42 / 196
第4章 北の鉱山街バーム
第41話 テイマー
しおりを挟む
ギルドマスター室で俺は栄光の者の人達と話している。今は装備を外して、ミニスライム達も見えるようにしている。
「お前のあの体技はなんだ?すごかったな。あれだと、対象の体にあまり傷つかずに倒すことができる。解体も考えてるな。」
「あはは、これ故郷から伝わったものなので詳しくは言えないですが、かなり使えます。」
プロレスなんて言っても伝わらないだろうし、あんまり細かいこと言ってもなー、
「ああ、そうだな。いつか手合せ願いたいものだな。」
「ええ!?無理ですよ!まだDランク風情なのに、こんな強い人と戦うなんて。」
「そんなことないわよ、君はすでにA級にも勝るとも劣らない実力を持っている。経験が少ないだけ。」
「いや、そんなことは。」
「それにしてもこの子達凄いね。特にスライム達の魔法、姿は全く変わらないのにそれぞれが得意属性を持っているなんてね。」
すごいと言われ喜ぶアクア達。ぴょんぴょんと跳ねたり、腕をニューと伸ばして喜びを表している。
「なんて可愛いの!!抱いてもいいかしら?」
「え、ああいいと思いますが、みんなはどう?」
俺が聞くと、みんな嫌がらず腕をシュッと上にあげて肯定の意を示した。
「うん、すごいすべすべしてる。しかもぷるんとすごい柔らかい。」
「触ったことないんですか?」
「普通テイムされたスライムでも知能が低い個体ばかりだからね。それに強い人ほどスライムをテイムする人は少ない。」
そういえば、本来スライムは知能が低いって言ってたな。うちのスライム達が賢すぎるからか忘れていた。
「僕も駆け出しの頃はスライムをテイムしたことがあったな。スライムはご飯さえあげれば大体の個体は了承するから初心者には簡単だったな。ただ監視してないとなにをしでかすかわからなかったけど。」
「マークさんも最初はスライムを?」
「そうだよ。ただランクが上がっていくほどテイムするモンスターは変わっていったかな。今はハイフェンリルの[フー]が僕のテイムモンスターだね。」
すると、マークさんの右肩に魔法陣が浮かび上がり、そこから1匹の純白の犬が出てきた。
「マークさん、これは一体?」
「ああ、これは時空魔法の一つで[オールディメンジョン]ていう魔法で、生きているものも入れることができるんだ。フーは街を歩かせるには大きいからこうやって亜空間に入れてるんだ。」
「へぇーそんなのがあるんですね。」
「君の場合はいらないかもね。知能の高いスライムは隠密行動ができる個体もいるし、小さいから君には不要だね。」
「スライム達はみんな勝手に行動しないから拘束する必要がないですね。数が多いミニスライムも擬態してくれるので。」
バタン!
「色々と話がまとまったぞ。」
ジーさんがギルドマスター室に戻ってきた。
「まず、シャルケとジャルファ一家は地位の剥奪およびこの街から出ていくことが確定した。それに変わって新たに領主が代わった。」
新しい領主は市民からも非常に信頼の厚い貴族らしい。これならシャルケ達の二の舞は起きないかな。
「シンジ君、僕たちのパーティーに入らないか?」
「え、、?」
突然のマークさんの発言に俺は驚くことしかできなかった。
「君の実力、若さ、ポテンシャルなら僕たちのパーティーに入っても問題ない。どうかな?」
少し迷ってしまった。王国の実力がどのくらいあるのかわからない。もしかしたらドラゴンを平気で倒せるのかもしれない。仮にそうだとしたらこの人たちの元にいた方が安全だ。だけど、
「ありがたいお話ですが、断らせていただきます。」
「、、理由を聞いてもいいかな?」
「はい、自分はこの世界をゆっくり旅したいと、そして何よりこいつらとともに自由に冒険がしたいんです。」
「ふ、そうか。愚問だったようだね。それじゃあ僕たちは行こうか。」
「おう、」
「ええ。」
もしかしたらとんでもない勧誘を断ったのかもしれない。でも後悔はしてない。
「それじゃあ、シンジも今日はもう戻れ。」
「はい、わかりました。行くよ、みんな。」
ミニスライムたちを体に擬態させ、アクアたちを連れてギルドを出た。
~~~~~~~~
「おい、マーク。」
「ん、なんだ。」
「本当にあれでよかったのかよ。どんな人も入れようとしなかったお前が勧誘するほどの人材を取らなくても。」
「ああ、あれはさっきも言った通り愚問だった。本当にそうだった。」
僕は少し彼を試してしまった。同じテイマーとして、先輩として。彼のあのスライムたちに対する愛情。懐かしいな、僕もあんな感じだったかな。
もちろん今のフーにも感謝している。けどテイマーの本質を忘れかけてたかもな。
「それじゃあ、行こうか。」
-----------------------------------------------
これにてシャルケ編完全終了となりました。
