんじゃないかと。」

 「実は、シンジのスライムがポンと出した。」

 「…………は?マジですか?」

 「ああ、まじだ。しかも大きさも調整されるあたり『ウルルガ』の糸だと思う。」

 「え!?あのウルルガですか?」

ウルルガ、この種族はとにかく目立たない場所に生息している上に個体数も少ない。仮に乱獲したとしても、その後の育て方や管理方法が未だ解明されてない種族だ。あまり草などは食べないらしいが今はそれしかわかってない。

 「つまりシンジは何かしらの方法でウルルガと関係があり、糸を提供してもらえるほどの中でありウルルガの扱い方も知っているということだな。」

 「はあー、それじゃあもうCランクの冒険者というスケールにもおさまってないっすね。」

 「そういう意味でも彼はすでにAランクの実力が備わっている。」

 「しかし、まだ冒険者としては短いんですよね?」

 「ああ、確か1月と少しだったかな。異例中の異例だな。」

 「俺も対峙した時に栄光の者グロリアスがふと頭をよぎりましたね。」

 「ああ彼らもそういえばシンジ並みのスピードで上がってったな。」

 「ギルドマスター的には早くランクを上げさせたいところでしょ?」

 「そうだな。彼はまだ風格も無ければ実績も少ない。早めにあげないと何かしらの問題に関わってくるからな。」

 「しかもとんでもなく強い従魔なのにスライムですからね。」

 「そこも問題なんだよな。見た目は野生のスライムとほぼ一緒。しかも全員が魔力を隠すことができるから人畜無害のスライムにしか見えない。」

 「彼もしばらくはここにいるでしょうからその間に色々と施すつもりでしょ?」

 「ああ、そのつもりだ。おっと、時間が長引いたな。私たちも戻ろう。」

なるべく早く彼のことを考えていかないとな。ここの街は比較的自由だから権力争いや貴族間の揉め事に会うことはないだろうがその分すぐに噛みつくような馬鹿が突っかかるかもしれない。早くこの街の住民たちにしらせないとな。

~~~~~~~~

 「はい、シンジくん。これがCランクの冒険者カードです。」

 「ありがとうございます。なんか見た目が変わってますね。」

前までは白色だったのがこのカードは少し銀色になっている。

 「Cランクから昇格試験がある代わりにこのようにカードに色がつくんです。Cランクというのは本物かどうかという目安にもなりますからね。」

 「へー。」

 「それとCランクから素材の換金額が上昇します。Cランクなら1.1倍ですね。あ、昨日の魔石の換金が済みましたのでお渡ししますね。」

そう言ってゼラさんは別の部屋に向かう。しばらく待っていると麻袋を6つ持ってきてゼラさんが戻ってきた。

 「ええと、占めて95万4000ダリルですね。」

 「95万!?」

なんつー大金だよ。

 「ええ、私たちも確認作業をしましたが問題ありません。ただブースイーターの魔石に関しては少し色をつけさせていただきました。」

 「ブースイーター?」

 「あ、えっと、とんでもなく速い猿型のモンスターですね。」


ああ、あいつのことか。でもなんで色を?

 「ここ最近、あのモンスターが街の近くをテリトリーにしてしまい、低ランクの冒険者ではまず気づくことさえできないためこの街に来ることが出来ず困っていたんです。ですので今回は特別報酬ということで少し高めにしました。」

 「なるほど。」

 「なるほどって言ってますけどブースイーターも一応Cランク推奨モンスターですからね。」

そうだったの!?めんどくさかったけどあんまり攻撃力はなかった気がするけど。そんな強かったのかなあいつ。

 「というわけで15万ダリルが6つと残りが1つですね。どうぞ。」

麻袋を受け取りカバンに入れる。

 「この後はどうしますか?クエストを受けられますか?」

 「あー、ちょっとお店を見て回りたいと思います。」

 「そうですか、それでは行ってらっしゃいませ。」

とりあえず露店があるところを探すかな。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生

野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。 普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。 そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。 そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。 そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。 うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。 いずれは王となるのも夢ではないかも!? ◇世界観的に命の価値は軽いです◇ カクヨムでも同タイトルで掲載しています。

クラス召喚に巻き込まれてしまいました…… ~隣のクラスがクラス召喚されたけど俺は別のクラスなのでお呼びじゃないみたいです~

