上 下
51 / 195
第5章 キエハナへ編

第50話 現実

しおりを挟む
 「なぜと言われても、、」

俺はリクを一撃で葬り去ってしまった。むしろなぜラリアット一発で倒れてしまったのかが気になる。多少レベル差があるとは思ったが。確かに武器がないからかもしれないが、自分から挑発しておいてこれはさすがに。

 「君のレベルはいくつなんだ?」

 「確か前に見たときは82だったかな?いまはどうなんだろうか?

名前:シンジ=タダ
種族:人間
年齢:17
レベル:91
HP1075/1075
MP942/942  
職業:テイマー
魔法:生活魔法、火魔法10、水魔法5、風魔法5、土魔法5、光魔法6、氷魔法2、闇魔法1
スキル:成長(神)、テイム(神)、剣術(大)、魔力上昇
プロレス(大)、魔力譲渡、敏捷強化、魔力隠蔽、自己治癒能力上昇、調合(中)
称号:異世界召喚者
従魔:アクア(スライム)、リーン(スライム)、テイロ(スライム)、マロ(エンジェルスライム)ミニスライム27匹

あんまりスキルの変化は無いな。あれ?ミニスライム達増えてないか?

 「ミニスライム達を増やしたの?」

スライム3匹に話を聞くと、『ドラゴンの肉を食べた際に、魔力が増えて分裂する余裕が出来ましたので、家にいた間の探索と警備をさせるためにぶんれつしました。』とリーンが腕を揺らして伝えてくれた。そして本来の目的を思い出した。

 「えっと、今は91だな。」

 「「「ええ!?」」」


 「そんなに驚くことか?」

 「あたりまえだよ!!私たちでさえまだ25ぐらいなのに。」

 「しかもお前は追い出されたんだろ?なのになんだその強さは?」

なんでだ!?

 「じゃあ、お前たちは何が倒せるのか?」

 「僕たちは3人でたぶんワーグサーペントがギリギリだと思う。」

ワーグサーペントなんか、確かソロならD、パーティーならEランク推奨のモンスターのはずだ。そんなに弱いのか!?それぐらいならうちのミニスライムでも一発で倒せれるぞ。

 「君はなにが限界だと思う?」

 「うーーん、前にドラゴンを倒したのが最高だったな。」

 「「「ドラゴン!?」」」

え!?え!?ほんとうになんでだ?俺がドラゴン倒したってもう国内中に知れ渡ってるってジーさんが言ってたんだけど。

 「お前たちは俺が倒したって知らないのか?」

 「あ、ああ。そんな話は聞いたことなかったな。」

 「いや、そんなことはどうでもいい。ユウト、こいつを引き戻すべきじゃないか?」

なんだって!?

