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第4.5章 スライムを飼う?
第45話 観察日記3
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朝起きると、布団の中に白い餅がいた。マロだ。
念のため水槽の中に入れておいたはずなんだが、そこからどうにか抜け出したっぽい。そしてなぜか俺の布団に潜り込んでいた。
「おいマロ、早く起きろよ。」
「zzz……」
「って全然起きねえな。」
まだ生まれて1日しか経ってないし、子供っぽさみたいなのは抜けてないようだ。俺もそっちの方が愛着もてるからな。なんせ、ほかのスライムはみんな頭いいし、働き者だからな。今でもすでに畑を耕してるミニスライム達がいる。
「まぁ、しばらく寝かせておくか。とりあえず朝ごはんからだな。」
キッチンの方に行くと、リーンが待っていた。スライム達は配膳だったりを手伝ってくれるが、調理を手伝うのはリーンぐらいなものだ。なんか本当にしっかりとしているな。よくカバンの中身とか整理してくれるし。
「今日はフレンチトーストを作るぞ。まず卵と蜂蜜と……」
最近の朝ごはんは必ず新しいものを作っている。リーンが教えろと飛び跳ねてくるからだ。なんでそんなに料理に興味があるのだろうか?ハンカチも最近は色やデザインにも気をつけてるっぽいしな。
「んで、この卵液にパンをしばらく浸しておくんだよ。」
「ピュー、」
俺が教えているのを見て、腕を合わせてしっかりと聞いているリーン。そんな様子を見たテイロはほかのミニスライム達を呼んで皿の配膳をしてくれている。アクアはマロのことを見ていたが間も無く寝てしまった。やっぱマイペースだ。一応あいつがいちばんの古株なんだけどな。
「よし、これで完成だ。これがフレンチトーストだよ。」
「ピュー♪」
わかったと跳ねる。そういえばどれくらい記憶力あるのかな?一回しか教えてないのにすぐに作れるようになるし。
「それじゃあリーン達はフレンチトーストを切り分けて配膳してね。俺はマロ達を呼びに……あれ、もう来ていた。」
呼びに行こうとしたが、すでにアクアが後ろにマロを引き連れてぴょんぴょんと跳ねてきた。料理の匂いに惹かれたのか?そんなマロは机の方にぴょんと飛び乗る。
「あ、こらまだ待たな……いと?」
俺は飛び乗り食べるであろうマロを止めようとしたが、そのマロは早く食べたそうに待っていた。
「あれ、待ってる?」
マロはそんな俺の様子を見て『早くたべたいよー、』と腕を揺らしてそのようなことを伝える。
「ふふ、そうだな早く食べようか。みんなも食べよう。」
俺はマロに今日もフレンチトーストを切り分ける。フォークに刺して食べさせようとしたが、マロは自ら腕を伸ばしてフォークを取った。
「きゅー、きゅ!?」
だが、持ち上げるとぽろっと落としてしまった。マロは悔しがるようにしょんぼりとする。
「あらら、次に出来るように頑張ればいいよ。」
「きゅー、きゅー♪」
~~~~~~~~
朝ごはんを食べた後、俺たちはマロとアクアとリーンとテイロと数匹のミニスライムを連れて森奥に来ていた。目的はマロの魔法やスキルの調査だ。俺の持ってない魔法なため、少し離れないといけないと思った。
「それじゃあ、まずは結界魔法からだ。できそうか?」
「きゅー!」
おお、マロの前に長方形の魔法陣が出てきた。とりあえず小さい石を投げてみよう。ほいっと、
カン!
想像通り石は結界に当たると甲高い音を出して跳ね返った。次は火の魔法だ。『ファイアボール』
シュウーーー
「おお!すごいな。」
また跳ね返ると思ったら今度は結界に魔法が吸収されていった。魔力のみのものだと吸収できるのかな?というか生まれて間もないのにこんなことがポンとできるとは。
「きゅ♪きゅ♪きゅ♪」
当の本人は嬉しそうに跳ねている。
「それじゃあ次は重力魔法だな。やってみて。」
「きゅー!」
マロは叫んで力をためた、、が何も起こらない。なんでだ?あ、そうだ。俺は石をほいっと投げる。
ズドン!