はなとすず
ファンタジー
俺は佐藤 響(さとう ひびき)だ。今年、高校一年になって高校生活を楽しんでいる。 俺が通う高校はクラスが4クラスある。俺はその中で2組だ。高校には仲のいい友達もいないしもしかしたらこのままボッチかもしれない……コミュニケーション能力ゼロだからな。 ある日の昼休み……高校で事は起こった。 俺はたまたま、隣のクラス…1組に行くと突然教室の床に白く光る模様が現れ、その場にいた1組の生徒とたまたま教室にいた俺は異世界に召喚されてしまった。 しかも、召喚した人のは1組だけで違うクラスの俺はお呼びじゃないらしい。だから俺は、一人で異世界を旅することにした。 ……この物語は一人旅を楽しむ俺の物語……のはずなんだけどなぁ……色々、トラブルに巻き込まれながら俺は異世界生活を謳歌します!

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる

十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。

異世界巻き込まれ転移譚~無能の烙印押されましたが、勇者の力持ってます~

影茸
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれ異世界に転移することになった僕、羽島翔。 けれども相手の不手際で異世界に転移することになったにも関わらず、僕は巻き込まれた無能と罵られ勇者に嘲笑され、城から追い出されることになる。 けれども僕の人生は、巻き込まれたはずなのに勇者の力を使えることに気づいたその瞬間大きく変わり始める。

安全第一異世界生活

笑田
ファンタジー
異世界に転移させられた 麻生 要(幼児になった3人の孫を持つ婆ちゃん) 異世界で出会った優しい人・癖の強い人・腹黒と色々な人に気にかけられて 婆ちゃん節を炸裂させながら安全重視の冒険生活目指します!!

死んだのに異世界に転生しました!

drop
ファンタジー
友人が車に引かれそうになったところを助けて引かれ死んでしまった夜乃 凪(よるの なぎ)。死ぬはずの夜乃は神様により別の世界に転生することになった。 この物語は異世界テンプレ要素が多いです。 主人公最強&チートですね 主人公のキャラ崩壊具合はそうゆうものだと思ってください! 初めて書くので 読みづらい部分や誤字が沢山あると思います。 それでもいいという方はどうぞ! (本編は完結しました)

異世界転生~チート魔法でスローライフ

玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。 43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。 その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」 大型連休を利用して、 穴場スポットへやってきた! テントを建て、BBQコンロに テーブル等用意して……。 近くの川まで散歩しに来たら、 何やら動物か?の気配が…… 木の影からこっそり覗くとそこには…… キラキラと光注ぐように発光した 「え!オオカミ!」 3メートルはありそうな巨大なオオカミが!! 急いでテントまで戻ってくると 「え!ここどこだ??」 都会の生活に疲れた主人公が、 異世界へ転生して 冒険者になって 魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。 恋愛は多分ありません。 基本スローライフを目指してます(笑) ※挿絵有りますが、自作です。 無断転載はしてません。 イラストは、あくまで私のイメージです ※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが 少し趣向を変えて、 若干ですが恋愛有りになります。 ※カクヨム、なろうでも公開しています

間違い召喚! 追い出されたけど上位互換スキルでらくらく生活

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕は20歳独身、名は小日向 連(こひなた れん)うだつの上がらないダメ男だ ひょんなことから異世界に召喚されてしまいました。 間違いで召喚された為にステータスは最初見えない状態だったけどネットのネタバレ防止のように背景をぼかせば見えるようになりました。 多分不具合だとおもう。 召喚した女と王様っぽいのは何も持っていないと言って僕をポイ捨て、なんて世界だ。それも元の世界には戻せないらしい、というか戻さないみたいだ。 そんな僕はこの世界で苦労すると思ったら大間違い、王シリーズのスキルでウハウハ、製作で人助け生活していきます ◇ 四巻が販売されました! 今日から四巻の範囲がレンタルとなります 書籍化に伴い一部ウェブ版と違う箇所がございます 追加場面もあります よろしくお願いします! 一応191話で終わりとなります 最後まで見ていただきありがとうございました コミカライズもスタートしています 毎月最初の金曜日に更新です お楽しみください!

処理中です...