 「うん、そうだね。僕たちは選ばれた勇者だからね。君もかつては追い出されたが、それでも戻っても問題は無いと思う。どう?来ないか。」

俺を勧誘しているのか。身勝手な話だ。勝手に無能とみなして追い出したくせして、いざこうして実力を見せたら戻って来いか。

 「悪いが断る。」

俺は今こいつらと一緒に冒険することが一番楽しい。それを邪魔すようなら断らせてもらう。俺は魔王を倒せとかには興味は無いからな。

 「どういうことだ。」

 「どうもこうも無い。俺は戻らないだけだ。」

 「なら力ずくで戻ってもらうだけだ。」

 「おいリク!!仕方ない、手荒なまねはしたくなかったんだけど。カレン魔法を。」

 「はい!『氷の針アイシクルニードル』」

おいおい、自分勝手過ぎないか。しかも武力で来るなんて。ここは力の差を見せて黙らせるしかないか。

 「アクアたち、ここは俺だけが相手をする。大丈夫だよ。」

心配して腕を揺らすアクアたちだったが、伸ばしてきた腕を全部握って安心させる。

 「後ろがががら空きだー!!」

 「ああ!?」

突っ込んで来たリクをバックエルボーで迎撃する。よろめくところをすかさずラリアットを入れようとするが横から氷が飛んでくる。

 「ちっ!」

避けて、『フレアランス』を放とうとするが後ろからユウトが斬りかかってきた。なんとか避ける。思ってたよりもいい動きだ。

 「よし、このままならいけるぞ。」

このまま調子に乗らせるのも面白くない。少し本気を出すか。

 「おりゃーーー!」

再びリクが突っ込んでくる。今度は受け止め首元を掴んでそのままチョークスラムで地面に叩きつける。リクは完全に沈黙した。

 「『氷の針アイシクル二』きゃあ!!」

 「『フレアストーム』」

また魔法を撃ってこようとしたので、ユウトが介入できないように全体魔法を撃ってカレンも倒す。

 「確かに君は強い、だからこそ戻って欲しい。はあ!」

ユウトが剣を振ってくるがそれをギリギリでかわして、居合い切りでユウトの剣を斬った。剣は綺麗に折れた。

 「これがお前たちと俺の差だ。悪いがお前たちについてくつもりは無い。魔王云々は適当にやっててくれ。じゃあな。」

俺はこういうことはあまり好きじゃない。もう十分だろう。


~~~~~~~~~

 「、、、、うう」

 「あ、リク起きたね。」

 「あいつはどうしたんだ。」

 「僕たちを倒してから進んでいったよ。」

 「ならまだ近くにいるかもしれないな。早く追いかけよう。」

 「いや、止めとこう。僕たちから仕掛けておいて無様に負けたんだ。今はよそう。」

 「、、あいつ本当に弱かったんだよな?なんであんなに強いんだ。」

 「わからない。もしかしたら私たちじゃなくて彼が本当の勇者だったのかな。」

 「、、、どうだろう。ただ僕たちは今は強くなるしかない。武器も壊れたし一旦戻ろうか。」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
これにて勇者たちとの遭遇の話は一旦終了です。

今日はパソコンで投稿してみたので、3本更新しました。明日以降は元に戻す予定です。


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

倒したモンスターをカード化!~二重取りスキルで報酬倍増! デミゴッドが行く異世界旅~

乃神レンガ
ファンタジー
 謎の白い空間で、神から異世界に送られることになった主人公。  二重取りの神授スキルを与えられ、その効果により追加でカード召喚術の神授スキルを手に入れる。  更にキャラクターメイキングのポイントも、二重取りによって他の人よりも倍手に入れることができた。  それにより主人公は、本来ポイント不足で選択できないデミゴッドの種族を選び、ジンという名前で異世界へと降り立つ。  異世界でジンは倒したモンスターをカード化して、最強の軍団を作ることを目標に、世界を放浪し始めた。  しかし次第に世界のルールを知り、争いへと巻き込まれていく。  国境門が数カ月に一度ランダムに他国と繋がる世界で、ジンは様々な選択を迫られるのであった。  果たしてジンの行きつく先は魔王か神か、それとも別の何かであろうか。  現在毎日更新中。  ※この作品は『カクヨム』『ノベルアップ+』にも投稿されています。

これダメなクラス召喚だわ!物を掌握するチートスキルで自由気ままな異世界旅

聖斗煉
ファンタジー
クラス全体で異世界に呼び出された高校生の主人公が魔王軍と戦うように懇願される。しかし、主人公にはしょっぱい能力しか与えられなかった。ところがである。実は能力は騙されて弱いものと思い込まされていた。ダンジョンに閉じ込められて死にかけたときに、本当は物を掌握するスキルだったことを知るーー。