次回から4.5章という形で更新していく予定です。
「お前のあの体技はなんだ?すごかったな。あれだと、対象の体にあまり傷つかずに倒すことができる。解体も考えてるな。」
「あはは、これ故郷から伝わったものなので詳しくは言えないですが、かなり使えます。」
プロレスなんて言っても伝わらないだろうし、あんまり細かいこと言ってもなー、
「ああ、そうだな。いつか手合せ願いたいものだな。」
「ええ!?無理ですよ!まだDランク風情なのに、こんな強い人と戦うなんて。」
「そんなことないわよ、君はすでにA級にも勝るとも劣らない実力を持っている。経験が少ないだけ。」
「いや、そんなことは。」
「それにしてもこの子達凄いね。特にスライム達の魔法、姿は全く変わらないのにそれぞれが得意属性を持っているなんてね。」
すごいと言われ喜ぶアクア達。ぴょんぴょんと跳ねたり、腕をニューと伸ばして喜びを表している。
「なんて可愛いの!!抱いてもいいかしら?」
「え、ああいいと思いますが、みんなはどう?」
俺が聞くと、みんな嫌がらず腕をシュッと上にあげて肯定の意を示した。
「うん、すごいすべすべしてる。しかもぷるんとすごい柔らかい。」
「触ったことないんですか?」
「普通テイムされたスライムでも知能が低い個体ばかりだからね。それに強い人ほどスライムをテイムする人は少ない。」
そういえば、本来スライムは知能が低いって言ってたな。うちのスライム達が賢すぎるからか忘れていた。
「僕も駆け出しの頃はスライムをテイムしたことがあったな。スライムはご飯さえあげれば大体の個体は了承するから初心者には簡単だったな。ただ監視してないとなにをしでかすかわからなかったけど。」
「マークさんも最初はスライムを?」
「そうだよ。ただランクが上がっていくほどテイムするモンスターは変わっていったかな。今はハイフェンリルの[フー]が僕のテイムモンスターだね。」
すると、マークさんの右肩に魔法陣が浮かび上がり、そこから1匹の純白の犬が出てきた。
「マークさん、これは一体?」
「ああ、これは時空魔法の一つで[オールディメンジョン]ていう魔法で、生きているものも入れることができるんだ。フーは街を歩かせるには大きいからこうやって亜空間に入れてるんだ。」
「へぇーそんなのがあるんですね。」
「君の場合はいらないかもね。知能の高いスライムは隠密行動ができる個体もいるし、小さいから君には不要だね。」
「スライム達はみんな勝手に行動しないから拘束する必要がないですね。数が多いミニスライムも擬態してくれるので。」
バタン!
「色々と話がまとまったぞ。」
ジーさんがギルドマスター室に戻ってきた。
「まず、シャルケとジャルファ一家は地位の剥奪およびこの街から出ていくことが確定した。それに変わって新たに領主が代わった。」
新しい領主は市民からも非常に信頼の厚い貴族らしい。これならシャルケ達の二の舞は起きないかな。
「シンジ君、僕たちのパーティーに入らないか?」
「え、、?」
突然のマークさんの発言に俺は驚くことしかできなかった。
「君の実力、若さ、ポテンシャルなら僕たちのパーティーに入っても問題ない。どうかな?」
少し迷ってしまった。王国の実力がどのくらいあるのかわからない。もしかしたらドラゴンを平気で倒せるのかもしれない。仮にそうだとしたらこの人たちの元にいた方が安全だ。だけど、
「ありがたいお話ですが、断らせていただきます。」
「、、理由を聞いてもいいかな?」
「はい、自分はこの世界をゆっくり旅したいと、そして何よりこいつらとともに自由に冒険がしたいんです。」
「ふ、そうか。愚問だったようだね。それじゃあ僕たちは行こうか。」
「おう、」
「ええ。」
もしかしたらとんでもない勧誘を断ったのかもしれない。でも後悔はしてない。
「それじゃあ、シンジも今日はもう戻れ。」
「はい、わかりました。行くよ、みんな。」
ミニスライムたちを体に擬態させ、アクアたちを連れてギルドを出た。
~~~~~~~~
「おい、マーク。」
「ん、なんだ。」
「本当にあれでよかったのかよ。どんな人も入れようとしなかったお前が勧誘するほどの人材を取らなくても。」
「ああ、あれはさっきも言った通り愚問だった。本当にそうだった。」
僕は少し彼を試してしまった。同じテイマーとして、先輩として。彼のあのスライムたちに対する愛情。懐かしいな、僕もあんな感じだったかな。
もちろん今のフーにも感謝している。けどテイマーの本質を忘れかけてたかもな。
「それじゃあ、行こうか。」
-----------------------------------------------
これにてシャルケ編完全終了となりました。
次回から4.5章という形で更新していく予定です。
136
お気に入りに追加
11,479
あなたにおすすめの小説