石は突然すごい勢いで下に落ちた。これがマロの重力魔法の能力か。逆に抑えることもできるのか?
「マロ、今度は軽くできるか?」
「きゅー?きゅー、」
あんまり理解できてない様子だったが、もう一度力を溜めた。また石を投げる。
スト、
今度は軽く落ちた。若干落ちた時の音が小さかったから重力が多分弱くなったんだろう。もしこの魔法をうまく使えばプロレス技もより良くなるかもな。ムーンサルトとかだったら重力強くすれば威力増すだろうし、遠くからドロップキックした時も重力を弱くしてくれれば怪我も少なくなるかな?多分能力的にもできないだろしいつかだと思うな。
「最後に付与魔法をやってみて。」
「きゅー!」
なんか体が軽くなってきた。何がかかったかわからないけど、他にも色々あるのかな?まぁおいおい探していけば良いかな?
「それじゃあ、戻ろうか。」
俺の言葉にスライム達は腕をビシッと伸ばし、列を組んで家に戻った。
~~~~~~~~~
マロが魔法を試している時のスライム達の会話。(話しているわけではなく、腕を伸ばしたり、飛び跳ねたりしている。)
『あの子すごいねー。昨日生まれたばかりなのに。』
『そうですね、あの調子だと後1週間ぐらいで我々と同じくらいの力をつけそうですね。』
『そうっすね!やっぱりあのドラゴンの血が俺らより強く作用してたっすもんね。』
『ええ、おそらく魔力が高いものを欲しがるのも彼女の特性でしょうね。寝ていたのにアクアの水に反応したのは驚きましたね。』
『ほんとそれ!やっぱ私の水ってとくべつなんだねー♪』
『いや、リーン姐さんの言いたいことそれじゃないっすよ。アクアさん。』
『まあ、まだ未発展の子供のスライム。危ないこともあるかもしれないですし、あの子の成長には要注意ですね。』
-----------------------------------------------
今回はなんとなくスライム達の会話を入れてみました。
アクアはのんびり口調で、リーンはしっかりした感じ、テイロは後輩的な感じにしてみました。もしよかったらまた入れていこうかなとも思います。
念のため水槽の中に入れておいたはずなんだが、そこからどうにか抜け出したっぽい。そしてなぜか俺の布団に潜り込んでいた。
「おいマロ、早く起きろよ。」
「zzz……」
「って全然起きねえな。」
まだ生まれて1日しか経ってないし、子供っぽさみたいなのは抜けてないようだ。俺もそっちの方が愛着もてるからな。なんせ、ほかのスライムはみんな頭いいし、働き者だからな。今でもすでに畑を耕してるミニスライム達がいる。
「まぁ、しばらく寝かせておくか。とりあえず朝ごはんからだな。」
キッチンの方に行くと、リーンが待っていた。スライム達は配膳だったりを手伝ってくれるが、調理を手伝うのはリーンぐらいなものだ。なんか本当にしっかりとしているな。よくカバンの中身とか整理してくれるし。
「今日はフレンチトーストを作るぞ。まず卵と蜂蜜と……」
最近の朝ごはんは必ず新しいものを作っている。リーンが教えろと飛び跳ねてくるからだ。なんでそんなに料理に興味があるのだろうか?ハンカチも最近は色やデザインにも気をつけてるっぽいしな。
「んで、この卵液にパンをしばらく浸しておくんだよ。」
「ピュー、」
俺が教えているのを見て、腕を合わせてしっかりと聞いているリーン。そんな様子を見たテイロはほかのミニスライム達を呼んで皿の配膳をしてくれている。アクアはマロのことを見ていたが間も無く寝てしまった。やっぱマイペースだ。一応あいつがいちばんの古株なんだけどな。
「よし、これで完成だ。これがフレンチトーストだよ。」
「ピュー♪」
わかったと跳ねる。そういえばどれくらい記憶力あるのかな?一回しか教えてないのにすぐに作れるようになるし。
「それじゃあリーン達はフレンチトーストを切り分けて配膳してね。俺はマロ達を呼びに……あれ、もう来ていた。」
呼びに行こうとしたが、すでにアクアが後ろにマロを引き連れてぴょんぴょんと跳ねてきた。料理の匂いに惹かれたのか?そんなマロは机の方にぴょんと飛び乗る。
「あ、こらまだ待たな……いと?」
俺は飛び乗り食べるであろうマロを止めようとしたが、そのマロは早く食べたそうに待っていた。
「あれ、待ってる?」
マロはそんな俺の様子を見て『早くたべたいよー、』と腕を揺らしてそのようなことを伝える。
「ふふ、そうだな早く食べようか。みんなも食べよう。」
俺はマロに今日もフレンチトーストを切り分ける。フォークに刺して食べさせようとしたが、マロは自ら腕を伸ばしてフォークを取った。
「きゅー、きゅ!?」
だが、持ち上げるとぽろっと落としてしまった。マロは悔しがるようにしょんぼりとする。
「あらら、次に出来るように頑張ればいいよ。」
「きゅー、きゅー♪」
~~~~~~~~
朝ごはんを食べた後、俺たちはマロとアクアとリーンとテイロと数匹のミニスライムを連れて森奥に来ていた。目的はマロの魔法やスキルの調査だ。俺の持ってない魔法なため、少し離れないといけないと思った。
「それじゃあ、まずは結界魔法からだ。できそうか?」
「きゅー!」
おお、マロの前に長方形の魔法陣が出てきた。とりあえず小さい石を投げてみよう。ほいっと、
カン!
想像通り石は結界に当たると甲高い音を出して跳ね返った。次は火の魔法だ。『ファイアボール』
シュウーーー
「おお!すごいな。」
また跳ね返ると思ったら今度は結界に魔法が吸収されていった。魔力のみのものだと吸収できるのかな?というか生まれて間もないのにこんなことがポンとできるとは。
「きゅ♪きゅ♪きゅ♪」
当の本人は嬉しそうに跳ねている。
「それじゃあ次は重力魔法だな。やってみて。」
「きゅー!」
マロは叫んで力をためた、、が何も起こらない。なんでだ?あ、そうだ。俺は石をほいっと投げる。
ズドン!
石は突然すごい勢いで下に落ちた。これがマロの重力魔法の能力か。逆に抑えることもできるのか?
「マロ、今度は軽くできるか?」
「きゅー?きゅー、」
あんまり理解できてない様子だったが、もう一度力を溜めた。また石を投げる。
スト、
今度は軽く落ちた。若干落ちた時の音が小さかったから重力が多分弱くなったんだろう。もしこの魔法をうまく使えばプロレス技もより良くなるかもな。ムーンサルトとかだったら重力強くすれば威力増すだろうし、遠くからドロップキックした時も重力を弱くしてくれれば怪我も少なくなるかな?多分能力的にもできないだろしいつかだと思うな。
「最後に付与魔法をやってみて。」
「きゅー!」
なんか体が軽くなってきた。何がかかったかわからないけど、他にも色々あるのかな?まぁおいおい探していけば良いかな?
「それじゃあ、戻ろうか。」
俺の言葉にスライム達は腕をビシッと伸ばし、列を組んで家に戻った。
~~~~~~~~~
マロが魔法を試している時のスライム達の会話。(話しているわけではなく、腕を伸ばしたり、飛び跳ねたりしている。)
『あの子すごいねー。昨日生まれたばかりなのに。』
『そうですね、あの調子だと後1週間ぐらいで我々と同じくらいの力をつけそうですね。』
『そうっすね!やっぱりあのドラゴンの血が俺らより強く作用してたっすもんね。』
『ええ、おそらく魔力が高いものを欲しがるのも彼女の特性でしょうね。寝ていたのにアクアの水に反応したのは驚きましたね。』
『ほんとそれ!やっぱ私の水ってとくべつなんだねー♪』
『いや、リーン姐さんの言いたいことそれじゃないっすよ。アクアさん。』
『まあ、まだ未発展の子供のスライム。危ないこともあるかもしれないですし、あの子の成長には要注意ですね。』
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今回はなんとなくスライム達の会話を入れてみました。
アクアはのんびり口調で、リーンはしっかりした感じ、テイロは後輩的な感じにしてみました。もしよかったらまた入れていこうかなとも思います。
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