ユニークスキルで異世界マイホーム ~俺と共に育つ家~

楠富 つかさ
ファンタジー
 地震で倒壊した我が家にて絶命した俺、家入竜也は自分の死因だとしても家が好きで……。  そんな俺に転生を司る女神が提案してくれたのは、俺の成長に応じて育つ異空間を創造する力。この力で俺は生まれ育った家を再び取り戻す。  できれば引きこもりたい俺と異世界の冒険者たちが織りなすソード&ソーサリー、開幕!! 第17回ファンタジー小説大賞にエントリーしました!

転生して異世界の第7王子に生まれ変わったが、魔力が0で無能者と言われ、僻地に追放されたので自由に生きる。

黒ハット
ファンタジー
ヤクザだった大宅宗一35歳は死んで記憶を持ったまま異世界の第7王子に転生する。魔力が0で魔法を使えないので、無能者と言われて王族の籍を抜かれ僻地の領主に追放される。魔法を使える事が分かって2回目の人生は前世の知識と魔法を使って領地を発展させながら自由に生きるつもりだったが、波乱万丈の人生を送る事になる

生産性厨が異世界で国造り~授けられた能力は手から何でも出せる能力でした~

天樹 一翔
ファンタジー
 対向車線からトラックが飛び出してきた。  特に恐怖を感じることも無く、死んだなと。  想像したものを具現化できたら、もっと生産性があがるのにな。あと、女の子でも作って童貞捨てたい。いや。それは流石に生の女の子がいいか。我ながら少しサイコ臭して怖いこと言ったな――。  手から何でも出せるスキルで国を造ったり、無双したりなどの、異世界転生のありがちファンタジー作品です。  王国? 人外の軍勢? 魔王? なんでも来いよ! 力でねじ伏せてやるっ!  感想やお気に入り、しおり等々頂けると幸甚です!    モチベーション上がりますので是非よろしくお願い致します♪  また、本作品は小説家になろう、エブリスタ、カクヨムで公開している作品となります。  小説家になろうの閲覧数は170万。  エブリスタの閲覧数は240万。また、毎日トレンドランキング、ファンタジーランキング30位以内に入っております!  カクヨムの閲覧数は45万。  日頃から読んでくださる方に感謝です!

家族に無能と追放された冒険者、実は街に出たら【万能チート】すぎた、理由は家族がチート集団だったから

ハーーナ殿下
ファンタジー
 冒険者を夢見る少年ハリトは、幼い時から『無能』と言われながら厳しい家族に鍛えられてきた。無能な自分は、このままではダメになってしまう。一人前の冒険者なるために、思い切って家出。辺境の都市国家に向かう。  だが少年は自覚していなかった。家族は【天才魔道具士】の父、【聖女】の母、【剣聖】の姉、【大魔導士】の兄、【元勇者】の祖父、【元魔王】の祖母で、自分が彼らの万能の才能を受け継いでいたことを。  これは自分が無能だと勘違いしていた少年が、滅亡寸前の小国を冒険者として助け、今までの努力が実り、市民や冒険者仲間、騎士、大商人や貴族、王女たちに認められ、大活躍していく逆転劇である。

外れスキル『レベル分配』が覚醒したら無限にレベルが上がるようになったんだが。〜俺を追放してからレベルが上がらなくなったって?知らん〜

純真
ファンタジー
「普通にレベル上げした方が早いじゃない。なんの意味があるのよ」 E級冒険者ヒスイのスキルは、パーティ間でレベルを移動させる『レベル分配』だ。 毎日必死に最弱モンスター【スライム】を倒し続け、自分のレベルをパーティメンバーに分け与えていた。 そんなある日、ヒスイはパーティメンバーに「役立たず」「足でまとい」と罵られ、パーティを追放されてしまう。 しかし、その晩にスキルが覚醒。新たに手に入れたそのスキルは、『元パーティメンバーのレベルが一生上がらなくなる』かわりに『ヒスイは息をするだけでレベルが上がり続ける』というものだった。 そのレベルを新しいパーティメンバーに分け与え、最強のパーティを作ることにしたヒスイ。 『剣聖』や『白夜』と呼ばれるS級冒険者と共に、ヒスイの名は世界中に轟いていく――。 「戯言を。貴様らがいくら成長したところで、私に! ましてや! 魔王様に届くはずがない! 生まれながらの劣等種! それが貴様ら人間だ!」 「――本当にそうか、確かめてやるよ。この俺出来たてホヤホヤの成長をもってな」 これは、『弱き者』が『強き者』になる――ついでに、可愛い女の子と旅をする物語。 ※この作品は『小説家になろう』様、『カクヨム』様にも掲載しております。

異世界に行ったら才能に満ち溢れていました

みずうし
ファンタジー
銀行に勤めるそこそこ頭はイイところ以外に取り柄のない23歳青山 零 は突如、自称神からの死亡宣言を受けた。そして気がついたら異世界。 異世界ではまるで別人のような体になった零だが、その体には類い稀なる才能が隠されていて....

処理中です...