外れスキル『収納』がSSS級スキル『亜空間』に成長しました~剣撃も魔法もモンスターも収納できます~
春小麦
ファンタジー
——『収納』という、ただバッグに物をたくさん入れられるだけの外れスキル。
冒険者になることを夢見ていたカイル・ファルグレッドは落胆し、冒険者になることを諦めた。
しかし、ある日ゴブリンに襲われたカイルは、無意識に自身の『収納』スキルを覚醒させる。
パンチや蹴りの衝撃、剣撃や魔法、はたまたドラゴンなど、この世のありとあらゆるものを【アイテムボックス】へ『収納』することができるようになる。
そこから郵便屋を辞めて冒険者へと転向し、もはや外れスキルどころかブッ壊れスキルとなった『収納(亜空間)』を駆使して、仲間と共に最強冒険者を目指していく。

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる
十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。

異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。
sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。
目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。
「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」
これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。
なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。
スキル盗んで何が悪い!
大都督
ファンタジー
"スキル"それは誰もが欲しがる物
"スキル"それは人が持つには限られた能力
"スキル"それは一人の青年の運命を変えた力
いつのも日常生活をおくる彼、大空三成(オオゾラミツナリ)彼は毎日仕事をし、終われば帰ってゲームをして遊ぶ。そんな毎日を繰り返していた。
本人はこれからも続く生活だと思っていた。
そう、あのゲームを起動させるまでは……
大人気商品ワールドランド、略してWL。
ゲームを始めると指先一つリアルに再現、ゲーマーである主人公は感激と喜び物語を勧めていく。
しかし、突然目の前に現れた女の子に思わぬ言葉を聞かさせる……
女の子の正体は!? このゲームの目的は!?
これからどうするの主人公!
【スキル盗んで何が悪い!】始まります!

劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?
はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、
強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。
母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、
その少年に、突然の困難が立ちはだかる。
理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。
一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。
それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。
そんな少年の物語。

集団転移した商社マン ネットスキルでスローライフしたいです!
七転び早起き
ファンタジー
「望む3つのスキルを付与してあげる」
その天使の言葉は善意からなのか?
異世界に転移する人達は何を選び、何を求めるのか?
そして主人公が○○○が欲しくて望んだスキルの1つがネットスキル。
ただし、その扱いが難しいものだった。
転移者の仲間達、そして新たに出会った仲間達と異世界を駆け巡る物語です。
基本は面白くですが、シリアスも顔を覗かせます。猫ミミ、孤児院、幼女など定番物が登場します。
○○○「これは私とのラブストーリーなの!」
主人公「いや、それは違うな」

うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生
野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。
普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。
そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。
そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。
そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。
うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。
いずれは王となるのも夢ではないかも!?
◇世界観的に命の価値は軽いです◇
カクヨムでも同タイトルで掲載しています。

異世界巻き込まれ転移譚~無能の烙印押されましたが、勇者の力持ってます~
影茸
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれ異世界に転移することになった僕、羽島翔。
けれども相手の不手際で異世界に転移することになったにも関わらず、僕は巻き込まれた無能と罵られ勇者に嘲笑され、城から追い出されることになる。
けれども僕の人生は、巻き込まれたはずなのに勇者の力を使えることに気づいたその瞬間大きく変わり始める。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる