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第4.5章 スライムを飼う?
第42話 モンスターの卵
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これはシャルケ達との一件から1週間ほどがたったん頃である。
俺は新しく剣を作ってもらうために鍛治工場に来ていた。防具も頼もうかと思ったが、『服は私達が作るので、必要ないです!!』とリーンが腕をいつも以上に激しく揺らしていたので、やめた。
剣の材料にと、テイロやミニスライム達によって加工され、綺麗な鉱石になった物を渡すと「なんだーーこりゃーーーー!?」と非常に驚かれた。俺が渡した淡い紫色を帯びた鉱石はミスリルという異世界モノにありがちな鉱石だった。話を聞くと、ミスリルはものすごい強度を持ちながら親魔力性という魔力へのなじみやすさというのが最も高い鉱石らしい。そのため魔剣にするには最適な素材らしい。
またミスリルの採掘場所もかなり数が少なく、この街ではほとんど掘りつくされたとされてたそうだ。さらに原石を加工して綺麗な鉱石にする技術は現段階ではこの街には持ち合わせておらず、別の国のある職人が持っているそうだ。そのため本来加工するには5時間をかける必要がある。それをテイロしかできなかったとはいえあっという間にしてしまったのは驚愕の事実らしい。
「ミスリルで作るとなると3日は欲しいな。3日後にまたきてくれ。」
「わかりました。お願いします。」
工場を後にした。テイロはかなり興味津々だったようで、待っている間もぴょんぴょんと色んなところを見ていたし、離れた時に少し名残惜しそうな様子をしていた。また来るからいいじゃん。
しばらくブラブラと歩いてたら、ミラノさん達がある店で何かを見ていた。
「あ!ミラノさん!こんにちわ。」
「ん?おお!シンジじゃないか。あの一件以来だな。どうかしたのか?」
「あ、今ミラノさん達が何かしているのを見たのでちょっと来てみただけで。」
「ああ、そういうことか。実はな……。」
ミラノさん達の前には卵が置いてあった。下にはモンスターの卵と書かれていた。
「モンスターの卵?」
「ああ、これに魔力を通すと孵って新たなモンスターが生まれてくるんだ。」
「モンスターって卵生なんですか?胎生だと思ってたんですが?」
「胎生?それはよくわからんが卵生ではないな。これは魔力によってできたもので、直接産んだわけじゃない。まだ詳しいことは分からないんだと。」
この世界に胎生って言葉は無かったのか。話を聞くと、一般的なのから珍しいものまで産まれてくるそうだ。孵る時は全ての種族が赤ちゃんから生まれてくる。まぁここはそうだな。ただあまり流通はしないし、モンスターということもありそこら辺のペットとはわけが違い、一般人や子供は簡単には飼えないそうだ。もちろん出てきたのが犬とかなら飼う人もいるそうだ。中にはドラゴンの稚児も出てきたらしい。
「これが出たのは5日前なんだけど、誰も孵化出来ないんだよな。」
「そんなことあるんですか?」
「基本ないな。特性とか関係ないのがモンスターの卵だからな。極端な話、魔力適性が最低の人でも飼うことができるからな。」
なるほど、たしかにそれは不思議だな。でもこんな卵からドラゴンなんかも生まれるんだな。目の前にあるのは30センチほどの大きさだ。
「シンジも試しに持ってみたらどうだ?持つだけなら別に金は取られない。」
「そうですね。せっかくなんで触ってみようかな。」
卵に近づくと、さっきまでおとなしくしていたアクア達が興味津々で卵を触ったり、卵の周りをぴょんぴょんと跳ねている。
「何が入ってるのか興味あるのかな?」
そんな可愛らしい動きを見てほっこりしながら卵を持ち上げてみる。
パリン!
「え?」
「「「え!?」」」
触った瞬間卵にヒビが入った。
パリパリパリパリ!!
ポン!
「うわっと、ん?」
何もいない?そんなことあるのか?
ひょっこり
卵の底の部分に何かがいる。よく見てみると。
「、、、スライム?かな?」
卵の底にはとんでもなく小さなスライムがいた。5センチぐらいだろうか?ミニスライムでさえ手のひらサイズはあるから相当小さい。
「うおーーー!割れたー!」
店の中が大騒ぎになる。そんな騒ぎに生まれたばかりのスライムは困惑して横に体を動かしている。
「ああ、落ち着いてください!!まだ生まれたばかりの赤ちゃんなんで騒ぐとびっくりしちゃいます!!」
「あ、ああ、おいみんな!!用が済んだら早く出て行ってくれ。」
俺の言葉にミラノさんが反応して、騒ぎを鎮めてくれた。
「おお!卵が孵ってる!!」
「あ、店員さん。お金払うんでもらってもいいですか?」
「勿論だ。10000ダリルだ。」
10000ダリル、日本のペットより安いな。育てる必要があるから一概にそうとは言えないけど。
「一応卵の殻も回収していくか。」
散らばってしまった卵の殻を拾い、カバンに入れていく。そして白色の赤ちゃんスライムを手に乗せて宿屋に戻る。
「何食べるかわからないし、色々買っていくか。」
ついでに八百屋などに立ち寄った。
俺は新しく剣を作ってもらうために鍛治工場に来ていた。防具も頼もうかと思ったが、『服は私達が作るので、必要ないです!!』とリーンが腕をいつも以上に激しく揺らしていたので、やめた。
剣の材料にと、テイロやミニスライム達によって加工され、綺麗な鉱石になった物を渡すと「なんだーーこりゃーーーー!?」と非常に驚かれた。俺が渡した淡い紫色を帯びた鉱石はミスリルという異世界モノにありがちな鉱石だった。話を聞くと、ミスリルはものすごい強度を持ちながら親魔力性という魔力へのなじみやすさというのが最も高い鉱石らしい。そのため魔剣にするには最適な素材らしい。
またミスリルの採掘場所もかなり数が少なく、この街ではほとんど掘りつくされたとされてたそうだ。さらに原石を加工して綺麗な鉱石にする技術は現段階ではこの街には持ち合わせておらず、別の国のある職人が持っているそうだ。そのため本来加工するには5時間をかける必要がある。それをテイロしかできなかったとはいえあっという間にしてしまったのは驚愕の事実らしい。
「ミスリルで作るとなると3日は欲しいな。3日後にまたきてくれ。」
「わかりました。お願いします。」
工場を後にした。テイロはかなり興味津々だったようで、待っている間もぴょんぴょんと色んなところを見ていたし、離れた時に少し名残惜しそうな様子をしていた。また来るからいいじゃん。
しばらくブラブラと歩いてたら、ミラノさん達がある店で何かを見ていた。
「あ!ミラノさん!こんにちわ。」
「ん?おお!シンジじゃないか。あの一件以来だな。どうかしたのか?」
「あ、今ミラノさん達が何かしているのを見たのでちょっと来てみただけで。」
「ああ、そういうことか。実はな……。」
ミラノさん達の前には卵が置いてあった。下にはモンスターの卵と書かれていた。
「モンスターの卵?」
「ああ、これに魔力を通すと孵って新たなモンスターが生まれてくるんだ。」
「モンスターって卵生なんですか?胎生だと思ってたんですが?」
「胎生?それはよくわからんが卵生ではないな。これは魔力によってできたもので、直接産んだわけじゃない。まだ詳しいことは分からないんだと。」
この世界に胎生って言葉は無かったのか。話を聞くと、一般的なのから珍しいものまで産まれてくるそうだ。孵る時は全ての種族が赤ちゃんから生まれてくる。まぁここはそうだな。ただあまり流通はしないし、モンスターということもありそこら辺のペットとはわけが違い、一般人や子供は簡単には飼えないそうだ。もちろん出てきたのが犬とかなら飼う人もいるそうだ。中にはドラゴンの稚児も出てきたらしい。
「これが出たのは5日前なんだけど、誰も孵化出来ないんだよな。」
「そんなことあるんですか?」
「基本ないな。特性とか関係ないのがモンスターの卵だからな。極端な話、魔力適性が最低の人でも飼うことができるからな。」
なるほど、たしかにそれは不思議だな。でもこんな卵からドラゴンなんかも生まれるんだな。目の前にあるのは30センチほどの大きさだ。
「シンジも試しに持ってみたらどうだ?持つだけなら別に金は取られない。」
「そうですね。せっかくなんで触ってみようかな。」
卵に近づくと、さっきまでおとなしくしていたアクア達が興味津々で卵を触ったり、卵の周りをぴょんぴょんと跳ねている。
「何が入ってるのか興味あるのかな?」
そんな可愛らしい動きを見てほっこりしながら卵を持ち上げてみる。
パリン!
「え?」
「「「え!?」」」
触った瞬間卵にヒビが入った。
パリパリパリパリ!!
ポン!
「うわっと、ん?」
何もいない?そんなことあるのか?
ひょっこり
卵の底の部分に何かがいる。よく見てみると。
「、、、スライム?かな?」
卵の底にはとんでもなく小さなスライムがいた。5センチぐらいだろうか?ミニスライムでさえ手のひらサイズはあるから相当小さい。
「うおーーー!割れたー!」
店の中が大騒ぎになる。そんな騒ぎに生まれたばかりのスライムは困惑して横に体を動かしている。
「ああ、落ち着いてください!!まだ生まれたばかりの赤ちゃんなんで騒ぐとびっくりしちゃいます!!」
「あ、ああ、おいみんな!!用が済んだら早く出て行ってくれ。」
俺の言葉にミラノさんが反応して、騒ぎを鎮めてくれた。
「おお!卵が孵ってる!!」
「あ、店員さん。お金払うんでもらってもいいですか?」
「勿論だ。10000ダリルだ。」
10000ダリル、日本のペットより安いな。育てる必要があるから一概にそうとは言えないけど。
「一応卵の殻も回収していくか。」
散らばってしまった卵の殻を拾い、カバンに入れていく。そして白色の赤ちゃんスライムを手に乗せて宿屋に戻る。
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